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発表日  : 2000年10月20日(金)

タイトル : 接続料規則の制定






            −電気通信審議会からの答申−


 郵政省は、本日、電気通信審議会(会長 那須 翔)から、接続料規則案に係る
本年8月31日付けの諮問(別紙1)に対し、諮問のとおり制定することが適当で
ある旨の答申を受けました(別紙2)。この答申は、本年8月31日に同審議会が
実施した意見聴取の結果を踏まえて行われたものです。
 郵政省では、この答申を尊重して、接続料規則の制定を行います。




                  連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
                     (担当:藤野課長補佐、寺村係長)
                  電 話:03−3504−4831
                  FAX:03−3595−2008


別紙 1

              接続料規則案の概要


 接続料の新たな算定方式として長期増分費用方式を導入することを目的とした電
気通信事業法の一部を改正する法律が平成12年5月12日に成立、19日に公布
された。この法律の施行に向けた郵政省令の規定整備等を行うため、接続料規則を
制定することとする。

 接続料規則においては、従来からの接続料に関する規定を一本化する他、
 1.長期増分費用方式による接続料の設定
 2.東西NTTが行う通信量等の記録
 3.事業者向け割引料金(キャリアズ・レート)の導入(専用役務関係)
について規定を新設し、その他所要の規定整備を行う。
1.長期増分費用方式による接続料の設定 

(1) 長期増分費用方式と実際費用方式の各々が適用される機能の区分(第4条、
  第5条)
  接続料の単位である機能の区分と、その区分毎の接続料の原価算定方式を次の
 ように規定。
機能の区分
説明
原価算定方式
一 端末回線伝送機能    
              
              
              
              
              
              
加入者回線(ドライカッパ) 
実際費用方式(*1) 
加入者回線(電話重畳)   
実際費用方式(*1) 
PHS基地局回線      
実際費用方式(*1) 
専用線端末回線       
実際費用方式(*2) 
二 端末系交換機能     
              
              
              
              
              
GC交換機
              
              
              
長期増分費用方式(但し
番号ポータビリティにつ
いては実際費用方式(*
3))        
優先接続機能        
実際費用方式(*3) 
三 Iインタフェース加入者モ
 ジュール折返し機能    
ISM(定額)       
              
実際費用方式(*3) 
           
四 市内伝送機能      
GC−GC回線       
長期増分費用方式   
五 中継系交換機能     
ZC交換機         
長期増分費用方式   
六 中継伝送機能      
              
              
GC−ZC回線(共用型)  
長期増分費用方式   
GC−ZC回線(専用型)  
実際費用方式(*2) 
七 通信路設定伝送機能   
専用線           
実際費用方式(*2) 
八 信号伝送機能      
信号網           
長期増分費用方式   
九 呼関連データベース機能 
呼関連データベース     
実際費用方式     
十 番号案内機能      
番号案内          
実際費用方式(*4) 
十一 手動交換機能     
オペレータによる交換    
実際費用方式(*4) 
十二 公衆電話機能     
公衆電話          
実際費用方式(*1) 
十三 端末間伝送等機能   
キャリアズ・レート     
実際費用方式(*5) 
*1:加入者回線のモデルについて、地中化の実態を踏まえる必要。
*2:専用線についてモデル作成が行われていない。
*3:新しい機能であり、モデル作成が行われていない。
*4:平成10年度の全面委託化を踏まえたモデル改定が必要。
・
*5:利用者料金からの割引。

(2) 長期増分費用方式による資産及び費用の整理(第6条、別表第一〜別表第五)
  省令の規定及び郵政大臣の通知する手順に従って、東西NTTにおいて、現時
 点で利用可能な最も低廉で最も効率的な設備と技術で新たに構築した場合のネッ
 トワークにおける資産と費用を原価算定に資するよう整理する旨を規定。

(3) 長期増分費用方式による原価算定及び接続料の設定(第7条〜第18条) 
  接続料の原価を指定設備管理運営費、他人資本費用、自己資本費用及び利益対
 応税の合計とし、指定設備管理運営費を整理された長期増分費用によることとす
 る他、各々の具体的な算定方法と、接続料の料金体系の枠組(基本単位を時間や
 回数とすること)について規定。

(4) モデルケースAの採用(別表第一の一)                
  き線点RTのコストをGC交換機の接続料の中で回収する、「長期増分費用モ
 デル研究会」報告書で提言されたモデルケースAを採用する。

(5) 平成12年度〜平成14年度における措置(附則)           
  平成12年度から平成14年度の接続料に関しては、次の旨を規定。

 1 平成10年度の接続料との比較で、GC接続▲22.5%、ZC接続▲60.
  1%の引下げを行うこと(具体的には平成10年度トラヒックの使用を可能と
  すること)。(附則第7条)
 2 3年間での段階的実施を可能とすること。(附則第8条第1項、同第9条)
 3 2の場合の前半2年間に前倒し実施する方法(最低限の前倒し率)。(附則第
  8条第2項)
 4 平成12年度接続料を平成12年4月1日に遡及適用することを可能とする
  こと。(附則第10条)
 5 平成14年秋(省令施行後2年を目途)に見直しを行うこと(モデルケース
  Aの見直し及びNTSコスト回収に関する検討)。(附則第16条)

参考図

2 東西NTTが行う通信量等の記録(第19条、別表第六〜別表第八) 
  接続料の原価算定のために必要な通信量(トラヒック量)等について東西NT
 Tが行う記録について規定。
 [記録する通信量等の例]
  ・ 都道府県別通信量(通信回数・時間)
  ・ 単位料金区域別通信量(通信回数・時間)
  ・ 都道府県別回線数
  ・ 単位料金区域別回線数
  ・ 局別回線数
  ・ 機能の利用回数 等

3.事業者向け割引料金(キャリアズ・レート)の導入(第4条、第8条、
 第18条、附則第14条) 
  端末間伝送等機能を新設し、利用者料金から一定割合を除いて設定する事業者
 向け割引料金(キャリアズ・レート)を設定する(当分の間専用役務関係に限る。)
 旨を規定。

4.根拠となる法律の条文 
  ◎ 電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)

第三十八条の二(略) 
2(略)
3 郵政大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同
 項の認可をしなければならない。
 一 次に掲げる事項が適正かつ明確に定められていること。
  イ 他の電気通信事業者の電気通信設備を接続することが技術的に及び経済的
   に可能な接続箇所のうち標準的なものとして郵政省令で定める箇所における
   技術的条件
  ロ ・ごとの接続料
  ハ 指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者及びこれとその電気通
   信設備を接続するほかの電気通信事業者の責任に関する事項
  ニ イからハまでに掲げるもののほか、指定電気通信設備との接続を円滑に行
   うために必要なものとして郵政省令で定める事項
 二 接続料が能率的な経営の元における適正な原価を算定するものとして・
  ・により算定された原価に照らし公正妥当なものであること。
 三・四 (略)
4 前項第二号の郵政省令で定める方法(同項第一号ロの郵政省令で定める機能の
 うち、高度で新しい電気通信技術の導入によつて、指定電気通信設備との接続に
 よる当該機能に係る電気通信役務の提供の効率化が相当程度図られると認められ
 るものとして・に係る接続料について定めるものに限る。)
 は、指定電気通信設備を通常用いることができる高度で新しい電気通信技術を利
 用した効率的なものとなるように新たに構成するものとした場合に当該指定電気
 通信設備との接続により当該指定電気通信設備によつて提供される電気通信役務
 に係る通信料又は回線数の増加に応じて増加することとなる当該指定電気通信設
 備に係る費用を勘案して原価を算定するものでなければならない。
5〜9 (略)
10 指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、・
 ・当該指定電気通信設備との接続に係る第三項第一号ロの郵政省令で定
 める機能ごとに、通信量又は回線数その・(第十二項にお
 いて「通信量等」という。)を記録しておかなければならない。
11 (略)
12 指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、第四項に規定する接続
 料にあつては第二項の認可を受けた後五年を超えない範囲内で・
 ・を経過するごとに、それ以外の接続料にあつては前項の規定により毎事業年
 度の会計を整理したときに、通信量等の記録及び前項の規定による会計の整理の
 結果に基づき第三項第二号の郵政省令で定める方法により算定された原価に照ら
 し公正妥当なものとするために、接続料を再計算しなければならない。


