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発表日  : 2000年 2月15日(火)

タイトル : 電話会社事前登録制(優先接続)の導入に向けて







       〜「優先接続導入に関する研究会」報告書について〜

 電話会社事前登録制(優先接続)について、「優先接続導入に関する研究会」
において、導入に際しての問題点等を検討してきましたが、今般、平成13年(
2001年)5月に制度を導入する、公正競争確保のためエヌ・ティ・ティ・コ
ミュニケーションズ株式会社等から東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話
株式会社への優先登録勧奨業務の委託を認めないなどを内容とする報告書が取り
まとめられました。

 電話会社事前登録制(優先接続)は、電話サービスを利用する場合に、あらかじ
め事業者を選択して東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社に登録し
ておけば、当該事業者の事業者識別番号のダイヤリングを省略して通話を可能とす
る仕組みです。
 優先接続については、昨年度開催された「優先接続に関する研究会」で導入に向
けた基本的な方向性が検討されました。これを引き継ぎ、平成11年(1999年
)10月、「優先接続導入に関する研究会」(座長:齊藤忠夫 東京大学工学部教
授)が設置され、優先接続の導入に関する検討が再開されました。
 本研究会においては、優先接続の導入が円滑に行われるよう、導入に際しての問
題点について、利用者利益の確保や公正競争の確保の観点から、引き続き検討を進
めてきましたが、今般、その報告書が取りまとめられました。
 報告書の概要等は別添のとおりです。




               連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
                   (担当:藤江課長補佐、大角係長)
               電 話: 03 − 3504 − 4833

関係報道資料「電話事業者の新しい選択方法「優先接続」の検討再開」
      (平成11年(1999年)10月12日発表)    


    「優先接続導入に関する研究会」報告書のポイント
1 具体的な導入時期 
  早期導入の要請、システム準備期間、利用者の混乱防止、行政手続面等を踏ま
 えると、2001年5月1日に導入することが適当

2 利用者に対する周知体制 
  利用者に対する周知活動は、「優先接続関係事業者間協議会」が実施
  実施に当たって利用者利益が確保されるよう、分かりやすいネーミング、消費
 者団体等の組織を通じた周知活動等に留意することが必要

3 公正競争の確保 
 (1)東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「地域NTT」
   という。)の優先登録実施部門では、自社登録に関する営業活動は行わない
   こととすることが必要
 (2)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(又は他事業者)から
   地域NTTへの優先登録勧奨業務の委託等については、認められないことと
   すべき。
    このような考え方に立つと、地域NTTとエヌ・ティ・ティ・コミュニケ
   ーションズ株式会社一体の登録勧奨や共同したインセンティブの提供等は基
   本的に認められないとすることが必要

4 国際区分への同時導入 
  優先接続を国内、国際同時に導入することを確認
  また、既存国際ダイヤル手順について、2年程度の併存期間を確保することを
 確認

5 固定優先接続の導入 
  固定優先接続(注)についても、利用者に混乱を招かないよう周知方法を工夫
 することを前提に、一般優先接続と同時導入することが適当

  (注)固定優先接続は、専ら特定の事業者に接続したい場合に選択するもの。固定優先接続を選択す
     ると、登録先以外の事業者の事業者識別番号をダイヤルした場合や、アダプタ等を利用する場合
     であっても、登録先の事業者のみに接続される。

6 変更登録費用の在り方 
  新規登録、住所変更の場合の変更登録については、利用者は登録費用を負担し
 ないことが望ましいが、利用者意思に基づく登録事業者等の変更の場合は、利用
 者が登録費用を負担することが望ましい。
  変更登録費用は、利用者の事業者の事業者選択をできる限り容易にし、競争を
 促進するような料金設定が望まれる。


