画像:住民参画システム利用の手引き 〜地域SNS、公的認証対応アンケートシステム〜
トップページ実践編 地域SNS>より多くの人に参加していただく方策
目次
座長あいさつ
総論
導入検討編
実践編 地域SNS

1. 導入の手順

2. 必要な体制
2-1 運営体制
2-2 住民による運営のための体制
2-3 より多くの人に参加していただく方策
2-4 地域SNS間の広域連携
2-5 行政職員の積極的な参加

3. 地域SNSの運用ルール
4. 参加者の募集
5. いよいよ運用開始
6. トラブル発生への対処方法
7. 災害発生時の活用
8. 終了


実践編 電子アンケートシステム
資料編
2-3 より多くの人に参加していただく方策

多くの人に活発に参加していただくにはどうしたらいいですか?

キーワード
・活発に利用されている例(藤沢、八代、実証実験から)
・活発に利用される場合に共通する点

関連項目
【実践編 地域SNS】 4-1 参加者の募集方法

・ 地域SNSは、日記の機能などがあることから、電子会議室に比べて、比較的普段から使われやすいサービスです。八代市の場合でも、それまでの電子会議室から地域SNSに移行したところ、利用者(参加登録者)が約3倍に増加しました。

・藤沢市市民電子会議室の場合、子育てやグルメといった、住民が親しみやすいテーマの会議室に人気があります。もちろん、会議室の雰囲気や進行役や参加者(コアメンバー)などの人柄などによる影響も大です。
・懇親会などの交流会を定期的に開催することで、互いの親密さが増し、活発になる場合もあります。リアルの活動と結びつけたコミュニティにすることも、活発に活用される鍵です。
・地域SNSで参加者が集まらない場合、認知度が低い、使い方がわからない、ひとりで参加してもつまらないなどの要因が想定されます。地域SNSは必ずしも知らないインターネットの世界にひとりで参加するのではなく、既存の友人関係や活動をより楽しく、活発にするものであることを積極的にPRすることが重要です。中心的に活躍していただけそうな地域のキーマンなどに参加を呼びかけ、口コミなどで参加者を拡大していく方法も有効です。

参加者が集まらない要因と対応策
想定される要因 対応策の例
認知度が低い ・ホームページや広報紙などによるPR。
・中心的に活躍していただけそうな人に参加を働きかける。
・自治会やサークルなど、活発に活動しているところに、活動支援ツールとしての活用を働きかける。
・学校などで活用する。
使い方がわからない ・説明会の開催。
・メールなどによる相談受付。
・サークルなど既存の活動団体ごとに研修会を開く。
ひとりで参加してもつまらない ・友人同士での参加の呼びかけ。
・友人、グループを対象とした研修会の開催。
・ひとりで参加しても楽しめるコミュニティの開設(初心者練習用コミュニティなど)
既に他のSNSを使っている ・地域SNSから他のSNSに更新情報が送信できる旨の説明、PR。
・地域SNSならではの機能や使い方のPR(地域情報発信、災害時利用、まちかどレポーターなど)。
パソコンが苦手 ・一度パソコンから登録すれば、後は携帯電話からも利用できる旨の説明、PR。
・公共施設などのインターネット端末からでも利用できることをPR。
・公共端末への相談員の配置。
・テレビ端末などからの利用(平成18年度実証実験予定)。



藤沢市での取り組みについて
・藤沢市の市民電子会議室を担当する市民自治推進課の金子隆さん(ICT 住民参画研究会の理論ワーキンググループのメンバー)に、参加者が多い会議室の特徴や参加者を増やすために行った工夫などについて伺いました。
○市役所エリア(市が主催)
「くらし・まちづくり会議室」

