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発表日  : 2000年 6月13日(火)

タイトル : 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定電気通信役務の基準料金指数の設定






 郵政省は、本日、電気通信審議会(会長 那須 翔)から、東日本電信電話株式
会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定電気通信役務の基準料金指数の設
定の諮問(別添1)に対し、諮問のとおり設定することが適当である旨の答申(
添2)を受けました。
 本件は、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の都道府県内通信
である「音声伝送役務」(電話及び総合デジタル通信サービスに限る。)及び「専
用役務」の区分ごとに全体の料金水準の上限である「基準料金指数」を設定するた
めのものです(別添3)。
 なお、電気通信審議会が、平成12年(2000年)4月14日(金)から5月
12日(金)まで行った基準料金指数の設定についての意見募集において、提出さ
れた意見に対する郵政省の考え方は別添4のとおりです。
 郵政省としては、本件について、物価問題に関する関係閣僚会議(持ち回り)の
了承を得た後、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社に対して基準
料金指数を通知する予定です。




                  連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
                  (担当:菱沼課長補佐、蒲生係長)
                  電話:03−3504−4830


別 添 1

                           諮問第11号
                           平成12年4月14日
 電気通信審議会

 会長 那須 翔 殿



                 郵政大臣 前島 英三郎




                諮 問 書


 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第31条第3項の規定に基づき、東
日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社に対して、平成12年10月1
日から平成13年9月30日まで適用される基準料金指数を、別紙のとおり通知す
ることとしたい。
 上記のことについて諮問する。



 別紙  別紙の図表
別 添 2

               (答申)


 平成12年4月14日付諮問第11号をもって諮問された事案について、審議の
結果、下記のとおり答申する。


                  記


  東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定電気通信
 役務の基準料金指数については、諮問のとおり設定することが適当と認められる。




別 添 3

     特定電気通信役務の基準料金指数の設定の内容

1 基準料金指数(平成12年10月から1年間)

  基準料金指数の図

2 値下げ額(平成12年10月から1年間)

  東・西NTT合計で、約676億円
 (NTT東日本:約344億円、NTT西日本:約332億円)

3 実施予定期日等

 ・ 平成12年 6月末 まで 基準料金指数を東・西NTTに通知
 ・   同   9月1日まで 東・西NTTが料金改定案を届出
 ・   同  10月1日   実施

(注)略称
 NTT東日本:東日本電信電話株式会社
 NTT西日本:西日本電信電話株式会社



(参考)            上限価格方式の概要 1 上限価格方式の経緯  ・ 平成10年 3月  規制緩和推進3か年計画(閣議決定)     料金の個別認可制を廃止し、原則届出制とするとともに、地域通信市場に    おける加入電話等基本的なサービスについては、上限価格方式とする。  ・ 平成10年 5月  電気通信事業法改正  ・ 平成10年11月  県内の電話・ISDN・専用を除き届出制へ移行  ・ 平成12年 4月14日  電気通信審議会諮問  ・   同   6月13日  電気通信審議会答申(予定) 2 上限価格方式の内容  (1) NTT東日本及びNTT西日本の音声伝送役務(電話及びISDN)及び専   用役務について、一定の区分(バスケット)ごとに郵政大臣が「基準料金指数」   を定め、これに基づく値下げを求める仕組み。  (2) 区分全体として求められる値下げを実施する限り、どの料金をどのように変   更するかは事業体が届出で自由に行うことができる。                          [基準料金指数を定める区分(バスケット)]   基準料金指数を定める区分(バスケット)]の図 3 上限価格方式の特徴  (1) 利用者にとっては、全体の料金水準について、最低限一定の値下げ(ある   いは値上げ抑制)が保証されるメリットがある。  (2) 事業者にとっては、区分全体の料金水準の上限を遵守する限り、次のよう   な経営上のメリットがある。   ア 認可を要さず、届出のみで個別料金の変更を自由に実施できる。   イ 経営の効率化によって結果的に利益が生じても、一定の期間内(3年間)    は追加的値下げを強制されることがない。 4 今回の基準料金指数の算定の基本的考え方  1 NTT再編成後、東・西NTT間に急激な料金格差が生じないよう、東・西   NTTが同一の料金をとることも可能とする。  2 通信料金の引下げが強い社会的要請となっていることに鑑み、可能な限りの   値下げを求める。  3 収支状況の悪化が進行している基本料等の値上げを防止する。 (参考) 生産性向上見込率(X値)の算定  (平成12年10月から3年間に適用)   生産性向上見込率(X値)の算定図
別 添 4



