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2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会(第3回会合)

平成18年4月21日(金)

【多賀谷座長】  それでは定刻となりましたので、ただいまから「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」の第3回会合を開催します。皆様には、ご多忙の折ご出席いただき、ありがとうございました。
 それでは、まず最初に本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【梅村地域放送課課長補佐】  本日の配付資料の確認をさせていただきます。
 資料は座席表、議事次第のほか、資料3−1ケーブルテレビ技術の取組み(日本ケーブルラボ説明資料)、資料3−2北米ケーブルテレビについて(松下電器産業説明資料)、資料3−3海外におけるケーブルテレビ市場の動向、この3点でございます。また、資料の最後に前回会合の議事録をつけております。なお、傍聴の皆様分につきましては議事録を割愛させていただきます。
 以上でございます。
【多賀谷座長】  資料に不足等ございましたら、事務局までお願いいたします。
 今春の人事異動に伴い、総務省側の出席者に変更がありましたのでご紹介願います
【山根地域放送課長】  4月より地域放送課長をやらせていただいております、山根でございます。この研究会の事務局ということでございまして、2010年代のケーブルテレビの在り方ということで、皆さんのご議論を踏まえまして行政運営に努めていまいりたいと思います。よろしくお願いします。
【多賀谷座長】  よろしくお願いします。
 本研究会では、前回に引き続きまして、当面、ケーブルテレビの現状・海外事情・諸課題の把握・分析等を中心に検討を進めることとしております。
 第3回目である本日では、ケーブルテレビに関する最近の技術的動向についてヒアリングを行い、また、事務局から諸外国のケーブルテレビについてご紹介いただくこととしております。
 まずヒアリングについては、第1に、ケーブルテレビの設備に関し運用仕様の策定等を行っている日本ケーブルラボ様から、日本のケーブルラボの概要及び今後の技術的動向について、第2に、ケーブルテレビ関連設備を生産している松下電器産業様から米国の最近の技術的動向について、お話を順次伺いたいと思います。順番としては、ケーブルラボ、松下電器産業の順で行いたいと思います。また、それぞれのご発表の後に質疑応答の時間を設けることとしたいと思います。
 それでは議題に入ります。まずは日本ケーブルラボ所長の中村構成員及び部会担当部長の野田様からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【中村構成員】  日本ケーブルラボの中村でございます。お手元にあります画面を見ながら説明していきたいと思います。ケーブルテレビ技術の取組みについてということで、私と野田が役割を分担して説明いたします。
 まずこのページ、2ページでございますが、日本ケーブルラボといいますのは社団法人日本ケーブルテレビ連盟の中にございまして、2000年6月に設立されております。組織図が書いてありますように、事業内容といたしましては、最終的な意思決定機関は運営委員会でございますが、その下に3つの部会がございます。1つは調査研究部会でありまして、ここでは中長期的な観点に立った国内外の課題を調査研究するというのを主目的にしております。その中から、ケーブル業界にとって必要な事項、すなわち標準化したらというテーマにつきまして絞り込みをいたします。そして真ん中の運用規格部会では、業界標準としての運用に関するスペックの標準化を行います。そして一番右側の実用化開発部会は、机上でつくりましたスペックが実機において確実に運転できるかというテスト機関であります。
 次に4ページをごらんください。今までの取り組みのことでございますが、赤で書いてありますように、2000年に日本ケーブルラボが設立されております。そのときには、将来、放送のデジタル化という年次計画がわかっておりました。
 今までのアナログの放送時代では、下に書いてありますように各社独自の端末、といいますのは、ケーブル事業者個々の端末なりCASなりヘッドエンドというものを持っておりました。これでは相互のやり取りができませんし、経済性も図れないということから、デジタル化に向かって、デジタル放送の時代に向かって業界の統一を図ろう、スペックの標準化を図ろうということで進めてきました。それが現在完了形の話であります。そういうことで、BSデジタル、東経110CSデジタル、地上デジタル放送に、業界としての統一の仕様で運用しているというような現状であります。
 その次の5ページをごらんになりますと、要はケーブルテレビ事業というのは、一言でいいますと多チャンネル放送という時代であり、もう1つは、「・」の4点目にありますように、ローカル情報を自主制作して、地域の情報インフラとしての役割をそれぞれの地域で果たしてきたということでありますが、ご案内のように、現在は放送と通信の融合という時代に至っております。すなわち、緑の箱にありますように、映像――テレビでありますが、音声、電話、それからデータ放送、こういうものに関して従来の片方向ではなく、双方向の機能を活用した新しいビジネスを構築していかなきゃならないという時代に至っております。
 次の6ページをごらんください。私どもの将来ビジョンといたしましては、サービスとして、ピンク色で書いてございますが、地上放送、BSCS放送のサービスのほかに、地域情報サービスとしましては、例えば自治体からのお知らせ――これは視聴率に関係なく議会中継、首長のタウンミーティング等いろいろありますし、商工会議所からのお知らせ等もございますし、防災、災害情報という安全・安心情報もございますが、そういうふうな地域情報のサービスというものは今後必要になってきますし、家庭内の情報にありましても非常に小さな地区公民館からのお知らせ、ごみ収集というふうな内容のものも、一部やっているところがございます。さらに、ご案内のようにVOD、電話、インターネットというような従来のサービスを継続していくわけであります。
 右に家庭の図面がございますが、ケーブル事業者のヘッドエンドといいますのは送信装置でございます。そこからHFCという、光と同軸ケーブルをコンバインした伝送路でありますが、高度化されたHFCという方式でもってつなぐことを考えております。現状では、一部、新設のエリアにありましてはFTTH、すなわちオール光で施設されているところも多々見られますけれども、我々としましては、現在持っております施設の高度化という形で対処することを考えております。各家庭の引き込みでつないだ後はSTBを中心にしましてテレビ、電話、パソコン、エアコン、ホームセキュリティー等のサービスを一体的に実施していくことを考えております。そのためにはホームネットワークの技術としてPLC(電力線搬送方式)、それからc.Link、無線等の技術が現在見えるところであります。
 次に7ページをごらんください。これからのケーブルテレビをニーズとシーズに分けて考えてみます。ニーズといいますのは、前のページでもお話ししましたように、総務省当局ではe−Japanとかu−Japan、最近ではIT新改革戦略といわれておりますように地域密着型のコンテンツの相互交流と、それから地域の商店街の活性化、それから次にあります電子自治体の推進役、地元産業の活性化というふうな形に役立てていかなきゃならないと考えておりますが、それを支えるシーズといたしましては、左の枠にありますIP技術、圧縮技術、プラットフォーム技術等々でございまして、最終的にねらっておりますのは次世代のケーブルプラットフォームであります。その中にはPPVVODサーブですとか100メガの超高速インターネット、IPプライマリー電話等でございます。この辺の技術的な内容につきましては、以降、野田から若干コメントさせていただきます。
【野田部会担当部長】  では続きまして、ケーブルラボの野田です。日本の今のケーブルラボで標準化した状態から、今、中村が説明しました将来へ向かっての話を、両方続けて行いたいと思います。
 まず1点目に、現在、ケーブルラボで仕様化しているケーブルテレビ放送のデジタル化の概要について説明していますのが、この9図であります。上のほうにありますように、地上デジタル放送、BS110°CS、それからケーブルテレビ用に衛星で流していますJCHITS、それからスカイパーフェクトTV!さんの信号、i−HITSというような信号をケーブルテレビのヘッドエンドで再送信し、それでSTBを介してテレビで視聴いただけるようにしています。
 このような多チャンネルサービスとともに、一番上にありますように、地上のデジタル放送につきましては、今のアナログと同じように市販のテレビで見えますように地上パススルー伝送方式というふうに、送り方を1つ加えています。
 ケーブルテレビ独自で考えますと、STBだけにサービスすればいいということで地上のトランスモジュレーション方式――これはTMと略していますけれど、変調方式を変換しているということでトランスモジュレーションという名前をつけています。これで地上のOFDMをケーブルの64QAMという変調方式に変換する、あるいはBS8PSKのものを64QAMに変換する、そういうような変換で伝送してSTB専用で受けるということも多チャンネルサービスとしては重要なんですけれども、地上のデジタル放送普及のためにはパススルー伝送ということで、一般のテレビで見ることが重要だというので、あえて地上の伝送方式については2つの方式でやっております。
 続きまして、地上デジタルのことについてもう少し詳しく説明したいと思います。ケーブルテレビとしましては、地上テレビジョン放送のデジタル化への移行というのは重要な使命と考えておりまして、今言いましたように地上の放送を2種類の方法で送る、それ以外に、現在アナログで行っています地域情報等をコミュニティーチャンネルとして送る、そのような仕掛けも検討しております。それで一般の受信器あるいはSTBというケーブルテレビ専用の受信器、その両方に送る仕掛けを考えております。
 現在のアナログのものを対比させるために右側に書いてありますが、現在、大体アナログの専用ターミナルが多チャンネルサービスで500万台ぐらい世の中にあるかと思います。それに対して、ケーブルでテレビを見られる、施設に入って線がつながっている世帯が大体1,600万世帯と、共聴も含めてケーブルテレビというか同軸ケーブルでつないでいる人はざっと半数プラスアルファという感じでありますので、この1,600万世帯に大体2台から3台あるテレビと考えますと4,000万台のテレビがありますので、そのアナログのテレビに、今アナログで行っている地域情報を送るということはデジタル化移行の重要な使命だと思いまして、ケーブルテレビから地域情報を、地上のデジタルテレビジョンが理解できるネットワークIDの中で送るということで、今、放送局等々と連絡を取りつつ、そのような要所要所も今つくっています。で、そろそろ皆さんのところから電波が出せるようになるかと思います。これが1つ、今ケーブルラボで重要な課題としてやっていることであります。