     「優先接続導入に関する研究会」報告書の概要 1 基本的な考え方   「利用者利益の確保」、「公正競争の確保」及び「諸外国の制度との整合性の  確保」を基本とし、検討したもの。 2 実施に当たっての利用者利益の確保  (1)利用者に対する周知体制     利用者に対する周知活動は、優先接続関係事業者間協議会が実施主体  (2)利用者周知を行う際の留意点     利用者周知に当たっては、1利用者に対するメリット、デメリット等の適    切な周知、2分かりやすいネーミング、3消費者団体等の組織を通じた周知    活動に留意  (3)申込書フォーマット等の作成に関する留意点     申込書フォーマット等は、できる限り簡便で、分かりやすいものとし、事    業者名記入に当たって必要となる事業者名リスト等の作成などに留意  (4)変更登録費用の在り方    ア 新規登録、住所変更の場合の変更登録については、無料変更登録期間経     過後においても、利用者は登録費用を負担しないことが望ましい。    イ 一方、利用者意思に基づく登録事業者の変更の場合は、利用者が登録費     用を原則として負担することが望ましい。    ウ 変更登録費用は、利用者の事業者選択をできる限り容易にし、競争を進     するような料金設定が望まれる。  (5)利用者からの問い合わせ・苦情対応     利用者からの問い合わせ・苦情に対しては、東日本電信電話株式会社及び    西日本電信電話株式会社(以下「地域NTT」という。)の各営業所窓口、    各事業者の問い合わせ窓口等において、適切に対応することが必要 3 公正競争の確保  (1)地域NTTの自社営業     地域NTTの営業部門については、他社と同様に自社登録に関する営業活    動を行えることとすることが適当     一方、これに対して、優先登録実施部門では、自社登録に関する営業活動    は行わないこととすることが必要     これを担保するための仕組みとして、後述する優先登録受付センターの中    立性確保等の具体的な措置を採ることが必要。また、公正競争上の個別問題    が生じた場合に、事後的に改善する仕組みを設けることが必要  (2)エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下「長距離NTT」    という。)から地域NTTへの営業委託    ア 長距離NTT(又は他事業者)から地域NTTへの優先登録勧奨業務の     委託については、認められないこととすべき。    イ また、地域NTTに対する他事業者からの情報提供業務の委託も認めら     れないこととすることが必要    ウ このような考え方に立つと、(i)地域NTTの事前印刷の登録申込書に     長距離NTTの社名を印刷すること、(ii)地域NTTの請求書等に登録勧     奨リーフレット等を同封すること、(iii)NTTグループ一体(地域NT     Tと長距離NTT)で登録勧奨を行うこと、(iv)地域NTTと長距離NT     Tが共同したインセンティブの提供を行うことは、基本的に認められない     とすることが必要    エ また、例えば長距離NTTに登録した利用者が地域NTTにも登録する     と料金が割り引かれるといったサービスについては、地域通信の競争の進     展状況等に照らして個別にその妥当性を慎重に検討することが必要  (3)優先登録受付センターの中立性確保     優先登録受付センターの中立性確保のため、利用者への対応マニュアルの    作成等自主規制のほか事後チェック等が行われることが必要  (4)地域NTTの各営業所窓口、116番受付における中立性確保     地域NTTの各営業所窓口、116番受付の中立性確保のため、利用者へ    の対応マニュアルの作成等の措置を講じることが必要  (5)契約者情報の取扱い     公正競争確保のため、1地域NTTの営業部門における他事業者の優先接    続登録情報の閲覧の規制、2地域NTTにおいて登録回線情報の取扱いにつ    いて社内ルール化し徹底、3優先登録関連情報(加入電話契約者名等)の授    受における事業者間の同等性の確保が必要  (6)登録者数の開示     不公正な営業の有無等を登録数の結果によりチェックするため、登録区分    毎の事業者別優先登録数の開示を関係事業者間で実施するとともに、必要に    応じて利用者等にも公表 4 国際区分への同時導入  (1)国際区分への同時導入の確認     優先接続を国内、国際同時に導入することを確認  (2)既存国際ダイヤル手順の併行運用期間の確認     既存国際ダイヤル手順について、2年程度の併存期間の確保を確認 5 固定優先接続の導入  (1)固定優先接続の導入と利用者への影響     固定優先接続の特質等の十分な周知、混乱を防止する周知活動の実施、無    料変更登録期間の設定等を行うことが必要  (2)事業者名音声通知     固定優先接続においてネットワークで事業者識別番号を変える場合に、関    係事業者は事業者名音声通知が行えるよう措置することが必要     ただし、網改造等のため、導入は2002年4月以降     それまでの間は、事業者名音声通知の代替手段として、ネットワークで事    業者識別番号を変える場合に通知音(ピピピという音)で利用者に通知する    ことが適当であるが、十分な周知が必要  (3)固定優先接続の導入時期     利用者に混乱を招かないよう周知方法を工夫することを前提に、一般優先    接続と同時導入することが適当 6 具体的な導入時期   早期導入の要請、システム準備期間、利用者の混乱防止、行政手続面等を踏ま  えると、2001年5月1日に導入することが適当 7 今後の取り進め方  (1)行政手続等への取組     本研究会の検討結果を、今後の行政手続に反映させることが望まれる。     また、制度の利用者周知等も本検討結果を踏まえて着実かつきめ細かく行    われることが必要  (2)優先接続関係事業者間協議会の設置     優先接続に係る周知活動の実施、利用者からのトラブルの申し出に対する    自主的な対応、公正競争等に関する事業者からの問題提起に係る協議等を目    的とした「優先接続関係事業者間協議会」を設置  (3)利用者周知等のスケジュール(【  】内は実施主体)    ア 2000年 5月 優先接続制度全体の周知【協議会】    イ 2000年11月 各事業者の登録に係る宣伝開始【各事業者】               (共通周知事項を含む周知を行う)    ウ 2001年 1月 事前勧奨開始【各事業者】               登録受付開始【地域NTT】    エ 2001年 5月 優先接続制度導入【地域NTT】  (4)研究会の継続開催     報告書取りまとめ後も、本研究会を当面の間(本年中を目途)残置するこ    ととし、必要に応じて開催  (5)公正競争上の問題の協議     一義的には協議会で協議し、解決することが望まれるが、必要があれば研    究会テーマとして取り上げることも検討     意見申し出制度や業務改善命令による対処も含めて、行政としても積極的    に対応していくことが必要
      「優先接続導入に関する研究会」報告書         〜優先接続の円滑な導入に向けて〜         平成12年(2000年)2月          優先接続導入に関する研究会
         「優先接続導入に関する研究会」報告書                 目   次 はじめに                     1 優先接続導入に関する基本的な考え方 (1)基本的な考え方 (2)優先接続導入の必要性と導入時期 (3)配意すべき事項 (4)本研究会の位置づけ 2 実施に当たっての利用者利益の確保 (1)利用者に対する周知体制 (2)利用者周知を行う際の留意点 (3)申込書フォーマット等の作成に関する留意点 (4)変更登録費用の在り方 (5)不正優先登録(スラミング)の防止 (6)利用者からの問い合わせ・苦情対応 3 公正競争の確保 (1)優先接続に係る公正競争条件の確保の検討の必要性 (2)地域NTTの自社営業 (3)長距離NTTから地域NTTへの営業委託 (4)優先登録受付センターの中立性確保 (5)地域NTTの各営業窓口、116番受付における中立性確保 (6)契約者情報の取扱い (7)登録者数の開示 (8)その他 4 国際区分への同時導入 (1)国際区分への同時導入の確認 (2)既存国際ダイヤル手順の併行運用期間の確認 5 固定優先接続の導入 (1)固定優先接続の導入と利用者への影響 (2)事業者名音声通知 (3)固定優先接続の導入時期 (4)固定優先接続とサービス内容変更 6 具体的な導入時期 7 今後の取り進め方 (1)行政手続等への取組 (2)優先接続関係事業者間協議会の設置 (3)利用者周知等のスケジュール (4)研究会の継続開催 (5)公正競争上の問題の協議 (6)パブリックコメントの実施 優先接続に関するこれまでの検討状況 優先接続導入後のダイヤル手順 「優先接続導入に関する研究会」構成員名簿
はじめに  優先接続は、電話サービスを利用する場合に、あらかじめ事業者を選択して東日 本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下「地域NTT」という。) に登録しておけば、当該事業者の事業者識別番号のダイヤリングを省略して通話を 可能とする仕組みであり、利用者利便を確保するための手段である。また、この優 先接続は、電気通信分野における公正競争条件整備の観点から、NTT再編成時に 利用者利便の維持のため事業者識別番号のダイヤルを不要とした地域NTT及びエ ヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下「長距離NTT」という。) と事業者識別番号のダイヤルが必要な他の新規参入事業者(以下「NCC」という。) との間でダイヤル方法の公平を図るものである。  優先接続については、平成10年度に開催された「優先接続に関する研究会」報 告書(以下「前研究会報告書」という。)で、2000年度中を目途に導入するこ ととされている。本研究会では、優先接続の導入が円滑に行われるよう、導入に際 しての問題点等の残された課題について、引き続き検討したものである。  本報告書は、本研究会にオブザーバーとして参加した関係事業者からの意見も参 考として、6回の会合を経て最終的にとりまとめたものである。
1 優先接続導入に関する基本的な考え方 

 (1)基本的な考え方
    優先接続導入に関する基本的な考え方については、前研究会報告書で次の
   3点を基本とする旨述べられており、本研究会の検討に当たっても、この基
   本的な考え方を踏まえて検討を行うこととする。

  1 利用者利益の確保
    優先接続は、国民生活に不可欠な電話サービスの利用方法や電気通信事業
   者の営業形態に大きな変革をもたらすものであるため、その在り方を検討す
   るに当たっては、利用者利益の維持・向上を図ることを基本とする必要があ
   る。
    特に、電気通信分野は技術革新が著しく、競争の進展とあいまって、ネッ
   トワーク系及び端末系において多種多様な機能、サービスが登場することが
   期待されており、利用者がこうした機能、サービスを選択、利用できる機会
   を増大させる方向で検討することが必要である。
    また、優先接続の導入によって、利用者がより簡便なダイヤル手順で電話
   サービスを利用できるようにすることが必要である。

  2 公正競争の確保
    優先接続は、そもそも、中継電話サービスに競争を導入する際に、既存事
   業者と新規参入事業者との間の競争条件をできるだけ同等にするということ
   が導入の大きな理由の一つとされてきたところであり、今般の優先接続の検
   討に当たっても、公正競争の確保が重要なポイントとなる。

  3 諸外国の制度との整合性の確保
    1998年2月のWTO基本電気通信合意の発効を受けて、世界的に外資
   規制が撤廃され、現在国境を越えた相互参入が活発化している。このような
   状況の中、各国の電気通信制度は国際的に整合性のとれたものとすることが
   求められている。したがって、我が国における優先接続の在り方についても、
   できるだけグローバルスタンダードに配慮したものとすることが必要である。
   優先接続は、既に米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、
   ドイツ等で導入されている。

 (2)優先接続導入の必要性と導入時期
  1 優先接続に関する経緯
    優先接続については、1985年の電気通信制度改革後、長距離系NCC
   が参入した際等に、長距離NCCからNTTに対して、公正競争及び利用者
   利便の観点から、優先接続を導入して欲しい旨の要望がなされ、事業者間協
   議が行われた経緯がある。
    しかし、1985年当時は、優先接続機能の提供のために大幅な改造が不
   可欠な旧式の市内交換機が存在していたことや、接続ルールが必ずしも十分
   整備されておらず、事業者間で協議が整わない事項を実施することが事実上
   困難となっており、優先接続についても、費用負担等の問題でNTT、NC
   C間の協議が整わなかったことなどからその導入が見送られた。

  2 優先接続を巡る環境の変化及び現時点で導入する理由
    しかしながら、近時において、次のように優先接続を巡る環境が変化して
   きており、優先接続の導入が可能となっている。また、優先接続導入のタイ
   ミングとしても現時点の導入は合理的なものと考えられる。
   ア 1995年3月に旧式の交換機を全て廃止し、ソフトウェアで動作する
    交換機となり、1997年12月には国内網のデジタル化も完了したこと
    から、優先接続への容易なシステム対応が可能となったこと
   イ 接続ルールが整備され、いわゆる不可欠設備の接続条件の約款化や事業
    者間の接続協議が整わない場合の手続きの迅速化などが実現したため、優
    先接続について再度議論する土俵が整備されたこと
   ウ 規制緩和による競争の進展に伴い、新たな中継電話サービスや外資系企
    業等による国際電話サービスへの新規参入などが行われており、東京通信
    ネットワーク、九州通信ネットワーク、MCIワールドコムジャパン、P
    GEジャパン、グローバルワンコミュニケーションズ等の事業者から優先
    接続導入に対する要望が出されていること
   エ NTTの再編成に伴い、長距離NTTに関し、公正競争条件及び利用者
    利便の確保の観点から、優先接続導入の必要性が高まっていること(注)