                         平成12年10月20日  郵政大臣  平 林  鴻 三 殿                      電 気 通 信 審 議 会                       会 長    那 須  翔                 答 申 書  平成12年8月31日付け諮問第38号をもって諮問された事案について、調査 の結果、下記のとおり答申する。                   記  本件、接続料規則の制定については、以下の事項に配慮するとともに、諮問書の 案を別紙2のとおり修正した上で改正することは適当と認められる。  なお、提出された意見及びそれに対する当審議会の考え方は、別紙1のとおりで ある。 1.指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者において、端末間伝送等機  能の接続料を設定する際には、これと同様の考え方による事業者向け割引料金を  適用する約款外役務が第二種電気通信事業者の要望に応じて、提供されるよう配  慮すること 2.長期増分費用方式を導入するに際して、以下の点に留意すること  1 「NTT東日本・西日本の経営への影響」についての配慮は、あくまで長期   増分費用方式の実施によりNTT東日本・西日本の経営が急激に悪化すること   で、NTT東日本・西日本が法律上の責務として担っている我が国のユニバー   サル・サービスの提供に支障を与えるような事態を回避する趣旨で行うもので   ある点に今後とも留意すること    なお、長期増分費用方式が一定の想定された条件を前提とするモデルで算定   されたコストの実現をNTT東日本・西日本に課すものであることから、一定   の実施期間を設けることは妥当であるが、可能な限り速やかに実施し得る期間   とするよう今後とも留意すること  2 「利用者料金への影響」の観点から、NTSコストの扱いについて、国民的   なコンセンサスを得つつ結論を得ること
別紙 1




    接続料規則に関する意見聴取及びそれに対する考え方







        接続料規則案に関する意見聴取結果及びそれに対する考え方
第1条関連
意見・質問
考え方

意見1 長期増分費用モデルは事業者の任意の設備を一定条件下
   で増強したときの費用と均衡すべき。
1 長期増分費用コストモデル自体は、競合する事業者がボトルネック
 設備を保有する事業者の任意の設備を実際費用ベースで使用して、線
 路設備を新たに設備増強として建設した場合の設備費用をベースに償
 却コスト、保全費用を基に接続費用を算定する事により、競争環境の
 整備の難しいアクセス回線に、ローカルコンペティションを実現する
 ためのものであることを明記するべきである。また、その算定した費
 用は、設備増強予定により空き管路が無いなどの、反競争的な前提を
 除いた、(設備増強をそもそもベースとするものであるから)仮想的に
 、設備増強を行った場合のコストによって、モデル自体が容易に検証
 できるものでなくてはならない。言い換えれば、相互接続費用と、他
 の事業者が線路設備をボトルネック設備を保有する事業者の任意の設
 備を実際費用ベースで使用して新設した場合に発生する設備費用をベ
 ースに償却コスト、保全費用を基に算定した実際費用が均衡するもの
 であるべきである。
  (筒井)
 
考え方1
 
 
 長期増分費用方式の導入に当たっては
、指定電気通信設備を設置する第一種電
気通信事業者の任意の設備を前提にする
のではなく、モデル構築時に入手可能な
、新しい技術で最も効率的な設備を前提
に費用を算定することとしている。

第3条関連
意見・質問
考え方

意見2 3条ただし書に基づく許可については、パブリックコメ
   ントを求めるべき。
2 省令に基かない特例を認める場合には、オープンな場での議論を行
 うことが必要であると考えます。ついては、許可の審査の際にパブリ
 ックコメントを実施していただきたいと考えます。
  (TTNet)
3 省令の修正ではございませんが、省令に基かない場合の特例を認め
 る場合には、オープンな場での議論を行うことが必要で有ると考えま
 す。ついては、許可の審査の際にパブリックコメントを実施していた
 だきたいと考えます。
  (JT)
4 特別の理由について、具体的な規定を設けていただきたいと考えま
 す。
  また、許可の審査の際には、パブリックコメントを実施していただ
 きたいと考えます。
  (DDI)
 
考え方2
 
 
 3条ただし書に基づく許可を受けた事
項に係る認可申請については、毎回意見
聴取がなされており、手続を簡便迅速に
する趣旨からも現在の扱いが適当と考え
られる。

意見3 第3条のただし書により、指定電気通信設備と接続せず
   に管路・とう道を利用するときの費用負担が再取得価格を
   ベースに算定されており、接続約款の存在が無意味になっ
   ている。
5 この但し書きにより、指定電気通信事業者は、管路とう道等のボト
 ルネック設備を他の電気通信事業者に貸し出す場合に、他の電気通信
 事業者の新設する回線が指定電気通信事業者の電気通信回線に直接接
 続していない場合、あるいは、指定電気通信事業者の局舎設備の設備
 境界以遠の管路とう道設備において、接続約款ベースで接続料を徴収
 して貸し出すのではなく、接続約款によらずに、接続約款によるもの
 の10倍以上の費用で、再取得価格をベースに管路とう道等のボトルネ
 ック設備を他の電気通信事業者に貸し出すに及んでいる。
  接続約款の存在そのものが、全く無意味化、無効化しているのが現
 状である。ボトルネック設備を他の競合する事業者が使用して網構築
 を進めようとすると、指定電気通信事業者の接続約款による、実際費
 用の10倍以上の費用負担が課せられているのが現状である。それなら
 、何の為に接続約款において、費用を規定する必要があるのか?
  接続約款における管路とう道費用の設定と、接続約款の制定そのも
 のが無意味である。
  法治国家の建前を取る以上、このような法律そのものにあけた穴は
 、長期増分費用方式の導入そのものを無意味化し、景気回復、ローカ
 ルコンペティションを不可能にしている。
  (筒井)
 
考え方3
 
 
 
 
 管路やとう道の利用のための費用負担
額については、接続に関するものについ
ては電気通信事業法施行規則第23条の
4に規定されており、正味固定資産価額
(取得原価から減価償却相当額を控除し
た額)を基礎として計算されることとさ
れている。
 また、指定電気通信設備と接続せずに
管路及びとう道を利用するときの負担額
は接続に関するルールの枠外となってお
り、接続約款規定事項でない。これは、
現行の指定電気通信設備の接続料に関す
る原価算定規則第3条とも今回の接続料
規則案第3条とも無関係である。これに
ついては線路敷設権の問題とも関連して
議論されており、その議論の中で適正な
ルールが実現されることが期待される。

