地方財政の課題

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 市町村合併の推進
 地方分権が進展し、市町村の役割がますます重要なものとなるなかで、市町村の行財政基盤を強化し、国・地方を通じる厳しい財政状況下においても市町村の行政サービスを維持し、向上させるため、市町村合併により行政としての規模の拡大や効率化を図ることが必要です。

 

●市町村合併の進捗状況

市町村合併の進捗状況

 

         
  合併すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?・・・・・  
         
   1. 住民の利便性が向上します。
  
     合併が実現すると、旧市町村界を超えた公共施設の利用やサービスが可能になり、暮らしがより便利になります。  
   
〈例〉・・・・・
新潟市では、合併後、旧市町村界を越えて、空きのある保育所を利用することが可能になりました。
合併前と合併後  
         
  2. 行政サービスが多様化・高度化されます。
 
     従来は設置することが困難であった専門の組織・職員を置くことができるなど、より専門的かつ高度な行政サービスの提供が可能となります。  
   
〈例〉・・・・・
熊本県あさぎり町では、合併後、保健師の資格を持つ職員が充実し、これまでほとんど実施できなかった、乳幼児向け予防注射や成人向けの健康講座を数多く実施できるようになりました。
合併前と合併後  
         
  3. 広域的なまちづくりができます。
 
     広域的な視点にたって、道路や公共施設の整備、土地利用、地域の個性を活かしたゾーニング等、まちづくりをより効果的に実施できます。  
   
〈例〉・・・・・
水戸市では、住宅団地、土地区画整理事業、工業団地整備事業などについて広い視点から一体的な土地利用が可能となりました。
広域的なまちづくり  
         
  4. 行財政の効率化ができます。
 
     合併後は、それぞれのまちが別々に行っていた仕事や業務をまとめたり、公共施設の整備を効率的に行うことで、行財政の効率化が図れます。  
   
〈例〉・・・・・
・篠山市では、市議が旧町村議員57人から26人へ減少した結果、年間約2億円の経費が削減されます。
・西東京市では、合併によって10年間で約190億円の経費削減が可能になります。
行財政の効率化  
         
  旧合併特例法と合併新法との比較
旧合併特例法と合併新法との比較
 
         


     
 
  デメリットはないのでしょうか?  
         
   役場が遠くなりませんか?  住民の声が届きにくくなりませんか?  サービスが低下しませんか?  
   合併後も、それまでの市役所や町村役場は、引き続き新市町村の支所や出張所として活用できますし、また、住民票の発行など地域のニーズの高い特定の事務を、地域に密着した郵便局が取り扱うことが出来るような法律も整備されています。
 さらには、政府の計画では、情報通信技術の発展により、家にいながらにしてオンラインで申請等が出来るようになり、空間距離は問題とならない社会になっていくでしょう。
 地域ごとの公聴会、行政モニターなど従来からあるものだけではなく、旧市町村の区域に「地域審議会」を設置し、合併した後でも旧市町村ごとの住民の意向を考慮できるようになっています。小学校区などで住民の方々が主体的に参加するまちづくりについても、「わがまちづくり支援事業」として応援しています。
 また、情報公開や説明責任を果たす体制が強化されることや、双方向機能をもつインターネットの活用等により新しい形での住民参加も可能となります。
 合併前の市町村間で住民サービスの水準、使用料及び手数料等が異なることはあります。これらの問題は合併前の関係市町村間で話し合って決められますが、事務処理の方法の効率化等によって、住民の皆さんが納得できるサービス水準や、負担に調整されるのが一般的です。
 また、合併により住民の負担が急激に増えないような法整備も行われてきています。
 
 
合併前と合併後
新しい形での住民参加
納得できるサービス水準