 続きまして、ケーブルテレビのネットワークの高度化という話を行いたいと思いまして、ネットワークの分類をまず説明します。ネットワークといいますと、今のケーブルテレビは同軸で家に入っているというのが一般でありまして、上にありますように、HFCという伝送路の名前にしています。ある幹線のところは光で送り、それから電気に変えてから、増幅器と3つ三角で書いてありますけれど、これを介していろいろな家に配っています。これを徐々に増幅器の数を減らしてFTTC、それから光が直接家に入るFTTH。あえてここではビルに入るのはFTTBと説明させていただいていますが、なるべく情報量の多い光の幹線をなるべく家の近くまで持っていこうということで、ネットワークは高度化しようとしています。
 続きまして、ケーブルインターネットの高速化技術です。今のネットワークの中で、どうしても家の中に入ってくると光の扱いよりは同軸ケーブルのほうが、皆さん、親しみがあって使いやすいということなので、光はなるべく家の近くまでは来るけれども家の中にまでは来ないということなので、同軸ケーブルでどれだけのサービスをするかということというので、インターネットの高速化ということで一つまとめさせていただいています。
 この中で、まず小セル化というのは、この絵にありますよう、今までのケーブルテレビのサービスで考えますと、放送ということですからヘッドエンド――HEと書いてあるところがヘッドエンドですが、ケーブル局から各家庭に、ツリー状といいますか魚の骨状というんですか、送り側から家庭へ下る方向の信号のやり取りだけでサービスをしてきました。それがインターネットサービスになりますと、家庭から情報も上げなければならない、双方向でやり取りしなければならないということで、今、このヘッドエンドと通信系で書いています下りの青い線と赤い上りの線、これの両方で初めて通信が成り立っている。これが今、たくさん家がつながった状態で双方向でやりますと、1:nでやり取りしている上りのほうがどんどん足りなくなりますので、それを小さいセルに分けて、各家をある程度の単位にまとめまして、その単位ごとに上りの回線を別に設けて上りの渋滞を解消するということで、小セル化によってインターネット接続の高速化をしようと。これはあくまでも上りの高速化に非常に有効だということであります。これがまず、今進められている方向の1点です。
 次に、高速化ということで新しい技術を2点ほど説明したいと思います。それはまず1点目がDOCSIS3.0という技術であります。DOCSISというのは米国ラボでつくっています標準的なデータサービス用のもので、いわゆるケーブルモデムと呼ばれているものの標準仕様です。現在、そのケーブルモデムで使っているのが1チャンネルで1個のケーブルモデムとヘッドエンドのやりとりで30から40Mbpsという速度で成り立っています。これは下りの速度なんですけれど、これが100Mbps以上を要望する視聴者さんが非常に多くなっていると。FTTHの高速化に対抗してケーブル局もやりたいという、そういう場合もありますけれど、そういう要望が増えてきまして、米国でもやはりそういう要望があり、現在、仕様化策定中のものでありますけれど、チャンネルボンディングという技術を使っています。それは、40メガというチャンネルを3つなり4つなり使いますと、3つですと120メガと、複数のチャンネルを同時使用するということで行うと。これでもって、メリットは、このようにFTTH並みの速度を実現できるということであります。
 その概略説明の図が次の絵であります。ちょっと絵が小さいですけれど、右側に4種類の色がついたチャンネルがあります。この4種類の色の変調側と送り側、受け側、両方使うことで4倍の速度を出そうと。最大、今現在、米国で検討されている仕様では32チャンネルのボンディングまで可能になるような仕様でありますので、その分、同時伝送としては1.2ギガぐらいの伝送ができる。その分、右の絵にありますように、今のモデムですとチューナー1つを持っていればいいんですけれど、4倍のチャンネルを同時伝送しようとすると4個のチューナーを受信機、いわゆる家庭に置かなければならないということで、このチューナーを複数持つために、LSI技術等々で高集積化して同じように安くつくろうということがメーンの仕様になっています。
 これで行われる仕様は、現在、2月24日に米国でドラフトが出まして、今はその仕様の意見募集もし、サードクォーターぐらいに仕様化予定ということで進んでいます。大体、2007年度中には製品が使えるかなと期待している技術の1つであります。
 続きまして、もう1つの技術でc.LINKというのがあります。これは昨年とおととしのケーブルショーのときに展示されている社がありましたので、見受けられた方もおられるかと思いますが、同軸のケーブルの中を、同じく250メガぐらいの高速通信をしようというものです。これはいわゆるOFDMの技術、あるいはxDSLの技術と同じようなマルチキャリアを使った技術を使っているんですけれど、これは同軸ケーブルの中で双方向通信を行おうというものであります。
 標準化状況としては、米国のEntropic社、そこの技術をベースにアライアンスが組まれて行っているもので、日本のケーブルラボとしましてもそれを使ったケーブルテレビの一送り方式としてSPEC012というのを策定したところであります。現在2社が製品化予定していまして、その2社で相互接続実験を行おうと思って準備中の技術であります。
 この技術の絵が次にあります。少し周波数が高いんですけれど、ケーブルテレビで使っている770メガより上で、BSIFより少し下。あるところでは携帯電話と重なるので、それに重ならないように、あるいは重なるときにはそれなりの電波妨害を出さないように工夫しつつ、今やろうとしています。
 この技術の大きなところは、左の下にありますように、放送信号は電波を受けて各端子に分岐するわけですけれど、その分岐のところで、分岐方向には非常に信号が通りやすいんですけれど、分岐じゃない、例えばこの絵でいきますと出力のaからcへ送るというようなところには信号が通りにくくて、大体30dBぐらいのロスがあるんですけれど、それを無理やり通そうという技術に、先ほどのOFDMの技術を使った技術だという説明をしたところです。これは宅内のネットワークで非常に使えると。外にいきますと増幅器等がありますから同軸の伝送路では使いにくいんですが、宅内では、右の図にありますようにブースタ以降で通信を行える技術だということで、最大270Mbpsまでできる可能性があるということです。
 これのケーブルの応用技術が次の絵にあります。光ファイバーでマンションまで持ってきて、そのビル内でこの通信を使う。今、光マンションというんですか、FTTHでマンションまで来て、その中をツイストペアで送るという方式もありますけれど、これを使って同軸で送ることで通信を行う。それから上の図にありますように、同軸ケーブルで入ってきたケーブル局からの放送信号と混合することで、放送のSTBと通信のc.LINKとで、インターネットと放送の両サービスを同軸ケーブルで行うということができるわけです。
 以上、まとめまして、同軸系でこのような技術、小セル化、DOCSIS3.0、c.LINKというのを使ってHFCシステムの高度化を行って通信を速くしていこうというのを、一つ紹介しております。
 左に書いてありますけれど、伝送路を取りかえればFTTHでも高速化はできますけれど、現在している同軸系の施設は最後まで使いたいということで、なるべく高度化を進めたいとは思っています
 次にこれの説明ですけれど、同軸ケーブルはこんなにたくさん送れるという絵を書いてみました。今のDOCSIS3.0で1.2ギガの伝送路というのは波数で32波使っています。それにHFCの中で90から770メガの帯域で送ろうとすると、デジタル放送も80波送れて、今の32波のDOCSISもできて、さらに上りの通信ができる。これをすべてフルにデジタルで使えば、下りのほうはいわゆる3ギガの伝送路になる。同軸も今後まだ使えるということを説明しています。それから、集合住宅についてはFTTBという考えもありますということで、これをまとめた図になっています。
 続きまして、これはあくまで一検討例です。770メガ、それからc.LINKを加えて多チャンネル――今は多チャンネルのアナログとデジタルの両方サービスしているんですけれど、それのアナログをやめて、それから地上のアナログが終わったらあいたところをもう少しうまく使おうということで、このような使い方で進んでいけるかなというので、一例として説明させていただきます。詳しい説明は省きます。
 次にインターネットの接続よりは、今度はケーブルテレビの使命の中でユビキタス環境社会に対してということで、あえてここを説明させていただいています。まず地上デジタル放送ですけれど、これは今は制度上、できる話ではありませんけれど、電波で来ている放送局からの地上放送が、どうしても電波が届かないところがある。そういうところを模擬しまして、青いところにエアが飛んできて、ケーブルテレビ局で受信して各家庭に配ると。その中で、どうしても電波が届かないところにおいてはワンセグとか車載テレビへの提供も、電波をどこかから出せばできるんじゃないでしょうか。それから川越え、山越え等も少しはあるんじゃないでしょうか。ただし、現在のエアとの電波干渉が起きると問題になりますので、あくまで条件不利地域へケーブル局の末端から電波を出すということは有効になるのではないでしょうかと、これは考えたことを書いたわけです。
 次に、同じように、宅内のネットワークということでホームネットワークの絵を書いています。これも最近の機器の進歩で有線、無線といろんなものがありますので、それをうまく利用することで宅内の高度化というか、家の中がいろいろ変わっていって、視聴者、受信者が便利になるじゃないかということで書いています。
 次のページにいきまして、そういうことを考えてまとめた表が26ページの表です。縦にサービスの形態で電話、放送、データということで、通信からシームレスに。横軸に書いてますのは、携帯電話を意識したものと固定のものを書いています。携帯電話では、テレビももうワンセグで受けられるようになっていますし、音声、放送、データもすべてシームレスになっていますね。電話については、最近、FMCという言葉があるように、固定電話と携帯電話をシームレスにつなごうという話もあります。あとテレビとパソコンというのは、パソコンでテレビも見られるようになっている。横にありますように、IPの技術だとか画像圧縮技術等々でいろいろ進歩していて、シームレス化が進んでいく。これをすべてシームレスにしたいというのが将来かなということで、新規ケーブルテレビのSTBというのはソフトダウンロードかなと思います。
 27ページは時間もないので飛ばさせていただきます。