第4・5条関連
意見・質問
考え方

意見4 端末回線伝送機能等、全ての機能について長期増分費用
   方式を適用すべき。
6 接続料には長期増分費用が適用されることになりましたので、全て
 の接続料に長期増分費用を適用すべきです。省令案では、「地中化の
 実態を踏まえる必要」という理由で、加入者回線(ドライカッパ)や
 加入者回線(電話重畳)の接続料算定に実際費用方式が適用されるこ
 とになっておりますが、地中化についてはすでに長期増分費用モデル
 に考慮されており、現在のモデルを適用することが可能であることか
 ら、長期増分費用方式を適用すべきと考えます。地中化比率について
 問題があるのならば、次回の長期増分費用モデルの見直しで行うべき
 と考えます。また、専用線端末回線についても、現存のモデルから簡
 単に計算可能と考えますので、長期増分費用を適用すべきと考えます
 。
  (イー・アクセス)
7 すべて長期増分費用方式とすることが適切である。
  (日本交信網)
8 今回の接続料規則案の概要によると、専用役務は長期増分費用方式
 によらず、実際費用方式によると規定されているが、専用役務につい
 てモデル作成等の実現による、長期増分費用方式を早期に実現するこ
 とを切望したい。
  (テレサ協)
9 そもそも、電話伝送路において、RT装置が導入されてきた経緯は、
 電話利用者の専らの利益のためではなく、専用役務提供者の採算の為
 に建設が進められてきているわけで、実際費用ベースとするならば、
 長期増分費用方式の導入そものものが無意味になりかねない。長期増
 分費用モデルの導入は、ボトルネック設備を保有する事業者が、他の
 事業者に貸し出すために、追加的に設備増強を行った場合の設備コス
 トで電気通信役務の提供のための回線設備を提供するならば、ボトル
 ネック設備の共用と、回線設備の共用により、ボトルネック設備を保
 有する事業者と、他の事業者の両方の利益を図ることができるため、
 ボトルネック設備を保有する事業者に競合しようとしている事業者が
 ボトルネック設備を保有する事業者と、二重投資して回線設備を設置
 するような非効率が防ぐことができ、更に、ボトルネック設備を保有
 する事業者に、光ファイバー設備等の増強へのインセンティブを与え
 、景気浮揚効果と、光ファイバー化を志向させることのできる、好競
 争的なインセンティブ規制である。
  専用線役務において、実際費用方式を温存することは、既存の光フ
 ァイバーや、DSU装置等を高価に導入した時代の設備コストを正当化
 し、また、1/10000以上速度単価で安価な1000Base-LX,ZXのギガビッ
 トメディアコンバーターを使用したりするような新しい現在のコスト
 に基づく設備投資をしないで置こうとするような、不当高価購入によ
 り、反競争的行為を行おうとするインセンティブをボトルネック設備
 を保有する事業者に与えることになり、長期増分費用方式そのものの
 導入を無意味化、無効化するものである。
  (筒井)
 
考え方4
 
 
 本省令案において長期増分費用方式を
導入せずに実際費用方式を適用すること
としている端末回線伝送機能等について
は、現在「長期増分費用モデル研究会」
で行っている長期増分費用モデルの見直
し作業を待って、見直し後のモデルの適
用についての判断を通じて長期増分費用
方式の導入の是非を決することとすべき
である。

意見5 光ファイバについても端末回線伝送機能として追加し、
   長期増分費用方式を適用すべき。
10 「加入者回線等のアンバンドルに関する郵政省令案」に対する意見
 書でも述べましたが、ダークファイバのアンバンドル機能の追加して
 いただけるよう強く要望いたします。
  「加入者回線等のアンバンドルに関する郵政省令案」に対する弊社
 意見書
  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/000830
 j601.html
  また、NTT地域会社が「IT革命を推進するための電気通信事業
 における競争政策の在り方」の意見書で自ら「光ネットワーク(イン
 フラ)を提供していく」と述べているのですから、光ファイバを接続
 箇所とすることに関してNTT側の技術的問題は全くないと理解して
 おります。したがって、加入者回線等のアンバンドルをメタル回線の
 みに限定する必要はありません。
  さらに、NTT地域会社は「現行の指定電気通信設備規則は光には
 適用せず、利用条件は個々の要望に応じて個別に協議」と述べていま
 すが、これまで、NTT地域会社との相互接続の問題が生じていた原
 因は、相互接続が事業者間協議に委ねられており、ルールが明確化さ
 れていなかったため、NTTの恣意的な運用によるところが問題であ
 ったのですから、ダークファイバのアンバンドルについても接続約款
 で規定すべきです。
  したがって、具体的には、以下の機能の追加を要望いたします。
  ・端末回線伝送機能 加入者回線(ダークファイバ)
  ・中継系伝送機能(ダークファイバ)
  (イー・アクセス)
11 光ファイバーは、指定電気通信設備である。光ファイバーを長期増
 分費用方式で算定しないことには、長期増分費用方式の導入の意味そ
 のものがなくなってしまう虞がある。そもそも、長期増分費用方式が
 導入される背景には、光ファイバーと交換機をはじめとするハイテク
 機器の設備コストが新規導入によるものと、過去のものとは著しく異
 なることに背景がある。
  光ファイバーを除外することは、橋本クリントン階段で合意に至っ
 た、日米合意そのものに反するものであり、政府の、今回の長期増分
 費用方式導入手続きのための法改正は、長期増分費用方式導入の形を
 取りながら、実質的に長期増分費用方式の導入そのものを無意味化、
 無効化しようとするものと、諸外国政府から受け止められても仕方が
 無いのではないか。
  光ファイバーを長期増分費用方式で算定すると、光ファイバーを実
 際費用による光ファイバーが著しく高価だったときの費用をベースに
 して、高価な電気通信費用や、接続コストを算定しようとするインセ
 ンティブが働きにくくなることにより、ボトルネック性の強い、光フ
 ァイバー設備の建設が進み、電気通信事業者間で公正な競争環境の整
 備が可能になる。
  光ファイバーを敷設すること自体は、管路とうどう、電柱ポジショ
 ン等のボトルネック設備を保有する事業者においてしか建設が容易で
 はないものであり、他の競合する事業者が建設しようとすれば、ボト
 ルネック設備か存在しないことにより、莫大な費用が必要になる。
  また、長期増分費用方式は、その原理原則において、高価に購入し
 た設備を、ボトルネック設備を保有する電気通信事業者が、逆ざやで
 、他の事業者に貸し出すことを強要するものではない。反対に、ボト
 ルネック設備を保有する事業者が、自社使用と、他社に貸し出すため
 に新規に導入する設備について、増分費用をベースに、ヒストリカル
 コストによらずに、適切な設備使用率、あるいは、コミットメントを
 留保して、新規に創設した場合の、賃貸借に係る設備の増分費用分に
 ついて賃貸借にかかる設備の使用料の算定の根拠とすることにより、
 競争を促進すると同時に、業者ごとに無駄な二重投資をしてしまうこ
 とを避けることを目的とするもので、そのような方式が光ファイバー
 設備において採用されないために、現実に複数の電気通信事業者が、
 日本では線路設備の二重投資をはじめるにいたっている。
  (筒井)

考え方5
 
 
 光ファイバのアンバンドルについては
具体的な需要動向も顕れてきており、整
備されるべきルールの在り方について、
速やかに検討されることが必要である。
 本件に関しては、10月11日に郵政
大臣より当審議会に対して、電気通信事
業法改正法(平成9年6月20日法律第
97号)附則第15条に基づく接続ルー
ルの見直しについて諮問されており、そ
の中で早急に検討を行うこととする。

意見6 優先接続機能はLCR装置を無効にする等、反競争的で
   ある。                       
12 優先接続機能自体は、一般に広く普及しているLCR装置の正常な動
 作を不可能にするものであり、反競争的色彩の濃いものであり、また
 、同時に不当競争防止法に抵触する可能性の高いものである。
  一般論として、一般に合法に存在した装置が機能できなくするよう
 な形で、新たに交換機を改造することは、そのこと自体、独占禁止法
 に抵触する虞もある。優先接続機能自体が、指定なしにダイヤルした
 場合、あらかじめ決められた業者に接続する機能として一般に提供す
 ることは、既存の機器の動作を妨げるものでなく受け入れられるもの
 であるが、今回導入が予定されている優先接続制度は、
  一、指定なしにダイヤルした場合、あらかじめ決められた業者に接
   続する機能に、LCR装置を無効にするだけでなく利用者の指定を
   無視するような選択を抱き合わせ販売する機能
  二、全く優先接続機能が利用できないようにする設定、指定なしに
   ダイヤルした場合、あらかじめ決められた業者に接続する機能を
   利用できないようにする設定
  以上の二つの反競争的色彩の濃い、選択肢を人為的に工作されてお
 り、このような法改正自体は、サービスの貿易の自由化条約第四議定
 書と、私的独占禁止法に抵触しており、また、合法的に存在してきた
 LCR装置の機能を妨害することにより、監督省庁はその装置の非合法
 な機能停止による損害賠償に応じる必要性すらある。
  監督省庁としては、電気通信の公正な競争確保についてどのような
 お考えをお持ちでしょうか?
  (筒井)
 