   (注)NTT再編後の長距離NTTのネットワークは、地域NTTとの関係
     では他の長距離系NCC等のネットワークと同列に位置づけられ、競争
     条件の公平性を確保する観点からは、地域NTTの利用者が長距離NT
     Tのサービスを利用する際には、他の長距離系NCC等と同じく4桁の
     事業者識別番号を追加してダイヤルする方式とすることが求められる。
      しかし、多くの利用者に4桁の事業者識別番号を追加してダイヤルす
     るように求めることは、明らかなサービス利用条件の低下であり、利用
     者利便の観点からは好ましくない。
      そこで4桁の追加ダイヤルを代替する方策として優先接続を導入する
     こととし、利用者が長距離NTTの長距離通話サービスを利用する場合
     のダイヤル方式は現状のままとすることが必要である。

   オ NTT再編成や市内通話を含めた全分野での競争など、新しい市場競争
    の姿が明確化してきたところであり、今後各分野への参入事業者数の増加
    はあるにせよ、この基本的な市場競争実態を踏まえた優先接続導入の検討
    が可能となったこと

 (3)配意すべき事項
    また、各個別論点について検討を行う際には、以下の点に配意することと
   し、多様な観点から検討を行うこととした。
  1 利用者にとって分かりやすい制度及び制度周知とすること
  2 不正優先登録(スラミング(注))等のトラブル発生を未然に防止するこ
   と

   (注)スラミングは、利用者の同意を得ずに優先登録先事業者を変更する不
     正な優先登録のこと。米国では1984年のAT&T分割を機に優先接
     続が導入されたが、その後約15年を経た現在でもスラミングが大きな
     問題となっている。

  3 現在の競争環境を踏まえ、競争促進的なものにすること
  4 導入コストをできる限り低廉なものとすること

   更に、導入に際しては、我が国の場合は、競争導入後約15年を経過し、そ
  の間に長距離系NCC等がアダプタ等を普及させてきたという実態や、国内・
  国際の統合化の動き、市内・近距離分野での競争の進展状況等を踏まえて、こ
  のような我が国の電気通信市場の特殊性にも十分配慮する必要がある。

 【参考】我が国の電気通信市場の特殊性に配慮した措置の例
  1 競争導入後約15年を経過していること
   ・ 利用者に事業者選択の意思表示を求める方法として、一斉投票(注)で
    はなく、各事業者が随時に営業活動を行う中で、自社を指定する優先登録
    の勧奨を行うこととしている。

    (注)一斉投票方式は、米国やオーストラリア、韓国の一部でとられた方
      式であり、事前の制度周知の後、優先登録申込書を全利用者に郵送し、
      申込書に記入の上、利用者に優先登録の受付窓口あて返送を求める方
      式

  2 アダプタ等が普及していること
   ・ 優先接続導入後もアダプタ等は併存(設置)できることとしている。
   ・ 固定優先接続方式(注)を優先接続のオプションの一つとして認めるこ
    ととしている。

    (注)固定優先接続は、専ら特定の事業者に接続したい場合に選択するも
      の。既にある事業者のアダプタ等を設置している利用者が、そのアダ
      プタ等の機能を使用せず別の事業者を登録する場合には、利用者のア
      ダプタ等に組み込まれている事業者識別番号にかかわらず、登録され
      た事業者に接続する。

  3 国内・国際の統合化の動き、市内・近距離分野での競争が進展しているこ
   と
   ・ 優先登録の通話区分を「市内」、「県内市外」、「県間市外」、「国際」
    の4区分とし、異なる事業者の登録を可能としている。

 (4)本研究会の位置づけ
    優先接続については、前研究会報告書で2000年度中を目途に導入する
   こととされている(注)。

    (注)前研究会報告書の要旨は別添資料のとおり。

    本研究会は、優先接続の導入が円滑に行われるよう、導入に際しての問題
   点等の残された課題(注)について、利用者が円滑に対応できるように、ま
   た、事業者間の公正競争を害さないようにとの観点から引き続き検討したも
   のである。

    (注)本研究会の検討事項
      1 優先接続の具体的な導入時期について
      2 実施に当たっての利用者利益の確保について
      3 優先接続に係るNTT再編成後の公正競争条件の確保について
      4 国際区分への優先接続の導入について
      5 固定優先接続の導入に関する条件整備について(利用者に対する
       混乱防止策)
      6 その他

  以上の基本的な考え方等を踏まえ、以下、優先接続の導入に関する具体的検討
 課題(論点整理)について、個別に検討していく。


2 実施に当たっての利用者利益の確保 

 (1)利用者に対する周知体制
    優先接続導入準備委員会(以下「準備委員会」という。)において検討し
   た結果、以下の取組を行うこととされている。
  1 一般優先接続と固定優先接続のサービス内容を理解でき、明確に区別でき
   るネーミング(注)を作成する。

    (注)準備委員会では、一般優先接続は「電話会社選択サービス」、固定
   優先接続は「電話会社固定サービス」を正式名称とし、ニックネームとして
   それぞれ「マイライン」、「マイラインプラス」を付すこととしている。

  2 周知活動の実施主体は優先接続関係事業者間協議会(以下「協議会」とい
   う。協議会については7(2)で後述)とする。
  3 利用者周知の考え方
   ア 利用者に十分浸透するよう、大規模な(携帯・PHS11桁化と同等以
    上)周知活動を行う。
   イ 利用者層が多岐にわたるため、あらゆる媒体を活用し、媒体に応じた周
    知内容とする。
   ウ 平易な表現を使用する。
   エ 日本在住外国人に対しても十分に配意する。
  4 利用者周知スケジュール
   (スケジュールの具体的内容は7(3)で後述)
  5 利用者周知内容
    導入目的、サービス概要、参加事業者一覧、具体的な利用方法、申込み方
   法、導入時期、変更登録費用、ACR利用者の留意事項、申込みがなかった
   場合の措置、サービス概要等の問い合わせ先、悪徳商法への注意喚起、移動
   電話・公衆電話の扱い等の項目について、具体的に周知する。
  6 各事業者が行う周知活動
    協議会の周知と併せて、各事業者もマス周知を行うが、その際に共通して
   盛り込む制度周知項目を設ける。
  7 事業者情報の提供
   ア 協議会による提供
     事業者共通の問い合わせ窓口の設置、協議会のホームページ開設、優先
    接続制度の内容を説明するリーフレットの作成を行う。
   イ 各事業者による提供
     各事業者の問い合わせ窓口の設置、ホームページ開設(協議会のホーム
    ページとリンク)、各事業者独自のリーフレットの作成を行う。
  8 その他
    周知方法や受付方法について、不適正な営業活動の防止等のため、必要な
   項目を整理し、事業者間で遵守することとした。

  以上が導入準備委員会で検討した結果を整理し、まとめたものであるが、この
 内容に対する改善点や留意点が以下(2)及び(3)のとおり指摘された。

 (2)利用者周知を行う際の留意点
  1 優先接続制度の円滑な導入を図るためには、利用者に対する制度の十分か
   つ的確な周知が不可欠である。優先接続制度は、利用者が電話サービスを利
   用する際にダイヤル桁数の不便を感じることなく、利用者にとって通信事業
   者の選択の自由度を増すものであるが、利用者がこのような利用者利益を享
   受するためには、優先接続制度の内容について十分に認知できる環境を作る
   ことが不可欠であるからである。
  2 利用者が優先接続制度を十分に理解するために、利用者周知に際して留意
   が必要な点として、以下の項目が指摘される。周知活動の実施主体となる協
   議会や、各事業者はこの指摘を踏まえ、制度の十分かつ的確な利用者周知を
   行う必要がある。
   ア 周知内容には、制度のメリットばかりでなく、デメリットを含め十分周
    知し、利用者が誤解を招くことのないように留意する必要がある。このた
    め、利用者周知に当たっては、利用者に対するデメリット等(注)も周知
    内容に盛り込む必要がある。

