地域社会における課題解決に多様な主体が参画することに関して、家庭や地域などの小さな単位でできることは、国や地方自治体などが行うのではなく、まず、小さな単位が主体的に取り組み、その小さな単位では解決できないことを地方自治体や国などのより大きな行政主体が実施すべきであるという考え方、いわゆる「補完性の原則」が有効と考えられます。
こうした考え方のもと、行政だけでなく、新たに地域住民、NPO、コミュニティ、企業等の多様な主体が公共サービスを担うことが期待されています。例えば、今後、定年退職し、職場から地域に戻ってくる団塊の世代のビジネスパーソンは、社会で様々なスキルを身につけた新たな「公」の担い手となる貴重な資源ととらえることができます。
なお、地域社会の課題を解決するためのコミュニティ活動には、日頃の住民同士の日常的接触や親睦活動等を通した信頼関係が必要であり、相手の人となり、参加者の個性や集団の性格を理解した上で、ソーシャル・キャピタル(※1)を形成する契機となるような仕組みを構築していくことが重要といえます。
(※1)
社会関係資本。ここでは、人と人やコミュニティなどのつながり・信頼関係を資本・資源としてとらえたもの。 |