第1章 平成7年情報通信の現況






  第1節 情報通信サービスの動向

  1 国内情報通信の動向
 (1) 電気通信サービス
   (電話サービス)
   NTTの加入電話契約数は、7年9月末現在6,072万契約(対前年同
 期比1.9%増)となっている。長距離系新第一種電気通信事業者3社の市外
 電話サービス契約数(ID登録数の3社単純集計)は、7年9月末現在、3,
 066万契約(対前年同期比9.5%増)となっている。

  (携帯・自動車電話サービス)
  携帯・自動車電話サービスの総契約数(NTTDoCoMo等地域別9社と
 新第一種電気通信事業者15社の合計)は、7年9月末現在666万9,90
 5契約(8年3月末現在、1,020万4,023契約)であり、対前年同期
 比130.7%増と加入電話と比べて大幅に伸びている。
  NTTDoCoMo等の契約数は327万4,310契約(対前年同期比9
 9.0%増)、新事業者の契約数は339万5,595契約(対前年同期比1
 72.6%増)で、新事業者のシェアは前年同期より7.8ポイント増の50
 .9%となり、NTTDoCoMo等のシェアを上回った。
  アナログ方式の契約数は438万1,274契約(対前年同期比69.5%
 増)であるのに対して、デジタル方式は228万8,631契約(同648.
 6%増)と爆発的な増加を遂げている。
  このような携帯・自動車電話サービスの著しい成長の背景には、1地域4社
 体制という世界的に見ても激しい競争市場の実現により料金が急速に低廉化・
 多様化したこと、端末売り切り制導入移行の競争促進による端末の低価格化、
 技術革新による小型・軽量化、デジタル化、電池寿命が向上したこと等がある。

  (PHSサービス)
  7年7月から首都圏、札幌を皮切りに、PHSサービスが開始され、8年3
 月末現在では、エヌ・ティ・ティパーソナル通信網グループ9社、ディーディ
 ーアイポケット電話グループ9社、アステルグループ8社が順次サービスを開
 始し、1地域3社体制の競争市場が整った。
  PHSサービスの総契約数(7年9月末時点でサービス提供中であったエヌ
 ・ティ・ティ中央パーソナル通信網(株)等2社とディーディーアイ東京ポケ
 ット電話(株)等2社の合計)は、7年9月末現在13万2,507契約(8
 年3月末時点でサービス提供中の各社合計では、150万8,114契約)で
 ある。

  (無線呼出しサービス)
  無線呼出しサービスの総契約数(NTTDoCoMo等地域別9社と新第一
 種電気通信事業者31社の合計)は、7年9月末現在1,033万25契約
 (8年3月末現在、1,061万549契約)であり、伸び率は前年度に比べ
 やや鈍化している(3.9ポイント減)ものの対前年同期比17.0%増とな
 っている。

  (ISDNサービス)
  近年、インターネットやパソコン通信の利用の拡大に伴い、一般家庭におい
 ても、ISDNサービスが導入されてきている。
  NTTによるISDNサービスの回線数は、7年12月末現在、サービス提
 供地域数が3,478地域(対前年同期比18.3%増)で、回線数は、基本
 インタフェースが45万3,187回線(同48.1%増)、一次群速度イン
 タフェースが8,750回線(同47.2%増)である。

  (高速デジタル伝送サービス)
  高速デジタル伝送サービスの総回線数(NTTと長距離系及び地域系新第一
 種電気通信事業者の合計13社の総数)は、7年9月末現在、5万1,894
 回線(対前年同期比96.3%増)と大きな伸びを示している。
  このうち新事業者の回線数は1万745回線(同36.4%増)で、総回線
 数におけるシェアは20.7%(同4.9%減)である。