・藤沢市にくらす中でのちょっとした気づきや新しい提案などを持ちより、意見を交換したり議論をかわしたりしながら、毎日の生活に役立つ情報を共有していく会議室です。日常生活の中のふとした疑問から、社会や文化にかかわる問題提起まで、藤沢市でのくらしをよりいっそう豊かに楽しく送れるような意見を寄せる趣旨となっています。
・扱う話題が生活やまちづくりの課題等であっても、例えば「ゴミのこと」のように明確にテーマを決めていない(会議室名を限定していない)ところが、誰でも自分のペースで意見や気づきを出しやすくて、いいのかもしれません。市役所エリアのメインストリート的存在になっています。
・ただし、進行役はプロを含めて3人置き、意見のまとめを適宜行ったり(意見の編集・まとめ機能が会議室にあります)、盛り上がったテーマが出てきた場合は会議室を分割するなど、手厚いフォローをしています。また、市各課(職員)からの積極的かつスピーディな情報提供があるのも特徴です。
○市民エリア(市民が主催)
「WEB版『ふじさわ自然通信』」(参加者:106人)
「井戸端電子会議室」(参加者:105人)
「バリアフリーを考える会議室」(参加者:91人)

・WEB版『ふじさわ自然通信』とバリアフリーを考える会議室については、会議室だけではなくリアルの活動母体があることが、参加者が多く、長寿の秘訣のようです。
・井戸端電子会議室については、世話人自身が入門者のために開設した長寿の会議室です。くらし・まちづくり会議室の市民エリア版的な雰囲気もあります。
・いずれの会議室も、ニックネームが使え(ただし、開設者・進行役は参加者の本名がわかることがポイント)、肩肘張らずに参加できる点、また、開設者・進行役の人柄が参加者の多い大きな理由のように感じます。
・市役所エリアも市民エリアも参加者を増やすために、各会議室ごとのPR用チラシをつくり、市民まつりのようなイベントで配布したり、市施設カウンターに置いています。また、会議室ごとの企画持ち込み講習会を市と協働で行ったり、インタビューして広報紙に掲載するなども大きな効果がありました。
・システム的には、会議室一覧(トップページ)に「ホットメッセージ」を各開設者が自分で自由に設定できるようにしてあり、また48時間以内に発言がある会議室はトップページのタイムスタンプが赤字になり、アクティブ感を醸し出しています(ネオンサイン・赤提灯的効果)。
藤沢市の金子隆さんの写真


ごろっとやっちろ(八代市)利用者座談会

■日時:平成18年2月15日(水)14:00〜16:30
■場所:八代市役所内 2階会議室
■出席者:
 ごろっとやっちろ利用者(A さん、B さん、C さん、D さん)
 八代市 企画財政部広報広聴課 友田主任、行政管理部情報推進課 小林主任
 総務省自治行政局自治政策課 村上事務官
 三菱総合研究所 村上(記録者)

小林さん:
今日は、ごろっとやっちろのコアメンバーにお集まりいただきました。使い始めたきっかけや、普段使っていて感じることなど、ざっくばらんにお話いただければと思います。

A さん:
参加するのが少ないのは登録制だからだと思う。運営しているのが市役所だから信頼して登録できるが市役所じゃないと、怖くて登録できない。住所、氏名など、結構詳細に書かないといけないから。でもその分、安心感はある。普通の電子掲示板は、たたかれたり、騙られたりする

B さん:
普通の電子掲示板でへこんだ経験がある。あるお店について、子連れでいけるかどうかを聞いたら、お前のようなやつがこの掲示板に来るなとののしられ、他の人も入って喧嘩状態になった。普通の電子掲示板は、匿名性がある分、怖い。

C さん:
mixiは、最初は怖くて登録できなかった。有名人が登録していることを知って、やっと登録した。

D さん:
わたしは普通の電子掲示板をやったことがなくて、ごろっとが初めてだったので、そういう怖さはわからない。

A さん:
携帯電話から登録、利用できるようになると、利用しやすくなるが、怖さが増しそう。

C さん:
でも、携帯電話から利用できると便利。

B さん:
今のごろっとも利用できるが、まだ見づらい。カッパ(ごろっとのキャラクター)、文字、カッパ、文字の繰り返し(笑)。

A さん:
携帯電話を使うと、お店の突撃レポートができる。写真も掲載するともっとわかりやすい。

B さん:
やっぱり、写真は必要でしょう。

小林さん:
今のごろっとは、その人が今どこにいるかもわかる。相手に教えていいかどうか、確認メールがくる。それに返信しないと、相手には居場所を教えない。地図は今は八代市内だけだが、新しいごろっとでは、世界中の地図が利用可能になる予定。