   (注)周知内容への盛り込みが必要とされたデメリット等の具体例
     ・ 固定優先接続を選択すると、登録先以外の事業者の事業者識別番号
      をダイヤルした場合やアダプタ等を利用する場合に、ダイヤルした利
      用者の意図にかかわらず、登録先の事業者のみに接続されること
     ・ 利用者の同意を得ずに登録先事業者を変更する不正な登録を防止す
      るため、原則書面による申込みとするものであること

   イ 一般優先接続と固定優先接続のネーミングも、利用者に誤解を与えない
    よう、それがどのような内容のサービスか端的に分かるものとする必要が
    あり、正式名称とニックネームを組み合わせて使用するなど、より分かり
    やすい周知とする必要がある。
   ウ 消費者団体等への組織的な周知活動を併用することにより、利用者に対
    してきめ細かい制度周知が可能となる。このため、マス周知と合わせて、
    学校、消費者団体、女性団体、市民団体、各種苦情相談窓口等への組織的
    な周知活動を行うことが必要である。

 (3)申込書フォーマット等の作成に関する留意点
    申込書フォーマット等の作成に関しては、以下のような留意点が指摘され
   ており、関係事業者はこの指摘を踏まえた書類等の作成を行う必要がある。
  1 利用者に配布するリーフレットや申込み関係書類は、利用者が制度の概要
   を理解する上で最も基本となるものであり、利用者に分かりやすく、誤解を
   生じさせないようできる限りの工夫を行う必要がある。このため、申込書フ
   ォーマット、申込み記入要領、申込みに当たっての注意事項、利用者に配布
   するリーフレットは、できる限り簡便で、分かりやすいものとする必要があ
   る。
  2 また、作成に当たっては、消費者団体等の意見も踏まえて、表現を分かり
   やすいものに工夫する等に努めることが必要である。
  3 申込書を事業者名記入とする場合は、登録区分毎の事業者名リスト及び各
   事業者のサービスの特長等をまとめた選挙公報的な一覧を作成することが必
   要である(注)。なぜなら、優先接続の登録は、利用者にとって事業者選択
   の機会となるが、選択対象となる事業者に関する情報をできる限り正確に利
   用者に提供すべきと考えられるからである。また、利用者が当該地域に電話
   サービスを提供していない事業者を誤って選択することを回避するため、当
   該リストは各地域毎に作成することが望ましいと考えられる。

   (注)新規参入事業者が優先接続に参加するかどうかは、各事業者の任意で
     あるが、参加するためには、事業許可等及び事業者識別番号の取得が必
     要である。また、地域NTTに対して接続ルールに基づく概ね6ヶ月前
     の接続申込み(優先接続参加区分確定、サービス開始予定の明確化等)
     が必要であり、サービス開始までに相互接続協定の締結が必要である。
      なお、事業者リスト等への掲載手続きや同リスト等の改訂周期は、新
     規事業者の参入の障害とならないよう配意しつつ、かつ、コスト面にも
     留意して関係事業者間で合理的なルールが作られることか望まれる。

  4 なお、登録事業者欄について事業者側で自社名を記入した事前印刷を行う
   場合には、他社名記入を許容する点の利用者周知を十分に行う必要がある。
   事前印刷自体は、利用者の申込書記入負担を軽減するとともに、事業者の勧
   奨活動に有効な手段と認められるが、利用者の自由な事業者選択を阻害する
   ことのないよう配慮が必要だからである。

 (4)変更登録費用の在り方
  1 変更登録費用は、利用者の希望により行うものであるから、原則的には利
   用者の負担とすることが適当であるが、利用者意思に関わりなく、変更登録
   を余儀なくされる場合や、既存利用者は無料で登録できたものについて新規
   加入者に、登録費用又は変更登録費用の負担を求めることは適当でない。
  2 したがって、加入電話等の申込み時の新規登録については、時期に拘わら
   ず利用者は登録費用を負担しないこととすることが望ましいと考える。
  3 また、同様の観点から、無料変更登録期間(導入日から6ヶ月)経過後に
   おいても住所変更の場合の変更登録(NTT東日本から西日本への変更、東
   京通信ネットワークから九州通信ネットワークへの変更、東京通信ネットワ
   ークから東西NTTへの変更(東京通信ネットワークの提供区域内における
   変更登録の場合を除く)等登録対象地域が限定されている変更登録の場合)
   は、利用者は登録費用を負担しないこととすることが望ましいと考える。
  4 他方、無料変更登録期間経過後の利用者意思に基づく登録事業者の変更の
   場合や、同一事業者で固定優先接続から一般優先接続(又は一般優先接続か
   ら固定優先接続)に変更登録する場合は、利用者意思に基づく変更登録であ
   るので、原則として登録費用を利用者が負担することが望ましいと考える。
  5 変更登録費用は手数料の一種であり、非規制の料金として基本的には地域
   NTTの経営判断で自由に定められる料金であるが、利用者の事業者選択を
   できる限り容易にし、競争を促進するような料金設定(注1)が望まれる。
   なぜなら、変更登録手数料を高額に設定する場合には、事実上利用者から登
   録変更の機会を奪い、競争制限的に機能するとともに、デフォルト(注2)
   と相まって公正な競争を歪めるおそれがあるからである。

   (注1)国際的にみても遜色のない料金設定が望まれる。例えば、米国の場
      合、変更登録費用は約6ドルである。
   (注2)デフォルトとは、本来の不履行や棄権の意味から、コンピュータの
      用語に転じて、ソフトウェアの利用開始時点であらかじめ決められた
      標準的な値や設定が自動的にセットされる初期設定のこと。優先接続
      を円滑に導入するため、優先接続実施の時点で登録をしていない利用
      者については、国内通話は長距離NTT及び地域NTTをデフォルト
      として登録し、国際通話はデフォルトを行わないこととしている。

  6 なお、優先接続に参加している事業者が、仮に事業撤退する際に、利用者
   意思に関わりなく変更登録を余儀なくされる場合が生じると考えられるが、
   この場合の費用負担の在り方について、今後検討が必要である。
  7 ただし、実際の登録作業のコストに照らして、上記5の金額ではコスト回
   収ができない場合には、一部事業者負担とすることとし、関係事業者間で応
   分の負担をすることを前提に、登録費用の負担方法を検討する必要がある。
   変更登録に係るコストが手数料でまかなえない場合に、それを全て地域NT
   Tが負担することは地域NTTに酷であり、公正でないからである。したが
   って、市場競争の促進により利益を受ける関係事業者も応分に負担すること
   が適当と考えられる。ただし、関係事業者が負担する場合でもそのコストは
   最終的に利用者が負担することから、費用の低廉化に努めることが適当であ
   り、また、負担の具体的方法は、協議会で検討することが望ましい。

 (5)不正優先登録(スラミング)の防止
    米国の優先登録手続きにおいては利用者からの書面によらない申込みが許
   容されており、優先登録事業者からの電話勧誘だけで処理される点がスラミ
   ングの大きな原因と伝えられている。
    したがって、優先登録手続は書面によることを原則とすべきである。

 (6)利用者からの問い合わせ・苦情対応
    以下のような重層的な対応体制により、利用者からの問い合わせや苦情に
   対し、関係機関が連携しつつ適切に対応する必要がある。なお、導入期日前
   後の一定期間は、利用者からの問い合わせや苦情等が多数寄せられる可能性
   があるので、関係機関において問い合わせ等に対応可能な十分な回線数を確
   保するなど体制を準備することが望ましい。
   1 地域NTTの各営業所窓口、116番受付における対応
   2 各事業者の優先接続に係る問い合わせ・苦情窓口における対応
   3 受付センターにおける対応
   4 制度の周知主体であり、苦情等の窓口となる協議会における対応
   5 郵政省(電気通信消費者相談センター等)における対応


3 公正競争の確保 

 (1)優先接続に係る公正競争条件確保の検討の必要性
    優先登録業務は地域NTTが実施することになるが、地域NTTは、自ら
   も他事業者と競争しつつ市内及び県内市外通話サービスを提供する立場にあ
   る。また、県間市外や国際通話についてはグループ会社である長距離NTT
   が他事業者と競合するが、地域NTTは長距離NTTの県間市外通話サービ
   ス等の販売業務の一部も受託している。
    このような位置づけにある地域NTTと他事業者間の公正競争を確保する
   必要があり、前研究会報告書では、NTT再編成後の公正競争条件の確保状
   況(優先接続に関する地域NTTの営業方法が明確にされていること、優先
   接続登録者数等の情報開示がなされていることなど)を本研究会において再
   度確認し、公正競争確保上の必要があれば改善策を講じた上で導入すること
   とされていた。

