全国均衡あるブロードバンド基盤の整備に関する研究会（第５回）議事要旨

全国均衡あるブロードバンド基盤の整備に関する研究会（第５回）議事要旨

１．

　日時　　平成１６年１２月９日（木）　１５時３０分～１７時４０分

２．

　場所　　総務省　８階　第１特別会議室

３．

　出席者

(	研究会委員）会田委員、青山委員、浅井委員、石川委員、泉谷委員、尾﨑委員、小田委員、加藤委員、黒川委員、齊藤委員、清水委員、新免委員、関口委員、田口代理、中岡委員、中村委員、南浮委員、西尾委員西村委員、服部委員、林代理、藤田代理、宮崎代理、宮本委員
(	総務省）有冨総合通信基盤局長、江嵜電気通信事業部長、鈴木料金サービス課長、吉武地域通信振興課長、江村地域放送課長、岩田高度通信網振興課長、秋本総務課調査官、玉田総務課課長補佐、渡辺高度通信網振興課長補佐

４．

　議事

・	開会
・	事務局から中間報告書案（資料５－１～３）について説明。
・	質疑応答・意見交換（発言内容下記５のとおり）
・	座長から研究会の今後の進め方等について説明（発言内容下記６のとおり）。
・	次回研究会は、平成１７年１月２４日（月）午後から（予定）
・	閉会

５．

　質疑応答・意見交換等

○	地域によっては、無線技術をもっと活用すべきというのを打ち出してよい。
○	地方公共団体を対象とした指針であることを承知の上で、国、事業者の役割が薄れ、「自治体の責務」として書かれている感がある。ブロードバンド整備にユニバーサル・サービス的な意味合いを持たせるなら、国・事業者のスタンスをそのように表現すべき。
○	いきなり「自治体」と持っていかないで、事業者間の競争環境についても力点を置いた方が、全体としてバランスが取れるのではないか。
○	ブロードバンドが、まだユニバーサル・サービスとして認知されていないという状況で、都会のブロードバンドユーザーが地方のブロードバンドユーザーの分を負担するのはいかがかと思う。ブロードバンドがユニバーサル・サービスだとなれば、ソリューションは変わるだろうが、地域の事情に応じた対応策についてはまだ工夫の余地があるなかで、今求められているのは、そこへいくまでのプロセスをどうやって円滑に作っていくということ。
○	インフラとアプリが鶏と卵の関係になっていて、今回の報告書は、その関係を断ち切るためにまずインフラについてやるべきという位置づけになっていると思うが、分析どおりの経済効果が得られるならアプリだけやればいいと読む人も出てくるのではないか。いろいろな要素があるなかで、「そのうちどの部分を解決しようとしているのか」を冒頭の部分で記述する必要がある。
○	県や市町村の担当者に動機付けするために、（ブロードバンドが）地域住民にとってどのように安全・安心に役立つのか、必要不可欠なツールなのかという認識を植え付けるような資料にすべきである。
○	経済効果の資料で、プラスの効果が年間４０万、マイナスの効果が年間１２０万（月１０万）となっているが、金額ほどの実感がない。これはあくまで参考であり、教育や文化等での定性的な説明がメインになるのではないか。
○	旅行産業の増加というのは、ある田舎の観光地がブロードバンド化されると需要が増加するという筋書きになっていると思うが、必ずしもその観光地に人が入ってくるだけではなく、（他の観光地へ）出て行く部分もある。また、エンターテイメント分野についても、ブロードバンド以外のエンターテイメント分野の支出が減ったりするので、経済効果の試算が非常に難しい。
○	経済効果の試算、特に機会費用の考え方については、今までとは全く違うやり方で計算しないと分かりにくくなってしまう。
○	ブロードバンドがユニバーサル・サービスになる手前の段階にあることをきちんと書いて、各自治体がどんな努力をするのがベストか戦略的に考えてもらうようにすべき。
○	経済効果については、実際の想定ではなく、ある意味理想的な状況下での検討であることを説明すべき。また、どの分野を入れていて、どの分野を入れていないのかを明示したほうが良い。
○	遠隔診断、遠隔教育等の分野だけではなく、ウェブの閲覧、ＯＳのアップデート、メール受信等の日常のより実態的な利用面で、ブロードバンドは必要なものになってきている。
○	民間主導原則というのは、（まず、民間がインフラを整備し、）国・地方公共団体が本来すべき医療、教育等のサービスを、ブロードバンドインフラを通じて広く経済的に提供するというのが本来の意義。しかし、そもそもサービス提供の前提となるインフラがないというが現在の状況なので、インフラとアプリを平行してやる中で、どのようにこの立ち上がり期をうまくやるかということが国・地方公共団体の役割である。
○	概要版の普及状況に関するデータは非常に分かりやすい。ただし、地域性や普及手段の分析等、この先があったほうが良い。
○	光ファイバの開放については、補助金適化法上の制約の面で手間取っているというのが正直なところ。また帯域開放等、他の開放手段もまだあるのではないかという感じがする。
○	帯域開放については、管理体制等その他の問題もある。
○	衛星を離島だけに閉じ込めるのではなく、もう少し幅広に表現すべき。
○	ブロードバンド整備をどこまでどのような水準に持っていくのか、まだ非常に意識差があると思うので、研究会の後半以降の検討において、全体としての共通認識を持てるようにしていただければ、事業者としてはありがたい。
○	地方分権が進む中で、財政状況、市町村合併等の状況を見ながら（ブロードバンド整備が）選択されていくので、報告書の配布方法については、地方公共団体に関心を持ってもらうように事務局で工夫していただきたい。
○	今回の中間報告書は、いろいろな事例を紹介しつつ、民設民営、公設民営等、地域のブロードバンド整備には様々なパターンがあるということを広く知らしめ、今後の検討を進めていくための基礎を作るという意味では、大変意義のあるものだと思う。

６．

　研究会の今後の進め方等について

　今回の議論を踏まえた本中間報告書案の修正については、座長と事務局に一任することとし、パブリックコメントを募集後、本中間報告書を次回会合で確定版にするということが了承された。