C さん:
子育てしてる人には、パソコンを持っていない人も多い。キララ(実際の子育てサークル)は転勤族の人も多いが、そういう人がごろっとのキララのサークル(総務省地域SNSでいうコミュニティ)の情報を見られないのは残念。

B さん:
ごろっとの子育てママのサークルは、発言数が1500件を超えた。1日1〜2ページのペースで進むので埋もれやすい。

A さん:
「夜泣き」「けんか」「病気」のようなカテゴリをつけて、後から探せるようにするといい。ラーメン、蕎麦といったカテゴリや、八代市内、熊本市内といった地域で分けられると探すとき便利。

C さん:
ベネッセがやっているウィメンズパークは、検索機能があって便利。ごろっとにも、検索機能があるといい。時期も指定できるといい。

小林さん:
ごろっとの掲示板のグルーピングや整理はしたいと思っている。

C さん:
他人のことを悪意なく書いた場合、地域SNSだと特定されやすい。他人のことは本人の了解なしに書かないなどのルールづくりが必要。参加者同士は顔見知りの場合が多いのでまだ問題は少ないが、参加していない知人の話を書いたときが問題。

小林さん:
ごろっとは匿名性を排除するのが目的。匿名性を強くすると荒れる。ごろっとの場合、ニックネームを使っているが、実際には誰だか推定できるのも狙いのひとつ。公開になじまない情報は、別途クローズドのサークルを作るといいかもしれない。

D さん:
日記でも同じことを感じる。自分でよかれと思って書いたことでも、人によって感じ方が違う。また、子供が見ている点にも配慮が必要。

小林さん:
ごろっとは年齢制限は特に設けていません。小学生も入っています。微妙な発言があったことがありますが、庁内で担当者同士で話し合い、結局そのままにしました。できるだけ介在したくないと考えています。

C さん:
自分は×でも、他の人はOKかもしれないと考えると、その発言に対して、なかなかコメントできない。

小林さん:
顔が見える分、mixiより生々しい。

A さん:
住んでいるところもわかるし。ごろっとで食べ物の掲示板をやっているが、荒れない。他の掲示板では、ほめても悪口を書いても、必ず議論になってしまう。ごろっとの場合、参加者の身元がわかっているし、直接メールを送ることもできる。

小林さん:
A さんのお店(お蕎麦屋さん)に、ごろっとを見てお客さんが来ることはありますか?

A さん:
たまに。テレビ局が取材に来たこともあります。僕はいろんなお店の紹介をごろっとに書いてるんだけど、行ってみてあまりにひどい店は書かない。山の中にあるのに魚介類を出すとか。まずいとは書かず、紹介しない。文句を言うならその場で言ったほうがいいし、言わないのならもう行かなければいい。

C さん:
ごろっとは、ネガティブ発言は書きにくい雰囲気がある。いやなことがあっても、笑えることしか書けない。

B さん:
重くなることは書けない。

C さん:
いやでも、ポジティブな部分を探さないといけない。書いたら元気になる(笑)。

小林さん:
普通の掲示板は、匿名なので、自分をさらけ出せる。ごろっとは、人と会って話しているのと同じ。その人の反応を見ながら話す。

C さん:
私はごろっととmixiを使い分けてる。ごろっとは子育ての話、mixiでは他の話。地域の人に聞いて欲しい時や地域の人とつながりたい時は、ごろっとに書く。

B さん:
ごろっとは近所のことを聞くときに便利。

C さん:
子育てで悩んでいるとき、D さんに一度うちに遊びにおいでと誘われ、実際に会ってずいぶん救われた。おいでと言われ、いける距離であることは重要。

小林さん:
今、ごろっとの登録者数は、約1800人。発言するのは約200人/月。オフ会を一度やりましょうか。(注:参加者同士のオフ会は頻繁に行われている。)