 (2)地域NTTの自社営業
  1 まず、地域NTTが市内区分及び県内市外区分について、利用者に対し、
   自社を登録するよう勧奨する営業活動ができるかという点であるが、地域N
   TTには、自ら営業活動を行う部門(営業部門)と優先登録実施部門とが存
   在するため、これを分けて検討する必要がある。
  2 このうち営業部門については、他社と同様に自社登録に関する営業活動を
   行えることとすることが適当である。地域NTTの営業部門について、自社
   登録に関する営業活動を行えないとすると、地域NTTは利用者に対して自
   社登録を勧奨することができず、公正競争が確保されないことになるからで
   ある。
  3 これに対して、中立的な対応の求められる優先登録業務実施部門では、自
   社登録に関する営業活動(中立性を損なう営業活動を含む。)は行わないこ
   ととすることが必要である。
  4 これを担保するための仕組みとして、以下(4)〜(7)で後述する具体
   的な措置を採ることが必要である。また、今後、公正競争上の個別問題が生
   じた場合に、事後的に改善する仕組み(7(5)で後述)を設けることが必
   要である。

 (3)長距離NTTから地域NTTへの営業委託
  1 長距離NTT(又は他事業者)から地域NTTへの優先登録勧奨業務の委
   託については、以下の理由から認められないこととすべきである。
   ア 再編成により、長距離NTTは独自に営業部門を設置し独自に営業活動
    を行うことされており、地域NTTへの営業委託は利用者の利便性の維持
    の観点から認められているが、公正競争の観点から無制限に認められてい
    るわけではないこと
   イ 利用者利便の観点からは、すでにワンストップショッピング(注)は確
    保されており、利用者は県間市外や国際区分も含め申込みができること

    (注)ワンストップショッピングは、1つの窓口で複数のサービスや手続
      きを申し込める仕組みのこと。

   ウ 優先接続機能は指定電気通信設備に具備が義務づけられたものであり、
    公正競争確保の観点から地域NTTの扱いを他事業者と非対称とすること
    は可能と考えられること
   エ 登録勧奨業務を受託することは、地域NTTが受託した特定事業者への
    接続のみを差別的に勧奨することにつながりかねず、事業者の公正競争の
    促進という優先接続の目的を実質的に没却させる可能性があること
  2 これに関して、地域NTTに対する他事業者からの登録勧奨の業務委託は
   認めないとしても、優先登録の対象となる各事業者の特長やサービス内容に
   ついて情報提供業務を受委託することは認められるべきではないかとの意見
   がある。しかし、
   ア 元々地域NTTは、優先接続登録サービスを自社サービスとして提供し
    ている以上、登録先事業者に関する情報について利用者から提供を求めら
    れた場合には、情報提供業務の委託の有無にかかわらず、公正競争を担保
    しつつ可能な範囲で必要な情報提供を行うことが適当と考えられること
   イ 登録勧奨と情報の提供は、その差異が不明確であり、業務委託を受けた
    情報の提供と言いつつ、登録勧奨を行う懸念を必ずしも排除しえないこと
    から、地域NTTに対する他事業者からの情報提供業務の委託も認めない
    こととすることが必要である。
  3 このような考え方に立つと、
   ア 地域NTTの事前印刷の登録申込書に長距離NTTの社名を印刷するこ
    と
   イ 地域NTTの請求書等に長距離NTTの登録勧奨リーフレット等を同封
    すること
   ウ NTTグループ一体(地域NTTと長距離NTT)で登録勧奨を行うこ
    と
   エ 地域NTTと長距離NTTが共同したインセンティブの提供を行うこと
    は、基本的には認められないとすることが必要である。
  4 また、優先登録勧奨業務の委託に直接関わる問題ではないが、例えば長距
   離NTTに登録した利用者が地域NTTにも登録すると料金が割り引かれる
   といったサービスについては、地域通信の競争の進展状況等に照らして個別
   にその妥当性を慎重に検討する必要があると考えられる。

 (4)優先登録受付センターの中立性確保
    優先登録受付センターは、優先接続に係る登録(変更登録を含む)の受付、
   登録事務処理、登録情報の管理等を行う機関であるが、地域NTTに設置す
   ることとされている。
    優先登録実施者である地域NTTと他事業者との間の公正競争を確保する
   ため、地域NTTの優先登録実施部門において、優先登録の実施についてで
   きる限り公正に取り扱われるようにするための措置を講じる必要がある。
    また、公正競争確保のための措置について、地域NTTの自主規制のみで
   は自ずから限度があるため、自主規制に加え、事後チェック等が働く仕組み
   を設けておくことが適当である。
    このような観点から、中立性確保のために、以下の措置を採ることを事業
   者間で取り決めているところである。
    a 受付センターは、地域NTTの営業部門から独立して設置し、対外名
     称にNTTの冠を付けない。
    b 受付センターの運営に当たっては、運営規則(中立的な対応・受付を
     するための利用者への応対マニュアルを含む。)に公正競争の確保につ
     いての内容を盛り込むこととし、具体的内容を、協議会に諮る。
    c 受付センター運営に当たって、不適正な事例が発生した場合は、協議
     会で協議を行う。

   更に、中立性確保のために、例えば以下のような措置をとることが考えられ
  る。
  1 事業者団体、他事業者等外部関係者による応対受付方法の確認、社団法人
   電気通信事業者協会のような中立的な機関からの出向による日常的なチェッ
   クを可能とする仕組み等(具体的な確認方法等は今後事業者間で協議するこ
   とが望ましい。)
  2 電気通信事業法(以下「事業法」という。)第92条の規定に基づく郵政
   省の検査

 (5)地域NTTの各営業所窓口、116番受付における中立性確保
    地域NTTの各営業所窓口、116番受付に対しては、優先接続に関する
   利用者からの問い合わせや登録(変更登録も含む)の申込みが行われること
   となっている。その際の中立性確保のため、例えば以下の措置を講じること
   が考えられる。
  1 中立的な対応・受付をするための利用者への応対マニュアルの作成
  2 事業者団体、他事業者等外部関係者による応対受付方法の確認(具体的な
   確認方法等は今後事業者間で協議することが望ましい。)、事業法に基づく
   郵政省の検査等

 (6)契約者情報の取扱い
    公正競争確保のため、地域NTTの優先登録実施部門においては、優先登
   録関連情報を適正に管理し、情報授受について自社営業部門等を他事業者と
   同等に扱うなど契約者情報が公正に取り扱われる必要があり、そのため以下
   の措置を講じる必要がある。
  1 地域NTTの営業部門における他事業者の優先接続登録情報の閲覧を規制
   する。具体的には、閲覧のため照会しても他事業者情報については表示しな
   いこと(マスキング)によりシステム的に規制されることとなる。ただし、
   受付センター、各営業所窓口、116番受付では、利用者からの問い合わせ
   対応や不接続防止のために、公正競争に配意しつつ他事業者情報も含めて閲
   覧可能とする必要がある。
  2 地域NTTにおいて登録回線情報の取扱いについて社内ルール化し徹底す
   る。
  3 優先登録関連情報(加入電話契約者名等)を地域NTTから登録先事業者
   に提供する必要があるが、当該情報の授受における事業者間の同等性を確保
   する。

 (7)登録者数の開示
  1 不公正な営業の有無等を登録数の結果によりチェックするため、登録区分
   毎の事業者別優先登録数の開示を行うこととしている。
  2 この登録区分毎の事業者別優先登録数の開示を関係事業者間で行うことは、
   開示方法や開示周期も含め既に関係事業者間で合意されており、合意に基づ
   き適切に実施される必要がある。
  3 利用者等への事業者別優先登録数の開示については、
   ア 国民・利用者への情報開示という趣旨から、基本的には、登録区分毎の
    事業者別優先登録者数を公表することが適当である。
   イ ただし、導入期日から半年間は、地域NTT及び長距離NTT以外の事
    業者については、まとめて公表することが適当である。
     これは、一般に公表することに関して、登録者数が公表されると、営業
    競争上悪用されたり、営業妨害等に利用されるおそれがあるとの意見があ
    ることに配慮したものである。