  (国内電気通信料金)
  日本銀行が発表した「物価指数月報」によると、2年の全サービス業の総平
 均を100とすると、7年7月〜9月においては、全サービス業の平均の指数
 は102.8であり2.8ポイント上昇しているのに対して、国内電気通信料
 金の指数は89.5であり、10.5ポイント低下している。
  特に、携帯・自動車電話(7年7月〜9月平均の指数69.3)、無線呼出
 し(同84.5)、専用回線(同85.8)の指数が大きく低下している。
  7年度においては、電話サービスの基本料金について、6年度の第1次改定
 に続く第2次改定が実施されるとともに、電話サービス、携帯・自動車電話サ
 ービス、PHSサービス、専用サービス、ファクシミリ通信網サービスの分野
 で料金の値下げが実施されている。また、高速デジタル伝送サービスの高速品
 目(64kb/s〜6Mb/s)については、コスト傾向と整合した料金体系
 へ移行することとなった。
  7年度においては、電話サービス、専用サービス、ISDNサービス、デジ
 タルデータ伝送サービスの分野で料金の多様化が実施されている。その中でも、
 7年8月にNTTが実施した電話サービスの深夜早朝時間帯月極定額制サービ
 スは、7年6月の「マルチメディア時代のユニバーサルサービス・料金に関す
 る研究会」中間報告において、マルチメディア時代に向けてパソコン通信の普
 及促進等を図る観点から、深夜・早朝時間帯に定額制料金を導入することが望
 ましいと提言されたことを受けたものである。

 (2) 放送サービス
  (民間FM放送)
  民間FM放送には、県域放送、コミュニティ放送及び外国語放送の三つがあ
 る。
  コミュニティ放送は、地域の特色を生かした番組、地域住民の参加した番組
 等を提供することにより、当該地域の振興とその他公共の福祉の増進に貢献し
 ている。7年度の開局状況について見ると、12局が新たに開局し、7度末ま
 での合計では27局が開局しており、また、免許が3局、予備免許が6局に与
 えられている。
  外国語放送では、7年10月、大阪市等の地区を放送区域とする民間FM放
 送局が、初めての外国語放送局として開局した。また、7年6月、東京都の特
 別区等の地区を放送区域とする民間FM放送局が予備免許を受け、8年3月に
 試験放送を開始した。開局予定は8年4月となっている。

  (衛星放送)
  BS放送の7年12月末現在の受信契約数は、NHKが約715万2千契約
 (対前年同期比12.3%増)、JSBが約197万7千契約(同17.4%
 増)、SDABが約10万1千契約(同24.7%増)となっている。また、
 7年12月末現在のNHKのBS放送受信契約数がNHK受信契約総数に占め
 る割合をみると20.3%(対前年同期比2.1ポイント増)であり、BS放
 送が社会生活に着実に普及してきていることが伺える。
  CS放送の7年12月末現在の受信契約数は、テレビジョン放送では、加入
 者数約12万1千世帯の37万9千契約(対前年同期比58.6%増)であり、
 PCM音声放送では約3万5千契約(対前年同期比59.1%増)である。

  (ケーブルテレビ)
  都市型ケーブルテレビの6年度末現在の状況を見ると、業務開始施設数は1
 62施設(対前年度末比9.5%増、8年2月現在169施設)、受信契約数
 は約221万契約(同35.8%増、7年12月末速報値約282万契約)で
 あり、高い伸びを示している。

  (FM文字多重放送)
  FM文字多重放送とは、FM電波のすき間にデジタル信号を重ね、文字、デ
 ータ等の情報を伝送する放送であり、6年10月から開始されている。7年度
 について見ると、7年4月に33局、同年10月に1局、同年12月に1局、
 8年3月にNHKがそれぞれサービスを開始した。

 (3) 電波利用
  6年度末現在の無線局数は、約1,083万局(前年度比29.1%増)で
 ある。6年度の無線局数が増えた主な理由は、携帯・自動車電話加入局の大幅
 な増加(前年度比103.2%増)によるものである。

 (4) 郵便サービス
  7年度の内国郵便物数は、247億通(個)(対前年度比3.1%増)であ
 り、料金改定の影響もあり昭和56年度以来13年ぶりに対前年度比マイナス
 (1.8%減)となった6年度に比べ好転している。内国郵便物数のうち、全
 体の98%を占める通常郵便物数は、243億通(対前年度比3.1%増)と
 なっており、小包郵便物数は、4億個(対前年度比6.0%増)となっている。

  2 国際情報通信の動向

 (1) 電気通信サービス
  (国際電話サービス)
  6年度における国際電話サービスの発着信合計分数(KDD、ITJ及びI
 DCの合計)は、26億6,540万分(対前年度比11.4%増)となって
 いる。
  取扱地域別に全体に占める割合を見ると、発着信合計分数では、5年度に引
 き続き米国との通話が全体の28.6%と最も大きな割合を占めている。
  以下、アジアNIEs、ASEAN諸国等が上位を占め、また、それぞれの
 割合も5年度とほぼ同様となっており、これらの国等と我が国の関係の深さが
 読み取れる。