C さん:
市役所主催で?(笑)

A さん:
画像検索ができるといい。画像にふきだしでコメントをつけられるといい。また、個人のトップページを新聞みたいにできると面白そう。操作を簡単にして年寄りでも使えるバージョンを作るのもいい。

C さん:
初心者向けのパソコンインストラクターをやってるけど、ごろっとを勧めてもなかなか入ってもらえない。何かよくわからないみたい。地域で食育の活動をするなど、実際にはいろんな活動をしている人たちでもだめ。

小林さん:
そもそも携帯電話やパソコンをあまり使いたくないのかもしれない。

B さん:
ニュースでネットの負の部分しか報道しないのも問題。ネットに入るハードルと、さらに書き込むハードルがある。

A さん:
不正請求の怖さもある。インターネットを始めたころ、ラーメン関係のメールにあったURLをクリックしたらエロサイトが開いた(苦笑)。

C さん:
ネットで株取引をしてるのに、ごろっとはやりたくないという人もいる。発信するのが苦手みたい。そうすれば、ネットワークを広げられるのかな。

小林さん:
自分たちが必要な情報があれば、孫に頼んでも見ると思う。市役所が設置しているキヨスク端末に、ごろっとを載せることを考えている。カメラもついているので、その場で登録もできる。

B さん:
キヨスク端末は壊しちゃうのではないかと、ちょっと躊躇してしまう。パソコンが不得手な人は、特にそうではないか。

A さん:
ごろっと内の情報をダイジェスト的に見せる機能があると、使ってもらいやすいかもしれない。

C さん:
市の広報誌で、もっと大きく取り上げて欲しい。そうすれば、安心感が高まる。

B さん:
「今月のごろっと」のように紹介してくれるといい。

C さん:
ごろっとには、生の地域情報が入っている。市に要望はなかなか出しにくいが、ごろっとなら書きやすい。

小林さん:
今、地域SNS同士をつなぐことを考えている。

C さん:
地域情報のリンク集はたくさんあるが、地域SNSはほとんどない。地域SNSがもっと広がって一般的になったら、地域SNSのリンク集もできるといい。情報を見つけやすくなったり、手が届きやすくなる。検索エンジンでひっかかりやすくすることも、地域SNSを広げるには必要。

B さん:
ごろっとに参加している静岡の「hanaさん」が、この週末、八代に遊びに来る。毎週、新潟に雪下ろしのボランティアに行かれてる人。

画像:会議の様子

C さん:
D さんに会いにくる。

A さん:
D さんは、観光資源になるな(笑)。

D さん:どこにお連れしようか、準備が大変(笑)。詳細が決まったら、回覧板でまわします。

B さん:
「八代X(エックス)」という八代を盛り上げるサイトの運営者が今度、大阪に帰ってしまう。スポンサーが降りてしまったから。

C さん:
八代の観光サイト、地域サイトは他にもいろいろある。でも、点在しており、人に教えてもらうまで存在を知らないことが多い。集めて、ごろっとでうまく紹介できるといい。

B さん:
mixiはだんなの友達が多いので、いい嫁を演じてる(笑)。自分は20歳代だが、だんなの友達は30歳代が多いので、それに合わせた書き方になる。ごろっとでは20歳台の自分の書き方(笑)。また、ごろっとしかわからない(伝わらない)話もある。ブログは適当(笑)。八代Xでは、はじける(笑)。辛口の発言をするときは、ハンドルネームを変える。

C さん:
私は逆にmixiでは、はじけてる(笑)。mixiは古い友人から連絡があったりしておもしろい。学生の時の気分で話しているのがmixi。ごろっとは大人の自分(笑)。他にブログを5つやってて、それぞれ使い分けている。だんなも同じくらい。複数持っていないと、書き分けができない。ごろっとで書けること、他のブログでしか書けないことがある。同じ子育てでも、ワイヤーママ(掲示板で情報を集めて雑誌にするサイトだが、雑誌は休刊し掲示板だけ残っている)に書く内容と、ごろっとの子育てママに書く内容は、また違う。