 【参考】仮に郵政省に事業者別優先登録者数を報告した場合の情報公開法との関
     係
   ア 登録区分毎の事業者別優先登録者数は、関係事業者間では公開されるこ
    とになっており、情報の機密性は希薄であること
   イ 移動体通信事業者は毎月事業者別契約者数を自主的に公表しており、契
    約者数等を非公開とする厳格な業界の慣行はないと認められることから、
    情報公開法に基づき、郵政省に対して情報の公開を求められた場合には、
    公開するものと考えられる。

 (8)その他
    本研究会において、利用者の優先登録の方法に関して一斉投票方式を採り、
   無投票者についてはマーケットシェアなどの指標により各事業者に割り振る
   ことについて検討を行ったが、
   ア 我が国では競争導入後約15年に及ぶ競争と利用の実態があり、一斉投
    票方式よりも各事業者による登録勧奨の方が競争の実態をより反映させや
    すい
   イ 一斉投票方式は営業力の強い大規模事業者が有利になる
   ウ 無投票者の扱いが問題となる
  等の理由により、前研究会報告書では一斉投票方式ではなく随時営業方式とす
  ることが適当とされたところであり、本研究会でも一斉投票方式を採らないこ
  とが再度確認された。

4 国際区分への同時導入 

 (1)国際区分への同時導入の確認
    国際区分への導入に関しては、前研究会報告書において、「利用者への影
   響、コスト削減等を総合的に勘案して、国内と同時導入が妥当である。ただ
   し、少なくとも2〜3年の既存ダイヤル手順の併存期間が必要である。」と
   されたところである。また、NTT再編成後の公正競争条件の確保状況、国
   内と国際の一体的提供の状況を踏まえ、国際区分への優先接続導入予定時期
   に問題がないことを再度確認した上で導入することとされた。
    これについては、上記3で検討したとおり、優先接続に関する地域NTT
   の営業方法が明確化され、登録区分毎の事業者別優先登録者数の関係事業者
   間での公開も実施されることから、公正競争条件の確保は実現可能と認めら
   れ、優先接続を国内、国際同時に導入することへの懸念は払拭することがで
   きると考えられる。
    また、国内、国際で業務区分を設け、参入やサービス提供を規制するよう
   な制度、実態もなく、また、利用者も当該事業者が国内事業者か国際事業者
   かを意識することが希薄になっていることから、同時導入が適当と認められ
   る(注)。

   (注)これに関しては、一部の国際系事業者から、優先接続を国内、国際に
     同時に導入すれば他のNCC等に比べ地域NTTと密接な関係にある長
     距離NTTが一方的に有利になったり、国際専業の事業者が一方的に不
     利になるなど競争中立性が損なわれるとの意見があったが、上記検討の
     とおり、国内、国際同時導入が適当であることが確認された。

 (2)既存国際ダイヤル手順の併行運用期間の確認
    既存国際ダイヤル手順について、2年程度の併存期間を確保することが適
   当であることが再度確認された。併存期間は、利用者利便や円滑な移行に配
   意してできる限り十分な期間を確保する必要があるとの観点から、2年程度
   の併存期間の確保が望ましいからである。
    なお、優先接続があまり定着しない段階で併行運用をうち切ることとなれ
   ば、優先接続を利用しない者にとって現行ダイヤル手順よりも3桁多くダイ
   ヤルしなければならないことになるため、併存期間満了予定前6ヶ月の時点
   で併存期間の延長を検討することとしている。


5 固定優先接続の導入 

 (1)固定優先接続の導入と利用者への影響
    固定優先接続をオプションとして導入することに関しては、前研究会報告
   書において、利用者の混乱を極力少なくすることが必要であり、段階的な周
   知宣伝など混乱を回避する具体的方策について、事業者間協議の場で十分に
   検討する必要があると指摘されていた。
    これについて、準備委員会において、固定優先接続の導入により、利用者
   にどのような影響や問題点の発生が想定されるか多角的に考察するとともに、
   これに対する対応策を検討してきたところである。その内容は以下のとおり
   であり、固定優先接続導入時に想定される問題点について、所要の対策を講
   じ、想定される問題点の克服を図ることが必要、かつ可能と考えられる。
   ア 固定優先接続の機能自体が利用者に理解されにくいことから、固定優先
    接続の特質等の十分な周知、混乱を防止する周知活動の実施を図るととも
    に、無料変更登録期間の設定等を行う必要がある。
   イ 事業者により国際電話の取扱い対地に相違があるため、選択した事業者
    の不取扱い対地への利用ができない恐れがあるので、各国際事業者による
    周知徹底を図る必要がある。
   ウ 優先接続不参加事業者を固定優先接続の登録先とする恐れがあるので、
    参加事業者一覧の作成による明確化を図る必要がある。
   エ 固定優先接続導入に伴うアナウンスや通知音が、電話の故障と誤解され
    る恐れがあるので、利用者に対する十分な周知が必要である。
   オ アダプタが設置してある場合に、ネットワークで事業者識別番号を変え
    る際の通知音がいつも生じることとなれば、混乱が生じる恐れがあるので、
    不快とならない通知音を設定する工夫が必要である。
   カ 固定優先接続解除の方法は、「122」という新たな番号を使うため、
    その利用方法について利用者に対する十分な周知が必要である。
   キ 二種事業者のカード割引サービス等固定優先接続登録により割引やサー
    ビスが受けられなくなる恐れがあるので、二種事業者による周知活動、提
    携先一種事業者を優先登録する利用者周知等の措置をとるよう要請するな
    どの措置を採る必要がある。

 (2)事業者名音声通知
  1 固定優先接続においてネットワークで事業者識別番号を変える場合(注)
   に、関係事業者は事業者名音声通知が行えるよう措置することが必要である。
   ネットワークで事業者識別番号を変える場合に、利用者にとってどの事業者
   のサービスを受けているか認識できるようにすることは重要であり、利用者
   のネットワークに対する信頼性確保の観点から、事業者名音声通知の導入が
   必要と考えられるからである。

   (注)固定優先接続においてネットワークで事業者識別番号を変える場合に
     一対象となる通話は、事業者識別番号を付与してダイヤルされた国内、
     国際の般通話及び市外の天気予報のうち、利用者が登録している事業者
     識別番号と異なる場合の通話である。「0120」等のサービスや事業
     者識別番号にサービスコードを付した付加サービスは対象とならない。

  2 ただし、地域NTTの交換機改造のためのソフト開発期間、工事期間等を
   考慮すると、事業者名音声通知の導入は2002年4月以降となる。
  3 そこで、事業者名音声通知の代替手段として、ネットワークで事業者識別
   番号を変える場合に通知音(ピピピという音)を送出することにより、当面
   利用者に通知することが適当と考えられる。ただし、事業者名音声通知と比
   較して当該通知音が何を意味しているか利用者には分かりにくいため、十分
   な周知が必要である。
  4 他方、一般呼(当該事業者に接続される全ての呼)に対する事業者名音声
   通知は、各事業者の判断により個別に導入することが可能である。

 (3)固定優先接続の導入時期
    固定優先接続の導入時期については、利用者に混乱を招かないよう周知方
   法を工夫することを前提に、一般優先接続と同時導入することが適当と認め
   られる。
    固定優先接続を同時導入する場合には、利用者にとっては、
  1 端末に依存せずに簡単な手続きで事業者を変更できる選択肢を早期に提供
   できる
  2 固定優先接続と組み合わせた割引サービス等料金の多様化、低廉化が早期
   に期待できる
  3 周知方法を工夫することにより、一般優先接続と固定優先接続を含めた優
   先接続の全体像が同時に分かるため、利用者に理解しやすい面がある
  4 4周知活動の集中によりコスト増大が抑制される
  などのメリットがあるからである。