 最後、話題のプラットフォーム構想というのを説明しております。現在、29ページにありますように、地上放送はプラットフォームということで地上、通信事業者さんは通信事業者がやられています。ケーブルテレビ事業者はMSOから難視聴対策までさまざまなものがありまして、各社同一の仕様の端末でサービスしたい内容はいろいろあるということで、STBアプリケーションプラットフォームという話を今、ラボで進めています。
 それが次の絵でありまして、アプリケーションプラットフォームの標準化をしたいと。STB−A社さん、STB−B社さんというのはハード的には違うものであっても、共通API、アプリケーション・プログラム・インタフェースをそろえることで上のサービスを同様にできる。かつ、上のサービスについてはダウンロードしてインストールするようなシステム構築がしたいと。端的に言うと、STBでパソコンみたいなことができる。ただし、電源オン・オフが自由で、いつ切ってもいつ入れてもフリーズしないSTBをつくりたいということです。かなり難しいとは思いますけれども、最近の技術で大分進歩してきたので、こういうことをやりたいと今思っています。
 以上、まとめますと、今まで放送のデジタル化の移行化技術に貢献してきました。それからHFCの高度化で、まだまだ同軸ケーブルは今後使えると思います。今後の話ですけれど、ユビキタス環境への対応ということで、有線・無線をうまく活用できないかと考えております。それからもう1つ、最後ですが、ケーブルテレビ事業者は日本はさまざまですから、その一体化プラットフォームを考えてみんなで同じSTBを使って、ただし、アプリケーションは各事業者ごとに分けたい、そういう構想で今後進めたいと思っています。
 以上です。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。それではご質問に入る前に、今回からご出席される山本構成員がいらっしゃいましたので、自己紹介を兼ねて簡単にごあいさつをいただきたいと思います。どうぞ。
【山本構成員】  山本でございます。専攻は行政法学でございまして、この分野に関して特別な知見があるわけではございませんので、この場でいろいろと勉強させていただきたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまのケーブルラボ様からのご説明につきまして、ご質問等ありましたら自由にご発言願います。どうぞ。
【後藤座長代理】  小セル化のご説明がございました。確かに、現在熱心に使われている利用者から、込み合っているのではないかという指摘があるように聞いております。そこで質問したいのは、例えばセルの大きさと表現するのでしょうか、1:nと書いてあるところのnの数値の見当がつくような、何らかのガイドラインとか考え方――これは一概に言えないのかもしれないのですが、そういったものがあるのか。現在及び少し先を見越して、どういう様子なのかを教えていただけるとありがたいと思います。
【野田部会担当部長】  今までは放送だけでしたから1万件とかそういう話でいきましたけれど、最近で話されているのは、250件とかいうのでHFCがされています。最近、FTTCというか小セル化の、究極的にはアンプなしということで、同軸だけで分配するのは50件ぐらいを1個のセルに考えて、そこから集めた情報を、あとは光ですから波長多重をして別の地域とのぶつかりがないようにして送ろうということで、現時点では、新居浜あたりはそういうような形になっていると思います。
【後藤座長代理】  ありがとうございました。
【多賀谷座長】  私からも1つ。22ページに、HFCの高度化で、一番右下に携帯電話用の帯域が取られておりますが、携帯電話とどういうふうにつなぐと考えられていらっしゃるのでしょうか。
【野田部会担当部長】  これはですね、かなり携帯電話会社さんと協調しなければできないかなと思いますけれど、この帯域の一部分をするっと流そうかなと――伝送路を通してですね。そういう意味じゃ、詳しく検討はされてないのでそれ以上はあまり言えないんですけれど、なるべく何もいじらずに、ただし、電波で補完するよりは、同軸の周波数に変換して元へ戻すことで今の伝送路を使えないかと、そういう協力関係ができないかと思っています。
【多賀谷座長】  宅内で携帯電話と接続するという、そういう理解でよろしいでしょうか。
【野田部会担当部長】  そうですね。先ほどの無線・有線融合ということで、宅内でももう少し広くても・・・・・・。電波とぶつかるとどうしようもなくなりますので、微弱でやるか、あるいは、非常に・・・・・・。今は携帯電話の行かないところはほとんどないんですけれど、微弱で宅内ということが一番多いかと思いますけれど。そう考えますと、FMCとどこが違うんだと言われますけれど、固定、携帯、なるべくシームレスに何かできないかなと思っています。済みません、はっきり答えられなくて。
【多賀谷座長】  はい。
【本間地域放送課技術企画官】  事務局ですけど、今のお話、私の理解で補足させていただければと思います。
 条件不利地域というお話が野田さんからありましたが、例えば、携帯電話の基地局がないけれどもケーブルテレビの伝送路が張っているような地域で、携帯電話の基地局を置きたいと。そういうときに、携帯電話の会社さんがそこまで伝送路を張らないで、ケーブルテレビの伝送路をそのまま活用すると。そういう場合に、携帯電話の使っている周波数を同軸上でそのまま流して、それを基地局につなげてその周辺をカバーする、そういうようなイメージではないかなと、私はこれを読んで理解いたしました。
【多賀谷座長】  その場合には基地局との間は、従来は電力会社の専用線の話なので、それとも違うんじゃないかという気がしますけれど、恐らく。
【本間地域放送課技術企画官】  携帯電話の基地局の伝送路とは少し別の話になりますが、今、総務省の施策として、NICTからの委託研究で、ケーブルテレビの伝送路をPHSの基地局の伝送回線に用いて、PHSとケーブルテレビのサービスを一体的に提供できないかというような研究開発をやっておりまして、発想としては同じような、ケーブルテレビとモバイルとをどうやって技術的に、あるいは伝送路を物理的に融合させて新しいサービスができるか、というようなことも私どもの施策としてやっておるところでございます。
【多賀谷座長】  まだ流動的な話で、その場合に端末のところは、基地局というのは従来型の基地局なのか、それともまったくそれは違うような概念になるんじゃないかという気が私はしますけれども、まだ検討過程ということですね。
 先ほど電力線、通信とのかかわりのことをお話しされたんですが、それもおもしろい発想ですけど、何か具体的なプランをお持ちなんでしょうか、PLCとか。
【野田部会担当部長】  個人的なといいますか、意見ですが、電力線で線をつなぐだけでいけますから、あれがうまく使えれば、ほかのネットワークにわざわざつなぐ必要はないなと思っていますけれど。干渉等の問題がまだ出ているようなので、今すぐ使える状況にはないかなと思っていますが、ちょっと聞いているところによりますと、PLCの電波との干渉を防ぐための技術がいろいろ今開発されていて、それで使えるようになるかと思いますので、ぜひ干渉の少ない方式で、かつ――各社各様になるのは非常に困りましてね、ラボの標準化を考えますと――一方式で標準化されることを期待しつつ、それが出てきたら使おうかなと、そういうことで考えているところです。
【多賀谷座長】  確かに電力線、PLCの場合に、宅外の場合には混信の問題があってそう簡単にできない。今のところ家の中なわけですから、そこまでどうやってつないでいくかというのは、電気通信サービスを使うのか、それともこういうケーブルを使うのかというのは、確かに今後の課題ということになるわけですね、恐らく。
 そのほかにご質問等ございますでしょうか。
【寺坂構成員】  HFCの高度化ということで全般的な話もありましたし、前回のJ:COMさんのときも、HFCについての整備のほうが、当面はコストがというようなお話もあったと思うんです。今、ある意味、これから整備をしようとしている市町村、整備をしたいなという市町村においては一番ここが――ここはと申しますのは、HFCでいくべきなのか、果たして、やはり将来を考えてFTTHにすべきじゃないかと。
 つまり、今あるところの高度化というのはよくわかったんですけれども、新規の場合についてはこれからの検討課題かもしれませんけれども、あるべき姿として、一般的に言われているFTTHがあって初めてそういった財政的な面がクリアされる、あるいはそこの部分をクリアできる市町村においてはそういった整備をする。財政的にちょっと厳しいなというところがあったりすれば、HFCにするというような選択もあるかもしれませんけれども、実際、入札なりの現場ではまだら模様みたいな形になっているのが現状なんですけれども、方向性としてはいかがなんですか、そこら辺をちょっと・・・・・・。
【野田部会担当部長】  今回説明させていただきましたのは、同軸があるところの話でさせていただきました。新設するときにどっちがいいかという話になりますと、最近は光の機器がものすごく安くなってますので、私の感覚では新設で、それも密集地じゃないところはぜひFTTHだという感じがします。
 実は先々週、四国の何カ所かの現地を見てきて、そう実感しました。特に同軸ではアンプが1台で何百メートルしか行かないんです。何十キロとか、10キロぐらい人家がないところ、これは光しか届かないわけです。だから、そういうようなところこそ光が要るということで四国を見てきたんですけど、四国はだからFTTHが多くなっているんだなというのは、現場を見て非常に実感しました。昔は同軸しかできなかった、あるいは人家が多いところは同軸でやっていたんですけれど、同じケーブル局でも新設のほうは光に変えましたということで、新設についてはある程度、私は光はいいかなと思っています。
【寺坂構成員】  はい。わかりました。
【多賀谷座長】  ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。
 続きまして、米国の技術動向について、松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社 映像・ディスプレイデバイス事業グループのCATV SBU Sビジネスユニット長の香西様からご説明をいただきたいと思います。
【香西Sビジネスユニット長】  松下電器の香西でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私はケーブルテレビ事業者様に機器を納入する事業をグローバルにやっておりまして、国内ではヘッドエンドから端末までをやっておりますが、中国と北米に今事業を展開しております。そちらは主にセットトップボックスの事業を中心に展開をしていくということです。北米についても緒についたばかりでございますけれども、多少、情報がございますので、この研究会のお役に立つのであればということでお引き受けをいたしました。内容について、この研究会にそぐわない部分もあるかもしれませんけど、その辺はご理解いただきたいと思います。
