情報(じょうほう)社会を支(ささ)える仕事

スマートフォンや携帯(けいたい)電話、インターネットが使いたいときにいつでも使えるのも、スイッチを入れればいつでもテレビが見られるのも、かげで支えているたくさんの人たちのおかげです。ここでは、情報通信業界のうち、みんなに身近な仕事をとりあげ、そこで働いている人々を紹介(しょうかい)します。

通信業界で働く人々

基幹(きかん)回線

いつでもどこでも電話やインターネットが快適(かいてき)につながるように、日本中にはたくさんの通信ケーブルが張(は)り巡(めぐ)らされています。インターネット上で流通するデータ量が増(ふ)えているので、インターネットを快適(かいてき)に使いつづけるためには、通信ケーブルを太くしたり数を増やしたりする必要があります。

また、いつでもつながるように、監視(かんし)したり、メンテナンスをしたりすることもとても重要なことです。交代で監視しながら、昼でも夜でも、1日24時間、365日休むことなく、通信ケーブルのメンテナンスをしています。

通信には、ケーブルだけでなく人工衛星(えいせい)も使われています。静止衛星や周回衛星を打ち上げ、うまく機能(きのう)するかどうか監視している人もいます。

わたしたちが寝(ね)ているときにも、雨のときにも、風のときにも、電話やインターネットがいつでもどこでもつながるよう、多くの人がかげで支えているのです。

通信ケーブルや通信衛星は24時間監視している
図1:通信ケーブルや通信衛星は24時間監視している

加入者回線

固定電話に加入すると、支店(してん)・営業所(えいぎょうしょ)の人が工事に来てくれます。基幹回線から家まで電話線(加入者回線)を引くための工事をしているのです。

電話器が電話線につながると電話が使えるようになります。電話をかけると、まず、町にある支店・営業所の電話交換(こうかん)機につながります。電話交換機は、たくさんの電話の中から、かけたい相手の電話を選んでつないでくれます。むかしは、電話交換手という電話同士をつなぐ係の人が、手動でつないでいた時代もありました。

それぞれの町にある交換機は、地下を通る通信ケーブルや無線設備(せつび)でむすばれていて、市内用の交換機、市外用の交換機を通って、相手の電話につながります。この交換機が壊(こわ)れてしまうと、電話がつながらなくなってしまいます。そうならないように、電話交換機を監視し、メンテナンスすることはとても重要な仕事なのです。

電話番号を押(お)せばすぐに相手に電話がつながるためには、たくさんの人たちが協力してかげで支えているのです。

障害があるとすぐに修理に来てくれる
図2:障害があるとすぐに修理に来てくれる

モバイル通信

スマートフォンや携帯電話がつながるためには、アンテナ(無線基地(きち)局)を建てる必要があります。電話ボックスの上、ビルの屋上、地下街の天井(てんじょう)など、町のあちこちにアンテナが立っています。スマートフォンや携帯電話を使う人がとても増えているので、いつでも快適につながるように、たくさんアンテナを増やしています。

また、いつでもどこからでもつながるよう、電話機とアンテナ、アンテナと電話交換局が正しく動いているかどうか、24時間365日、監視することも大切な仕事です。

全国規模での監視も行われている
図3:全国規模での監視も行われている

放送業界で働く人々

地上波放送・衛星放送

テレビを見ていると、アナウンサーや役者のうしろに、カメラマンや、照明さん、音声さんなど、番組を作っている人が映(うつ)ることがあります。テレビの番組作りはテレビには映らない場所でも多くの人が働いています。

ニュースの場合、事件(じけん)があった場所に行って、そこからニュースを伝える放送記者や、中継(ちゅうけい)するための映像(えいぞう)を撮影(さつえい)するカメラマンがいます。

そして、その映像を中継車から中継所・放送局に送る人たちがいます。

放送局の中には、送られてきた映像をわかりやすく説明するための文章を書く人、スタジオで文章を読む人(アナウンサー)、映像の編集(へんしゅう)を行う人、完成したニュースを電波などで送り出す人などがいます。

テレビやラジオの番組をきれいな映像や音声で作り上げ、正確(せいかく)に送り出し、良質(りょうしつ)な放送電波にのせて、それぞれの家のテレビやラジオまで送り届(とど)けることが技術(ぎじゅつ)スタッフの仕事です。

一つのニュースや番組がわたしたちの家まで送られるまでに、とても多くの人たちが協力し、日夜努力しているのです。

番組を作って送り出すのも大勢の人が行っている
図4:番組を作って送り出すのも大勢の人が行っている

インターネット業界で働く人々

ISP(アイエスピー:インターネット サービス プロバイダ)

電話と同じく、インターネットがいつでも快適につながるように、多くの人たちが協力しあって、インターネットをかげで支えています。

インターネットは世界中のコンピュータネットワークがお互(たが)いにつながっている大きなネットワークなので、どこか1ヶ所で問題が起こるとインターネット全体の大きな問題になってしまう可能性(かのうせい)もあります。そのため、それぞれのISPが、自分の管理している設備が問題なく動くように日夜監視しています。

また、インターネットにアクセスしてつながらない状態(じょうたい)が続くと問題なので、回線が混雑することなく多くの人たちが快適に使えるよう、回線を整備するのも重要な仕事なのです。

通信回線の拠点にある機械も日々メンテナンスされている
図5:通信回線の拠点にある機械も日々メンテナンスされている

ウェブページを作っている人々

インターネットにアクセスすると、会社や学校などの、いろいろなウェブページが公開されています。ウェブページは一つ一つ作成されています。

ウェブページの作り方を知っていれば、1人でもウェブページを作って公開できます。しかし、会社や役所などのウェブページは情報量が多く、頻繁(ひんぱん)に更新(こうしん)されるので、1人だけで作るのはたいへんです。そのため、Web(ウェブ)コンテンツ制作(せいさく)会社に作ってもらうことがあります。

Webコンテンツ制作会社では、どんなウェブページを作るのか企画(きかく)して、できあがった企画をもとに画面をデザインし、Webサイトにのせる文章を書いたり、画像(がぞう)を作ったり、アニメなど動画を作ったりと、いろいろな作業があります。それぞれ分担(ぶんたん)し、みんなで協力しながらウェブページを作っているのです。

Webページも多くの人たちによって作られている
図6:Webページも多くの人たちによって作られている