C さん:
場の温度差を見分けるのが難しい。

D さん:
ごろっとは、こうやって実際に会えるので場の雰囲気をつかみやすい。今日も、ごろっと仲間とランチをしてきた。

B さん:
中学生のころ、FM八代のリスナー用のチャットがあり、使っていたが、後輩から散々悪口を書かれたことがある。匿名でも書いてあることをつなぎ合わせると、狭い社会の場合、誰だかわかってしまう。

C さん:
ごろっとの場合、怖い目にあったことはないけど、難しいことは増えてきた。子育てママのサークルも、だんだん公の場になってきた。県庁の人も見ている(笑)。こんなこと書いていいのかなというプレッシャーが大きくなってきた。このことは書いていい、これは書けないと、書く際に悩むようになってきた。実際の人付き合いの中に深く組み込まれている。

B さん:
最近、子育てママのサークルは書きにくいねと言われるようになった。

C さん:
サークル管理者としては、「自主性にまかせてます!」と説明しているが、参加している人の期待や思いがそれぞれ違ったり、いろんな地域の人が見てて温度差があったりする。

小林さん:
誰が見てるかがわかると、不安は解消される?

C さん:
むしろ怖いかな。

B さん:行政に対する要望が、どうしても出てきてしまう。行政の人に見られていい内容かどうかという不安もある。

C さん:
子育てママのサークルの掲示板が、行政の掲示板のようになってしまう。市長への手紙みたいになる。自由度が下がる。子育ての悩みを共有したかったのに、最近、情報しか書き込めない雰囲気になってしまっている。

A さん:
情報、悩み、雑談は、それぞれ掲示板を分けたほうがいいかもしれない。情報を出したい人、日記を書きたい人、コミュニケーションとりたい人、いろいろいる。分けたほうが書くほうも書きやすいし、見るほうにとってもいい。大きくなりすぎたのかもしれない。

C さん:
子供を生んだばかりのころ、ベネッセのウィメンズパークを毎日何時間も見てた時期があった。ごろっとの友達に、子育てのサークルを立ちあげたらと言われたのが、サークルの管理者を始めたきっかけ。

小林さん:
今のとは別のサークルを立ち上げるといいのでは?

C さん:
公開と閉鎖、両方の掲示板を持った場合、書くほうはどっちに書くか、悩むことになる。できればそれは、させたくない。立ち上げの時の気楽さと、大きくなってからは気持ちが違う。mixiは気が楽なので、こっちに逃げることもある(笑)。ウィメンズパークは、最近は見ていない。悩んだ時に見る。嫁姑問題や、家族の問題、浮気、病気など、結構重い話が多い。自分はまだまだ楽と思ったりする(笑)。在宅自営業の掲示板もあるので、ここで情報を得たりもする。今、子供が2歳で、ごろっとで子育ての悩みを相談しようと思っていたが、結局、ウィメンズパークで相談し、悩みを解決した。ごろっとが、子育ての悩みを相談する場でなくなってきた。直接、顔をあわせるとできる悩み相談も、ごろっと上だと逆にしにくい場合もある。ごろっと参加者にはしっかり活動している人も多く、ちゃんとした活動をしていないと発言しにくかったり、立派な発言じゃないと書きにくい。

A さん:
サークル管理者を委譲できるといい。mixiは簡単にできる。

B さん:
サークル管理者には、発言を削除する権限があるが、これの行使がなかなか難しい。言葉が悪いだけで切ってしまっていいのかどうか。ルールをいくら決めても、実際の運用はなかなか難しい。感じ方は人によって違うし、個人の好みを人に押し付けるのもよくない。