  (国際デジタルデータ伝送サービス)
  インターネット接続サービスは、インターネットプロトコルにより、米国を
 中心に発展してきたインターネットへのアクセスを提供するサービスである。
  インターネット接続サービスの提供は、第二種電気通信事業者では、4年1
 1月、日本イーエヌエス・エイティアンドティ(株)により開始され、7年1
 2月末現在、278社により行われている。第一種電気通信事業者では、7年
 4月、KDDにより試験役務で行われている。

  (国際電気通信料金)
  日本銀行が発表した「物価指数月報」によると、2年の全サービス業の総平
 均を100とすると、7年7月〜9月においては、全サービス業平均の指数は
 102.8であり、2.8ポイント上昇しているのに対し、国際電気通信全体
 の指数は89.9であり、10.1ポイント低下している。特に、国際専用回
 線(7年7月〜9月平均の指数87.5)、国際電話(同89.1)の指数が
 大きく低下している。

 (2) 放送サービス
  NHKによる短波国際放送の7年度の放送時間を見ると、全世界に向け日本
 語と英語で放送する一般向け放送は、1日当たり延べ31時間で、特定地域に
 向けその地域で使われている言語を用いて放送する地域向け放送は、21言語
 で1日当たり延べ34時間であった。

 (3) 郵便サービス
  7年度の国際郵便物数は、4億通(個)(対前年度比10.3%増)である。
  これを差立(外国あて)と到着(我が国あて)でみると、差立が1億 2,
 278万通(個)(対前年度比1.4%減)、到着が2億8,089万通(個)
 (同16.3%増)となっている。


           第2節 情報通信経済の動向

  1 事業者数の動向
  電気通信事業者(7年度、対前年度比47.0%増)、地上系民間放送事業
 者(同9.8%増)及び都市型ケーブルテレビ事業者(同12.3%増)は顕
 著な新規参入がみられた。

  2 経営動向等
 (1) 電気通信事業者
  (電気通信事業者の経営動向)
  「法人企業統計年報」(大蔵省)によると、6年度の営業収益(売上高)は、
 全産業については前年度よりは若干少なくなっているがほぼ同額、製造業につ
 いては対前年度比1.8%増、非製造業については同0.7%減である中で、
 郵政省の調査によれば、6年度の第一種電気通信事業者全体の電気通信事業営
 業収益は7兆8,558億円(対前年度比7.3%増)であった。その内訳を
 見ると、国内第一種電気通信事業者は7兆5,151億円(同7.4%増)、
 国際第一種電気通信事業者は3,406億円(同3.8%増)であった。

  (電気通信事業者の設備投資動向)
  7年3月及び10月に郵政省が実施した「通信産業設備投資等実態調査」等
 によると、電気通信事業者全体の6年度の設備投資実績額は2兆 8,829
 億円であり、5年度実績額に比べ2.0%増加している。
  また、「法人企業動向調査報告」(経済企画庁、7年12月実施)によると、
 7年度の設備投資修正計画額は、全産業が42兆4,742億円(対前年度実
 績額比4.0%増)、製造業が13兆8,969億円(同13.0%増)、非
 製造業が28兆5,503億円(同0.1%増)となっている中で、電気通信
 事業者全体の7年度の設備投資修正計画額は3兆5,279億円であり、対前
 年度実績額比22.4%増となっている。

 (2) 放送事業者
  (放送事業者の経営動向)
  6年度のNHKの経営状況(一般勘定)について見ると、事業収入は5,6
 51億円(対前年度比2.5%増)であり、事業収入の大部分を占める受信料
 は5,435億円(同2.1%増)であった。一方、事業支出は5,498億
 円(同5.5%増)であった。民間放送事業者全体の経営状況について見ると、
 地上系民間放送事業者のうち186社と放送衛星を利用する衛星系民間放送事
 業者2社の営業収益の合計は2兆1,864億円(対前年度比3.3%増)と
 なっている。都市型ケーブルテレビ事業者153社全体の経営状況について見
 ると、経常収益は916億円(対前年度比32.0%増)、経常費用は1,0
 84億円(同20.0%増)であり、経常損失は167億円であったが、損失
 額は前年度より減少している。