  東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定
  電気通信役務の基準料金指数の設定に対する意見の取りまとめ及びそ
  れに対する郵政省の考え方





東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の提供する特定電気 通信役務の基準料金指数の設定に対する意見の取りまとめ及びそれに対す る郵政省の考え方
          意見          
         考え方         
1 上限価格方式の適用について      
                     
  地域通信市場は、既に、市内通話を含む通
 話サービスや高速ディジタル専用サービスの
 競争が進み、特に大都市圏では大口法人ユー
 ザを対象とした直収サービスによる加入者回
 線や市内から国際通信までを含むトータルサ
 ービスの競争が日々進展している。従って、
 地域通信サービスの料金も、長距離通信料金
 と同様、市場原理によるチェック機能が働い
 ている状況にあるものと認識しており、上限
 価格制も、料金規制緩和の趣旨を踏まえた運
 用とするとともに、今後の競争の進展に応じ
 て規制制度自体も早急に見直すよう要望。例
 えば、英国においては、既に1984年から
 上限価格方式が導入されており、競争の進展
 に対応して、上限価格方式の対象サービスを
 さらに限定する等規制緩和を進めている。 
  接続ルールが既に確立され、公正競争条件
 が整備されているものと認識しており、NT
 T地域ネットワークを利用したユーザサービ
 ス料金の変更等において、NTT東西地域会
 社のみが上限価格方式の適用を受け、届出期
 間等に手続き面においても非対称となってい
 るため、料金規制制度自体の見直しにより、
 競争上のハンディキャップを早期に解消する
 よう要望。(東・西NTT)       
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
2 生産性向上見込率(X値)の水準について
                     
  東・西NTTの業務範囲は、今後大きな成
 長が見込みにくい県内通信市場に限定される
 とともに、その県内通信市場においてNCC
 によるシェア拡大・無線アクセス技術を利用
 した新規キャリアの参入等、競争が著しく進
 展するという厳しい経営環境におかれている
 。したがって、音声伝送バスケットで1.9
 %・専用バスケットで2.1%というX値は
 、昨年公表した経営改善施策を着実に遂行し
 ても、なお全社利益の減少につながる恐れが
 ある非常に厳しい数値である。(東・西NT
 T)                  
                     