C さん:
ネット上では、場の雰囲気を読むのが難しい。雰囲気を読まない人が書くと、話がどんどんずれていく。ネットコミュニティに、温度計がつかないかな(笑)。

A さん:
危ない人には、言葉の分析力がすごい人がいる。自分で書いて「ここはつっこまれるかな」と感じた部分は、必ずつっこまれる(笑)。

C さん:
相手の目を見て話すと問題ないことも、文章だと、違ってとらえられたりする。一度、本人に直接会った後だと、だいぶ違う。相手の顔が浮かぶ。一度会うと、どんどん仲良くなる。

A さん:
ネット上での知り合いは、ハンドルネームが本名みたいなもの。実名よりも本名らしいかもしれない。実名を聞いても、誰だかわからないし(笑)。

B さん:
文章内に絵文字がひとつあると、ずいぶん違う。感情を表しやすくなる。

C さん:
発言と一緒に、「怒り度」「笑い度」などを表示できるといい。心拍数と連動させて(笑)。自分では書き換えられないようにするの(笑)。

D さん:
私は相手とのやりとりでいやだと思ったことが一度もない。サークルより日記が主。初めて参加した人には必ずコメントを返すようにしている。コメントがないと寂しいでしょ。

C さん:
日常生活の連絡手段として、ごろっとの日記を介したコミュニケーションと、電話、メールを使い分けている。

C さん:
ごろっとのサークルの運用ルールを作るのは大変。だんなは、あなたがサークルの管理者ということは神なんだから、あなたがルールを固めないといけないという。実際に活動しているサークルがあると、既にルールもあり、互いの顔も見えているのでやりやすい。誰でも参加OKな時が難しい。日記はトピが明快なのでわかりやすい。

小林さん:
サークルのメンバーに、リーダー、会計、書記のような肩書きをつけられるようにすることも考えている。

A さん:
何人かが押したら発言を削除できるとか(笑)。

C さん:
サークルを誰かに譲りたい気持ちもあるが、せっかく盛り上がっているのに手放すのはもったいないという気持ちもある(笑)。ごろっとがきっかけで知り合い、たまたま近所だったので付き合いが深まった人もいる。お向かいの人より付き合いが深いかもしれない(笑)。

D さん:
主婦なので、友人が増える手段がない。ごろっとのおかげで、ずいぶん友達が増えた。

C さん:
さっきも話が出てましたけど、D さんは八代市の貴重な観光資源ですよ(笑)。だって、静岡から電車で16時間もかけて、D さんに会いにくる人もいるんですよ(笑)。

小林さん:
静岡のhanaさんは、今年の1月1日にごろっとに登録して日記を書いてくれたんですよね。そこに、D さんがコメントつけたのがきっかけですね。SNS間連携は、基本的には人がつなぐんだと思う。システムはそれを少しでも便利にしてあげればいい。

A さん:
八代市から県外に出た人に地元の情報を届けるのもいい。出身者によるサークルを作ってもいい。ライブカメラや写真で、県外に行った人に、今の八代の海なんかを見せてあげるのもいい。

小林さん:
写真交換するとかね。

D さん:
静岡のhanaさんは、「今日の富士山」といった写真を掲載している。

小林さん:
市内の小学校向けの「みんなの広場」というシステムでは、PCカメラを使って、市内の小学校の児童同士が、授業で電子会議を行うことができる。これをごろっとにも取り込んで、ビデオチャットできるようにするとか。

C さん:
部屋片付けなきゃ(笑)。

C さん:
八代の花火大会の時、D さんが自宅でバーベキュー大会を企画してくれて、子育てママのみんなを呼んでくれた。子育てしてる人は、なかなか自宅を提供できない。子供の手が離れた人がこうやって場所を提供してくれると、すごくうれしい。だんなさん同士も仲良くなるし。

D さん:
私は自分が楽しんでやってるだけだから(笑)。

A さん:
市役所主催のオフ会も、ぜひやりましょう!行政主催の結婚相談もやったらいいかも(笑)。

C さん:
出会い系に限らず、知り合う場所がひとつあると、すごくいい。

A さん:
ごろっとを商売で使っていいの?とよく聞かれる。いいのでは?でも、自分で自分の店を宣伝しても客は来ない。一人の利用者としてごろっとに参加したほうが、かえって目にとまる。