考え方6
 
 
 優先接続機能は利用者が接続事業者の
サービスを利用する場合に、あらかじめ
事業者を選択し登録しておけば当該事業
者の事業者識別番号のダイヤリングを省
略して通話を可能とする機能である。こ
れの導入によってACR(Automatic C
arrier Routing)が無効になる場合と
無効にならない場合とを利用者は選択で
きるようになるが、いずれについても優
先接続機能は既存事業者と新規参入事業
者との間の競争条件をできるだけ同等に
し、競争をより促進するために導入する
ものであって、諸外国でも導入されてい
る制度でもあり、反競争的なものとは考
えられない。

第6条関連
意見・質問
考え方

意見7 指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が報
   告する資産及び費用等については、郵政省が受理した後直
   ちに公表すべき。
13 接続料規則第六条において御省に報告された資産及び費用等につき
 ましては、御省がこの報告を受理した後直ちに御省のホームページ等
 において公表されるものであることをご確認いただきたく思います。
  (C&W IDC)
 
考え方7
 
 
 
 接続料規則案の第6条により整理され
る資産及び費用は、この省令案に基づい
て認可申請される長期増分費用方式によ
り算定される接続料の算定根拠として、
当審議会が意見聴取を行う際に公表する
ことになる。

意見8 通知の日から60日以上90日を超えない日とする理由
   如何。
14 六十日以上九十日とする根拠をご教示願います。
  (DDI)
 
考え方8
 
 
 指定電気通信設備を設置する第一種電
気通信事業者において、通知内容を理解
し、これにより資産及び費用を整理する
上で十分であり、且つ過度に長期に亘る
ことのない期間として設定されている。
 なお、本省令案が施行されて最初に行
われる長期増分費用方式による接続料変
更に関しては、本省令案附則第5条第4
項により、通知において定められる日ま
でに資産及び費用が整理されることにな
る。

意見9 長期増分費用モデルによる接続費用算定においては、仮
   想メッシュ方式ではなく実線路ベースでコスト算出すべき
   。
15 指定電気通信事業者の接続費用算定においては、仮想メッシュ方式
 でなく、実線路ベースで、価格費用の下落の著しい光ファイバー、交
 換機設備、集線装置等について再取得価格をベースとして、その償却
 コストを基にコスト算出すべき。
  (筒井)
 
考え方9
 
 
 
 実線路が必ずしも効率的に敷設されて
いるとは言えないこと、膨大な数の加入
者回線の実線路データの把握は困難であ
ること等の理由から、諸外国のモデルを
含め、長期増分費用モデルでは、仮想メ
ッシュ方式により効率的なケーブル設置
を行うことが一般的に行われている。本
省令案が前提としている長期増分費用モ
デル(以下「モデル」という。)におい
ても同様の方法を採っており、適当と考
えられる。
 又、モデルでは、光ファイバー等の設
備単価については、複数の事業者の最新
の取得価格のうち、最も低廉な値を採用
しているが、意見9にいう「再取得価格
」が同機能の設備を現時点で取得した場
合の価格という意味で用いられていると
すれば、モデルにおいても再取得価格を
ベースとしていると言える。

第8条関連
意見・質問
考え方

意見10 利益対応税の算入の税法上の根拠が不明。      
16 利益対応税については、法的根拠が不明。日本の税法体系にそぐわ
 ないのではないか?明確な税法上の根拠をご指摘いただきたい。
  (筒井)
 
考え方10
 
 一般に電気通信事業者の設定する料金
において利益対応税分をその算定におい
て含めていること自体が税法上問題にな
るとは考えられない。

意見11 利益対応税と利益は接続料に算入すべきではない。
17 利益対応税、及び利益を接続料に加算することは、指定電気通信事
 業者の独占状態を崩し、公正競争環境の整備を促進し、公共の福祉を
 増進しなければならない立場からは望ましくない。他事業者が、NTT
 と同額の末端サービス料金でサービス提供した場合に、NTTと同額の
 利益が出る接続料とすることが適当である。
  例えば、NTTが基本料金1600円で電話サービスを提供している場合
 に、そのうちの1200円がNTTの利益となるのであれば、他事業者がNTT
 の端末伝送回線(銅線)を使用して基本料金1600円の電話サービスを
 提供する場合には、NTTと同額の1200円の利益が出なければならず、
 そのための接続料は400円となる。
  「IT革命を推進するための電気通信事業における競争政策」
  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/000922
 j604.html
  とは、このような政策であるように思われる。その他の接続料原価
 の構成要素についても、競争促進、独占抑止の観点から見直す必要が
 ある。
  (日本交信網)
 
考え方11
 
 NTT東日本・西日本が接続料により
回収すべき自己資本費用等については、
省令に規定する上限を超えない、適正と
認められる数値により設定されることと
されており、その相当額及びその適正水
準に見合う利益対応税相当額を接続料に
より回収することは不当とは言えない。

第19条関連
意見・質問
考え方

意見12 トラヒックをベースとするコストメニューと定額制のコ
   ストメニューとが用意されるべき。
18 接続コストは、トラフィックをベースとするコストメニューと、定
 額制をベースとするコストメニューを用意するべき。              
  (筒井)
 
考え方12
 
 
 本省令案において、従量制と定額制各
々の料金体系の考え方が規定されている
。これに加えて料金体系の多様化につい
ては、接続事業者の要望に柔軟に対応し
ていくことが必要である。

第20条関連
意見・質問
考え方

意見13 長期増分費用方式を適用する機能の再計算の期間を3年
   とする理由如何。
19 3年間とする根拠をご教示願います。                        
  (DDI)
 
考え方13
 
 
 長期増分費用方式を適用する機能の再
計算の期間については、改正後の電気通
信事業法の規定の枠内で、長期増分費用
モデルの入力データの更新時期や、経過
措置終了後に再計算が行われるべきこと
を考慮して3年とされている。

 第21条関連
意見・質問
考え方

意見14 指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が報
   告する再計算された接続料及びその算出根拠については、
   郵政省が受理した後直ちに公表すべき。
20 接続料規則第二十一条において御省に報告された再計算された接続
 料及びその算出の根拠に関する説明につきましては、御省がこの報告
 を受理した後直ちに御省のホームページ等において公表されるもので
 あることをご確認いただきたく思います。                       
  (C&W IDC)
 
考え方14
 
 
 
 接続料規則案の第21条により報告さ
れた接続料の再計算及びその算出の根拠
は、この省令案に基づいて認可申請され
る長期増分費用方式により算定される接
続料の変更案及びその算定根拠として、
当審議会が意見聴取を行う際に公表する
ことになる。

キャリアズレート関連
意見・質問
考え方

意見15 専用役務のキャリアズレートの早期実現を望む。約款外
   役務においても同条件で提供されることを確認したい。公
   衆網の卸売料金制度の実現を切望する。
21 端末間伝送等機能を新設し、利用者料金から一定割合を除いて設定
 する事業者向け割引料金(キャリアズ・レート)を設定する(当分の
 間専用役務関係に限る。)旨の規定については、この制度を推進する
 ための接続料規則と了解し、この制度を要望して来た当協会としては
 一日も早い実現を望みたい。
  また、この件について、回線名義の関係から、接続ルールと同条件
 で、約款外役務契約を使用せざるを得ない状況があるので、その確認
 をいただきたくお願いをする。                            
  なお、本件に関連して、当協会としては公衆網の卸売料金制度の実
 現を切望している。早期の実現方御配慮を願いたい。
  (テレサ協)
 