 それでは、早速でございますけれどもご説明をいたします。技術動向の前に、やっぱり業界動向をご説明をしておいたほうがいいのかなということで、業界動向について若干触れさせていただきます。
 真ん中にある円グラフの左側でございます。2004年から2005年にかけまして、米国の放送メディア構成比率のところの、全世帯数が1億1,000万世帯で、4年から5年にかけてそう数は増えてない。その内訳を見ますとケーブルが6割を超えて、衛星が23%から25%に増えて、地上波が16%から14%に少し減っているという状況でございます。ケーブルの61%でございますけれども、半分以上がまだアナログ視聴でございます。衛星はすべて、SDでございますけれども、デジタル化が終わっております。したがって、ケーブルのアナログ視聴加入者を衛星の事業者さんが取りにいっているという構図でございます。したがって、一番上に書いてございますように、ケーブルは衛星放送と熾烈な顧客獲得競争を展開中ということで、それを阻止するためにケーブル局がそろってトリプルプレイ、要は放送・VODとブロードバンドインターネット、それとIP電話、この3つをそろえて差別化をしようとしている。
 一方、次のページでまたご説明いたしますけれども、電話会社がクワトロプレイ、トリプルに加えて携帯電話のサービスを加えて攻めてきておりまして、これに対してもケーブルとしては携帯電話会社と提携をして、このクワトロプレイをサービスしようとしているという状況でございます。
 右側の円グラフは有料テレビ放送加入者の内訳でございます。ブルーがケーブル加入者、黄色が衛星加入者で、Comcastというところがナンバーワン、DirecTV、Echo starというのは衛星系でございます。Time Warnerがケーブルの2位ということで、あとはCox、Charter、Adelphia、Cablevisionとなっております。Adelphiaが6%となっていますが、最近、ここが分割してComcastとTime Warnerに買収されています。Comcastに200万、Time Warnerに300万ということでございますので、Time Warnerの数が少し増えておりますので、DirecTVとほぼ同じぐらいの数字になっているかなというような状況でございます。
 また、一時は衛星が随分チャンネル単価を下げてきておりましたけれども、ケーブルもそれにほぼチャンネル単価を合わせてきているということで対抗しております。
 次のページをお願いします。非常に激烈な業界間競争が始まったわけですけれども、今申し上げた衛星系に加えて、電話系がそろそろ入ってきているという状況です。それに対して、まずケーブル業界としてはデジタル化を加速していって、もともと持っている60%をキープしようというふうな取り組みをしております。
 その辺の計画を書いたのが一番下の円グラフと、その横にある棒グラフでございます。円グラフがアナログケーブルとデジタルケーブルと分けてありますように、まだアナログケーブルの比率が高いということをこれは示しております。これに対しまして、隣の棒グラフにありますように、2009年には90%を超えるデジタル化、要はカバー率を上げていきたいということを考えているようでございます。
 その上の折れ線グラフがありまして、電話系、衛星系、CATVと書いてありますけれども、CATVは5年から9年まで同じ角度で伸び続ける、ただ、衛星は少し伸びが鈍化するという予測になっています。電話系につきましては、2005年はまだゼロですけれども、6年、7年と上がっていって、9年には、これでも500万世帯ぐらいかなということが予測をされております。
 これに対してケーブルは、単にデジタル化を加速するだけでなくて、コンテンツのハイビジョン化、それとクワトロプレイ、クワトロプレイの中でもとりわけ双方向サービス、これを多様化、強化をしようとしてるという状況であります。この双方向サービスを多様化するためのキーテクノロジーが、後ほどご説明しますけれども、OCAPミドルウエア(Open Cable Application Platform MiddleWear)というものが、非常に今、活況を呈してきているということでございます。
 電話系の事業者さんの動きは、2007年度はまだ非常に市場は小さくて、まだまだインフラの整備に時間が必要だということでございます。大きくVerizonとSBC――SBCは最近AT&Tに買収されたと思いますけれども、Verizonについては去年の9月22日にテキサス州のある市でFTTHを用いたRF多重の放送を開始したと。これは電話会社はIPテレビと言っていますけれど、これはRF多重ですからケーブルと同じCAMで、CASについてはMotorolaのケーブルのCASを使っている。だから、要はケーブルと同じ送り方をしているということでございます。
 しかし一方、SBCAT&TはFTTNということでFiber To The Node方式で、IPストリーミングで、DRMはマイクロソフトのDRMを使っていると。これこそまさにIPテレビに近いんじゃないかなと思いますけれども、そういう実証実験を最近完了したということでございます。ただ、Verizonはまだ300万世帯までしかカバー率を持っていないし、SBCもまだ600万世帯ぐらいしか持っていません。それに対して、大体、年々それぐらいの数を増やしていこうということを彼らは言っているようでございます。しかし、少し時間がかかるかなと。一方、電話系の放送の認可が、今までは市レベルで認可になっていた。ところが、これが国レベルでどんといけば、また一気に広がっていく可能性があると見ております。
 衛星系事業者につきましては、デジタルケーブルに比べて成長率が鈍化しますけれども、DirecTVのほうは2種類のVODサービスを計画していると。1つはプッシュ型のVOD。これは家庭にあるSTBの中にハードディスクを登載したものをDVRと呼んでいますけど、そのハードディスクの中の一部の領域に衛星系からどんどんコンテンツを降らしてくる――これは強制的に降らしてきて、お客さんが選んだらそのコンテンツを見られるようにすると。だから、従来のVODとちょっと違いますね。そういう方式とか、ブロードバンドを利用したネット配信、こういったものを予定しているようです。
 一方、DirecTVもEcho Starもワイヤレスブロードバンドの可能性を検討しているようですが、周波数の確保が難しい状況にあるということだそうです。WiMAX技術を利用していろいろ可能性を検討しているというようなことでございます。
 次、これはFCCの法規制関連の情報でございます。まず、北米のアナログ停波の期日は2009年の2月17日に決定をしました。ことしの2月8日に大統領が署名をして、予算編成が確定したということでございます。その内容は、アナログ停波しますから、その帯域があきます。その周波数のオークションをやりますと。その手続を2008年1月28日までに開始をする。そこから入ってくる収入は10ビリオンから12.5ビリオンですから、1兆円を超す収入が入ってくると見込んでおります。
 それを、1つはD−Aコンバータですね。アナログテレビしか持っていない方は、デジタルの放送も受けられるようなコンバータボックスが必要ですから、そのための助成費として1.5ビリオン、これをやって、200610日1日から開始をすると。そのやり方としては、1枚40ドルのクーポン券を1家に最大2枚、だから80ドル相当のクーポンをお渡しするということで、そのための費用として990ミリオンを最低充てることになっているそうです。それと、財務省には7.4ビリオン――8,000万円ぐらいですか、ほとんどがここに財政赤字補填のために入ってくる。それとあと、公共安全用の周波数割り当てと1ビリオンの拠出。その他、警報とか緊急通信とかに0.3ビリオン拠出するということになっているそうでございます。このクーポン券をどういう人に渡すのかということについては、現在、検討しているようでございます。要は低所得者層を中心に配るのか、来た人に順番に渡すのか、お店でそのクーポン券をかえるときのルールとか、そういったものを今、検討しているようでございます。
 2つ目がATSC義務化法案ということです。これは民生のテレビとか民生のレコーダーにチューナーを積む場合は、ATSCのデジタルチューナーをこの時期からそれぞれ積んでいかなければならないという法案でございます。36インチ以上は100%登載済みで、25から35は現在、半分登載で、6年の7月からは100%登載しなければならない。24インチ以下のテレビとDVDレコーダー、このあたりは2007年3月から100%登載して出荷しなければならないということになっております。
 3つ目がナビゲーションデバイス法案ということでして、これはケーブル事業者が配布するリース用のSTBにおいて規制される法案でございます。日本ではもうケーブル/カード方式になっているんですれども、アメリカはまだ組み込み型のCASになっています。だからCASがエムベデッドになっていまして、クローズな世界になっていますね。MotorolaならMotorolaのCASと、SAならSACASで、それをなかなかまねできないということになります。非常にクローズになっていると。それを、2007年7月以降は、そういう組み込み型CASSTBを配布してはいけない、それからは禁止するという法案でございます。当初は2006年の7月だったんですけど、ケーブル事業者側がそれはちょっと難しいということで、2007年7月までずらしてもらいました。そのかわり、FCCは2Way Plug & PlayというiDCR(Interactive Digital Cable Ready)の交渉の進捗状況とか、DCAS――これは後ほどまた申し上げますけれども、Downloadable CASの実用化状況をちゃんと定期的に報告しなさいということを義務づけた上で、延期を認めたということになっています。
 一方、最後にuDCRiDCR、これはOCAPと書いていますけれども、このあたりについて。uDCRというのはunidirect Digital Cable Readyということで1WAY、一方方向のデジタルケーブルレディのテレビという意味で、もう既にこれは2004年8月に導入をされています。iDCR、これはinteractive Digital Cable Ready、双方向のデジタルケーブルレディのテレビ、民生機器という意味で、これは200610月から導入を開始し、2008年7月には全米50%で利用可能にする計画を、ケーブル事業者はFCCにみずから報告しているという状況でございます。
 次、これがナビゲーションデバイス法案の少し詳しく説明したものでございます。一番上にありますように、FCCは、ケーブル事業者が配布するリース用のSTBにおいて、組込み型CASを禁止してケーブル事業者に依存するCAS機能とSTB本体とを分離するとともに、その本体部を共通化して、CEメーカーに仕様公開する法案を策定いたしました。その法案のことでございます。これによって、ユーザが引っ越した場合でも、その地域のケーブル事業者からカードモジュールだけを貸与してもらえれば、STBは変えずにそのまま使用できるということになります。
