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「地域における情報化の推進に関する検討会」(第3回)議事要旨

  開催日時
  平成16年4月27日(火)14時30分〜16時

  開催場所
  総務省7階省議室

  出席者
  (1)   構成員等
飯泉嘉門、内池正名(大歳卓麻代理)、小笠原倫明、清原慶子、國領二郎、齊藤忠夫、清水康敬、庄山悦彦、菅谷実、須藤修、中村真規(辻正代理)、野中一二三(五十音順・敬称略)
  (2) オブザーバー等 
文部科学省・森本参事官(学習情報政策担当)
厚生労働省・関医療技術情報推進室長
消防庁・渡邊防災情報室長
総務省・小暮地域放送課長、岩田高度通信網振興課長
  (3) 総務省
田端副大臣、鈴木政策統括官(情報通信担当)、桜井審議官、その他

 議事概要
  (1)   事務局より、「中間報告書(案)」の説明が行われた。
  (2) 意見交換の後、中間報告書が案のとおり確定され、座長より田端副大臣に手交された。
  (3) 主催者側の挨拶として田端副大臣から挨拶が行われた。

 意見交換の概要
1)  総論
    ・ 全国知事会においても、今回の中間報告を十分咀嚼して、国と連携を取りながら電子自治体を一年でも早く構築できるように頑張っていきたい。
   ・ 中間報告では、地域情報化等の現状を整理した上で、ユビキタスネットワーク構築や次世代地域情報プラットフォーム構築の方向性を示しており、いずれも重要な取組。全国市長会でも電子自治体推進部会が設置され、総務省の動きなども認識しながら検討している。
   ・ 国においては弱小の市町村、少子高齢化の市町村、過疎地域等を含めて、情報化に思い切って投資して欲しい。
   ・ 財政的・人材的にも恵まれていない個別の市町村に対して、どうやって提言・知識を共有してもらうか、地域を越えた先進的な事例をどのように紹介していくかが大きな課題。
   ・ 報告書の思想として、1)「安心・安全で豊かな地域社会を構築するために必要な投資を行う」、2)「投資したものについては徹底的に活用する」、3)「官の投資でも民の活躍を引き出す」が考えられる。1)2)についての具体論が共通化・標準化であるが、今後動きが展開されると、主体間の組織的な壁が邪魔をし、物理的設備が活用されないことがあるので、それらをどのように取り除いていくのかがポイント。

2)  公共ネットワーク
    ・ テラビット級の回線をバックボーンにもつ都道府県を越えたネットワーク構築を国が率先して行うべき。
   ・ ぜひ国のイニシアチブで、国と都道府県を接続する一歩踏み込んだ全国公共ネットワークの基盤整備を強力に推進すべき。
   ・ 今後住民利便性のさらなる向上を考えると、テレビは住民アクセスを高めるために最も効果的。放送との連携を前提として、公共ネットワークの基盤整備について具体的に検討して推進すべき。

3)  人材育成
    ・ 総務省はCIO設置を全都道府県に周知徹底するとともに、CIOも含む、IT人材育成について全国規模の制度や機関の整備をすべき。
   ・ 自治体間の広域連携の為には、現場の最前線において、各自治体が同等の検討をできる高度なコーディネート能力をもつIT人材が不可欠。高度なIT人材を担うための研修体制について、大学・研究機関、さらに企業の研究機関や研修機関の実績なども配慮して取り組みを進めるべき。研修等は、小規模のNPOの活躍などにも期待。
   ・ CIOはコンピュータシステムだけでなく情報コンテンツの製作能力、編集能力を含めて考えていくことが必要。
   ・ 海外のCIO大学を参考にするのは良いが、日本独自の社会性に配慮してCIOの知識・スキル・行動というレベルに熟知した人材をモデル化し、内容・体制を固めるべき。
   ・ 発注する側に必要な能力、受注する側に必要な能力をモデル化し、的確な人材を育てていくことが重要。
   ・ 総合通信局でも、地元の職員が参加可能な人材育成を進めたい。

