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インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会(第4回会合)
議事要旨

  1. 日時:平成17年11月25日(金)10時00分〜1200
  2. 場所:総務省低層棟1階共用第2会議室
  3. 出席者
    構成員 :(50音順)岡村委員、上村委員代理、小泉委員代理、後藤委員、小林委員、島田委員、多賀谷座長代理、中村委員、長田委員、野口委員、別所委員、堀部座長、森弁護士、森田委員、吉川委員
    総務省 :須田総合通信基盤局長、寺ア電気通信事業部長、古市消費者行政課長、矢島消費者行政課企画官、渋谷消費者行政課課長補佐、池田消費者行政課課長補佐
  4. 議事次第
    (1) 開会
    (2) 電子掲示板の管理人等が違法な情報を放置していた場合の刑事責任
    (3) 電子掲示板の管理人等による情報の削除等に関する責任
    1)  違法な情報を削除した場合
    2)  違法ではない情報を削除した場合
    3)  削除以外の対応
    (4) 違法であることの判断を支援する方策
    (5) 次回の予定
    (6) 閉会
  5. 主な議論
     事務局及び説明者から配付資料について説明があった後、以下の議論がなされた。
    (電子掲示板の管理人等の刑事責任について)
    • 電子掲示板の管理人等が、他人が掲載した違法な情報を放置していた場合における刑事責任については、これまでの裁判例等を踏まえると、単に違法な情報であることを認識していたが放置していたというだけで刑事責任を問われる状況ではなく、違法な情報の流通に対する積極的関与が認められることが必要であると考えられる。ただし、どの程度の関与があれば積極的関与があるとして刑事責任を問われるかについては、今後の裁判例の動向を注視する必要がある。
    • 電子掲示板の管理人等の刑事責任については、いくつかの裁判例で未必の故意により責任が認められているが、プロバイダ責任制限法第3条第1項において損害賠償責任が認められるためには、情報の流通に対する現実の認識が必要とされていることとの整合性を検討していく必要がある。


    (電子掲示板の管理人等の刑事責任について)
    • 電子掲示板の管理人等による情報の削除に関しては、他人の権利を侵害する情報についてはプロバイダ責任制限法が適用され、関係のガイドラインの整備により対応基準もある程度確立してきている。また、公序良俗違反のような特定の被害者が存在しない情報であっても、社会全体にとって有害な情報であれば、業界団体でガイドラインを作り統一的な対応をすることが可能である。これに対して、人によって有害かどうかの評価が分かれる情報については、統一的な対応を行うことは難しく、電子掲示板の管理人等のポリシーに委ねることとなる。人によって有害かどうかの評価が分かれる情報についてはフィルタリングなど受信者側での対応が有効である。
    • 電子掲示板の管理人等による自主的な対応について検討するとき、まずは違法な情報に対して積極的に対応をしていく誠実な電子掲示板の管理人等における運用基準等を考え、次に、違法情報への対応に関心の低い電子掲示板の管理人等に対する意識化等の啓発活動を行うという手順が適当ではないか。
    • 電子掲示板の管理人等が、ある情報が特定の法律に違反しているか否かを判断するに際して、他の機関(法執行機関等)が違法性の判断を行うことにより支援するという方法は有効であると思う。
    • 他人の権利を侵害する情報や、具体的な法令に違反している情報については、法令の所管省庁等が違法性を明らかにすることにより電子掲示板の管理人等の判断を支援することは考えられる。これに対して、具体的な法令に違反するものではなく、公序良俗に反するといった抽象的に有害な情報については、業界のガイドラインを作って自主的に対応することになるのではないか。
    • インターネット上の情報を閲覧しようとしたときに、違法性がある情報については自動的に警告を発せられるようなシステムを構築できないか。
    • 完全に機械的に情報の違法性を判断することは難しく、技術的には相当先になると思われる。また、自動的にアクセス禁止措置を講じることは検閲等の法的問題もある。フィルタリング等の受信者側による対応であれば、フィルタリング事業者が構築したデータベースに基づく自動的なブロックが行われており、違法・有害情報へのアクセス防止に有効である。
    • これまで、プロバイダや電子掲示板の管理人等による自主的な対応を中心に議論してきたが、それ以外にも、受信者側におけるフィルタリングの普及や発信者側の規制も重要である。発信者側の対応としては、業法により業者に対して表示義務を課す方策などを有効に活用することが考えられるのではないか。


    (今後の予定)
    • 次回研究会においては、第1回からの議論を基に、中間とりまとめを行うこととする。
以上

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