 それを実現する方法としては、2つの方法がある。1つはケーブルカードという方式で、もう1つはCASをダウンロードしてくるという方式で、これをDownloadable CASと言っております。この法案によって、ケーブル事業者は2007年7月以降、組込み型のCASSTBは出荷できないということになっております。
 そういう状況において、技術動向についてご説明いたします。先ほどから申し上げていますCASの移行プランです。上はSTBと書いていますが、リース用のSTBでございまして、現状は組込み型CAS、エムベデッドCASでございますけれども、先ほど申しましたナビゲーション・デバイス法が2007年7月に施行されれば、この後は組込み型はできません。ただし、Downloadable CASは今のところ、2007年度末から8年ぐらいに実用化できるのではないかと言われておりますので、7年7月は2WAYのケーブルカードしか恐らく実現できないだろう。ただ、2008年度になればダウンロードCASもしくはケーブルカードというソリューションが出てくると。
 一方、ケーブルテレビ対応の市販のテレビ、それについては現状は1WAYのケーブルカードで実現しております。200610月には、トライアルとしてケーブルカードを使ったOCAPテレビというもののトライアルを開始できるようになると言われています。2008年には、最終的にはダウンロードCAS、もしくはケーブルカードでそういう市販テレビも出てくると言われております。
 これはケーブルカードを少し技術的に説明したものでございます。上が1WAY、下が2WAYでございます。1WAYのほうを見ていただきますと、STB本体の中にフロントエンド部――チューナーとか復調部とか、そういったものをフロントエンド部と言いますけど、その部分とバックエンド部――CAS認証部とかLSIとかがついたものをバックエンド部と言いますけど、この中のCAS認証のところ、黄色く塗った暗号解読部と再暗号化の部分、この部分を、ここにありますようなPCMPCIカードのようなものにハードを入れて、それが抜き差しできるようになっているということです。
 下の2WAYカードも大体同じカードでございます。赤い線で書いてありますのが、2WAYの場合はチューナー部からカードを通じてアプリケーションというところに載ってくる。一方、上りの信号としましては視聴履歴とか端末ステータス情報とか、そういったものがケーブル局ヘッドエンド側に上がっていくという仕組みになっております。
 これはDownloadable CASでございます。DCASの概要は、この図を見ていただきますように、STB本体の中のフロントエンド部はこういう形になっております。CASの部分が共通部分とDCASCASのソフトの部分に分かれておりまして、DCASのソフトの部分、これをヘッドエンド側からダウンロードしてくることになります。ダウンロードしてくる部分については、セキュアレベルの高いチップを用いて、そこにダウンロードしてくることになります。
 そういうDCASをケーブル業界(NCTA)は進めていますけれども、それに対するCE業界とかIT業界の反応、主張が最近いろいろ出てきております。CEIT業界は、DCASに対して、PCIExpressバス(2.5Gbpsシリアル伝送)上で暗号化をして流すというものは利用が非常に困難だ、難しい、これを勝手にやるというのはIT業界の締め出しではないかということで大分反対をしておりまして、FCCなんかに大分意見を言っているようでございます。その代表がインテルであるとかDellといったところでございます。
 しかし、NCTAはそれに対して、そうは言っても高価値のコンテンツをデジタル配信するときに、高い暗号化というのは非常に重要なものだということで、この技術は絶対にやらなければならないと反論しており、全米映画協会はこのNCTAの意見を支持しているという状況でございます。一方、マイクロソフト社は基本的にはNCTAの意見を支持するけれども、もう少し改良があったほうがいいんじゃないかということを言っておられるようです。
 その下の図は、FCCと、左側の3つがケーブル業界の組織、右のCEAというのは民生テレビメーカーなどの組織で、その関係を示したものです。これ以外に、IT業界が外にいるというわけです。
 次はOCAPでございます。先ほど、双方向サービスで多様なサービスをするために必要な新しい技術としてOpen Cable Application Platform、OCAPミドルウエアというのが必要だということを申し上げましたけれども、北米ケーブルSTB向けのソフトウエア(ミドルウエア)の仕様のことをOCAPといいます。これは、欧州のMHPをベースとした北米デジタルCATV標準規格になっております。このOCAPアプリケーションをダウンロードして、EPGとかVOCとかPPVとか、そういった多様な双方向サービスを実現できるというものでございます。
 OCAPの意義を書いていますが、ケーブル事業者にとってどういう意義があるのかということです。1つは、複数のSTBベンダーに競争させて、受信機のコストダウンとか性能の向上を競わせる、要は、マルチベンダー化が容易になってくるということ。それとアプリケーションのコーティングを一々やらなくてもよくなりますので、新しいサービスを即時展開することができる。3つ目が、市販OCAP受信機、OCAPテレビというものの実現ができて、ケーブルの新規加入者への窓口が拡大できるのではないかということでございます。
 一般の視聴の加入者にとってみれば、多様な新規サービス、EPG等々をタイムリーに享受できることがメリットとなってくると思います。
 その下はヘッドエンド、ケーブル局設備から家の中にあるSTBに対して、OCAPのアプリケーションをダウンロードしてきて、STB上にコーティングをするという絵でございます。これで、右の端に吹き出しで書いてございますように、STBの階層は、一番下にハードウエアがあって、その上にオペレーションソフト(OS)――リナックスとかそういうものが一般的だと思いますけれども――その上にミドルウエアOCAPというのが載ります。ミドルウエアOCAPと上のアプリケーションの間に、ここのインターフェースを標準化しておけば、このアプリケーションの部分をヘッドエンド側から好きなものをダウンロードしてこられるということでございます。先ほど、日本ケーブルラボさんからありましたAPI、それがそこのアプリケーションプラットフォーム・プログラム・インターフェースということになります。同じことでございます。
 これは、従来のVODシステムとOCAPを使ったVODシステムの違いをわかりやすく書いた絵でございます。従来のVODシステムの場合は、例えばA社さんのVODシステムというのがあれば、ヘッドエンド側にA社のVOD送出サーバーというのを置いて、家にあるSTBはA社さんのVOD専用のSTBになります。したがって、ハードウエアの上にOSはあるんですけれども、その上はミドルウエアとアプリケーションが一体となったプラットフォームになっておりまして、これはA社さんのVODのサービスしか受けられない。したがって、B社さんのVODシステムは、配信されてきてもここが使えないということになります。
 ところがOCAPの場合は、右に書いてありますように、ミドルウエアを共通化しておきますと、その上を標準化しておけばアプリケーションはA社のものでもB社のものでも、好きなほうを選んでダウンロードしてサービスを受けることができるというものでございます。少し簡略化して書いてございますけど、こういうイメージでございます。
 従来は、A社さんのVODをやろうとすると、A社さんというVODメーカーさんに一々STBにコーティングしてもらうという作業が発生していたんですね。そういうことがまったく不要になってくるということでございます。
 これはDOCSISのことで、先ほどもケーブルラボさんから詳しくご説明があったので割愛をしたいと思いますけれども、ここで重要なのは、DOCSISDSGというのがございます。DOCSISというのは、一般にインターネットのアクセス系を実現するケーブルモデムの規格総称なんですが、それをSTBの中に持ち込んで通信系回路として転用する技術をDSG(DOCSIS Set-top Gateway)と言っています。これがあるからSTBの中に持ち込めるという技術です。従来、アナログの時代はOOB(Out of Bound)という方式になっていまして、これはオープンな規格じゃなくてクローズな規格だったんですね。したがって、なかなかスペックがわからないので、同じものがいろいろなメーカーでつくれないという状況でした。それが、DOCSISDSGという技術によってオープンな規格になりましたために、だれでもつくれるようになったということが一つのポイントかと思います。
 MoCA、これもそろそろアメリカでも実用化が進んでおります。これは先ほどご説明がございましたので割愛します。
 活動のところを見ていただきますと、認証テストについて、ことしの3月に第1回の認証テストがアメリカで終了いたしまして、8社がパスしております。仕様としては、2006年3月にMoCAのバージョン1がリリースされたという状況でございます。
 MoCA、c.LINKというのはホームネットワーク用と、先ほど言われた通信用のアクセス系がございます。基本的には、最初の開発というのはホームネットワーク用にされて、その上にソフトを載せてアクセス系に展開していっているというものでございます。
 これはc.LINKを利用したホームネットワークの概念図といいますか、こういうことだという図でございます。ケーブル局からケーブルの信号が送られてきて、リビングにMulti-roomDVRというものがある。これはチューナーが例えば6つぐらい入っていて、ハードディスクは、多分400ギガぐらいの大容量の記録ができるものが入っている。ここに、先ほど申しましたOCAPミドルウエアが入っていて、双方向サービスがいろいろ受けられる。そこにc.LINKという、同軸でも100メガ以上が双方向に流せるようなチップが登載されている、そういうMulti-roomDVRがあるとすると、上の部屋の右側、STB c.LINK Built-inというセットトップボックスがあって、ここにもc.LINKがビルトインされていますと、リビングにあるMulti-roomDVRのハードディスクに記録をされたコンテンツを、上の部屋のセットトップボックスでコントロールすれば、ハイビジョン画質がこれで見にいけることになります。
 その右側は、さらに進歩すれば、Digital TV c.LINK Built-inと書いてありますように、この中にc.LINKが入れば、隣の部屋のテレビからMulti-roomDVRの中のコンテンツを見にいけるとか、このチューナーを使って放送を見られるとか、そういったことが実現されてくると考えています。こういうのは実際に、MotorolaとかVerizon社はもう既に実証実験を開始しているというような状況にございます。
