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電気通信審議会電気通信事業部会第143回会合議事要旨(平成8年11月6日公表)





1 日時
  平成8年10月25日(金) 午後2時02分〜午後3時34分

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1)委員
    加藤真代、齊藤忠夫、園山重道、醍醐聰、林敏彦、舟田正之、増澤高雄

 (2)事務局
    渡辺信一審議会室長

 (3)郵政省
    谷公士電気通信局長 ほか


4 議題

 (1)部会長の互選等

 (2)諮問事項

  ア 日本電信電話(株)に係る電気通信役務の種類等の変更許可について
   (継続)

  イ 杉並ケーブルテレビ(株)の第一種電気通信事業の許可について

  ウ (株)デジタルツーカー東北の携帯・自動車電話サービスに係る料金及
   び契約約款の設定の認可について

 (3)報告事項

  ア トラヒックからみた電話の利用状況(平成7年度)について

  イ 発信者情報通知サービスの利用における発信者個人情報の保護に関する
   ガイドラインについて

  ウ 日本電信電話(株)の電報サービスの現況について


5 議事模様

 (1)部会長の互選等
    委員の互選により、園山委員が部会長として選出された。なお、部会長
   代理については、部会長の指名により増澤委員に決定された。

 (2)諮問事項

  ア 日本電信電話(株)(以下「NTT」という。)に係る電気通信役務の
   種類等の変更 許可について(継続)
    前回からの継続審議であり、審議会あてに他事業者から提出された意見
   ・要望等について、郵政省から説明が行われた。

   (ア)他事業者からの意見・要望
     NTTと他事業者との同等の競争条件が整備されるべきというのが共
    通意見。
     具体的な意見・要望を以下の6項目に集約。

    1.網設備、機能がアンバンドルされ、料金等の使用条件がNTTと他
     事業者間で同等とすること。コロケーション等も同等とすること。

    2.接続のための条件、費用根拠等の情報が速やかに開示され、他事業
     者がオープンコンピュータ通信網(以下「OCN」という。)のアン
     バンドル機能を利用したサービスをOCNと同時期に開始できるよう
     にすること。

    3.会計を明確化し、内部相互補助を発生させないこと。

    4.利用者向け料金の適正化。

    5.役務提供範囲を明確化し、国際電気通信事業を取り扱うものではな
     いことを明確にすること。

    6.接続の条件を決定するにあたり、他事業者の意見を反映させる等接
     続の基本的ルール案の趣旨が可能な限り生かされること。

   (イ)料金水準について
      NTTが公表している料金水準の低さについては、1.アクセスラ
     インは、専用線と設備構成が異なる、2.ネットワーク部分は、集線
     率を上げ、一契約者当たりの単価を下げている旨NTTから聞いてい
     るが、料金の妥当性は、料金認可の際精査することが必要。

   (ウ)国際インターネット接続サービスの取扱い
      当該サービスについては、インターネットの特殊性に鑑み、NTT
     と国際接続事業者との相互接続により行うものであり、NTTは国内
     通信役務のみを提供するものと整理できる。
      なお、郵政省から、他事業者の意見、接続の基本的ルール案、NT
     Tのオープン化への取り組みを踏まえて、公正有効競争条件確保のた
     めに講ずるべき措置について、概要次のとおり整理した旨の説明があ
     った。

    1.網設備、機能を可能な限りアンバンドル。

    2.アクセス回線等接続用回線の提供料金について可能な限り同等性を
     確保。

    3.接続のための条件等の速やかな開示。他事業者に意見を述べる機会
     を付与。

    4.収支を会計上明確化。

    5.OCNの提供開始時までに、アクセス回線等接続用回線を提供。

    6.NTTの役務範囲を明確化。

    また、郵政省としては、料金審査の際には、公正有効競争条件確保の観
   点からの精査が必要であると考えている旨等の説明があった。

   主な意見等は以下のとおり。

  ・ 接続の基本的ルール案では、不可欠設備のアンバンドルを求めているが、
   OCNに当てはめるとどの部分が不可欠設備となるのか、また、OCNに
   おいては、アクセスラインのアンバンドルでは足りないのではないかとの
   質問があり、不可欠設備かどうかは、他事業者が加入者まで到達するのに
   必要な設備と理解されるので、具体的な事業者の接続要望形態を見る必要
   があること、また、どこまでアンバンドルするかは、今後のNTTと事業
   者の話し合いも踏まえて考えるべきとの説明があった。