    他方、一般優先接続と固定優先接続の双方を利用者は理解する必要があり、
   サービス開始時に集中して混乱を招く可能性がある点がデメリットとして考
   えられるが、これについては、逆に一般優先接続も固定優先接続も同時期に
   その相違について分かりやすく周知することによって克服することが望まし
   い。
    ただし、放送媒体では伝えられる情報が限られるため、混乱を避けるため、
   優先接続導入2ヶ月後までは一般優先接続の周知を中心に行い、固定優先接
   続は紙媒体の周知や個別コンサルティングによって行うこととする等の工夫
   が適当である。
    これに関しては、事業者名音声通知と固定優先接続導入の実施時期をリン
   クさせ、事業者名音声通知が可能となる2002年4月以降に固定優先接続
   の導入を延期すべきである、あるいは、利用者の混乱回避のため一般優先接
   続に慣れてから固定優先接続を導入すべきとの意見もあったが、
  1 事業者名音声通知はシステム的に準備が整った段階で導入することとされ
   ており、それまでの間は代替手段として、ネットワークで事業者識別番号を
   変える場合に通知音を送出すること
  2 固定優先接続はアダプタ等を先行的に提供している事業者とそうでない事
   業者が対等に競争する競争政策上のメリットがあること
  3 上記検討のとおり、同時導入による利用者メリットがあり、他方、デメリ
   ットは周知方法の工夫で縮小可能であり、関係事業者としてもそのためにで
   きる限りの努力をするとしていること
  4 段階的導入とすると優先接続の獲得活動が二度発生すること、また、優先
   接続のフレームワークを短期間のうちに変更することになる結果、利用者の
   混乱が拡大する可能性があること
  等を総合的に勘案すると、同時導入することが適当と認められる。

 (4)固定優先登録とサービス内容変更
  1 事業者がサービス内容を変更した時に、利用者は固定優先の登録変更がで
   きるかについて検討を行った。これについては、利用者は自由に登録先を変
   更することが可能であることが確認された。すなわち、優先接続登録契約に
   は期間の定めはなく、期間の定めのない契約として利用者はいつでも自由に
   登録先を変更することが可能であり、また、優先接続登録契約と各事業者の
   サービス提供契約は別個独立のものであるからである。
  2 また、その際に変更登録料を徴収することは可能かどうかについても検討
   を行った。これは、仮に、変更登録料が固定優先接続の解約に伴う違約金的
   な性格の料金であるとすると、事業者がサービス内容を変更した際に利用者
   が変更登録をしたような場合には、そのような違約金の請求はできないので
   はないかという問題である。これについては、変更登録料は固定優先接続の
   解約に伴う違約金的な性格の料金ではなく、登録事務処理に伴う手数料であ
   るため、利用者から徴収しても差し支えないことが確認された。
  3 更に、現在検討されている消費者契約法案との関係やみなし契約の場合の
   問題の有無についても検討を行った。これは、現在、一部の中継事業者及び
   国際事業者は、利用者との契約を個別に締結するのではなく、いわゆるみな
   し契約としているが、その場合には、利用者に対する十分な説明という観点
   から問題があるのではないかとの問題意識である。しかしながら、優先接続
   登録契約と各事業者のサービス提供契約は独立の契約であること、みなし契
   約と個別契約のいずれにおいても優先登録契約の内容については十分な周知
   を行うことから、事業者の情報提供を努力義務としている消費者契約法との
   関係でも特段の問題は生じないと考えられることが確認された。


6 具体的な導入時期 
 (1)優先接続は利用者の通信事業者選択の自由度を増すものであり、事業者間
   の公正競争を確保するためのものであることから、できる限り早期に導入す
   ることが望ましい。
 (2)他方、地域NTTの交換機改造のためのソフト開発期間、全交換機へのデ
   ータ設定、相互接続試験などの工事期間を考慮すると、優先接続を導入でき
   る体制が整うのは、最も遅れる場合には2001年4月上旬となる見込みで
   ある。
 (3)また、毎年3月後半〜4月前半は転居シーズンで繁忙期となり、この時期
   に優先接続導入に係る工事が加わると、工事日程遅延等利用者に不利益を及
   ぼす可能性がある。したがって、転居シーズンと優先接続導入時期が重なら
   ないよう配意することが望ましい。
    更に、利用者の認識しやすいキリの良い日に導入することが望ましい。
 (4)行政手続面でも、遅くとも2001年4月中には、優先接続導入に伴う地
   域NTTの接続約款の変更認可等の所要の手続が完了する見通しである。
 (5)また、優先接続制度は「事業者の設備改修後2000年度を目途に導入」
   する旨「規制緩和推進3か年計画(平成11年3月30日閣議決定)」に記載さ
   れている。
 (6)以上の早期導入の要請、システム準備期間、利用者の混乱防止、行政手続
   き面等の内容を総合的に勘案すると、2001年5月1日導入とすることが
   適当と考えられる。


7 今後の取り進め方 

 (1)行政手続等への取組
    上記のとおり本研究会で検討した結果を、今後の電気通信番号規則の改正
   や優先接続導入に係る地域NTTの契約約款変更認可等の所要の行政手続に
   反映させることが望まれる。
    また、制度の利用者周知等も本検討結果を踏まえて、利用者に混乱を与え
   ることのないよう着実かつきめ細かく行われる必要がある。

 (2)優先接続関係事業者間協議会の設置
    優先接続制度の円滑な導入と公正競争確保に資するため、優先接続に係る
   周知活動の実施、利用者からのトラブルの申し出に対する自主的な対応、公
   正競争等に関する事業者からの問題提起に係る協議等を目的とした「優先接
   続関係事業者間協議会」を設置することが適当である。
    設置期間は、設置目的を達成するまでの当面の期間とすることが適当であ
   る。また、協議会は常時開催し、本研究会で取り上げることがふさわしい事
   案が発生した場合には、本研究会の開催を検討できるようにすることが適当
   である。

 (3)利用者周知等のスケジュール
    以下のスケジュールにより実施することが適当である(【 】内は実施主
   体)。
  1 2000年 5月  優先接続制度全体の周知【協議会】
  2 2000年11月  各事業者の登録に係る宣伝開始【各事業者】
              (共通周知事項を含む周知を行う)
  3 2001年 1月  事前勧奨開始【各事業者】
              登録受付開始【地域NTT】
  4 2001年 5月  優先接続制度導入【地域NTT】

    優先接続制度全体の周知は、できる限り早い段階で利用者に対して行う必
   要があり、導入期日の1年程度前からとすることが適当である。
    また、事前勧奨期間は、
   ア 営業活動の激化に伴う不当な営業活動の出現等代理店を巻き込んだ営業
    活動の混乱は回避すべきであること
   イ 多数の事業者から長期にわたり繰り返し優先登録の勧奨が行われると、
    かえって利用者に迷惑になることにもなりかねないこと
   ウ 事前勧奨期間内に利用者から同一通話区分について複数の事業者に対し
    て優先登録の申込みがなされる場合も想定され、その処理について混乱が
    生じる可能性があること
   から、円滑な導入のために、事前勧奨期間を導入期日前4ヶ月間に限定する
   ことは適当と認められる。また、それに先立ち、導入期日の6ヶ月前より各
   事業者の登録に係る宣伝(マス周知)を開始することも妥当と認められる。

 (4)研究会の継続開催
    本報告書取りまとめ後も、本研究会を当面の間(本年中を目途)残置する
   こととし、必要に応じて開催することが適当である。
    今後、優先接続制度導入に関する利用者周知が行われることになるが、こ
   れを踏まえて当初予想していなかった問題点の指摘等があった場合でも、利
   用者利便の確保の観点から追加的に制度や利用者周知内容・方法を見直すこ
   とも可能だからである。
    また、公正競争上の問題について、それが制度全体に関わる問題であれば、
   研究会テーマとして取り上げることを検討することも可能であり、優先接続
   制度に関する利用者周知が行われて以降、事前勧奨活動に入るまでの当面の
   間、本研究会を残置する必要があると認められる。

 (5)公正競争上の問題の協議
  1 地域NTTは、市内及び県内市外通話について他事業者と直接競合し、県
   間市外や国際通話はグループ会社である長距離NTTが競合することから、
   今後、公正競争上の個別問題が生じた場合に、事後的に改善する仕組みが必
   要である。
  2 この場合、協議会は、公正競争に関する事業者からの問題提起に係る協議
   等を目的として設置されるものであり、できる限り関係事業者による自主的、
   自律的な問題解決がなされることが望ましい。したがって、公正競争上の問
   題については、一義的には協議会で協議し、解決することが望まれる。
  3 また、公正競争上の問題について、それが制度全体のルールに関わる問題
   であれば、研究会テーマとして取り上げることを検討することも可能であり、
   優先接続制度に関する利用者周知が行われて以降、事前勧奨活動に入るまで
   の当面の間残置される本研究会においても対応することとする。
  4 他方、事業法上の意見申し出制度や業務改善命令による対処も含めて、行
   政としても公正な競争を確保するため積極的に対応していく必要がある。