  (放送事業者の設備投資動向)
  7年3月及び10月に郵政省が実施した「通信産業設備投資等実態調査」等
 によると、放送事業者全体の6年度の設備投資実績額は2,114億円であり、
 5年度実績額に比べ18.7%減少している。また、7年度の設備投資修正計
 画額は2,080億円であり、対前年度実績額比1.6%減となっている。

 (3) 郵便事業
  6年度の郵便事業の経営状況を見ると、収益については6年1月に行った郵
 便料金の改定や営業努力等により、郵便業務収入が増加し、収益全体で2兆2
 ,348億円(対前年度比14.0%増)となった。一方、費用については、
 経費全般にわたって節減努力を行ったことや一層の効率化・合理化努力により、
 2兆1,201億円(対前年度比3.7%増)と5年度の4.1%増より低く
 抑えることができた。この結果、郵便事業損益は、4年ぶりに黒字となり、累
 積でも黒字となった。


            第3節 情報化の動向

  1 情報流通の動向
 (1) 全国の情報流通の動向
  6年度までの10年間の推移を見ると、すべての情報流通量(原発信情報量
 は3.26倍、発信情報量は2.43倍、選択可能情報量は2.05倍、消費
 可能情報量は1.67倍、消費情報量は1.55倍)とも同期間の実質GDP
 の伸び(1.37倍)を上回る勢いで増加している。
  この1年間の伸び率を見ると、発信情報量は8.1%増となり、選択可能情
 報量(対前年度比4.7%増)、消費情報量(対前年度比4.1%増)より大
 きく伸びている。これは、データ伝送の伸びが大きい(対前年度比16.4%
 増)ことが要因である。

 (2) 地域の情報流通の動向
  6年度における各都道府県別の発信情報量のシェアを見ると、東京のシェア
 が19.9%と突出しており、2位の大阪(シェア7.2%)の2.7倍とな
 っている。以下、神奈川(同5.8%)、愛知(同5.2%)、埼玉(同4.
 6%)と続いており、上位7都道府県で全体の半分以上を占めている。
  各都道府県の一人当たりの選択可能情報量を見ると、山梨(全都道府県平均
 の1.86倍)、東京(同1.50倍)、長野(同1.48倍)、埼玉(同1
 .41倍)、神奈川(同1.37倍)の順となっている。山梨、長野は昭和5
 9年度と比較した一人当たり選択可能情報量の伸びが大きい県でもあり(山梨
 4.26倍、長野3.09倍)、両県の特徴としてケーブルテレビの普及が進
 んでいることが挙げられる。
  一人当たり発信情報量及び一人当たり選択可能情報量の地域間格差をとらえ
 るために、それぞれの変動係数の推移を見ると、一人当たり発信情報量の変動
 係数はわずかながら増加の傾向にある一方、一人当たり選択可能情報量の変動
 係数は元年度をピークとして、近年低下の傾向を示している。
  一人当たり県内総生産の地域間格差と比較すると、6年度の一人当たり選択
 可能情報量の変動係数は0.26、一人当たり発信情報量の変動係数は0.2
 1、また、一人当たり県内総生産の変動係数は0.23(4年度)となり、選
 択可能情報量、県内総生産、発信情報量の順に地域間格差があることが分かる。

  2 情報ストックの動向
 (1) 我が国の情報ストックの動向
  情報ストック量は、6年度において1.24×1015ワード(6.61×
 1016ビット)であり、昭和59年度と比較して1.53倍となっている。
  6年度の情報ストック量と昭和59年度からの増加率を各メディアについて
 見てみると、情報ストック量が多い10メディアの中で増加率が高いものは、
 ケーブルテレビ(26.8倍)、地上系テレビジョン(13.2倍)、ビデオ
 ソフト(12.6倍)が挙げられる。そのほか衛星テレビ(2,923倍)、
 レンタルビデオ(264倍)が非常に高い伸びを示している。

