メタバースって何?

通信ネットワークやコンピュータ、ソフトウェアの性能(せいのう)の向上に合わせて、その場所にいるかのような臨場感(りんじょうかん)を味わうことができる技術(ぎじゅつ)も進化してきました。
自宅(じたく)など、それぞれ別々の場所にいながらにしてネットワークを介(かい)して同じ仮想(かそう)のデジタル空間に人々が集まり、同じ時間を過(す)ごし、コミュニケーションを取るなど、現実社会(げんじつしゃかい)と仮想空間が連動して情報(じょうほう)の発信や体験、共有ができる技術「メタバース」に注目が集まっています。メタバースは音楽イベントやショッピングなどのエンターテイメント分野でのサービス提供(ていきょう)のほか、学習や就職(しゅうしょく)についての機会の提供、まちづくりなどにも利用されつつあります。

VRでメタバースを利用する
図:VRでメタバースを利用する

一方、メタバースには、違(ちが)うプラットフォームの仮想空間(ワールド)はそれぞれルールがバラバラで自由に行き来できないことがある、現実世界と同じようにハラスメントや誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)、なりすましやプライバシーの侵害(しんがい)などの問題が発生する可能性(かのうせい)があるといった課題もあります。ワールドは海外の企業(きぎょう)が運用している場合もありますし、そのワールドにはインターネットを通じて世界中の人が同時に参加できるため、ルールを決めるには、日本だけでなく他の国とも議論(ぎろん)をする必要があります。そこで、現在、ワールド間を自由に行き来ができるようにするための、共通の規格(きかく)の検討(けんとう)など、国境(こっきょう)を越(こ)えたルールづくりの議論が進められています。