考え方15
 
 
 
 本省令案が施行され次第、速やかに端
末間伝送等機能の接続料が算定され、実
施される必要がある。
 これに関して、電気通信事業者の要望
に応じて、同様の考え方による事業者向
け割引料金を適用する約款外役務が提供
されるべきである。
 公衆網における事業者向け割引料金に
ついては、電気通信審議会答申書(平成
12年9月26日郵通議第3107号)
において指摘したとおり、実現に向けて
検討される必要がある。

意見16 ISM折返し機能についてもキャリアズレートを適用す
   べき。
22 弊社といたしましては、今回Iインタフェース加入者モジュール折
 返し機能が接続料規則第四条の表に追加され、また専用役務関係につ
 きキャリアズレートが導入されることになったことにつきましては、
 御省及び貴審議会殿のご努力に対し深く感謝申し上げるものです。但
 し、残念なことにキャリアズレートは専用役務関係についてのみ適用
 されることとなっていることです。弊社といたしましては、Iインタ
 フェース加入者モジュール折返し機能(フレッツISDN)に対応す
 る接続料についても、キャリアズレートと同じ考え方により設定され
 た場合により低廉な接続料となるときには、キャリアズレートの考え
 方により設定されるべきと考えます。フレッツISDNは定額制によ
 り提供されており、これは専用役務の料金体系と同じであることを考
 えれば、Iインタフェース加入者モジュール折返し機能に対応する接
 続料についても、原則的にはキャリアズレートと同じ考え方が適用さ
 れるべきではないかと考えます。
  最近、東西NTTより今年12月にフレッツADSLの提供を開始す
 る予定と発表されていますが、公正競争確保の観点からはフレッツA
 DSLについても、その提供開始と同時に(試験提供であっても)そ
 れに対応する接続料が適切に設定されることが必要と考えます。接続
 料のレベルについては、フレッツISDNと同様に原則としてキャリ
 アズレートが適用されるべきと考えます。
  (C&W IDC)
 
考え方16
 
 
 ISM折返し機能を提供するNTT東
日本・西日本のサービスは、現在電気通
信事業法施行規則第19条の2第3号の
試験的に提供する役務として提供されて
いるが、当該機能については改正された
電気通信事業法施行規則第23条の4に
より、適正な原価に照らして公正妥当な
ものとして接続料の認可申請が行われる
予定である。
 事業者向け割引料金については、本省
令案附則第13条により当分の間は専用
役務についてのみ設定されることになる
が、公衆網における事業者向け割引料金
についても、電気通信審議会答申書(平
成12年9月26日郵通議第3107号
)において指摘したとおり、実現に向け
て検討される必要がある。

意見17 「電気通信役務に関する料金の原価」の算定根拠を明確
   にすべき。再販価格にキャリアズレートを適用すべき。
23 接続料規則案の第六条第三項にある、「電気通信役務に関する料金
 の原価」は現在では総括原価方式で算定されておらず算定根拠が不明
 であるので明確にしていただきたいと思います。また、再販価格につ
 いてもキャリアーズレートを適用すべきと考えます。              
  (イー・アクセス)
 
考え方17
 
 
 NTT東日本・西日本の利用者向け料
金について、総括原価方式による認可制
は電報料金を除き廃止されており、基本
的に両社が算定根拠を個別に明らかにす
る義務はないが、端末間伝送等機能の接
続料の算定に当たっては、その算定根拠
として電気通信役務に関する料金の原価
が示される必要がある。
 端末間伝送等機能の接続料と同様の考
え方による事業者向け割引料金は、約款
外役務においても適用して提供されるべ
きである。

附則
意見・質問
考え方

意見18 省令の運用や見直しに当たり、事業者の経営に重大な影
   響を及ぼすことのないよう所要の措置がとられることを希
   望。
24 今回の省令案では、改正後の電気通信事業法第38条の2第4項に
 規定されている「費用を勘案して原価を算定」の「勘案して」の立法
 趣旨を踏まえ、事業者の経営に及ぼす影響を緩和するための措置が規
 定されているところであり、今後省令の施行にあたってもその趣旨を
 踏まえた運用がなされることを要望します。                     
  また、次回以降のモデルの見直しの際にも、事業者の経営に重大な
 影響を及ぼすことのないよう、所要の措置が採られることを要望しま
 す。
 (NTT東日本・NTT西日本)
 
考え方18
 
 
 
 長期増分費用方式の導入及び今後の運
用や見直しに際しては、指定電気通信設
備を設置する第一種電気通信事業者の経
営に重大な影響を及ぼすことは避ける必
要があるが、その前提として、NTT東
日本・西日本において十分な経営改善努
力が行われる必要があり、また、これに
よって電気通信事業者間の公正競争条件
が阻害されることがあってはならない。

附則第6条関連
意見・質問
考え方

意見19 省令案の経過措置において平成10年度の通信量等を使
   用することとしていること等、第3回日米共同現状報告と
   齟齬がある。
25 弊社は、最新の通信量等を用いることにより、より効率的かつ低コ
 ストの接続料が実現されるものであるときには、附則第六条において
 平成十年度の通信量等は用いられるべきではないと考えます。従って
 、当該第六条は削除されるべきと考えます。(「平成十年四月一日以
 後に開始する事業年度」には平成十年四月一日に始まる事業年度すな
 わち平成十年度が含まれると解されます。)                     
 
  また、平成十年度の通信量等を用いることが可能とするならば、こ
 れは今年7月の接続料に関する日米合意に関し公表されている内容と
 異なるのではないかと考えます。平成12年度(2000年度)については
 平成11年度(1999年度)の通信量等が用いられ、平成14年度(2002
 年度)については平成13年度(2001年度)の通信量等が用いられると
 のことが合意されているのではないかと理解いたします。また、第七
 条2項においては「平成十一年四月一日以後に開始する事業年度」と
 あることから、これとの文脈においても齟齬があるように思われます
 。
 (C&W IDC)
 
26 米国政府は接続料金を算出する郵政省令案に対しコメントでき、光
 栄に思います。平成12年7月の規制緩和と競争政策の強化されたイニ
 シアティブに関する第三回共同報告書で決められた料金引下げを郵政
 省が完全に実施されることを期待いたします。この報告書には以下の
 ように述べられています:
 
 ・ 郵政省はその省令を改正し、ケースA(1998年度に比べ、GC接続
  において22.5%、ZC接続において60.1%の引下げ)に基づく接続
  料金の引下げを三年間かけて行う。これに関し、1999年度のトラヒ
  ック・データを使用し、ZC交換及びGC-ZC伝送について80%、GC交
  換及びその他の機能について70%の前倒し引き下げを行うという
  NTT東西の計画を郵政省は歓迎する。これらの計画に基づき、1998
  年度の料金と比較し、2001年度までにはGC接続料金は約20%、Z
  C接続料金は2001年度までに約50%引き下げられる予定。
 
 ・ 2000年度の接続料金は2000年4月1日までさかのぼり適用すると
  いうNTT東西の計画を郵政省は歓迎する。
 
  省令に暗に述べられているような、NTT東西が1999年度のトラヒッ
 ク・データを使用する必要がなく、2000年4月1日までさかのぼりそ
 の料金を適用する必要がないという提案は共同報告書と明らかに合致
 するものではありません。
 (米国大使館)
 
考え方19
 
 
 