 さらに、まだこれは実現化はされていませんけれども、そういうMulti-roomDVRのネットワークに家電機器もつながっていくという概念図でございます。例えばIPカメラなんかがガレージにありますと、ガレージで音がする、そのときにはテレビを見ながらリモコンでセキュリティーボタンを押せば、そのカメラの映像がこのテレビの子画面として出てくるとか、そういうイメージのサービスもできるのではないかと言われています。
 少しまとめになるんじゃないかなと思うんですけれども、北米ケーブル市場に弊社がどういうアプローチをしたかということでございます。従来は、ご承知のように、Motorola社というところとSA(Scientific-Atlanta)というところでCASを握っています。しかも、ヘッドエンドは彼らがしっかり握っているということで、完全にクローズな世界であり、非常に参入障壁が高かったわけでございます。そこに対してFCCがナビゲーションデバイス法案を出して、エムベデッドCASはもうだめですよ、ケーブルカードかダウンロードCASにしなさいということで、オープンに市場がなってきた。もう1つは、OOBからDOCSISということで、これも仕様がオープンになってきた。それとOCAPミドルウエアについてもケーブルラボが標準化してスタートしますから、これもオープンな世界でスタートしている。そういう中で、特に最大手のComcast社がOCAPを登載したSTBをマルチベンダーから買いますよということを宣言した。そういう意味でも、調達のオープン化というのが始まった。
 そのように参入障壁が非常に下がってきたというときに、当社としてステップ1としては、OCAPミドルウエアを開発し、OCAPSTBも開発して、なんとか少しでも入っていこうという努力をしている。ステップ2としては、先ほどから申し上げているマルチルームSTBを中心としたホームネットワークとか、さらにそれにCE機器を巻き込んだネットワーク、そういったもので展開をしていきたいと考えております。
 これは、この4月9日から11日にアトランタでございましたアメリカのケーブルショーのトピックスでございます。4点ございます。1つはOCAPへの期待が非常に大きなショーであって、OCAPベンダーが多数参入していたということでございます。具体的には、6社のOCAPが出店をされていました。恐らくOCAPの差別化要因は、応答速度だと感じます。要は、リモコンを押したときに、いかに感触よく画面がパッパと変わるか、これがキーになると思います。だから、遅いものは脱落していくと考えています。
 2つ目は、先ほど申しましたMulti-roomDVRの取り組みで、これが非常に積極的になってきています。Motorola社とかMoxiという会社は、こういうのをデモで出店しておりました。クライアントSTBと親機となるサーバSTB、こういったデモをどんどんやっておりました。
 3つ目は、ポータブルメディアプレーヤというのも数社から出ておりました。これは、Multi-roomDVRの中のハードディスクに記録されたコンテンツを、外に持ち出して見たいというようなポータブルメディアプレーヤです。どうやってそれに落とすかというのはいろいろ工夫がございまして、例えばSA社はDVDに録画して専用プレーヤで見るとか、Motorolaは携帯電話にダウンロードして携帯電話で見るとか、そういったものを提案しておりました。
 4番目。STBベンダーとして、やはりMotorola社とSAの存在感が非常に大きかったと思うんですけれども、先ほど申しましたように参入障壁がだんだん下がってきたということで、欧州のPACEという会社、アジアでは松下とかSamsung、そういう会社の参入が目立っておりました。
 これが最後になりますけれども、ブースの写真でございます。上段はパナソニックのブースでございます。下はCable Labsのブースであるとか、Motorola社のブースとか、PACEのブースでございます。Cable Labsのブースには、実はSamsungさんが出したOCAP内蔵のテレビが出ております。やはり少し回路が大きいので、通常の液晶とかでは実現できずに、後ろから投射するタイプで出しておりました。Motorolaブースではホームネットワーク、要はMulti-roomDVRをベースとしたホームネットワークの展示。PACEさんのブースでは、先ほど申しましたようにハードディスクから外に持ち出すポータブルメディアプレーヤ、こういったものの展示をされていました。
 少し冗長になりましたけれども、以上でございます。どうもありがとうございました。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。それでは、ご質問ございましたらご自由にお願いいたします。
【石橋構成員】  よろしいでしょうか。CASのことなんですが、ダウンローダブル、これ日本でも当然考えられますよね。
【香西Sビジネスユニット長】  考えられると思います。
【石橋構成員】  そうですよね。今、我々、現在のセットボックスでは3つのメーカーさんのCASが入っているわけですね、CASとしては。ハードウエアとしてはどれでも使えるというようなことになっているんですが、それと同じように、3つのCASをそれぞれのヘッドエンドに合わせてダウンロードしていけばいいということで、ハードウエアは変えなくていいということは当然ですよね。
【香西Sビジネスユニット長】  はい。そのとおりでございます。
【石橋構成員】  それからもう1つ、OCAP、これいろんなベンダーが開発されているということで、松下さんもやっておられて、その差別化は応答速度だと今お話があったと思うんですけれども、それを登載されたセットボックスは、各ベンダーさんでコンパチになるんですか。
【香西Sビジネスユニット長】  基本的な、例えばOCAPのバージョン1というスペックであれば、そこまでだったら同じだと思うんです、多少速度の差はありますけど。しかしそれだと差別化はあまりできませんから、そこから拡張をしていかなければならないと。その拡張をどういう拡張をするかは、ここは各メーカーで非常に重要なポイントだと思います。
【石橋構成員】  ちょっと言葉を変えて言いますと、同じネットワーク、同じヘッドエンドの下に違ったメーカーのボックスがぶら下がることができるかということです、同一ネットワーク内に。
【香西Sビジネスユニット長】  それは、基本的にはそうでなければならないと。
【石橋構成員】  そうですね。ただ、ボックスによっては応答速度が速いとか遅いとか、そういう差がそれぞれのお客さんで出てくると。
【香西Sビジネスユニット長】  それはあると思います。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。
【大塚構成員】  済みません、よろしいでしょうか。またOCAPについてなんですが、資料の中に、パソコン系のベンダーはどちらかというと消極的であるというようなお話がございましたけれども、OCAPが普及すれば、これはパソコンにも載ってくるような、ちょっと素人的な発想なんですが、そういうような考え方でよろしいんでしょうか。
【香西Sビジネスユニット長】  パソコンというのはIP系という・・・・・・。
【大塚構成員】  そうですね。
【香西Sビジネスユニット長】  これは同じことだと思いますね。したがって、情報だけですけど、SA社なんかはケーブルセットボックス用に考えているOCAPを、そのまま放送系のIPセットトップボックス用に転用、共用しようというようなことを考えているようでございます。
【山下構成員】  初めのほうのところで、ケーブルテレビのシェアを衛星が取りにくるというようなお話がございましたけれども、こういうときというのは、セットトップボックス自身はリースのようですので、そうするとケーブル会社がセットトップボックスのデジタル化におくれると、そこでお客さんのほうは、じゃあ、衛星に変えるよというふうな、そういうタイミングの問題になっているのでしょうか。
【香西Sビジネスユニット長】  はい。そういう理解が正しいと思います。アナログからデジタルの変わり目で、アナログのケーブルを見ている人が、なかなかデジタル化してくれないから、そうしたら衛星はデジタルでいろいろないいサービスをしてくれるから、そっちに乗りかえようということが起こっているということでございます。
【山下構成員】  よろしいですか。そうすると、そのときに2つ疑問があるんですが、一戸建ての場合と集合住宅のような場合とでスピードに違いがあるのかということと、それから、会社によってというんでしょうか、ケーブルテレビの会社によって、例えばComcastは早く変えてくれるけれどもTime Warnerはおそいとか、そういうようなスピードの差というのがあるのか。そういうのはどうなんでしょうか。
【香西Sビジネスユニット長】  ケーブル事業者による差はあると思います。ケーブル事業者によっては、もう既に8割以上のデジタル化をしているところもあります。これはあくまで平均的な数字を書いただけで、小さいところで非常に早いところもございます。逆に、Comcastなんかは少しおくれているというような状況でございます。
 あともう1つ、最初におっしゃられた集合住宅と戸建てですね。ちょっとその辺は情報がございませんので、申しわけございません。
【石橋構成員】  もう1つよろしいでしょうか。
【多賀谷座長】  どうぞ。
【石橋構成員】  今までアナログ時代にはあまり積極的でなかったケーブル事業者が、今度デジタル時代になってCASを積極的にやるということを言っているというのは、やっぱりコンテンツ保護ということが一番の理由なんですか。
【香西Sビジネスユニット長】  そうですね。デジタルになってくると、先ほどありましたように、映画コンテンツとかハイビジョン用のコンテンツでたくさんお金を取らないかんと。そういうときに暗号化、CASというのが非常に重要なキーテクノロジーになってくる。セキュリティーが高くないとコンテンツを供給してもらえないという問題がございますので、非常に重要なポイントだということだと思います。
【石橋構成員】  要するに、権利者がケーブルに認めない可能性があると。
【香西Sビジネスユニット長】  はい。そういうことだと思います。
【石橋構成員】  そういうものを用意しておかないと。
【香西Sビジネスユニット長】  はい。そうです。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございました。
 それでは、次の議題に入りたいと思います。諸外国のケーブルテレビの状況について、事務局からご説明いただきたいと思います。
【梅村地域放送課課長補佐】  本日は、昨年度、総務省が海外のケーブルテレビの状況に関して野村総合研究所に委託して調査をしております、その調査結果の概要につきまして、野村総合研究所情報通信コンサルティング一部副主任コンサルタントの葛島様からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【葛島副主任コンサルタント】  野村総合研究所の葛島です。よろしくお願いします。