 (2) 地域の情報ストックの動向
  6年度の都道府県別情報ストック量のシェアを見ると、東京15.7%、神
 奈川8.6%、大阪7.9%、千葉6.4%、埼玉5.4%の順となっている。
  一人当たり県内総生産の地域間格差と比較すると、6年度の一人当たり情報
 ストック量の変動係数は0.27で、一人当たり県内総生産の地域間格差(変
 動係数=0.23:4年度)より大きくなっている。

  3 情報通信機器ストックの動向
 (1) 我が国の情報通信機器ストックの動向
  4年末における我が国の情報通信機器ストックは全体では63兆 6,50
 0億円(対昭和60年末比112.1%増)であり、部門別では、家計部門は
 11兆4,000億円(同93.3%増)、企業部門は44兆 6,200億
 円(同135.1%増)、公共部門は7兆6,300億円(同48.6%増)
 であった。我が国の実質GDPが対昭和60年末比25.4%成長しているの
 に対し、高い成長をしていることが分かる。
  また、家計部門の耐久消費財ストック、企業部門の資本ストック及び公共部
 門の資本ストックを合計したものを「総ストック」としてとらえ、その中で我
 が国の情報通信機器ストックが占める比率を見る。4年末においては、4.2
 %であり、昭和60年末と比べ1.2ポイント増加している。部門別の情報通
 信機器ストックがそれぞれ対応する部門の耐久消費財ストックまたは資本スト
 ックに占める比率を見ると、家計部門では10.6%(同2.2ポイント減)、
 企業部門では5.4%(同1.7ポイント増)及び公共部門では1.3%(同
 0.1ポイント増)となっており、比率では家計部門が高いが、伸びでは企業
 部門が高い。

 (2) 情報通信機器ストックの日米比較
  「総ストック」に占める情報通信機器ストックの比率について日米比較をす
 ると、全体では我が国が4.2%、米国が4.0%とほとんど差がないが、部
 門別に見ると、家計部門で、我が国は米国の3倍以上の比率である。逆に公共
 部門では、米国は我が国の3倍以上の比率になっている。

  4 家庭・地域等の情報化の動向
 (1) 指標で見る家庭の情報化
  昭和60年を100とした情報装備指標の6年の指数は、対前年比で4.5
 ポイント増加し190.5となっており、家庭における情報装備は着実に進展
 していることが分かる。これは、主としてワープロ、パソコン、ファクシミリ
 等の情報通信機器の保有数の増加が要因となっている。
  情報支出指標の6年の指数は、対前年比で1.1ポイント増加し125.9
 となっており、情報通信関連支出は微増にとどまっている。

 (2) 指標で見る地域の情報化
  地域の情報化について、都道府県単位で情報化の状況について指標を作成し、
 地域比較を行う。情報通信環境整備指標は7項目から、情報通信利用度指標は
 11項目からそれぞれ構成され、各項目の全県平均を100とし指数化し、各
 項目の指数の総和を各指標の値とした。
  指標を構成する項目について変動係数を見てみると、情報通信環境整備指標
 では、ケーブルテレビ加入可能世帯割合、ISDNサービス区域数等で、情報
 通信利用度指標では、ケーブルテレビ契約数、無線呼出し契約数、インターネ
 ットホームページ数等で高くなっており、これらのメディアで地域間格差が大
 きいことが分かる。
  また、一人当たり県民所得と両指標の都道府県間格差の状況を、変動係数を
 用いて対比する。両指標の変動係数は、情報通信環境整備指標、情報通信利用
 度指標とも、一人当たり県民所得より大きく、地域の情報化の都道府県間格差
 は、実質的にはかなり開いていると言える。

 (3) 障害者の情報通信の利用実態
  障害者が情報通信をどのように利用しているかを、郵政省郵政研究所が、
 (社福)盲人会、(社福)日身連、(財)聾唖連盟及び(社)全難聴の協力を
 得て行った、「身体障害者の情報通信システムの利用実態等に関する調査」
 (7年6月)により概観する。
  パソコンの保有率では、(社福)盲人会の回答が最も大きく、非特定の約1
 .5倍となっている。ワープロを含めた保有率では(財)聾唖連盟の回答者が
 最も大きい。パソコン通信の利用実態について見ると、いずれの回答者の利用
 率も、非特定の利用率を上回っており、特に、(財)聾唖連盟では8.1%と、
 非特定の3倍もの利用率となっている。