                     
3 算定の考え方             
                     
 (1) インターネットアクセスのトラフィッ 
   クとPSTNおよびISDN料金の上限 
   価格                 
    NTT東日本とNTT西日本の収支予 
   測において、ダイヤルアップによるイン 
   ターネットアクセス量の増加という収益 
   性をもつ要因に基づく成長が、基準料金 
   指数の算定に使用される回帰分析モデル 
   では、完全に取り入れられず、結果とし 
   て、PSTNとISDNにおける上限価 
   格は本来あるべき水準より余裕のあるも 
   のとなっている。(C&W IDC)  
 (2) 価格低下による需要予測への影響   
     X値の算定に対する地域料金の弾力性 
   が与える影響について、一般的なインフ 
   レーションの速度下における地域料金の 
   上限は、結果としてトラフィックの増加 
   を引き起こすものと思われるが(価格弾力
   性効果)、もしこの影響が考慮されていな
   いとするとX値が過小評価されているこ 
   とになる。(C&W IDC)     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
 (3) DEAによる効率性の計測結果をみて 
   みると、計測期間の設定のしかたによっ 
   て妥当性の評価が大きく分かれ、再編前 
   のNTTを基準にしていることから、こ 
   の手法の特徴も踏まえると、費用予測の 
   妥当性の評価には、少々難がある。した 
   がって、諸外国の電気通信事業者の生産 
   性、効率性のデータを、各々の地理的な 
   差異等前提条件の違いを補正した上で、 
   東西NTTの経営効率化における費用予 
   測について、比較検証する必要もあるの 
   ではないか。(OMP、JT同旨)   
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                      
 (4) 費用予測の妥当性について「東・西N 
   TTによって行われる効率化努力は、従 
   来から行われてきた効率化も、追加的に 
   作成された計画による効率化(「中期経 
   営改善計画」)も、非効率の解消に寄与 
   する。従って、これら全体を、効率化を 
   全く実施しなかった場合と比較して評価 
   した」とあるが、「非効率化の解消に寄 
   与する」という点を評価していることに 
   関して、効率化の度合いを考慮していな 
   い評価であると理解。(JT)     
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
4 加入者回線サブバスケットについて   
                     
 (1) 例えば、携帯電話サービスの例にある 
   ような基本料と通話料を組み合せた多様 
   な料金体系の弾力的な導入が促進される 
   よう、今後については、加入者回線サブ 
   バスケットの廃止を要望。(東・西NT 
   T)                 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
 (2) 加入者回線料金については他の多くの 
   国でも同じような状況にあり、他の国で 
   は、特定の料金規制が加入者回線料金に 
   適用され、この結果ゼロのX値を採用し 
   ている(すなわち料金は物価上昇に応じ 
   て増加することになる)。あるいは最低限
   の実際の物価上昇(すなわち、CPI+X
   )を許容している。(C&W IDC)  
                     
 (3) 平成12年度の加入者回線サブバスケ 
   ットのX値については、基準料金指数を 
   100とするために▲0.3%を採用し 
   ているが、生産性向上見込率をマイナス 
   に設定していることは理解し難い。加入 
   者回線サブバスケット独自の生産性向上 
   見込率の算定が、実務上困難であり、平 
   成12年度については、加入者回線サブ 
   バスケットについて独立したX値を算定 
   しないということであるならば、X値を 
   ▲0.3%とするのではなく、少なくと 
   も0%として、料金の上昇を抑えるほう 
   が適当。したがって、加入者サブバスケ 
   ットの基準料金指数は、少なくとも99 
   .7とすべき。 (OMP、JT同旨) 
                     
                     
 (4) 加入者回線料金を据え置いたまま効率 
   化が行われた場合、加入者回線部分にお 
   ける利潤を通話料部分の値下げ原資とす 
   ることが可能となり、サブバスケットを 
   設けた意味自体が損なわれる結果となる 
   。したがって、加入者回線サブバスケッ 
   トでコストの低廉化が図られた場合、加 
   入者回線料金の引き下げが行われるよう 
   要望。(JT)            
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
 (5) 消費者物価指数変動率の変動幅につい 
   ては、単年度毎の変動率を指標にしてい 
   ると理解しているが、数年度にわたる変 
   動率の累積が、通常考えられる変動幅( 
   ±3%)を超えたとしても、各単年度の変
   動率が±3%以内の場合、基準料金指数に
   反映されないこととなり、不適当。した 
   がって、複数年度での変動率を基準にす 
   ることが適切である。(JT)     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
5 地域専用線サブバスケット       
                     
  地域専用線料金について値下げの必要がな
 いとのことに関しては疑問。NTTの地域専
 用線料金は国際的にみて極めて高額である。
 (C&W IDC)           
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
6 新サービスの扱いについて       
                     
