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電気通信審議会電気通信事業部会第148回会合議事要旨(平成9年4月23日公表)





1 日時
  平成9年3月28日(金) 午後1時30分〜午後2時32分

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)

 (1)委員
    園山重道(部会長)、増澤高雄(部会長代理)、加藤真代、齊藤忠夫、
    醍醐聰

 (2)事務局
    渡辺審議会室長

 (3)郵政省
    谷電気通信局長 ほか


4 議題

 (1)高岡ケーブルネットワーク(株)及び津ケーブルテレビ(株)に係る第
   一種電気通信事業の許可について

 (2)日本電信電話(株)の専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認
   可について

 (3)日本テレコム(株)のオープンデータ通信網サービスに係る料金及び契
   約約款の設定の認可について


5 議事模様

 (1)高岡ケーブルネットワーク(株)及び津ケーブルテレビ(株)に係る第
   一種電気通信事業の許可について
    高岡ケーブルネットワーク(株)及び津ケーブルテレビ(株)からの第
   一種電気通信事業の許可の申請(概要は以下のとおり。)及び審査の結果
   について、郵政省から説明が行われた。

   ・ 申請者 高岡ケーブルネットワーク(株)
     資本金 4億円
     電気通信役務 デジタルデータ伝送役務
     業務区域 富山県高岡市(一部)

   ・ 申請者 津ケーブルテレビ(株)
     資本金 4億8000万円
     電気通信役務 デジタルデータ伝送役務
     業務区域 三重県津市、久居氏、河芸町、香良洲町、美杉村及び安濃町
          (一部地域を含む)

    審査の結果、諮問のとおり許可することが適当である旨の答申を行った。

 (2)日本電信電話(株)の専用サービスに係る料金及び契約約款の変更の認
   可について
    日本電信電話(株)(以下「NTT」という。)からの専用サービスに
   係る料金及び契約約款の変更の認可の申請(概要は以下のとおり。)及び
   審査の結果について、郵政省から説明が行われた。
   ・ ATM(非同期伝送モード)方式により、柔軟な品目設定を可能とす
    る専用サービスの新規提供
   [1]提供品目
      0.5Mb/s、1Mb/s〜135Mb/sまでの間を1Mb/s
      毎に設定
   [2](中継回線、端末回線)故障修理の対応
      タイプ1:営業時間内(8時間)のみ故障対応(中継回線ではExtra
           及びSingleのみ)
      タイプ2:24時間故障対応
   [3]中継回線におけるサービスクラスの種類
      Dualクラス  :自動切替用バックアップ回線を有する
      Extra クラス:自動切替用バックアップ回線を通常は別の通信
                に用いる
      Singleクラス:自動切替用バックアップ回線なし
   [4]端末回線の種類
      44Mb/s以下:PDS方式(光1芯ファイバ)又はSS方式
               (光2芯ファイバ)
      45Mb/s以上:SS方式
   [5]接続専用回線の提供
   [6]料金
     〔端末回線の金額×2〕+〔中継回線の金額〕
       例:東京〜大阪間の月額使用料
                       (1専用回線あたり)
区分 Dual Extra Single
ATM専用
 3,128,000円  2,299,000円  1,907,000円
高速ディジタル伝送
4,114,000円
低減率(対高デジ比)
▲24%
▲44%
▲54%
    ATM専用については以下のタイプで算定
    ・ 回線距離は、408km(東京〜大阪)
    ・ 故障対応は、タイプ2(24時間対応)
    ・ 加入者回線部分は、PDS方式(光1芯ファイバ)
    ・ 品目 6Mb/s

   主な質疑応答等は以下のとおり。

  ・ 故障している時間の専用線料金の払戻しはどうなっているのかについて
   質問があり、タイプ1では24時間を超えた場合に日割りで払い戻し、2
   4時間故障修理をするタイプ2については、1時間を超えた場合に1時間
   毎にその割合で払い戻すことになっている旨の説明があった。
    さらに、高速ディジタル専用サービスについても同様であるかについて
   質問があり、同サービスにもエコノミークラスと通常クラスがあり、基本
   的に同様の考え方となっている旨の説明があった。

  ・ 各タイプの料金の差はどういうコスト差を反映しているものなのかにつ
   いて質問があり、一つの側面としては、Dualクラスだと論理回線をも
   う1回線分設定するコストの差であり、もう一つの側面としては、故障対
   応を24時間行うか8時間(営業時間)に限るかによる保守に係る人件費
   等の差である旨の説明があった。