 (6)パブリックコメントの実施
    上記研究会の検討において必要が生じた場合には、利用者や事業者を含め
   幅広く制度の問題点や改善について意見招請を行うことも有効と考えられる。
   すなわち、利用者からの問い合わせや苦情申告、あるいは事業者からの公正
   競争等の問題提起を個別に収集し、検討していくことも可能であるが、より
   広汎に利用者等からの意見を聴取する仕組みとしてパブリックコメント制度
   があり、必要に応じてこのような方法を利用することもできると考えられる。

















          優先接続に関するこれまでの検討状況            (「優先接続に関する研究会報告書」要旨)  (1)対象となる通話     地域NTT(NTT東日本及びNTT西日本。以下同じ。)網発信の国内    /国際 通話(携帯・PHSあてを除く。ISDNも含む。)。  (2)通話ごと選択の併用     優先接続導入後も、通話ごとに事業者を選択し得ることとする。  (3)アダプタ等の取扱い     優先接続を導入後も、アダプタ等は併存(設置)できることとする。  (4)優先登録の通話区分     「市内」、「県内市外」、「県間市外」、「国際」の4区分を設ける。  (5)国際通話の取扱い     新たに国際プレフィックス(010)を設定しダイヤルする。     なお、導入の際には、既存ダイヤル手順との併行運用期間(2年程度)を    設け、国際区分における優先登録の定着度合や普及状況を踏まえて、必要が    あれば期間を延長する。     また、NTT再編後一定期間経過後に、導入予定時期について問題がない    ことを再確認することとしている。  (6)事業者の優先登録への参加     優先登録への参加については、各事業者の判断に委ねる。  (7)優先接続対象通話サービス種別     優先接続の対象とすべき通話サービスは、原則として事業者識別番号をダ    イヤルする基本通話サービスであるが、一部の付加的サービス等についても    導入する方向で関係事業者間で協議する。(⇒事業者間で協議済み。割引サ    ービスの対象となる通話も含む。)  (8)優先登録の契約関係     各事業者の通話サービスを継続的に利用するための利用契約とは別に、優    先登録は事業者識別番号の自動発信機能の提供の申込みと位置付ける。  (9)優先登録勧奨方法     利用者に事業者選択の意思表示を求める方法として、各事業者が随時に営    業活動を行う中で、自社を指定する優先登録の勧奨を行う。 (10)初期登録方法     優先接続を円滑に導入するためには、優先接続実施の時点で利用者が特定    の事業者を選択したものとして取り扱うこと(デフォルト)が適当。国内通    話については再編後の長距離NTT及び地域NTTをデフォルトとして登録    し、国際通話についてはデフォルトを行わない。     なお、優先接続実施日の前に一定の勧奨期間を設ける。(⇒事業者間協議    により、導入期日の4ヶ月前から勧奨を行う。) (11)登録・変更に係る関係者間の手続等     優先接続機能は利用者に対しては地域NTTが提供するものとし、利用者    を代行して優先登録参加事業者による代行申込みを認める。 (12)優先接続の費用負担方法     網改造費用については、移動体事業者等を除いた地域網事業者及びすべて    の接続事業者が共通に利用する基本機能とし、網使用料として地域NTTを    含む関係事業者が応分に負担する。     初期登録費用については、原則として登録先事業者(デフォルトを含む。)    が応分に負担する。     変更登録費用については、原則利用者負担とするが、各事業者の工夫によ    り事業者負担の在り方を検討する。なお、優先接続導入後6か月間の変更登    録費用は利用者負担とせず、関係する事業者が応分に負担する。 (13)優先接続の導入に伴う公正競争の確保方策     地域NTTは自らも他事業者と競争しつつ市内及び県内市外通話サービス    を提供し、また、長距離NTTの県間市外通話サービス等の販売業務の受託    も予定されている。公正競争を確保するために、地域NTTによる登録区分    ごとの事業者別優先登録者数の開示が必要。     地域NTTによる新規加入者に対する優先登録勧奨について、地域NTT    窓口での具体的説明、勧奨方法や勧奨実績への評価を含めた費用負担の問題    等、関係事業者間での協議が必要。これに関しては、利用者からのトラブル    に対応すること等を目的とした「優先接続事業者間協議会(仮称)」の設置    が適当。     以上のような地域NTTの営業行為の方法が明確にされていることを確認    する必要がある。 (14)利用者への情報提供、開示     優先接続の導入に伴い利用者への各種情報提供、情報開示が必要。 (15)適正な営業活動     優先接続の導入に伴い生じる可能性のある不適正な営業活動に関し、対応    が必要。また、固定優先接続方式(注)は、優先接続のオプションのひとつ    として認めることが適当。     なお、固定優先接続方式の実施に当たっては、サービス内容が利用者に分    かるようなネーミングや、利用者のメリット、具体的な利用方法等について    周知徹底する必要がある。     また、一般の優先接続と同時期に実施することによる問題点を除去できる    ことの確認を行った上で実施すべきとしている。    (注)固定優先接続は、専ら特定の事業者に接続したい場合に選択するもの。      固定優先接続を選択すると、登録先以外の事業者の事業者識別番号をダ      イヤルした場合や、アダプタ等を利用する場合であっても、登録先の事      業者のみに接続される。 (16)NTT再編から優先接続導入までの間の経過措置     NTT再編から優先接続導入までの間は、長距離NTTを利用する場合に    現行ダイヤル方式を維持すべきとしている。 (17)NTT以外の事業者の地域網の取扱い     NTTの地域網に次ぐ、第二の地域網と位置付けられる携帯電話網等に関    しては、現状では国内通話について事業者選択の余地がなく優先接続を導入    する必要性が乏しいが、今後の競争の進展等を踏まえつつ、基本的には導入    する方向で検討することが適当。 (18)今後の取運びについて     具体的な導入時期については、2000年度中(2001年春)を目途と    している。     また、その際には所要の規則改正や、関係事業者間でシステムの詳細を詰    めるための「優先接続導入準備委員会(仮称)」の設置等が必要としている    ほか、国際区分への優先接続の導入、固定優先接続の導入に関する問題点等    について「優先接続導入に関する研究会」を設置し、検討、確認を行う。     優先接続の在り方について、関係事業者間の協議の促進と利用者意見の反    映が必要。
         優先接続導入後のダイヤル手順 1 国内通信
(事業者識別番号) 
00XY      
+市外局番+市内局番+加入者番号
  03 + 3504+1234
 登録した事業者を利用して通信
 する場合は、ダイヤル不要

2 国際通信
(事業者識別番号) 
00XY      
国際プレフィックス+国番号+相手国加入者番号
    010   + 12+234+5678
 登録した事業者を利用して通信
 する場合は、ダイヤル不要


注1 通話毎事業者選択(アダプタ等との併存)
   事業者登録をした利用者が手廻し又はアダプタにより、通話毎に登録事業者
  以外の識別番号をダイヤルすれば、その事業者に接続。

注2 固定優先接続(特定事業者専用オプション)
   事業者登録をした利用者が、特定事業者専用オプションを選択すれば、別の
  事業者のアダプタを使用していても、常時、選択した特定事業者に接続。(交
  換機側でアダプタ等の事業者識別番号を特定事業者の事業者識別番号に変換)
   ただし、通話ごとに「122」をダイヤルすれば、特定事業者専用オプショ
  ンを解除できる。

注3 国際通信における現行ダイヤル手順の併行運用
   国際通信については、一定期間(2年程度)国際プレフィックスをダイヤル
  しなくとも現行手順で可とする。
  (現行ダイヤル手順) 事業者識別番号+国番号+相手国加入者番号






      「優先接続導入に関する研究会」構成員名簿                            (敬称略 五十音順)        さいとう ただお 座  長   齊藤 忠夫   東京大学工学部教授        いのうえ のぶお 座長代理   井上 伸雄   多摩大学経営情報学部教授        あおやま みちこ        青山 三千子  国民生活センター参与        こすげ としお        小菅 敏夫   電気通信大学電気通信学部教授        にいみ いくふみ        新美 育文   明治大学法学部教授        やまうち ひろたか        山内 弘隆   一橋大学商学部教授


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