《情報:電気通信審議会電気通信事業部会第１６８回会議議事要旨（平成11年１月８日公表）》

電気通信審議会電気通信事業部会第１６８回会議議事要旨（平成11年１月８日公表）

１　日時
　　平成１０年１２月１８日（金）　午後２時００分～午後４時０８分

２　場所
　　郵政省審議会会議室（郵政省１２階）

３　出席者（敬称略）
 (1)　委員
　　　齊藤忠夫（部会長）、百﨑英（部会長代理）、醍醐聰、林敏彦、舟田正之、
　　　吉岡初子
 (2)　事務局
　　　小野寺敦子審議会室長
 (3)　郵政省
　　　天野定功電気通信局長　ほか

４　議題
 (1)　諮問事項
　ア　（株）クロスウェイブコミュニケーションズに係る第一種電気通信事業の許
　　可について（専用役務、データ伝送役務及び音声伝送役務の提供）
　イ　水沢テレビ（株）及び豊島ケーブルネットワーク（株）に係る第一種電気通
　　信事業の許可について（データ伝送役務の提供）
　ウ　日本電信電話（株）の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可につい
　　て（無線呼出し事業者の発信者課金導入に伴う接続条件の変更）
　エ　事業用電気通信設備規則の一部改正について（ＤＳＬの導入、ネットワーク
　　の多段接続等に対応するための省令改正）
　オ　日本電信電話（株）の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可につい
　　て〔10.11.27諮問継続〕（意見提出状況等報告）
 (2)　報告事項
　　　ＮＴＴドコモのＰＨＳ事業の譲受けの認可及び複合割引サービスについて

５　議事模様
 (1)　諮問事項
　ア　（株）クロスウェイブコミュニケーションズに係る第一種電気通信事業の許
　　可について
　　　（株）クロスウェイブコミュニケーションズからの第一種電気通信事業の許
　　可の申請（概要は以下のとおり。）及び審査結果について、郵政省から説明が
　　行われた。
　　・申請者　　株式会社クロスウェイブ　コミュニケーションズ
　　　　　　　　　　　　　　　　（代表取締役社長　鈴木　幸一）
　　・資本金　　１億円
　　・電気通信役務の種類　専用役務、データ伝送役務及び音声伝送役務
　　・電気通信役務の態様　国内電気通信役務（固定）
　　・業務区域　　沖縄を除く４６都道府県
　　・事業開始予定年月日　平成１１年（1999年）　４月３０日　専用役務
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（東名阪／北陸地区）
　　　　　　　　　　　　　平成１１年（1999年）１０月３１日　専用役務
　　　　　　　　　　　　　　　　（北海道／東北／中国・四国／九州地区）
　　　　　　　　　　　　　平成１２年（2000年）　４月３０日　データ伝送役務
　　　　　　　　　　　　　平成１３年（2001年）　４月３０日　音声伝送役務

　　　主な質疑応答等は、以下のとおり。

　　・　本件申請者は主な伝送路設備をＩＲＵ（破棄し得ない使用権）によって調
　　　達するとのことだが、国内通信においてこれまでに前例はあるのかとの質問
　　　があり、郵政省から、部分的にはＩＲＵによって伝送路設備を調達している
　　　事業者はあるが、全国的に主要な伝送路設備をＩＲＵにより調達するという
　　　事例としては本件が初めてのケースである旨の説明があった。

　　　審議の結果、諮問のとおり許可することが適当である旨の答申を行った。

　イ　水沢テレビ（株）及び豊島ケーブルネットワーク（株）に係る第一種電気通
　　信事業の許可について
　　　水沢テレビ（株）及び豊島ケーブルネットワーク（株）からの第一種電気通
　　信事業の許可の申請（概要は以下のとおり。）及び審査結果について、郵政省
　　から説明が行われた。
　(ア) 水沢テレビ（株）
　　・申請者　　水沢テレビ株式会社（代表取締役社長　佐々木　隆一）
　　・資本金　　４億８，３００万円
　　・電気通信役務の種類　　データ伝送役務
　　・電気通信役務の態様　　国内電気通信役務（固定）
　　・業務区域　　岩手県水沢市及び胆沢町（各一部を除く。）
　　・事業開始予定年月日　　平成１１年（1999年）４月１日
　(イ) 豊島ケーブルネットワーク（株）
　　・申請者　　豊島ケーブルネットワーク株式会社
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（代表取締役社長　松原　永久）
　　・資本金　　２０億円
　　・電気通信役務の種類　　データ伝送役務
　　・電気通信役務の態様　　国内電気通信役務（固定）
　　・業務区域　　東京都豊島区
　　・事業開始予定年月日　　平成１１年（1999年）４月１日