  インターネットアクセス向けの定額制の新
 サービス(IP通信網サービス、ADSLサ
 ービス等)については、既存の電話・ISD
 Nや専用サービスと異なり、日々急速に進歩
 する技術革新の成果を反映するため、また、
 最初からサービスが競争状況にあり、この中
 で事業者が創意工夫によるサービスの多様化
 を迅速に進めるためにも、料金規制緩和の趣
 旨に照らし、上限価格方式の対象サービスに
 は含まれないものと認識。(東・西NTT)
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
7 長期増分費用方式との整合性について  
                     
  指定電気通信設備に係る接続料の算定に長
 期増分費用方式を導入することが確定し、そ
 の具体的方式が決まったことを受けて、長期
 増分費用方式によって算定される費用とX値
 の算定の前提が十分整合性のとれたものであ
 るようにすることが必要である。     
  また、費用検証では、長期増分費用方式に
 よって得られた結果を十分参酌して行う必要
 がある。(OMP)           
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
8 退職給付会計導入に伴う費用増加の影響に
 ついて                 
                     
  今回のX値算定にあたっては、退職給付会
 計制度(いわゆる年金会計)の導入に伴う費
 用増加額等が明確でなかったため、年金会計
 導入を前提としていないX値の算定となって
 おり、来年度の基準料金指数決定においては
 、年金会計導入の影響を織り込むよう要望。
 (東・西NTT)            
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
9 情報開示について           
                     
 (1) 収入予測・費用予測・レートベース予 
   測について、基本的な考え方は明記され 
   ているものの、その算出根拠が曖昧であ 
   る。音声伝送・専用線は、利用者および 
   市場への影響が大きいサービスであり、 
   基準料金指数の決定にあたっては、算出 
   根拠を示すような資料の提示を行うこと 
   が必要。(JT)           
 (2) NTT東日本とNTT西日本の基準料 
   金指数設定についての議論を適切に行う 
   ための十分な情報を得る手段がないのが 
   現状。したがって、以下の情報を、公の 
   場で有効な議論が行われるために、競合 
   事業者及び一般の利用者が入手できるよ 
   うに開示されることを希望。      
   1 収入を予測するために使われた回帰 
    分析モデルの詳細(例えば、モデル係 
    数とその標準誤差)         
   2 NTT東日本とNTT西日本の費用 
    効率の算定に用いられた包絡分析法の 
    モデルの詳細(C&W IDC)   
                     
                     
(1) 近年、地域通信市場における競争が徐々 
  に進展してきてはいるものの、NTTは、 
  依然としてアクセス回線数(電話、ISD 
  N)の99.6%、加入電話の通話回数( 
  県内通信)の93.7%のシェアを占めて 
  おり(いずれも平成10年度末現在)、地 
  域通信市場は、東・西NTTの独占的状態 
  に変わりはなく、実質的な競争が十分実現 
  しているとは言えない状況にあることから 
  、現行規制は妥当なものであると考えられ 
  る。                  
(2) また、事業者間の公正競争条件の確保等 
  を目的とする接続ルールと、直接利用者利 
  益の確保等を目的とする上限価格方式(プ 
  ライスキャップ方式)では、目的が異なる 
  ことから、前者の存在をもって後者を不要 
  とすることは適当でない。        
(3) 上限価格方式は、東・西NTTにとって 
  も、区分(バスケット)全体の料金水準の 
  上限(基準料金指数)を遵守する限り、次 
  のような経営上のメリットがあるところで 
  ある。                 
  ア 認可を要さず、届出のみで個別料金の 
   変更を自由に実施できる。       
  イ 経営の効率化によって結果的に利益が 
   生じても、一定の期間内        
   (3年間)は追加的値下げを強制される 
  ことがない。              
(4) なお、今後においては、地域通信市場に 
  おける競争の進展状況等を踏まえて、東・ 
  西NTTに対する上限価格方式の対象サー 
  ビス等について検討していく必要性が生じ 
  る可能性はあると考えられる。      
                     
