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電気通信審議会電気通信事業部会第163回会合議事要旨(平成10年7月9日公表)





1 日時
  平成10年6月26日(金) 午後1時32分〜午後3時

2 場所
  郵政省審議会会議室(郵政省12階)

3 出席者(敬称略)
 (1) 委員
   園山重道(部会長)、加藤真代、齊藤忠夫、醍醐聰、舟田正之
 (2) 事務局
   小野寺敦子審議会室長
 (3) 郵政省
   天野定功電気通信局長 ほか

4 議題
 (1) 諮問事項
 ア (株)京都ケーブルコミュニケーションズに係る第一種電気通信事業の許可
  について(データ伝送役務の提供)
 イ 日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可につい
  て(機能及び接続形態の追加等に伴う変更)
 (2) 報告事項
 ア 日本電信電話(株)の加入者回線コストに関する調査結果について
 イ 平成9年度における電気通信サービスの苦情・相談の概要について

5 議事模様
 (1) 諮問事項
 ア (株)京都ケーブルコミュニケーションズに係る第一種電気通信事業の許可
  について
   (株)京都ケーブルコミュニケーションズからの第一種電気通信事業の許可
  の申請(概要は以下のとおり。)及び審査結果について、郵政省から説明が行
  われた。
  ・申請者 株式会社京都ケーブルコミュニケーションズ(代表取締役社長 大
       場洋介)
  ・資本金 34億725万円
  ・電気通信役務の種類 データ伝送役務
  ・業務区域      京都市右京区(一部を除く。)
  ・事業開始予定年月日 平成11年(1999年)4月1日

   主な質疑応答等は、以下のとおり。

  ・ 事業許可の際には、経営の安定性の観点から事業収支見積りに基づき審査
   しているが、事業収支見積り作成時に予定した料金体系と事業開始時の料金
   体系が異なる場合もあり、今後、料金が届出制に移行することを考えると、
   アンバランスが生じると思われるため、事業許可申請時の事業収支見積りに
   ついて、簡素化等の緩和措置を講ずべきではないかとの意見があった。
    これに対して郵政省から、事業許可の際の審査と料金認可の際の審査では
   法が要請するところの目的が異なる。事業収支見積りについては、過去には
   詳細な積算内訳を提出させたりしていたが、現在は提出資料を簡素化してお
   り、かなり緩和されてきている。料金届出制への移行に当たり、届出の際及
   び紛争が生じた際の提出書類については現在検討中であるとの説明があった。

  ・ プライスキャップ制の導入に関する質問があり、郵政省から、指定電気通
   信設備を設置する第一種電気通信事業者(NTT)の基本的サービスについ
   てはプライスキャップ制とし、その他のサービスに係る料金については届出
   制となるが、必要に応じて料金変更を含む業務改善命令を発動するなどの事
   後規制は残ることになるとの説明があった。

   審議の結果、諮問のとおり許可することが適当である旨の答申を行った。

 イ 日本電信電話(株)の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可につい
  て日本電信電話(株)(以下「NTT」という。)からの指定電気通信設備に
  係る接続約款の変更の認可の申請(概要は以下のとおり。)及び審査結果につ
  いて、郵政省から説明が行われた。
  ・ 申請者 日本電信電話株式会社(代表取締役社長 宮津 純一郎)
  ・ 申請内容
    PHS事業者が中継事業者経由で接続する場合に中継交換機で接続してい
   るものを加入者交換機での接続も可能とするよう措置すること、既に接続を
   実施している携帯・自動車電話事業者と接続型PHS事業者の接続条件及び
   PHSのローミングの接続条件を接続約款に記載すること等に伴い、NTT
   の指定電気通信設備に係る接続約款を変更するもの。

   主な質疑応答等は、以下のとおり。

  ・ リダイレクション網使用機能の算定について、加入者交換機能と中継交換
   機能の使用時間とコストの比率が見合わないため、各交換機の設置数や費用
   の内訳等のデータを接続小委員会の際に提出してほしいとの要望があった。

    審議の結果、本件接続約款の変更案については、「接続に関する議事手続
   細則」の規定に従い報道発表するほか、インターネット等に掲載するなどし
   て公告し、意見の聴取を行い、接続小委員会での検討結果の報告に基づき審
   議を行い、適切な答申を行うこととされた。
    なお、本件内容は、事業者からの接続要望による接続約款の変更及び既に
   実施している接続条件を約款化するものであり、新規接続事業者に与える影
   響は少ないと考えられること、また、迅速な処理を要するものであることか
   ら、再意見の聴取は行わないこととされた。

 (2) 報告事項
 ア 日本電信電話(株)の加入者回線コストに関する調査結果について、郵政省
  から報告が行われた。

   主な質疑応答等は、以下のとおり。

  ・ 資料中「新規取得の1m当たり単価は、光ファイバ、メタルとも減少傾向
   にある」との記述があるが、芯線単位で計算されたものではないので、光フ
   ァイバケーブルとメタルケーブルとの比較はこの資料からでは難しいとの意
   見があった。

  ・ 労務費(請負費)単金をみると、通信工事業平均と比べてNTT直営社員
   の方が高くなっているので、NTTとして低廉化へ向けた努力をすべきでは
   ないかとの意見があった。

  ・ 加入者回線の創設費に関するサンプル調査については、もっと多くの地点
   で実施することにより、地点ごとのコスト差を踏まえた料金の在り方につい
   て今後の検討の参考となる旨の意見があった。これに対して郵政省から、N
   TTとしても今回の調査で十分とは考えておらず、さらに調査を充実させて
   いきたいと聞いている旨の説明があった。

  ・ NTTではISDNに続いて一般加入電話についても施設設置負担金なし
   で基本料を上げるというタイプの導入を考えているようだが申請はされてい
   るのかとの質問があり、郵政省から、NTTにおいて検討中のようであるが、
   内容については承知していないとの回答があった。

 イ 平成9年度における電気通信サービスの苦情・相談の概要について、郵政省
  から報告が行われた。

   主な質疑応答等は、以下のとおり。

  ・ 本件内容については、郵政省ホームページに掲載していることは承知して
   いるが、インターネットを利用していない国民のためにも、各地の消費者セ
   ンター等へ定期的にこのような情報を提供してほしいとの要望があった。

  ・ 営業活動に関する苦情・相談の内容について質問があり、郵政省から、携
   帯電話・PHSの契約に関するもののほか、電気通信事業者の「広告がわか
   りづらい」、「各種割引サービスの内容等がわかりづらい」、「夜間遅くの
   勧誘電話などの行き過ぎた営業活動」等があるとの説明があった。

  ・ 郵政省の「電気通信利用環境整備室」の名称は苦情・相談の受付窓口であ
   ることがわかりづらく、一般利用者にとって識別が困難で不適切なので、例
   えば「消費者」、「ユーザ」などといった言葉を付けて、消費者から見て問
   い合わせ窓口と理解できるようなわかりやすい名称に変えるべきとの意見が
   あった。これに対して郵政省から、電気通信利用環境整備室では、電気通信
   に係る苦情・相談の受付のほか、通信の秘密や個人情報保護の対応等を行っ
   ており、まずは、郵政省として消費者保護の実績を積み上げることが重要で
   あると考えているが、さらに今後わかりやすい名称にすることについても検
   討していきたいとの説明があった。

(文責:電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正することがある。)



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