 「規制緩和と競争政策の強化されたイ
ニシアティブに関する第3回共同現状報
告」ではNTT東日本・西日本の経営に
重大な影響を与えずに長期増分費用方式
を導入するための経過措置として、平成
14年度までの3年間で「1998年度
との比較で、GC接続は22.5%、Z
C接続は60.1%の引下げ」が行われ
ることをうたっている。ここで述べられ
ている引下げ幅は平成10年度(199
8年度)の通信量等により計算されたも
のであり、本省令案附則第6条はこの考
え方に沿った接続料の認可申請を可能な
ものとするための規定である。
 又、本省令案には「NTT東西が19
99年度のトラヒック・データを使用す
る必要がなく、2000年4月1日まで
遡りその料金を適用する必要がないとい
う提案」は含まれていない。
 段階的に接続料の引下げを行う期間中
の平成12年度と13年度の接続料の算

定において、平成11年度(1999年
度)の通信量等が用いられることについ
ては、本省令案附則第7条第2項に規定
されている。
 又、本省令案が施行された後に認可申
請される接続料の認可後平成12年4月
1日に遡及適用することについては、本
省令案附則第9条に規定されている。

意見20 附則第6条及び第7条の許可の審査基準を設定すべき。
27 弊社は、附則第六条については上記のように削除をしていただきた
 く強く要望しておりますが、仮にこれがお認めいただけない場合には
 、特に以下を要求したく思います。すなわち、附則第六条において「
 事業者は、その経営に及ぼす影響を緩和するため必要がある場合には
 、郵政大臣の許可を受けて、(中略)事業者が現に記録している平成
 十年四月一日以後に開始する事業年度の通信量等を用いて算定するこ
 とができる。」とありますが、弊社といたしましては、御省におかれ
 てはこの許可に関わる審査基準を可能な限り具体的な内容として制定
 し公表すべきと考えます。行政手続法第五条は、許認可等に係る審査
 基準を出来る限り具体的なものとして制定すべきこと及びその公表を
 行政庁に義務づけていることから、御省におかれましては、この接続
 料規則の制定後すみやかにこれを策定公表していただきたく思います
 。
  なお、この許可に係る審査基準はその内容からいって極めて重要な
 ものであることから、案の段階でパブリックコメントにより広く関係
 者及びその他一般国民の意見を聞くこととしていただきたいと考えま
 す。
  上記で述べましたように、弊社の要求にも関わらず、附則第六条の
 削除が仮にお認めいただけない場合には、当該第六条に係る審査基準
 を制定すべきと考えております。上記で述べたように、行政手続法第
 五条は、許認可等に係る審査基準を出来る限り具体的なものとして制
 定すべきこととしています。御省及び貴審議会殿におかれましては、
 長期増分費用に関する報告書(2000年2月9日)「接続料算定の在り方
 について」において、東西NTTの主張を容れてユニバーサルサービ
 スへの影響あるいは利用者間の負担変動等を緩和するためケースAの
 LRICモデルを採用されました。また、弊社の知る限りにおいては
 、御省は米国との接続料問題の二国間交渉においても、ユニバーサル
 サービスへの影響を主張されていたと理解いたします。このようなこ
 とから、附則第六条において言われている「その経営に及ぼす影響」
 という意味には、ユニバーサルサービスへの影響が一つの大きなファ
 クターとしてあるものと思います。従って、その審査基準は、東西N
 TTに対し極めて例外的に平成十年度の通信量等の利用につき許可を
 与える判断基準として、少なくとも以下の数字を具体的に含むものと
 すべきと考えます。
 ・ 御省及び貴審議会殿がケースAのLRICモデルを採用したとき
  にその判断のベースとしたNTT東日本及びNTT西日本それぞれ
  のユニバーサルサービスのコストを具体的に記載していただきたい
  。
 ・ そのコストを基準にしてどの程度の影響があればNTT東日本及
  びNTT西日本としてユニバーサルサービス義務を果たすことが困
  難となり、この許可を与える場合に該当することとなるのかを具体
  的に数字でお示しいただきたい。
 ・ ユニバーサルサービス義務だけでなく、NTT東日本及びNTT
  西日本それぞれの経営全体として、どの程度の財務的影響を緩和す
  る必要があればこの許可を与える場合に該当することとなるのかを
  具体的に数字でNTT東日本及びNTT西日本それぞれについてお
  示しいただきたい。
 ・ 以下で述べるように、許可を与える基準としては、NTT東日本
  及びNTT西日本の経営に及ぼす影響だけではなく、利用者の利益
  及び公共の利益も基準とすべきと考えます。従って、「平成十年四
  月一日以後に開始する事業年度の通信量等を用いて算定すること」
  になった場合に増進される利用者の利益及び公共の利益と、当該通
  信量等以外の通信量等を用いて算定することになった場合に増進さ
  れる利用者の利益及び公共の利益との間の比較衡量の方法を具体的
  にお示しいただきたい。
 
  なお、上記の具体的な判断基準としての数字につきましては、御省
 の内部的な基準とすることなく審査基準の一部として公表されるよう
 お願いいたします。
  附則第七条においても「事業者は、その経営に及ぼす影響を緩和す
 るため必要がある場合には、郵政大臣の許可を受けて、(中略)接続
 料について、これを平成十四年四月一日までの期間で段階的に実施す
 ることができる。」とありますが、弊社といたしましては、上記で述
 べたと同様に、御省においてはこの許可に関わる審査基準を可能な限
 り具体的な内容として制定し公表すべきと考えます。また、その審査
 基準については案の段階でパブリックコメントにより広く関係者及び
 その他一般国民の意見を聞くこととしていただきたいと考えます。
 
  附則第六条及び第七条においてNTT東日本及びNTT西日本へ許
 可が与えられる場合においては、御省は当然のことながらNTT東日
 本及びNTT西日本をそれぞれ単一の事業者として経営に及ぼす影響
 を評価し、許可すべきか否かを審査するものと理解いたします。従っ
 て、例えばNTT東日本の現在公表されている財務状況を考えればN
 TT東日本は不許可となり、財務状況の悪いNTT西日本についての
 み許可が与えられるということもあり得ると考えます。NTT東日本
 及びNTT西日本を連結ベースで経営に及ぼす影響を評価するような
 ことがあってはならないと考えます。ご提案の条文では、これが明確
 になっていないと思われます。必要な修正をしていただきたく思いま
 す。
 
  附則第六条及び第七条において
 
  「・・その経営に及ぼす影響を緩和するため必要がある場合には、郵
  政大臣の許可を受けて・・」

 とあるように、許可を与えるか否かの基準は東西NTTの経営に及ぼ
 す影響となっています。附則第六条については、これが修正されるこ
 となく原案どおり残った場合ということになりますが、弊社といたし
 ましては、これは
 
  「その経営に及ぼす影響を緩和するため必要がある場合であってか
  つその影響を緩和することにより利用者の利益又は公共の利益が増
  進される場合には、郵政大臣の許可を受けて」
 
 と修正されるべきと考えます。

  電気通信事業法の多くの条文において、「利用者の利益」又は「公
 共の利益」が許認可の基準やその他の条件となっています。例えば、
 第8条1項、第18条4項、第19条、第28条、第31条3項、第31条3項、第
 36条1項、第36条2項、第36条3項、第36条4項、第37条、第38条の3 
 4項、第39条2項、第39条の3 3項、第39条の4、及び第48条の3に見
 られます。電気通信事業法において「利用者の利益」又は「公共の利
 益」が許認可の基準として重要であることは、その第1条において「
 この法律は、(中略)その利用者の利益を保護し、もつて電気通信の
 健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進すること
 を目的とする。」といっていることからも明らかです。
  附則第六条及び第七条における許可の基準が、単に東西NTTとい
 う特定企業の「経営に及ぼす影響を緩和するため」という基準のみで
 は、この許可基準は電気通信事業法により委任された御省の省令制定
 権限の範囲を逸脱するのではないかと考えます。従って、弊社といた
 しましては、「かつその影響を緩和することにより利用者の利益又は
 公共の利益が増進される場合」を許可の基準として追加するべきと考
 えます。
 