4)  システム
    ・ 安全・安心で豊かな地域社会ということが、地域情報化が解決すべき地域課題の一つ。中間報告書では、安全の観点として防災・有事・テロが重視されているが、併せて、防犯を加えるべき。
   ・ システム改革のロードマップにおいて、国、地方公共団体、民間のやるべき事をそれぞれ明確にし、相互交流を図りながら進めていくべき。特に、国は全体を見通して大きな役割を果たすべき。また、住民の視点を含めて正しい方向に進んでいるかどうかを、PDCAサイクルに基づき定期的に評価すべき。
   ・ 情報化、特にアプリケーション開発のコストをできる限り軽減する事が、現下の地方自治体の財政事情から見て大きな課題。
   ・ 最近、防犯・防災・自然災害・テロを踏まえ、地域を越えた広域的な取り組みが必要であり、情報化も広域化が必要。
   ・ 「ネットワーク」と「使い易さ」は技術の進歩でかなり目処がついてきたが、「アプリケーション」は各自治体独自のものを引き継いでいく必要があるため、ネットワーク上で如何に広域化を実現していくかが重要な問題。
   ・ 共通ソフトに対して、不具合があった時どうするかという問題は伝統的な課題。ソフトを共通化し、ネットワーク化に耐えられるようにし、共通の理解を進めていくことが必要。

5)  プラットフォーム
    ・ プラットフォームやシステムの連携は重要。このようなシステムの基盤整備は、システムの有効利用や効率化、コスト削減に必ず繋がる。
   ・ 国民が安心して利用できるようセキュリティやプライバシーに十分配慮した基盤的なプラットフォームを構築することが重要。
   ・ 安心・安全で豊かな地域社会を構築するために必要な投資を行い、また、投資したものについては徹底的に活用するための具体論が共通化・標準化である。
   ・ 今後、地域情報化を推進するにあたり標準化が重要。ぜひとも日本独自で開発する共通プラットフォームが、世界標準になるよう個性ある行動をとるべき。
   ・ 電子地域コミュニティーを目指す観点からは、全国及び国の機関とも共通のプラットフォームが必要となるので、プロトコル等の統一はもちろんのこと、その上でどう独自性を出し、国はそれをどう支援するかという観点で、最終報告にむけて検討すべき。
   ・ 共同プラットフォーム構想が、実際にプログラムを作っている会社にとって一番の興味のあるところである。システムに不具合が出た時、最初にクレームを受けるのは現場である。地方の中小企業が安心して取り組めるような配慮や仕組みを考えるべき。

6)  最終報告に向けて
    ・ 客観的な評価指標、総合評価の取り組みが地域情報化にとって重要。全国的に均衡のとれた取り組みにすることが有効であるので、客観的評価指標作りについて、最終報告に向けてさらに検討すべき。
   ・ 「官の投資でも民の活躍を引き出す」には、不採算地域においては、民だけでも難しく、官だけの地域社会も有り得ないので、コラボレーションをどう構築するかを、さらに明示化すべき。
   ・ 放送、通信、コンピュータの融合の観点から、映像コンテンツを地域情報化の中でどうやって活かしていくかについて、さらに具体的な施策をもう少し積極的に打ち出していくべき。映像系コンテンツによる情報発信というのは、20世紀は放送局が行ってきたが、これからは放送局だけでなく地方自治体も自ら進んで行うことが必要。例えば、CATVを活用した映像による情報発信は重要。
   ・ 複数の自治体ではコスト重視の財政当局と技術及び運用体制等の総合評価重視の情報政策当局との間で、調達仕様書についてかなり認識のギャップがある。現在の調達方法では、地域経済の活性化には至らない可能性もあり、国から一歩踏み込んだ意見・助言等を行うべき。

7)  その他
    ・ ネットワークを通じて映像配信をする場合に考えなければならない大きな問題として著作権があるので、具体的な方向性を検討すべき。



  以上



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