電気通信審議会電気通信事業部会第141回会合議事要旨(平成8年9月11日公表)
1 日時
平成8年8月23日(金) 午後2時00分〜午後3時15分
2 場所
郵政省審議会会議室(郵政省12階)
3 出席者(敬称略)
(1)委員
増澤高雄(部会長代理)、新井明、加藤真代、林敏彦、舟田正之
(2)事務局
渡辺信一審議会室長
(3)郵政省
谷公士電気通信局長 ほか
4 議題
(1)諮問事項
ア 日本電信電話(株)の電話サービス等に係る料金の変更の認可について
イ 日本電信電話(株)の専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認
可について
(2)報告事項
加入者系光ファイバー網整備の進展状況について
5 議事模様
(1)諮問事項
ア 日本電信電話(株)(以下「NTT」という。)の電話サービス等に
係る料金の変更の認可について
NTTからの電話サービス等に係る料金の変更の認可の申請(概要は
以下のとおり。)及び審査の結果について、郵政省から説明が行われた。
・ 公衆電話から発信されるクレジット通話及びフリーダイヤル通話につ
いては、従来課金システム上の理由から加入電話の通話料金が適用され
ていたが、今回、課金システムの開発が完了したため、公衆電話料金を
適用する。
ただし、聴覚障害者等に適用している福祉クレジットについては、現
行の加入電話料金を適用する。
・ 公衆電話から発信される通話については、通話料の合計額に消費税相
当額を上乗せして請求することとし、消費税相当額を含まない料金表を
新たに定める。
主な意見は以下のとおり。
・ NTTはカードCの料金メリットを強調して宣伝してきたが、2年後
の値上げを想定していたのであれば、そのことも併せて情報提供すべき
であった。はしごで2階に上げておいてはしごをはずすようなことは、
あまりよろしくないと思う。
・ 聴覚障害者用の福祉のカードCはおいておくというならば、その周辺
として、このカードCによって今助かっている人々、例えば、長期療養
で病院に入っており、毎晩のように家族にかけている人に対してや、毎
晩、電車で駅についたというようなことを親に知らせる等している塾の
帰りの子供たちなどに対してなど、カードCがもたらしていたメリット
というものはあると思う。
・ 本サービスは硬貨を所持しなくても利用できる等便利であり、その分
多少料金が高くても利用する者が存在するのも事実であり、計算の根拠
等がルールに照らして適切であるかぎり、やむを得ない。
・ 料金認可は将来を予測して行っているわけであるが、携帯電話の普及、
マルチメディア化の進展の中で公衆電話は衰退産業として捉えるのか、
今後の公衆電話サービスの在るべき姿を検討すべきである。
・ 不公平を是正するための今回の料金改定は仕方がないとしても、確か
に手順はおかしい。NTTは若干自分の都合でいろいろなことをやって
いるような感じがする。
審議の結果、多数決により、賛成4人、反対1人ということで、諮問のと
おり認可することが適当である旨の答申を行うことと決定した。
イ NTTの専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認可について
NTTからの専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認可の申請
(概要は以下のとおり。)及び審査の結果について、郵政省から説明が行
われた。
(ア)高速ディジタル伝送サービスにおける近距離アクセス用品目の追加
高速ディジタル伝送サービスに、故障の監視を回線単位で行わないな
ど機能を簡素化した近距離アクセス用品目(ディジタルアクセス64
及び128)を追加。
○ ディジタルアクセス64 (月額料金)
故障修理体制/距離区分
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〜15km
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〜30km
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営業時間外の故障修理を行わない
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28,000円
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42,000円
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24時間故障修理を行う
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31,000円
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45,000円
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○ ディジタルアクセス128 (月額料金)
故障修理体制/距離区分
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〜15km
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〜30km
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営業時間外の故障修理を行わない
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38,000円
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64,000円
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24時間故障修理を行う
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41,000円
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67,000円
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(イ)一般専用サービスの50bit/sの料金の値上げ
50bit/s品目の30kmまでの料金について、平均71%の
値上げを実施。
値上げは3回に分けて実施し、第1回目は本年12月1日を予定
(以降1年毎に実施)。
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0km
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〜10km
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〜20km
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〜30km
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現行
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2,500円
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3,600円
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7,200円
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16,000円
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平成 8年12月1日
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3,000円
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4,600円
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9,400円
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16,700円
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平成 9年12月1日
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3,600円
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6,100円
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11,600円
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17,400円
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平成10年12月1日
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4,200円
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7,700円
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13,700円
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18,000円
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主な質疑応答及び意見は以下のとおり。
・ ディジタルアクセス64及び128を利用すると故障が多発するとい
うことはないのかとの質問があり、あくまで故障発生時の即応体制に差
をつけるサービスであって、故障発生の頻度に差を生ずるものではない
旨の説明があった。
・ 監視機能の格差のみでこのように安い料金で提供できるのかとの質問
があり、回線効率、機器のコスト格差によるものである旨の説明があっ
た。
・ 先に行った高速ディジタル専用サービス値上げの際に、値上げ反対の
意見を提出した者の中にも需要が見込まれるのかとの質問があり、イン
ターネットアクセス用に需要が見込まれている旨の説明があった。
・ 月額2万8千円でも個人ユーザには耐えられない額であり、個人ユー
ザが使えるものも出せないんだろうかという感想を持つ。
審議の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。
(2)報告事項
「加入者系光ファイバー網整備の進展状況」について報告があった。
(文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)