  NTT東日本及びNTT西日本より附則第六条及び第七条に基づき
 許可の申請があった場合には、御省はパブリックコメントにより広く
 関係者及びその他一般国民の意見を聞き、その意見を適切に斟酌した
 上で許可、不許可の判断をしていただきたいと考えます。提出された
 各意見に対しては、具体的な根拠を示して御省のご見解をご回答いた
 だきたいと考えます。
 (C&W IDC)
 
考え方20
 
 許認可の審査基準は、行政手続法の求
める範囲内で制定し公表される必要があ
るが、本省令案の附則第6条及び第7条
の許可については、指定電気通信設備を
設置する第一種電気通信事業者の経営へ
の影響に関して総合的な判断が求められ
るものであり、附則第6条及び第7条の
定め以上に具体的な基準を定めることは
困難である。
 しかしながら、許可が適正に行われる
必要上、許可の申請に当たっては、申請
者において「その経営に及ぼす影響を緩
和するため」の必要性について、できる
限り具体的な説明がなされる必要がある
。
 審議会としては、NTT東日本・西日
本の接続料に長期増分費用方式を導入す

ることに関連して「NTT東日本・西日
本の経営への影響」、「利用者料金への
影響」の2点を考慮した。これら2点に
ついては、次のとおり留意すべきである
。
1 「NTT東日本・西日本の経営への
 影響」については、あくまで長期増分
 費用方式の実施によるNTT東日本・
 西日本の経営が急激に悪化することで
 、NTT東日本・西日本が法律上の責
 務として担っている我が国のユニバー
 サル・サービスの提供に支障を与える
 ような事態を回避する趣旨で行うもの
 であることを考慮すべきである。
  なお、長期増分費用方式が一定の想
 定した条件を前提とするモデルで算定
 されたコストの実現をNTT東日本・
 西日本に課すものであることから、一
 定の実施期間を設けることは妥当であ
 るが、可能な限り速やかに実施し得る
 期間とすることが求められる。

2 「利用者料金への影響」については
 、NTS(ノン・トラヒック・セン
 シティブ)コストを利用者から定額
 の料金で回収することとした場合、
 通信料の引下げが期待できるのに対
 し、基本料の引き上げをもたらしか
 ねない。この点については、国民的
 なコンセンサスの確立を要すること
 から、今後2002年に長期増分費
 用方式のモデルの見直しが行われる
 までの間に検討を行い、結論を得る
 ことが求められる。

附則第7条関連
意見・質問
考え方

意見21 許可の際にはパブリックコメントを実施すべき。
28 許可の際には、パブリックコメントを実施していただきたいと考え
 ます。                                      
 (DDI)
 
考え方21
 
 省令規定の例外措置をとるための許可
を受けた事項に係る認可申請については
、毎回意見聴取がなされており、手続を
簡便迅速にする趣旨からも現在どおりと
することで良いと考えられる。

附則第8条関連
意見・質問
考え方

意見22-1 ISM機能の段階的廃止については、附則第7条第2
   項の要件により、省令においてその方法を明示すべき。
29 本条は、ISM交換機能に係る接続料の段階的廃止を規定したもの
 と理解しております。
  ISM交換機能の廃止に至るまでの当該接続料の削減率については
 、指定事業者の裁量に委ねるのではなく、省令にて規定すべきである
 と考えます。弊社としては、附則第7条2項の要件(長期増分費用方
 式適用機能に係る接続料の段階的実施)を満たすべきと考えます。
(TTNet)
 
30 ISM交換機能料の段階的削減を記載しているものと理解しており
 ます。ISM交換機能の廃止方法(削減率)については、指定事業者
 の任意に任せるのではなく、省令にて具体的に規定すべきであると考
 えます。弊社としては、附則第7条2項の要件(長期増分費用対象機
 能の段階的実施)を満たすべきであると考えます。
 (JT)
意見22-2 ISM交換機能の接続料は必要ない。       
31 省令案を見る限りにおいて、NTT東西の接続料金を改正するという
 郵政省の計画の中で解決されていない重要な問題は、NTTのISDN契約
 者へのまたは同契約者からの発信及び着信に現在NTT東西がかけてい
 る料金についてです。郵政省は過去12ヶ月におよび、この料金は200
 0年にはなくなるであろうと繰り返し述べていました。NTTからの圧
 力により郵政省がその立場を考え直しているように見える現実は非常
 に残念であります。
  米国は郵政省がこの料金を本年なくすことを求めます。郵政省は、
 ファイバーを家庭まで敷設するような新しい技術の配備にこの料金が
 必要であるというようないかなる議論も否定すべきです。なぜなら、
 このことはNTTがその競合者に対しNTTの新しい市場への参入を補助す
 るよう要求する事と同じになってしまうからです。本料金を停止出来
 ないと、NTTと競争する事業者に否定的な信号を送る事になり、幅広
 い投資と競争条件を損ない、日本のIT環境を改善しようという総理の
 呼びかけと合致しなくなるでしょう。
  現在、ISDN料金は毎分約0.77円であり、地域交換料金に加えて徴収
 されているものであります。競争が最もすすんでいる都市部に集中し
 ている600万人以上のISDN契約者がいる中で、この高い料金は競合事
 業者にとり大きな重荷となっています。ISDNが固定線市場における成
 長分野であるという事実(ISDNの顧客は1998年の425,000人から今日
 6,500,000人に増加している。)はその料金を維持することの反競争
 的影響をさらに悪化させていこことになります。
  これらの料金がなぜ必要でなぜその料金に正当があるのか米国政府
 には全く理解できません。郵政省の長期増分費用(LRIC)モデルは
 アナログとISDN接続の両方のコストを回収する単一地域接続料金を
 生み出しました。言い換えれば、ISDNコストは本モデルが作り出す
 地域接続料金に含まれているのです。結果、この地域交換料金は段階
 的に施行されていくにもかかわらず、ISDNの追加的コストの全てを
 既に含んでおり、これ以外の料金はコストの二重回収ともとれるので
 す。
  さらに、実際費用方式(ヒストリカル・コスト)に基いてさえ、I
 SDN料金にどのような正当性があるのか不明確なのです。ISDNの月額
 料金は全てでないにしてもほとんどのISDNサービスのコストを含ん
 でおり、それゆえ接続料金はコストの二重回収であるともいえるので
 す。
  NTTのデータによると、NTT東西は1999年度末に約6,500,000のISDN
 顧客を得ています。そのうち、3,900,000人は法人顧客であり、2,60
 0,000人は個人顧客です。ISDN回線のNTT東西月額使用料金は法人ユ
 ーザーで3,630円、個人ユーザーで2,830円です。(ISDNユーザーは
 これ以外に毎分料金を加算されています。)この月額料金はアナログ
 ・サービスと比較し、それぞれ月1,030円、1,080円の追加であります
 。
  現在の契約によると、NTT東西はISDN契約者から年約820億円を同
 数のアナログ線から得る月額料金以外に稼いでいるのです。さらにN
 TT東西はISDN顧客に対し新しい定額インターネット接続サービスを
 提供すると報告しており、これは一人当たり4,000から8,000円の追
 加料金となります。
  NTTのこれまでの接続会計によると、アナログとISDN回線のコスト
 間の違いはI−インターフェース・モジュール(ISM)という装置使
 用に関する機能にかかるコストであります。(これは定額インターネ
 ット接続に必要な機能です。)この装置はライン・カードをターミネ
 イトすることを元々目的として設計されていたと思われますが、その
 コストはエンド・ユーザーの月額料金からほとんど回収されるもので
 ある。このコストは明らかにエンド・ユーザーによるところのもので
 あり、ノン・トラヒック・センシティッブコストなのです。
  NTTも郵政省もISM以外にISDNサービス提供に必要な装置を明示し
 ていないため、アナログとISDN月額料金(820億円)の違いはこの
 一つの装置にかかるコストの回収であるとするのが論理です。(もし
 この820億円が回収されるべき他のコストがあるのであれば、郵政省
 又はNTTはそれを明確にすべきであり、それによりコスト回収に関す
 るきちんと情報が提供された議論を行う事ができます。)
  NTT東西の最近のコスト精算データをみると(http://www.ntt-eas
 t.co.jp/info-st/finarep/houkoku/h110703/h3_3_1.html)、こ
 の装置に対応すると見られる唯一のカテゴリーは相互デジタル加入者
 モジュールです。1999年度のデータによると、この装置はNTTが月額
 料金から完全に回収できるであろうと見られる820億円にのぼる投資
 額でありました。(NTTはISDN投資のほとんどを終了していると報告
 しており、ISDN設備にさらなる投資が必要であるとは考えにくい。)

