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放送事業者と番組制作会社との関係につき、共同制作や放送権購入が増えていると伺ったが、ビジネスとして、共同著作権としてその一部を持つのと放送権のみを購入するのとではかなり違うのか。 |
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放送権料だけしか払わない場合は、番組制作会社が権利を全て持つ代わりに、安くできる。番組制作に絡む場合は、その資金を出すのでコストが跳ね上がる。
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国際的な競争力という意味で、今後デジタル化がどのように関わってくると考えるか。 |
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アニメ、CGを使った番組等は国際的にもこれからも相当競争力の強いソフトであると言える一方、ドキュメンタリー等リアルなものについては、売り込むのが難しい。
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競争力のある者がグローバルに、正当に評価されるマーケットがあるのか。それとも制度的に解決しなければならない問題があるのか。 |
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マーケットそのものはグローバルに存在する。ただし、視聴者に支持されなければ売り込めない。基本的には内容の実力の問題。
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行政への期待の点で、複数のメディアを保有する者について触れているが、詳しい説明をお願いしたい。また、以前放送政策研究会において、地上からBSへの出資比率を緩和するという報告書を出し、現状においてそういう運営がなされているが、当面はそれで大丈夫か。 |
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複数のチャンネルを保有する者、というのは有り体に言えば地上キー局。沢山のプレーヤーがいるのは健全なことであるが、狙う所は同一方向に行く。地上波と上手く連携できれば、その編成表案をうまくばらけることができる。出資については、シビアな局面も今後考えられるが、今のところ50%の範囲内でやっている。
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BSに民放が参入する際、キー局参入の必然性は、持っているソフトを積極的に投入できる潜在的能力があるという点が強調されていた。民放系のBSデジタルにおいて、NHKのように地上波の高カロリーの番組を先行して投入した事例があるのか。 |
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BSジャパンで地上波に先行して放送している番組もあったと思う。BSで先行すると、NHKのように一体経営であれば問題ないが、民放の場合は商業放送であり、地上波の場合の値段が下がることも考えられることから難しい。また、1局2波であるNHKに比べ、我々は別会社であるため、例えば、キー局設備利用の際にも税法上それなりの対価を支払う必要があり、そうしたコスト等も大きい。
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キー局が民放BSを実効支配していると言える以上、本当にBSデジタルを成功させたいならばカロリーの高い番組を投入するべきではないか。 |
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キー局はBSを半分恐れている面がある。資本的には別会社なので非常に微妙な関係。
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行政への期待については、こういう場合には政策評価の一つの手段でもあるので、もっとストレートに述べてもらった方が我々としては考えやすい。また、BS相互についても、だめなBSにはそのチャンネルを吐き出させ、一生懸命やっている所によこせという話しか。 |
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そういう面も含んでいるが、そこまで干渉するつもりは全くない。ただし、だめなところはどんどん出ていってもいいんじゃないか、ということをただ言いたかっただけ。 |