D さん:
うちも自営業をやってる。ごろっとを使うと、無料で簡単にホームページを作れるといわれたのが始めたきっかけ。

A さん:
グルメや子育ては、がんばって情報を出し続けてたので、見てもらえるようになった。学校の先生など入れてコアメンバーを作っておくのがいい。

友田さん:
市役所の職員も最初のころ、一生懸命コメントをつけてた(笑)。

小林さん:
ごろっとは、みなさんが財産。みなさんが楽しくなっていくと、盛り上がってくる。あとはいかに場の雰囲気を維持するか。

C さん:
自営業の人が、自分のホームページを地域にリンクさせることができる場としてごろっとを使ってもらうと、利用者が増えるのでは?自分の店も載せなきゃ、というのは始める大きなきっかけになる。

B さん:
市内には実際の活動をしている子育てサークルがたくさんある。そのサークルの活動を紹介することから始めてもいい。既存の団体を取り込むのがポイント。サークル同士のやりとりも生まれる。バックグランドを持っている人が参加すると、活動やネットワークが広がる。既存のものを有効活用していかないと。

小林さん:
ごろっとの登録者数の平均年齢は38歳。若い人はmixiに行っちゃう。

B さん:
自分も子育てしていなかったら、mixiに行ってたと思う(笑)。

小林さん:
地域のことに目が向いている人がターゲット。年齢とか性別ではなく。

C さん:
市が以前、ブログ講座をやっていたが、こういう講座でごろっとを使ってもらうといい。ごろっと講座。市がやってるごろっとなら、民間のブログより、安心して入れるし、書き込みもしやすい。

B さん:
自分でブログを持ってる人は入りやすい。こういう人を横でつなげていくといい。

C さん:
楽しめそうな人に最初に声をかけるといい。子育ては熱い(笑)。mixiの子育ても熱い。もやもやしている人ほど、たまっているので、ごろっとをストローのように指すと、一気に噴出する(笑)。

B さん:
乳幼児健診の時に宣伝するといい。

C さん:
その場合、パソコンではなく携帯電話から利用できることが必要。自営業の場合、商工会議所よりも、個人自営業の方が入りやすい。横のつながりを持っていない人、欲している人の方が入りやすい。また、子育てとかグルメ情報とか、いくつかのオフィシャルなテーマは、最初から立ち上げておいたほうがいい。そこから派生させていく。最初に入ってきた人が書き込める場があったほうがいい。

小林さん:
オフィシャルな掲示板は、運営者の熱意にもよるかな。

C さん:
自営業の人はホームページを持っていることが第一。ごろっとのWikiでお店を紹介したり、自営業者向けの講習会をやるといい。写真と地図を載せれば一枚のページができる。

A さん:
携帯電話から、本日のおすすめメニューとか、特売情報を簡単にアップできるといい。

小林さん:
Wikiにショッピングカート機能をつける予定(一同おお!)。市としては発注情報を各店舗に渡すだけで、後は直接やりとりしてもらう。

村上(総務省):
今日は長時間に渡り、大変参考になるお話をたくさんいただきました。やはり、利用者一人一人の生の声をお聞きすると、すごく参考になりますし、たくさんアイデアもいただきました。今日は本当にありがとうございました。

画像:八千代市役所

ごろっとやっちろ(八代市)を支える職員のみなさん

■日時:平成18年2月15日(水)16:30〜17:30
■場所:八代市役所内 2階会議室
■出席者:
八代市 企画財政部広報広聴課 辻本課長補佐、友田主任
行政管理部情報推進課 木本課長、増住課長補佐、小野係長、小林主任
総務省自治行政局自治政策課 村上事務官
三菱総合研究所 村上文洋(記録者)

 

・市のホームページリニューアルをきっかけに、最初のごろっと(地域SNSではなく電子掲示板)が生まれた。それまでは、庁内各課の情報を広報公聴課が集めてホームページに掲載していた。情報は各課が持っている。誰でも掲載できるようにしたほうがいいと考え、ウェブ型を指向した。地域ポータルサイト化を目指した。