    審査の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。

 (3)日本テレコム(株)のオープンデータ通信網サービスに係る料金及び契
   約約款の設定の認可について
    日本テレコム(株)(以下「JT」という。)からのオープンデータ通
   信網サービス(以下「ODN」という。)に係る料金及び契約約款の設定
   の認可の申請(概要は以下のとおり。)及び審査の結果について、郵政省
   から説明が行われた。
  ・ 概要
   [1]第1種ODNサービス(専用線型接続)
      他事業者の専用線又はJTの端末回線からODNのネットワークに
     接続する形態であり、品目は64kb/s〜6Mb/sの12品目
   [2]第2種ODNサービス(NTTのオープンコンピュータ通信網(O
     CN)接続型)
      NTTのOCNアクセス回線からのODNのネットワークに接続す
     る形態であり、品目は128kb/s、1.5Mb/s及び6Mb/s
     の3品目
   [3]第3種ODNサービス(LAN接続型)
      利用者がJTのセンター内に設備を設置し、LANのインターフェ
     イス(イーサネット)によってODNのネットワークに接続する形態
     であり、品目は10Mb/s及び100Mb/sの2品目
   [4]第4種ODNサービス(ダイアルアップ接続型)
      JT又はNTTの電話網からODNのネットワークに接続する形態

  ・ 料金
   [1]第1種ODNサービス
品目
料金額(月額)
  64kb/s       75,000円   
 128kb/s      125,000円   
 192kb/s      200,000円   
 256kb/s      275,000円   
 384kb/s      350,000円   
 512kb/s      425,000円   
 768kb/s      500,000円   
   1Mb/s      570,000円   
 1.5Mb/s      640,000円   
   3Mb/s    1,300,000円   
 4.5Mb/s    1,900,000円   
   6Mb/s    2,500,000円   
    利用者は、上記のほか、他事業者に専用線の料金支払いが別途必要。
    端末回線利用の場合は、専用サービスで定める端末回線料金を加算。
   [2]第2種ODNサービス
品目
料金額(月額)
 128kb/s       26,000円   
 1.5Mb/s      195,000円   
   6Mb/s      781,000円   
    利用者は、上記のほか、NTTにOCNアクセス回線の料金の支払いが
   必要。
   [3]第3種ODNサービス
品目
料金額(月額)
  10Mb/s     1,900,000円  
 100Mb/s    10,490,000円  


   [4]第4種ODNサービス
料金額(月額)
    1,950円     
    利用者は、上記のほか、電話料金の支払いが必要。

    なお、NTTのOCNサービス認可の際の審議会答申を踏まえ、郵政省
   は、JTに対して当該申請内容の関係部分について行政指導を行う予定で
   ある旨説明があった。

    主な質疑応答等は以下のとおり。

  ・ 営業を開始するときにどのような情報を開示するのかについて質問があ
   り、サ−ビスの品質について、基幹回線の容量、空き回線の容量、平均情
   報伝送速度等を開示する旨の説明があった。
    また、開示の手段について質問があり、インターネットを通じて平均情
   報伝送速度等を掲示し、適時更新している旨の説明があった。
    その際、どこまで率直に情報を提供するのかが重要であり、情報提供の
   際にオブラートにくるむようなことがないように適切な措置を講ずるべき
   であるとの指摘があった。

  ・ 料金算定にあたり、回線部分の費用を二種事業者に提供する専用線等の
   料金と同額として算定していることにつき、(NTTのOCNサービスと
   同様に)二種事業者からの強い要望が出されていることに基づくものか否
   かについて質問があり、本件について二種事業者から特にそのような要望
   は出されてきてはいないが、申請者が、公正競争条件の確保の必要性に配
   慮して料金算定を行ったものと理解している旨の説明があった。

  ・ 第一種サービスでは、料金が高いが、競争しうるのかとの質問があり、
   専用線接続型は網構成上料金が高くなるが、NTTのOCNアクセス回線
   を利用する第二種サービスはNTTのOCNサービスより若干安い料金で
   提供しており料金面でも競争力を有していると考えられる旨の説明があっ
   た。
    また、特に企業ユーザはサービスを選択する場合の要素として、サービ
   スの品質を重視する傾向にあることから、多様なメニューを揃えてニーズ
   に対応しようと考えているものと理解している旨の説明があった。

  ・ JTに対する行政指導の結果等について、後日報告することとなった。

    審査の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。


  (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)
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