                     
                     
(1) 今回の生産性向上見込率(X値)は、過 
  去の実績に基づいて、今後の生産性向上分 
  を見込んだ上で、通常実現可能と認められ 
  る水準を考えて設定しており、適切なもの 
  と考えられる。             
(2) なお、上限価格方式の下では、どの料金 
  を値下げするかは東・西NTTの判断に委 
  ねられており、利用者料金については、値 
  下げに伴うシェアの拡大や自らの営業努力 
  により需要が増えて、収入水準を維持する 
  ことも可能であるため、値下げ額がそのま 
  ま減収額となるとは限らないものと考えら 
  れる。                 
                     
                     
                     
(1) 収入予測においては、過去の実態的な市 
  場動向を基礎に据えていることから、結果 
  として、近年のインターネットアクセス量 
  の増加も一定程度反映されていると考えて 
  いる。                 
   生産性向上見込率(X値)は3年間変わ 
  らないことから、直近の急激な変化による 
  のではなく、一定程度安定的な傾向を基に 
  予測を行うことが適当と考えられる。   
                     
                     
                     
(2) 東・西NTTの価格弾力性効果について 
  は、                  
  1 どの料金を下げるかについては東・西 
   NTTの経営判断に委ねられていること 
   、                  
  2 市内料金(3分10円)はNTT民営 
   化以降改定されたことがなく、価格弾力 
   性効果の把握が困難であること     
  から、明示的な数値で織り込んではいない 
  。                
   しかしながら、過去の実態的な市場動向 
  を基礎に据えていることから、過去の値下 
  げ(県内の長距離通話料金を中心とする値 
  下げ)による需要の変化による影響が含ま 
  れており、その意味では価格弾力性の意味 
  合いが含まれていると考えられる。 
(3)1 東・西NTTが提供するサービスは独
   占的なものであることから、他に比較可
   能な存在がなく、それにかかる費用が妥
   当であるかどうかを客観的に判断するこ
   とが難しいことを踏まえると、一定の手
   法によって計測された効率化指標などを
   活用することに意義があると考えられる
   。    
  2 効率化指標としては、包絡分析法(D
   EA)の他に全要素生産性(TFP)向
   上率や確率論的フロンティア分析(SF
   A)といった方法もあるが、他の手法と
   の相対的な評価において、DEAを最も
   参考とすべき効率化指標とすることが適
   当と考えられる。         
  3 諸外国の電気通信事業者の生産性、効
   率性のデータとの比較検証については、
   ア 諸外国の費用情報が入手困難である
    こと              
   イ 会計方法の違いが存在すること 
   ウ 個別費用(土地取得、工事費等)の
    差異が存在するため、
    そもそも単純な比較が可能かなどの問
   題があること
   から、行っていない。
(4) 平成14年度における東・西NTTの費
  用効率性の向上割合として、追加的に作成
  された計画による効率化(「中期経営改善
  施策」による追加的な人件費効率化、設備
  投資額削減、一般物件費・委託費削減等)
  に、従来から実施されてきた効率化(退職
  後不補充による人件費効率化、従来から実
  施されてきた一般物件費・委託費削減等)
  を加えたものを前提に効率化の度合いを以
  下のとおり評価している。       
   ・平成14年度における費用削減額を費
    用額全体で除したもの       
    NTT東日本8.7% NTT西日本
    10.1%            
   ・平成14年度における費用削減額  
    東・西NTT合計約5,500億円 
      NTT東日本約2,500億円 
      NTT西日本約3,000億円 
                    
                    
                    