　　　審議の結果、諮問のとおり許可することが適当である旨の答申を行った。

　ウ　日本電信電話（株）の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可につい
　　て
　　　日本電信電話（株）からの指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可の
　　申請（概要は以下のとおり。）及び審査結果について、郵政省から説明が行わ
　　れた。
　　・　申請者　日本電信電話株式会社（代表取締役社長　宮津　純一郎）
　　・　申請内容
　　　　無線呼出し（ポケットベル）事業者が発信者課金を導入することに伴う変
　　　更

　　　主な質疑応答等は、以下のとおり。

　　・　発信者課金の導入の際には、現行サービスとの間で混乱を招かないよう利
　　　用者への周知を徹底すべきとの意見があり、また、サービス実施後、周知方
　　　法について報告してほしいとの要望があった。これに対して郵政省から、利
　　　用者への周知については、関係事業者に指導するとともに、行政としても周
　　　知を検討していく旨の説明があった。

　　・　発信者課金の場合の無線呼出しの利用料金について、ＮＴＴの請求書の記
　　　載方法がどのようになるのか報告してほしいとの要望があった。

　　　　審議の結果、本件接続約款の変更案については、「接続に関する議事手続
　　　細則」の規定に従い、報道発表するほか、インターネット等に掲載するなど
　　　して公告し、関係者から意見の聴取を行った上で、接続小委員会での検討結
　　　果の報告に基づき審議を行い、適切な答申を行うこととされた。
　　　　なお、本件内容は事業者からの接続要望によるものであり、既に事業者間
　　　で合意している内容であるため新規接続事業者に与える影響は少ないと考え
　　　られること、また、迅速な処理を要するものであることから、再意見の聴取
　　　は行わないこととされた。

　エ　事業用電気通信設備規則の一部改正について
　　　電気通信事業法第４１条第１項の規定による技術基準に係る事業用電気通信
　　設備規則の一部を改正する省令案（概要は以下のとおり。）について、郵政省
　　から説明が行われた。
　　・　電気通信事業者がＤＳＬを導入する際の規定の追加
　　・　ネットワークの多段接続による通信品質の規定の見直し
　　・　ＣＡＴＶ設備と同一の線路を使用した事業用電気通信設備の障害及び漏話
　　　防止の規定の追加
　　・　その他規定の整備

　　　審議の結果、諮問のとおり改正することが適当である旨の答申を行った。

　オ　日本電信電話（株）の指定電気通信設備に係る接続約款の変更の認可につい
　　て〔10.11.27諮問継続〕

　　　本件については、意見招請中であり、現時点での意見提出状況について事務
　　局から報告が行われたが、意見の提出を待って接続小委員会で調査検討を行っ
　　た上で、次回の部会で同小委員会から検討結果の報告を受けることとされた。

 (2)　報告事項
　　　ＮＴＴドコモのＰＨＳ事業の譲受けの認可及び複合割引サービスについて、
　　郵政省から報告が行われた。

　　　主な質疑応答等は、以下のとおり。

　　・　事業者に対する不利益処分（料金変更命令）は審議会への必要的諮問事項
　　　であるのに対し、不利益処分の必要がないと判断した場合、すなわち、不作
　　　為の場合については諮問事項ではないこととされているが、調査の必要があ
　　　ると判断した以上、不利益処分を行わない場合であっても審議会へ諮問すべ
　　　きではないかとの意見があり、郵政省から、変更命令を出さないことになっ
　　　た場合でも報告等により審議会の場で説明する機会を設けることを検討した
　　　い旨の説明があった。


（文責：電気通信審議会事務局。速報につき、事後修正することがある。）