  ・ NTT以外のインターネットサービスプロバイダー(以下「ISP」と
   いう。)が、NTTの収容局をアクセスポイントとするのは困難であり、
   アクセスラインだけではなく、収容局からISPの中継ルータまでの回線
   の同等性を確保する必要がある旨の意見があった。
    これについて、二種事業者やNCCは、接続用の回線を中継ルータまで
   用いることとなり、接続用回線とNTTのOCNの該当部分の回線との同
   等性がポイントとなる旨の、また、同等性は、エンドユーザ向け料金を横
   並びにすべきといった「結果としての同等性」ではなく、サービスの前提
   となる回線等の提供条件の同等性を言うものである旨の説明があった。

  ・ 「可能な限り」同等とする趣旨について質問があり、基本的には、NT
   Tの回線調達コストと同じ価格で他事業者も調達可能とすべきと考えるが、
   同等性を厳格に適用することにより、エンドユーザ料金にどのような影響
   を及ぼすのか検証した上で、最終的な望ましい在り方を判断し得る余地を
   残すという意味で、アローアンスを設けることも考慮すべきとの説明があ
   った。

  ・ 収支の明確化については、接続の基本的ルール案で出されている接続会
   計の明確化を含むものかについて質問があり、以下の説明があった。
    収支の明確化という趣旨は、主として内部相互補助を防止するという観
   点から、役務別の収支を明確化するということである。接続の基本的ルー
   ル案の会計の明確化の観点からの審査については、料金申請がなされた段
   階で、どのようなコストに基づいた料金算定か、また、接続用回線の提供
   料金との同等性の検証において対応していく考えである。
    なお、その結果、接続のルール確定後における接続会計の明確化の適用
   が排除されるものではない旨の説明があった。

  ・ 接続の基本的ルール案においても、回線の卸しでの提供とユーザへの提
   供(小売りでの提供)に関し、どのように報酬を認めていくかが問題とな
   っているとの意見があり、郵政省としては、基本的には、同等性と低廉な
   ユーザ料金の双方を確保すべく対応したい旨の説明があった。

  ・ 加入者収容ルータに関し、事業者選択機能をもったものが開発中である
   と聞いている。これができれば、接続用回線の提供料金の同等性の問題は
   解決される。技術で解決できることを制度で整理する必要はない。NTT
   に、事実関係、事業者選択機能を有したルータの導入コスト及びいつごろ
   できるものなのかを調べてもらいたい旨の意見があった。

  ・ 当初低廉な料金で提供されても、結果独占市場に陥るとユーザに不利益
   となるとの懸念がある、また、ユーザによっては本サービスを利用しない
   者も存在するだろうから、内部相互補助の防止が確保されるべきであると
   の意見があり、同等性の確保、収支の明確化、若しくは料金算定根拠の精
   査等により対応したい旨の説明があった。

  ・ 国際インターネット接続に関し、ユーザから支払いを受けた料金の一部
   が国際接続事業者に支払われること等について契約約款に記載されること
   となるのかとの質問があり、そのようなことも含め、ユーザにNTTの役
   務の提供範囲が明確となるよう契約約款に記載することとなる旨の説明が
   あった。

    審議の結果、公正有効競争確保のため、NTTにおいて講じられること
   が必要と考えられる事項として、6点を指摘し、また郵政省に対しては、
   これらの事項に十分配慮すること等の要望を付した上で、許可することが
   適当である旨の答申を行った。

  イ 杉並ケーブルテレビ(株)の第一種電気通信事業の許可について
    杉並ケーブルテレビ(株)からの第一種電気通信事業の許可の申請(概
   要は以下のとおり。)及び審査の結果について、郵政省から説明が行われ
   た。
   ・ 申請者 杉並ケーブルテレビ(株)(代表取締役社長 高木 俊比古)
   ・ 資本金 28億5千万円
   ・ 電気通信役務 電話役務
   ・ 業務区域 東京都杉並区(一部)

    審議の結果、諮問のとおり許可することが適当である旨の答申を行った。

  ウ (株)デジタルツーカー東北の携帯・自動車電話サービスに係る料金及
   び契約約款の設定の認可について
    (株)デジタルツーカー東北からの携帯・自動車電話サービスに係る料
   金及び契約約款の設定の認可の申請(概要は以下のとおり。)及び審査の
   結果について、郵政省から説明が行われた。
   (ハイコール型の料金例)

   (ア)基本使用料 6,200円

   (イ)通話料(携帯・自動車電話 → NTT加入電話)
     営業区域内及び営業区域隣接県平日昼間3分間 150円

   (ウ)新規加入料 2,300円

    審議の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。

 (3)報告事項
    以下について郵政省から報告があった。

  ア トラヒックからみた電話の利用状況(平成7年度)について

  イ 発信車情報通知サービスの利用における発信者個人情報の保護に関する
   ガイドラインについて

  ウ 日本電信電話(株)の電報サービスの現況について


  (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)
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