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電気通信審議会電気通信事業部会第150回会合議事要旨(平成9年7月18日公表)





1 日時
  平成9年6月27日(金) 午後2時〜午後3時30分

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)

 (1)委員
    園山重道(部会長)、増澤高雄(部会長代理)、加藤真代、齊藤忠夫、
   醍醐聰、林敏彦、舟田正之

 (2)事務局
    渡辺審議会室長

 (3)郵政省
    谷電気通信局長 ほか

4 議題

 (1)諮問事項

   ア 日本電信電話(株)の総合ディジタル通信サービスに係る料金及び契
    約約款の変更の認可について(継続審議)

   イ 高槻ケーブルネットワーク(株)に係る第一種電気通信事業の許可に
    ついて

   ウ 杉並ケーブルテレビ(株)の電話サービスに係る料金及び契約約款の
    設定の認可について

   エ 第二電電(株)の総合オープン通信網サービスに係る料金及び契約約
    款の設定の認可について

 (2)報告事項
    日本電信電話(株)の発信電話番号通知サービスの試験サービスの状況
   について


5 議事模様

 (1)諮問事項

  ア 日本電信電話(株)の総合ディジタル通信サービスに係る料金及び契約
   約款の変更の認可について(継続審議)
    郵政省から、申請の要旨(概要は以下のとおり。)及び前回審議の際の
   指摘事項を検討した内容について説明が行われた。
    なお、本件について電気通信審議会電気通信事業部会長及び電気通信審
   議会あて要望書の提出があり、本部会に報告された。

   (ア)現行の第1種総合ディジタル通信サービス(INSネット64)に、
     新規加入時の施設設置負担金の支払いを要せず、月々の基本料に一定
     額を加算した契約タイプを新たに導入する。
      契約別

条件
第1種総合ディジタル通信 第1種総合ディジタル通信
サービス  (タイプ1) サービス  (タイプ2)
施設設置負担金の支
払い
要する(72、000円)     要しない    
基本料
事務用 3,630円
4,270円
住宅用 2,830円
3,470円
利用休止・権利譲渡
不可
   (イ)改定の考え方
      インターネット利用の拡大等により利用が拡大しているINS64
     ネットについて、新規加入時の初期費用負担を軽減し、マルチメディ
     ア時代に向けてISDNの普及促進を図るため施設設置負担金の見直
     しを図る。

   主な質疑応答等は以下のとおり。

  ・ 郵政省からタイプ2の平均利用期間が推計では13年程度である旨の説
   明があり、加入者回線設備の減価償却期間が14年であることと併せて説
   明することにより、タイプ2の平均的な利用者から施設設置負担金相当額
   が回収されることは理解されるのではないかとの意見があった。

  ・ タイプ1の加入者は、72000円を支払っているので加入電話に移行
   する場合改めて72000円の支払いは不要というのであれば、タイプ2
   から加入電話に移行する場合には、タイプ2での加入期間中に支払った加
   算額分を72000円から差し引いた額を支払えば移行できるという考え
   方もあるのではないかとの質問があり、タイプ2は72000円の分割払
   い分を基本料に加算するものではなく、72000円が不要である代わり
   にその分のコストが膨らむ部分を一定の水準で回収する必要があり、それ
   が月額640円となる旨の説明があった。

  ・ タイプ1の利用者が短期のうちに契約を解除してその回線を次の契約者
   が使用することとなった場合、次の利用者がタイプ1を選べばまた720
   00円を支払うこととなるが、この場合の加入者回線コストとの対応関係
   について質問があり、短期利用者と長期利用者がいる中で全体として加入
   者回線コストを72000円という一時金と基本料で回収しているとの説
   明があった。

  ・ 加入者回線コストと施設設置負担金がきちんと対応しているのかどうか
   について検証を行う必要があるということ、また、NTTにとってトータ
   ルでコストが過不足なく回収されていることと利用者にとって応分の負担
   となっているかということは別問題であり、その点について検討が必要で
   はないかとの意見があった。

  ・ タイプ2ができれば、どちらを利用するかはユーザが選択するのである
   から、NTTが両者の長所・短所をはっきりと説明することが必要である
   との意見があった。

  ・ 高い水準の施設設置負担金を取り続けることを是認して、電話加入権の
   価値を保つことは良いこととは思えない。電話加入権の市場価値も地価と
   同様に下落することがあるものと考えられ、地価が下落したことにプラス
   面があったことも考えると、施設設置負担金の根本的な問い直しを先にす
   るべきではなかったかとの意見があった。

    審議の結果、認可することが適当である旨の答申を行った。
    なお、今回の新しい契約タイプの導入に当たり以下の事項を要望した。
    1 施設設置負担金と加入者回線コストとの関係について調査し、その
     結果も踏まえつつ、施設設置負担金の在り方について検討を行うこと。
    2 今回の新しいタイプの提供に当たっては、利用者に対し、従来の契
     約タイプとの比較など、サービス内容が十分周知されること。