 早速ですけど、海外におけるケーブルテレビ市場の動向を、資料3−3を元にご説明させてください。
 今回ご説明させていただくのは、米国、イギリス、フランス、ドイツ、韓国、中国と、6カ国のケーブルテレビ市場の現状の普及動向等を説明させていただきます。
 2ページ目ですけれども、米国のケーブルテレビ市場です。普及状況と事業者の動向と衛星も含めた多チャンネルサービスの状況、そしてインターネット・電話サービスの状況という4つのセットで、各国のご説明をさせていただきます。
 米国ですけど、ケーブルテレビの加入世帯数、先ほども松下さんのほうからありましたけど6,540万世帯、普及率で約59.3%となっております。デジタル化率は43.6%という状況です。米国は41年からケーブルテレビが始まりまして、1950年にはMSOが登場しております。
 先ほども衛星系の話がありましたけれども、衛星系が96年に登場しましたチャンネル市場で独占状況が崩れて、2000年から地上波が衛星で始まったということも影響しまして、ケーブルテレビの普及率は近年、減少傾向にあるという状況になります。表のほうを見ていただくとわかりますが、総加入世帯数、こちらは6,600万世帯前後で頭打ちで、最近は減少傾向にあるという状況になります。
 めくっていただきまして、事業者の動向になります。事業者数は、FCCの申請がシステム単位になっておりますのでシステム数ということで置きかえさせてください、2005年末時点で8,409になっております。システム数は年々減少しております。一番左の表を見ていただくとわかるかと思います。こちらは、MSOがシステムを統合させて大規模なシステムを構築することで効率化を図っているという背景がありまして、減少しております。またその事業者なんですけれども、MSO化がより進んでおります。先ほど、AdelphiaがComcastとTime Warnerに買われたというお話がありましたけど、真ん中の表を見ていただくとわかりますが、トップ5で加入世帯の67.9%です。トップ10年の加入世帯数を合計しますと、約8割程度の加入世帯を数えることになります。Adelphiaも買われましたし、この方向が進んでいるという状況になります。
 めくっていただきまして、多チャンネルサービスの状況です。多チャンネルサービスの加入世帯、全体で約9,520万世帯、普及率で約86.4%になります。こちらは衛星もケーブルも受けているという方もいらっしゃいますが、そこは重複世帯は考慮しない、単純に足し合わせた数字になっております。この中でケーブルテレビのシェアは約69%と、年々加入世帯は若干減ってはおりますけれども、まだ圧倒的なシェアを握っているという状況になっております。最近では衛星が伸びているというところと、通信事業者や自治体がブロードバンド回線で提供する多チャンネルというのが伸びているというのが、最近の状況になります。
 まためくっていただきまして、インターネット・電話サービスの状況ですね。こちらは2005年末時点で約2,550万世帯。ブロードバンドサービスの中でのケーブル・インターネットのシェアは57.6%となっております。米国はケーブル・インターネットはかなり早い段階からサービス提供し始めましたので、2000年時点で約70%程度のシェアだったんですが、通信事業者がADSLに力を入れ始めておりまして、徐々に減少して、現在57.6%という状況になっております。
 下のところが電話サービスの状況です。電話サービス・ケーブル電話の加入世帯数は、2005年末時点で530万世帯となっております。そのうち、約220万世帯がIP電話となっている状況になっております。
 ちょっと駆け足になりますが、英国、イギリスの状況に移らせていただきます。普及動向ですけれども、2005年末時点で336万世帯、2004年末の普及率になりますが、12.6%という状況になります。この中でデジタルサービスの加入世帯、デジタル化率は約78.4%という状況です。普及率は低めですけど、デジタル化率は高いという状況になります。
 1950年からケーブルテレビサービスが始まりまして、1991年に通信事業、電話サービス・インターネットのサービスができるということが、ケーブルテレビ普及のきっかけになっております。
 続きまして事業者の動向、7ページに移らせていただきます。英国のケーブルテレビ市場ですけれども、去年、NTLとTelewestという2社があったんですけれども、合併した結果、現在1社という状況です。市場規模でいいますと29.1億ユーロ、ARPUが、月間の平均ですけど73.4ユーロという状況です。日本に比べたら、若干、ARPUは高いかなということです。電話サービスが提供できるということで急速に発展は遂げたんですけれども、なかなか初期投資に見合う利益が上げられなかったという状況で統合が進んで、2001年の時点でもう既に2社という状況だったんですが、それが昨年、ついに1社になってしまったという状況です。現在もこの2社は両方の名前でサービスは提供中という状況です。
 多チャンネルサービスになります。こちらは2005年末時点で、合計で1,000万ちょっと、1,043万世帯、普及率でいきますと約39.7%という状況です。英国は衛星放送、現在のSkyがかなりのシェアを握っていたんですけれども、そこに対してケーブルインターネット等のサービスをつけ加えることで競争してきたという状況です。
 英国は特に無料で多チャンネルを流すという方向で地上波が展開しましたので、低額のSTB、こちらに6,000円から1万円と書いておりますけれども、こちらのSTBを買うと30チャンネル程度の無料放送が見られるという形で、そちらは無料になりますけど、多チャンネル市場の競争環境は激しいという状況です。現在、地上デジタル放送、Freeviewというものですけど、出荷台数は昨年末で1,050万台程度という状況です。
 続きまして、インターネット・電話サービスの状況になります。英国のインターネットサービスの加入世帯数ですけど、2004年末時点で173万世帯、ブロードバンドの中のシェアでは41%という状況です。英国のインターネットの接続スピードは、欧州の中でも比較的遅い状況になりますので、そこの中でケーブルインターネットは比較的早いサービスを提供できているというので、ある程度のシェアを保っているという状況になります。FTTHはまだ商業的にはサービスされておりません。
 電話サービスですけど、2004年末時点で426万世帯です。こちらはIP電話サービスがまだ提供されていないという状況になります。
 続きまして、3カ国目のフランスに移らせていただきます。2004年末時点で普及状況は360万世帯、普及率で15.3%と、比較的低めになっております。デジタル化率も29.8%という状況です。
 フランスはケーブルの始まりが遅めになっておりまして、1982年にプラン・カーブルという施設計画が出たところから本格的に始まっております。当時、Canal Plusというペイテレビチャンネルが地上波経由で流れていたというところも、ケーブルテレビの普及を妨げる背景になっていたという状況になっております。加入世帯数を見ていただきますと、順調と申しますか、2001年で323万世帯だったものが、現在360万世帯ということで、徐々に増加はしているという状況です。
 続きまして、事業者の動向になります。フランスも事業者数は少なく、2005年末時点で2社になっております。市場規模でいいますと14.2億ユーロ、月間の平均ARPU33.3ユーロという状況です。フランスもイギリスと同様、合併が続いて現在2社という状況になっております。
 続きまして、12ページ、多チャンネルサービスの動向になります。フランスの多チャンネルサービスは、2004年時点で合計で916万世帯、率でいいますと36.7%という状況になっております。先ほどから重ね重ねになりますけど、Canal Plusが地上波でサービスを提供していたということで、衛星ケーブルが苦戦していたという状況です。そちらに対して、ケーブルテレビは電話やインターネットのトリプルプレイで加入者数を少しずつ増やしているという状況になります。
 続きまして、インターネットや電話サービスの状況です。フランスのインターネットサービスの状況ですけど、加入世帯数は2004年末時点で45.5万世帯、ブロードバンドサービスのシェアの中では6.9%となっています。圧倒的にADSLがフランスでは強くて、93%を占めております。一方で、FTTHはまだ提供されておりません。
 電話サービスですけど、2社ともIP電話サービスを導入しております。2004年末時点で6.8万世帯という状況になっております。数はまだ限られていると。
 続いて欧州最後の国になりますけれども、ドイツの状況になります。ドイツのケーブルテレビサービスですけど、2004年末時点で2,220万世帯、普及率で59%ですね。普及率は高いんですけど、デジタル化率でいきますと約1.1%という形で、まだまだデジタル化は進んでいないという状況です。ドイツは、有名な話ですけど、ずっとドイツテレコムがインフラを握っていたんですけど、そちらが90年代中ごろから参入を認め始めたという状況です。接続可能世帯数は伸びてなく、総加入世帯数もほぼ頭打ちという状況です。
 事業者の動向ですけど、ドイツのケーブルテレビ事業者数は、2004年末時点で9社となっております。ドイツは卸と小売という形で分かれておりまして、こちらは卸、回線を持っている方々の事業者数の数字です。小売といわれているレベル4というところなんですけど、そちらの数はかなり多く、5,000とも6,000とも言われている数字になります。市場規模は、2004年末時点で35.2億ユーロ、ARPUはかなりほかの国と比べても低くて、13.2ユーロ程度という状況になっています。
 ドイツも、買収や、事業者の統合が、いろいろと進んでいます。この辺の説明は割愛させていただきます。
 多チャンネルの状況ですけど、衛星、IPTV合計して3,653万世帯、普及率で93.4%とかなり高い数字になります。ドイツはドイツテレコムが握っていたというところから、ケーブルテレビの数が多いところがかなり背景にあるという状況です。また衛星放送も、多数の放送事業者が無料放送を行っているというところが、ドイツは特徴的かなという状況です。
 続きまして、インターネットや電話サービスの状況です。ドイツのケーブルインターネットサービスの加入世帯数は、2004年末時点で14.5万世帯、シェアでいうと2.1%。ドイツもADSLがかなり多くのシェアを握っているという状況になります。
 続きまして、下側の欄が電話サービスですけど、2004年末時点で4.8万世帯。ドイツもIP電話は提供しておりません。ドイツはデジタル化がかなりおくれておりますので、このあたりのサービスについてもおくれているという状況になっています。