画像:会議の様子

・地域の情報と市民同士の情報交換の場が欲しいと考えた。市のホームページと、ごろっとの2つを持つことで、位置づけがしやすくなった。ごろっとの管理については、結果的には手を離れている。市民の方が自主的に運営してくれている。

・ごろっとの立ち上げ時は、地元経済団体なども巻き込んでPRを行った。他の地域ポータルには、民間が運営しているものもある。八代市でも民間に運営してもらったほうがいいという意見も出たが、今は市民の力で運営されている。

・システム運用は、広報広聴課がコンテンツ(内容)およびPRを、情報推進課がシステムの保守・運用を、それぞれ担当している。
・利用規約などは、庁内のホームページ検討委員会で協議する。事務局は広報広聴課。情報推進課も参加している。
・問題発言への対応などは、両課の担当者(場合によっては課長も交えて)相談して決めている。両課の担当者には、不適切用語を含んだすべての発言がメールで送られてくる。問題がありそうな発言については、とりあえず「グレイ化」(発言者本人以外には見えなくすること)する。そして対応を協議し、問題があると判断した場合は、発言者本人に削除依頼等を行う。

・必要に応じて、他の部署とも協議を行う。漁協の話が出たときは、農林水産部署などと協議した。イベントのライブ中継を行う際には、イベント主催課と共同で取り組む。施設を借用するような場合は、担当課に依頼文を出す。後は担当者同士で話をして進める。

・市民から行政への意見は、市のホームページの「市長への手紙」で受け付けているので、ごろっとの方では、市への要望はあまりない。以前、ごろっとの中で市民から「市が運営している掲示板なので市民からの質問に迅速に答える義務があるのではないか」とかかれたことがある。これに対し、他の市民から「ごろっとは市民同士の情報交換の場だから」とコメントをつけられ、この話は収束した。

・スタート時は、市職員も職員であることを特に明示せずに発言していた。最初のころは、みんな発言が結構堅かった。地域SNSになる前で、各自のプロフィールも見られなかった時。

・庁内のホームページ検討委員会で、みんなでいろんなアイデアを出し合い、その中から小林さんがシステム化を行った。長けた人が遊び心でやっている感じ。その代わり口も予算も出さない(笑)。
・庁内には反対意見もあるが、反対するほど詳しくないので口を出せないという点もある(笑)。

・市民からの問い合わせに答えることはしていないので、庁内体制についても特段作っていない。
・子育てコミュニティに、子育ての担当課はノータッチ。
・勤務時間内の書き込みについては、特に干渉していない。

・今後、利用者を増やしていきたい。PRなどを積極的に進めたい。

・市として、ごろっとを行政施策の検討に使うことは予定していない。担当課の職員が、たまたま意見を見て考えることはあるかもしれないが。

・ごろっとに対しては、市議会議長が関心を持っている。JAに使ってもらうことなども考えているようだ。他の議会からの視察も増えており、月に2〜3回はある。

・ごろっとの検討段階で藤沢市の市民電子会議室も調べた。運営が大変そうで、八代市ではとても同じような体制づくりは難しいと考えた。ごろっとは、運営面は市はほとんど介在していない。
・金も時間もかけずに、市民同士が出会う場を作りたかった。効果を定量化するのが難しいので予算化はできない。

画像:会議の様子

・ごろっとをやってよかったのは、これで八代市が有名になったこと。できればその結果、八代市に観光などでお金が落ちるようになると、なおうれしい。

・担当者(小林さん)には、あちこちから講演などの依頼があり、正直、本業に影響が出て困っている(笑)。他にもやってもらいたい仕事はたくさんあるが、自由にやらせたほうがいいと考え、やらせている(笑)。月に3〜5回くらいは出張している。

・ごろっとが地域SNSのディフェクトスタンダードになるといい。導入する自治体は、経費をなるべく安くする工夫をするといい。

以上

 

 


画像:小林さん

 

総務省 | 財団法人地方自治情報センター