  イ 高槻ケーブルネットワーク(株)に係る第一種電気通信事業の許可につ
   いて
    高槻ケーブルネットワーク(株)からの第一種電気通信事業の許可の申
   請(概要は以下のとおり。)及び審査の結果について、郵政省から説明が
   行われた。

   ・ 申請者 高槻ケーブルネットワーク(株) 代表者 吉川 晴喜
     資本金 18億円
     電気通信役務 専用役務及びデジタルデータ伝送役務
     業務区域 大阪府高槻市

    審議の結果、諮問のとおり許可することが適当である旨の答申を行った。

  ウ 杉並ケーブルテレビ(株)の電話サービスに係る料金及び契約約款の設
   定の認可について
    杉並ケーブルテレビ(株)(以下「杉並」という。)からの電話サービ
   スに係る料金及び契約約款の設定の認可の申請(概要は以下のとおり。)
   及び審査の結果について、郵政省から説明が行われた。
   (ア)基本料金 1,330円/月
   (イ)通話料
    次の秒数まで毎に8.5円
距離区分
課金秒数
平日昼間
3分当たり
通話料金
昼間
(8:00〜23:00)
深夜・早朝
(23:00〜8:00)
区域内
180秒  240秒  8.5円 
 〜20km  90秒  120秒  17円 
 〜30km  45秒  60秒  34円 
 〜60km  36秒  60秒  42.5円 
〜100km  30秒  45秒  51円 
〜160km  22.5秒  30秒  68円 
160km超  18秒  22.5秒  85円 
   (ウ)相互接続通話(次の事業者等との接続通話が可能)
      全ての電話事業者との相互接続通話が可能。(NTT以外の事業者
     とはNTT網を介して接続)

   主な質疑応答等は以下のとおり。

  ・ 将来原価の中で通信施設使用料(アクセスチャージ、網改造費)の数値
   が急増する理由について質問があり、加入者数増加による通信量増大に伴
   いアクセスチャージが増加することによるものである旨の説明があった。

  ・ ケーブルテレビ加入者相互間の通話料について質問があり、(株)タイ
   タス・コニュニケーションズは、自網内通話とNTT加入電話あて通話と
   の間に料金差を設けているが、杉並は差を設けておらず利用者にわかり易
   い料金設定とした旨の説明があった。

  ・ 杉並のサービスを利用する場合は新しい電話番号が必要となるが、CA
   TV電話の電話番号を知る方法はあるのかについて質問があり、電話帳へ
   の記載については、現在NTTと協議中である旨の説明があった。併せて、
   電話番号については現在番号ポータビリティの検討が行われていること、
   また、(株)タイタス・コミュニケーションズの電話サービス利用者はま
   だ数十世帯だが、二台目の電話として利用されている例が多い旨の説明が
   あった。

   審議の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。

  エ 第二電電(株)の総合オープン通信網サービスに係る料金及び契約約款
   の設定の認可について
    第二電電(株)(以下「DDI」という。)からの総合オープン通信網
   サービスに係る料金及び契約約款の設定の認可の申請(概要は以下のとお
   り。)及び審査の結果について、郵政省から説明が行われた。

   (ア)サービス概要
      総合オープン通信網サービスは、インターネットプロトコルによる
     ルーティングサービス及びインターネットへの接続を可能とするサー
     ビスであり、接続形態により、以下の種類がある。

    [1]第1種総合オープン通信網サービス
       アクセス回線として、NTT等の専用線を使用するもの。
       64kb/s〜6Mb/sの12品目を提供。

    [2]第2種総合オープン通信網サービス
       アクセス回線として、NTTのOCNアクセス回線を使用するも
      の。
       128kb/s、1.5Mb/s及び6Mb/sの3品目を提供。

   (イ)料金

    [1]第1種総合オープン通信網サービス
品目
料金額(月額)
 64kb/s  73,000円
128kb/s  123,000円
192kb/s  198,000円
256kb/s  273,000円
384kb/s  350,000円
512kb/s  425,000円
768kb/s  500,000円
  1Mb/s  570,000円
1.5Mb/s  640,000円
  3Mb/s  1,300,000円
4.5Mb/s  1,900,000円
  6Mb/s   2,500,000円
     利用者は、上記のほか、他事業者に専用線の料金の支払いが必要。

    [2]第2種総合オープン通信網サービス
品目
料金額(月額)
 128kb/s      24,000円 
 1.5Mb/s     195,000円 
   6Mb/s     781,000円 
      利用者は、上記のほか、NTTにOCNアクセス回線の料金支払い
     が必要。

   主な質疑応答は以下のとおり。

  ・ 本サービスは、電話サービスのようにエンド・エンドの料金設定となっ
   ていないのかとの質問があり、現行の長距離NCCの専用線料金に準じた
   設定となっていて、足回り回線は当該回線を提供する事業者の料金による
   ものである旨の説明があった。

   審議の結果、諮問のとおり認可することが適当である旨の答申を行った。

 (2)報告事項
    郵政省から「日本電信電話(株)の発信電話番号通知サービスの試験サ
   ービスの状況」について報告があった。


  (文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正の可能性あり。)
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