 続きまして、アジアに移りまして韓国になります。韓国の総加入契約数――世帯数ではなく契約数になりますので、ほかの国とは基準が違いますのでご注意ください――1,350万世帯、普及率で、テレビ台数比になりますけど、約69%という状況になります。韓国は総合有線放送事業者、SOといわれている事業者と、中継有線放送事業者、ROといわれる再送信しかしていない事業者で分かれて始まったというところが特徴的です。加入世帯数は順調に伸びておりまして、2001年で普及率33%だったものが、最新、2005年の6月で69%ということで、順調にケーブルテレビが増えているという状況です。
 続きまして19ページですけど、事業者の動向です。事業者数はSO119社、RO198社となっております。もともとROといわれる再送信しかしていなかった事業者がケーブル事業は多かったんですけど、そちらがSOに転換できるという政策を進めた結果、SOが増加してROが減少しているという状況です。韓国もMSOがあります。韓国では9つのMSOがありまして、それらを足し合わせますと、ケーブルテレビ全体の70%を握っているという状況になります。
 多チャンネルの状況ですけど、合わせまして1,404万世帯です。市場規模でいいますと1兆3,480ウォン。うち、中継のRO366となっております。韓国には衛星放送もございますけど、総合有線放送、SOの加入者数が圧倒的という状況になります。
 ちょっと急ぎまして、インターネット・電話サービスの動向に移らせていただきます。ケーブルインターネットサービスの加入者数は、2005年末時点で401万世帯、ブロードバンドにおけるシェアは33%となっております。韓国で最も多いのがADSL655万世帯で、続いてケーブルという状況になっております。
 電話サービスなんですけど、昨年、韓国でCable TelecomというSO、ケーブル事業者が立ち上げた会社があって、そちらが電話サービスをしようということで免許を申請しまして、情報通信部に1回保留されたんですが、ことしの3月にやっと許可が下りたというところなので、ことしの下半期ぐらいからは電話サービスが始まるんじゃないかと言われているという状況です。
 続きまして最後の国、6カ国目になりますけど、中国になります。中国の加入世帯数は、昨年、2005年末時点で1億2,569万世帯というかなり多い数字になります。率でいいますと66.3%ですね。一方、デジタル化はおくれておりまして、デジタル化率約3.5%という状況です。市場の始まりは、1954年ぐらいから始まりまして、1999年にケーブルテレビについての重要な通知が出まして、コンテンツとネットワークを別々に分離して産業化を進めていきなさいということから、より積極的に始まっているという状況です。また、2003年からはデジタル化も進んでおります。ネットワークとしては、400万キロメートルという規模になっている状況です。
 23ページですけど、事業者の動向です。2005年末時点で248になっております。先ほど1999年の法令がありましたけど、そちらも元になっているんですけど、ケーブルのネットワークは1つに固まっていきなさいという形になっておりますので、事業者数は全体として減少している状況です。中国は、こちらも特徴ですけど、省にまたがる大きい会社と省レベルの会社、市レベルの会社という形で、いろいろな規模によって管理されていると。放送業界以外の資本参入は50%以下でなければならないという制限があるので、本格的に他業界の資本参入というのはまだ起きてないんですが、その中でも他業界から出資している会社は現在4社という状況になっております。
 続きまして、24ページは多チャンネルの状況です。中国はまだ衛星放送は始まっておりませんのでケーブルしかございません。市場規模で151億元という状況です。
 一番最後の「・」ですけど、衛星放送はまだ始まっておりません。SARFTというところが管理をしておるんですが、そちらが現在、実験段階で進めていると。初期のサービスとしては農村部向けに、ケーブルが届かないような地域で衛星放送を始めていこうとしている段階になります。
 続きましてインターネット・電話サービスです。中国のインターネットですけど、ケーブルの総合デジタル化がおくれているというのもありまして、加入世帯数は120万世帯と。圧倒的なシェアを握っているのがADSLという状況になります。中国も通信と放送業界の業務範囲から進出してはいけないという規制がございますので、放送業界はあまり通信に積極的ではないと。通信サービスを提供しても、通信事業者にかなりの回線使用料を払わないといけませんので、利益率が限られておりますので積極的ではないという状況があります。
 そのような進出してはいけないという法令がありますので、電話サービスもまだ提供されていない状況になります。
 最後にご参考までに、IPTVが各国でどの程度やられているかというのを一覧でお示ししております。米国とイギリス、フランス、ドイツを並べております。こちらはご参考までにということで、ご説明は割愛させてください。
 以上でご説明、終わらせていただきます。
【多賀谷座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明についてご質問等ありましたら、どうぞ。
【寺坂構成員】  18ページの韓国についてなんですけど、デジタル化率というのが、ほかのところはすべてあるんですけど・・・・・・。
【葛島副主任コンサルタント】  韓国のデジタル化率の数字が追い切れなかったということで、ここは数字を置いておりません。
【寺坂構成員】  やっていることはやっているんですね。
【葛島副主任コンサルタント】  はい。進めております。
【多賀谷座長】  そのほか、どうぞ。
【小池統括担当部長】  最後の26ページでIPTVと表現されていますが、このIPTVIPマルチキャスト方式で行っているのですか、それともユニキャストですか。区別はありますか。
【葛島副主任コンサルタント】  この表ではそちらの区別はしておりません。
【梅村地域放送課課長補佐】  全て確認はしていないが、資料のサービスのうちIPマルチキャストによるものも含まれている。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。
【山下構成員】  イギリスとフランスで普及率が非常に低いのと、歴史が浅いんですが、難視聴対策というのをそれまでやってこなかったんでしょうか。
【葛島副主任コンサルタント】  イギリスは地上波テレビの再送信というのはされておりました。フランスなんですけど、フランスで再送信対策が80年以前にどれぐらいやられていたかというのは、ここでは情報が追い切れておりません。
【山下構成員】  あともう1つは事実確認で、中国で加入率のところなんですけど――22ページですね――普及率66.3%になっているんですが、人口から考えると、そうすると全体の世帯が2億ちょっとというのは考えられないので。
【葛島副主任コンサルタント】  失礼しました。普及世帯数は33.6%ですね。こちらの表の数字を見ていただくと。加入世帯数の下の世帯普及率という数字になります。失礼いたしました。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。
 中国の場合には、これ、1つの国ではないと考えたほうがいいのかも・・・・・・。
【葛島副主任コンサルタント】  そうですね。結構省ごとに・・・・・・。基本的に全体での法令はあるんですけど、省ごとにかなり違いますし、自治体の感覚も日本とはまた違って、社会主義の国ですのでそれ自体が企業のような感覚もございますので、一概に日本の感覚でいきますと、実感としてはわかりにくいところがあるようです。
【多賀谷座長】  衛星放送はやってないというんですけど、基本的に衛星で省間で番組を大量に流していて地上同士で相互交換をやっていて、当然、ケーブルを通じてもほかの省の番組が流れるという、そういう状況になっているので、多分、ほかの国とは状況が全然違うんだろうと思います。
【葛島副主任コンサルタント】  衛星も、違法では受けている方々もいらっしゃると。
【多賀谷座長】  いや。適法でといいますか、要するに・・・・・・。
【葛島副主任コンサルタント】  今の話は適法の話です。
【多賀谷座長】  そうです。
【葛島副主任コンサルタント】  あと、外国人居住者向けの衛星放送は法的にもOKという形では放送されているという状況です。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。
 眺めてみると、やっぱり日本とピッタリ同じような国がなかなかなくて、比較も難しいなというところですか。いずれにせよ、アメリカを除くとデジタル化率とか、あるいは光化率がほかの国におくれているので、その点では、別に比較にならないというわけではありませんけれども、そういうことを考えなければいけないというところがありますね。
 そのほかございますでしょうか。
 ここには出てきませんけれども、先ほどの韓国や中国の話を聞いて、ケーブルのネットワークが都市部に普及しているのか農村部に普及しているのかというのも、もう1つの切り口として考えてみたほうがいいのかもしれませんけど、押さえていらっしゃいますでしょうか。
【葛島副主任コンサルタント】  都市部か農村部かというところではまだ押さえては・・・・・・。中国に関しては、基本的に都市部のほうで地方のほうの格差が問題になっているということが、先ほどの農村部で衛星サービスを始めようかというところにつながっているんですけど、各国でどうなっているかというのは追い切れておりません。
【多賀谷座長】  ほかの国で、ADSLが大分普及しているというのがヨーロッパのあれなんですけど、日本の場合、ADSLの場合にはある程度距離があるとなかなかスピードが遅くなるという話があります。ヨーロッパでこれだけ普及しているというのは、何か・・・・・・。
【葛島副主任コンサルタント】  ヨーロッパも日本よりADSLは遅くて、数メガというのが今の中心サービスですね。
【多賀谷座長】  それで我慢しているわけですね、ヨーロッパは。
【葛島副主任コンサルタント】  そうですね。
【多賀谷座長】  そのほかございますでしょうか。
 それではといいますか、本日の議題全体について、質問あるいはコメントで忘れられたことがあればどうぞ。よろしいでしょうか。
 それでは、ちょうど6時ですので、本日はこれで閉会したいと思います。
 それでは次回の会合の予定などについて、事務局からお願いいたします。
【梅村地域放送課課長補佐】  本日はありがとうございました。次回は5月26日金曜日、午後4時からの開催を予定しておりますので、時間の確保をお願いできればと存じます。場所は総務省内の会議室を予定しております。
 次回の議題につきましては、座長ともご相談の上、別途ご案内させていただきます。
 事務局からは以上でございます。
【多賀谷座長】  それでは、本日の会合はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。

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