第1部 マルチメディア時代の料金について



問題の所在

1 マルチメディア社会は、すでに、近年のパソコン、インターネットの本格的普及
 等にその萌芽が現れつつあるが、マルチメディア時代においては、高度な情報通信
 ネットワークを活用した多様なニュービジネスが展開されるとともに情報通信産業
 全体が活性化し、また、全ての人々が高度なネットワークを十分に活用し、映像や
 コンピュータデータ等の大量の情報が自由にやりとりできるようになることが期待
 される。


2 今後、光ファイバ等の大容量のネットワークの整備により、伝送容量が飛躍的に
 増大し、単位当たりのコストが激減することが見込まれる。あわせて、多彩なアプ
 リケーションの開発により、?遠隔教育、遠隔医療等の公共サービスの向上、?オ
 ンラインショッピング、サイバーモール等ニュービジネスの発展、?テレコミュー
 ティング等自己実現を目指したライフスタイルの実現が期待されている。


3 しかしながら、現行の通話時間・距離に比例した電話の料金体系をそのままマル
 チメディア通信に適用した場合、仮に現在の電話並みの料金水準が実現されたとし
 ても利用抑制的な料金になることが懸念される。このため、こうした料金上の課題
 を解決することが、望ましいマルチメディア社会を実現する上で強く求められてい
 るところである。


4 以下では、まず、利用者ニーズやネットワークの発展動向等について展望し、次
 に、これらを踏まえてマルチメディア時代の料金の在り方について検討する。