(1) 加入者回線サブバスケットの対象サービ 
  スは、独占的に提供されていることから、 
  競争が出てきている分野である音声伝送役 
  務の通話料・通信料等との内部相互補助を 
  防止するため、サブバスケットを設けるこ 
  とが必要である。            
   なお、基本料などの加入者回線サブバス 
  ケットの対象サービスにおいても、区分( 
  バスケット)全体の料金水準が基準料金指 
  数以下であれば、一部の料金を値下げして 
  一部の料金を値上げするという形で基本料 
  と通話料の多様な組合せを実現することは 
  可能である。              
(2) 消費者物価指数変動率は、過去30年程 
  度を見れば、基本的にはプラスの傾向にあ 
  ることから、仮に、X値=0%とした場合 
  、言わば物価スライド制の料金規制となり 
  、料金値上げにつながるものと想定される 
  。これは、我が国において、通信料金の引 
  下げが強い社会的要請となっていることを 
  踏まえると、適切なものとは考えられない 
  。                   
(3)1 平成11年の消費者物価指数変動率は 
   ▲0.3%であったが、平成12年度の
   消費者物価指数変動率は、例えば、政府
   経済見通しでは+0.3%となっている
   。仮に、X値=0%として基準料金指数
   を設定すると、事業者は初年度に基本料
   を平均約5円値下げしなければならず、
   翌年度には平均約5円の値上げをするこ
   ととなるが、このようなことは必ずしも
   合理的とは考えられない。      
  2 このように、仮に、X値=0%とした 
   場合、事業者は料金を小刻みに変動させ 
   ることとなれば、システム変更や周知の 
   ためのコスト増となり、また、料金値上 
   げの場合は利用者の理解を得ることが困 
   難と予想されることを考慮して、今回の 
   方式を採用したものである。      
(4) 加入者回線サブバスケットの基準料金指 
  数を100とする考え方は、コスト上昇圧 
  力が働きやすい本分野の料金値上げの抑制 
  を図る趣旨であり、料金の据置きを求める 
  考え方ではない。            
   また、今後、加入者回線分野においても 
  加入者回線アンバンドル化の促進や、アク 
  セス網における競争の進展により、値下げ 
  圧力が生じてくると想定されることから、 
  加入者回線部分における利潤を通話料部分 
  の値下げ原資とするようなことは生じにく 
  い方向に向かうものと思われる。     
   さらに、このような方式については、今 
  後の消費者物価指数変動率の水準や加入者 
  回線部分の収支状況を踏まえて見直しを検 
  討していくこととしている。       
   なお、仮に、加入者回線料金を据え置い 
  たまま加入者回線部分の効率化が進展し、 
  加入者回線部分における利潤を通話料部分 
  の値下げ原資とするような場合には、意見 
  申出制度による対応が可能である。    
(5) 消費者物価指数変動率の変動幅について 
  は、単年度毎の変動率を見る考え方と、数 
  年度にわたる変動率の累積を見る考え方が 
  あり得るが、後者の考え方による場合、消 
  費者物価指数変動率が上昇していくと数年 
  度にわたる累積効果によって値上げが容易 
  に可能となってしまうため、今回のX値の 
  設定においては、前者の考え方をとってい 
  る。                  
   ただし、単年度毎の変動率を見る方式に 
  ついては、今後の消費者物価指数変動率の 
  水準や加入者回線部分の収支状況を踏まえ 
  て、指摘の考え方も含め、見直しを検討し 
  ていく。                
                     
                     
                     
(1) 「地域専用線料金」の定義が必ずしも明 
  らかでないが、「近距離専用線料金」と考 
  えれば、これは専用役務のバスケットの中 
  に含まれており、同バスケットの基準料金 
  指数(97.6)は値下げを促すものであ 
  ることから、今回の提案は、値下げの必要 
  がないという考え方ではなく、この中で近 
  距離専用線の料金値下げが行われることを 
  期待するものである。          
(2) なお、諸外国と同様の保守水準を前提と 
  したサービス間で比較を行えば、東・西N 
  TTの近距離専用線料金は国際的に見て極 
  めて高額とは言えない。         
                     
                     
                     
(1) 現在、インターネット向けの通信が使い 
  放題となる完全定額サービス(IP通信網 
  サービス)及びADSLサービスは、試験 
  サービスであることから、上限価格方式の 
  対象サービスではない。         
(2) インターネットアクセス向けの定額制の 
  新サービス(IP通信網サービス及びAD 
  SLサービス)については、一部のものを 
  除き、基本的には上限価格方式の対象とな 
  る。                  
(3) なお、上限価格方式の規制範囲の考え方 
  は、そのサービスが利用者の利益に及ぼす 
  影響が大きいものかどうかを基準に判断さ 
  れて決められており、新サービスであるこ 
  とをもって、規制の対象外とする考え方に 
  は立っていない。            
                     
                     
                     
(1) 長期増分費用方式については、所要の電 
  気通信事業法の改正が本国会で成立したと 
  ころであるが、具体的な実現方策が確定し 
  ていない現段階において、特定電気通信役 
  務の費用予測に当たり、長期増分費用方式 
  の導入の影響を参酌することはできない。 
(2) 今後、法改正の施行、関連省令の改正、 
  東・西NTTの約款認可を経て、東・西N 
  TTと接続事業者との協定締結が行われて 
  初めて、具体的な実現方策が確定する予定 
  である。                
(3) 具体的な実現方策が確定した後に、必要 
  があれば、平成13年10月から適用され 
  る次回の基準料金指数算定時に、外生的要 
  因として考慮すべきかどうか検討し、長期 
  増分費用方式の導入の影響の参酌方法を検 
  討することが適当と考えられる。     
                     
                     
                     
                     
(1) 退職給付に係る会計制度の変更により発 
  生する費用については、東・西NTTにお 
  いて具体的な計算方法等を検討中であり、 
  今回のX値の算定に用いる平成14年度の 
  具体的な金額を算定できないところである 
  。                   
(2) そこで、退職給付に係る会計制度の変更 
  により発生する費用については、具体的金 
  額が明らかとなり次第、必要があれば、平 
  成13年10月から適用される次回の基準 
  料金指数算定時に、外生的要因として考慮 
  すべきかどうか検討することが適当である 
  と考えられる。             
                     
                     
                     
(1) 個別具体的な収入内訳・費用内訳・レー 
  トベース内訳については、東・西NTTの 
  競争上の利益を害するおそれのある競争情 
  報に該当すると考えられるため、従来どお 
  り、公表することは困難である。     
(2) 包絡分析法のモデルの詳細については、 
  郵政省の報道発表(平成12年3月31日 
  「上限価格方式の運用に関する基本的考え 
  方」(「上限価格方式の運用に関する研究 
  会」報告書)において既に公表されている 
  。                   
(3) なお、我が国と同様のX値の算定方式を 
  とっている英国においても、対象事業者で 
  あるBTの収入や費用情報の詳細は公表さ 
  れていないと承知している。       
                     
                     
                     
                     
                     
                     
(提出者の略称)
東・西NTT…東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社
JT…日本テレコム株式会社
C&W IDC…ケーブル・アンド・ワイヤレス・アイディーシー株式会社
OMP…大阪メディアポート株式会社


              近距離専用線料金の国際比較 近距離専用線料金の国際比較図 (注1) NTTの高速デジタル専用線の料金との比較。      東京1は、通常クラス。故障の監視を回線単位で行い、24時間故障の     修理又は復旧を行う。      東京2は、エコノミークラスタイプ1。故障の監視を回線単位で行わな     いため、故障回線の特定に通常クラスより時間がかかる。営業時間(平日     の午前9時から午後5時まで)のみ故障の修理又は復旧を行う。 (注2) 料金は、基本的に1999年12月現在のもの。為替レートは、2000年5月1日     現在のTTS(対顧客売相場)により換算。      1米ドル=109.25円、1英ポンド=172.17円、1仏フラン=15.23円、     1独マルク=51.07円、1スイスフラン=63.73円


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