  NTTはこの装置に2,900億円の投資をしたと報告しており(NTTの6
 ヶ年減価償却計画にもよると)、年間の減価償却費用はたった500億
 円であります。非常に丁寧な保守と全般コストを考慮しても、NTTが
 その月額料金から回収する年間歳入の820億円をなぜ全コストが超
 過するのかが理解できません。
 (米国大使館)
 
考え方22
 
 
 接続料規則案附則第5条から第8条で
規定されている経過措置においては、平
成11年度の接続料から長期増分費用方
式が完全に実施される平成14年度の接
続料へと段階的に移行していく考え方が
示されている。
 NTT東日本・西日本のISDN加入
者に着信する呼の接続料は、GC接続の
場合、平成11年度では実際費用方式で
算定される加入者交換機能の接続料とI
SM交換機能の接続料の合計値であり、
平成14年度では長期増分費用方式で算
定される加入者交換機能の接続料となる
と考えられる。従って、他の機能におい
て段階的移行の措置がとられていること
からも、従前のISM交換機能の接続料
が平成14年度の完全廃止に向けて、段
階的に廃止されることも許容され得ると
考えられる。
 上述の段階的な廃止の具体的な方法と
しては、意見22−1に述べられている
ような、加入者交換機能等における長期
増分費用方式の段階的実施の方法に準じ
た考え方を採ることも想定され得るとこ
ろである。
 しかしながら、一方でNTT東日本・
西日本はISMへの新規投資を基本的に
やめており、ISM交換機能の接続料を
仮に従前どおり実際費用方式によって算
定した場合の額は現在まだ算定されてい
ないものの、他の機能の段階的実施と同
様の方法で廃止したときの接続料の水準
を下回ることがあり得る。このような場
合には、他の機能と同様の方法を採ると
すれば、実際費用方式から長期増分費用
方式へ段階的に移行するという本省令案
附則第5条から第8条で規定されている
経過措置の考え方にはなじまない。
 従って、ISM交換機能の接続料につ
いては、この実際費用方式によって算定
した場合の平成12・13年度の水準を
勘案して段階的廃止を進めることが適
当と考えられる。

※ なお、意見22−2に関して、郵政
 省からは、ISM交換機能の接続料が
「2000年にはなくなるであろう」
と述べたことはない旨の説明が本審議
会に対して行われた。

附則第9条関連
意見・質問
考え方

意見23 附則第9条において、平成12年4月1日への遡及を義
   務付けすべき。
32 附則第九条は、接続料の遡及適用について規定しておりますが、「
 ・・平成十二年四月一日から適用することができる。」ではなく「・・平
 成十二年四月一日から適用しなければならない。」とすべきです。弊
 社が知る限りにおいては、接続料の日米合意において平成十二年四月
 一日からの遡及適用が合意されていると理解いたします。          
  (C&W IDC)
 
考え方23
 
 
 平成12年度の接続料を平成12年4
月1日に遡及適用させることについては
、既にNTT東日本・西日本において意
思表明がなされている。
 本省令案の附則第9条は既になされて
いるNTT東日本・西日本の意思表明ど
おりに両社の措置が行われることを可能
とするものであり、修正の必要はない。

その他
意見・質問
考え方

意見24 接続料規則で接続会計報告の内容について妥当性が確保
   できるよう要望する。
33 今後は長期増分費用方式が適用されることになりますので接続会計
 規則は必要ないと思われますが、長期増分費用方式の基礎データに使
 用する場合及び実際費用方式が一部に適用される場合のために使用す
 る可能性があることを考え、接続料規則第一条で「機能ごとの接続料
 が、適正かつ明確に定められ、能率的な経営の下における原価に照ら
 し公正妥当なものであることを目的とする」に従い、接続会計報告の
 内容について妥当性が確保できるよう要望いたします。
 (1)NTT決算報告書とNTT接続会計報告書の整合性の確保
 NTT決算報告書とNTT接続会計報告書の整合性の確保を要望いた
 します。
  平成11年7月のNTT分割後は、NTT地域会社単体での決算報
 告書は簡素化されたものしか公表されておらず、決算報告と接続会計
 報告の固定資産額等が一致しているかどうか確認できない状態になっ
 ております。例えば、平成10年度のNTT有価証券報告書とNTT
 接続会計報告書においては、固定資産額の一致が確認することができ
 、NTT接続会計報告はNTT決算報告を基に作成したことが明確に
 理解できますが、平成11年度については確認できません。また、同
 じ会計年度である平成10年度実績の市内線路設備の圧縮記帳額につ
 いては、平成11年6月30日提出の日本電信電話株式会社 有価証
 券報告書では、59,020百万円であり、平成12年6月30日提出の日
 本電信電話株式会社 有価証券報告書では、53,429百万円であり、連
 結決算になると単体より圧縮記帳額が約56億円も減少するというよう
 な現象も生じており、NTTグループ内での取引または決算方法につ
 いていささか不透明さを感じております。
  NTT地域会社単体での決算報告がなければ、NTT地域会社は「
 指定電気通信利用部門」での数字を操作することが可能なことから、
 NTT地域会社単体の電気通信事業に関する財務諸表を公開するよう
 要望いたします。
 (2)会計上重要な変更があった場合の記載義務
 NTT接続会計報告書には、設備区分の変更など会計上重要な変更が
 あった場合には明確にし、NTT接続会計報告書に記載するよう義務
 付けていただきたいと思います。
 NTT接続会計報告書の平成10年度と平成11年度とでは、固定資産帰
 属明細表1つにしても機械設備の内訳など項目が変更になっているに
 も関わらず、その変更部分についての説明や変更部分を対比させた表
 がないため、前年度比較が行えず、妥当かどうか判断できかねます。
  (イー・アクセス)
 
考え方24
 
 
 接続会計は長期増分費用方式の導入後
も、同方式が導入されない機能の接続料
の算定や、モニタリングのために必要と
考えられ、指定電気通信設備接続会計規
則は廃止することなく存続することとな
っており、新たに制定される本省令案が
対象としている内容ではない。
 なお、NTT東日本・西日本は、接続
会計報告書において接続料原価算定上の
重要な変更措置について記載すべき義務
が課されている。本件はNTT再編に際
してOCN設備等がNTTコミュニケー
ションズに帰属することとなったことや
、OCN等の足回り回線がNTT東日本
・西日本の専用線となったことに関して
変更が生じたもので、ここにいう義務に
該当するものとまでは言えない。
 接続会計に関する情報開示に関しては
、今後とも時宜に応じて適切な対応がな
されていく必要がある。

意見25 ラインシェアリングの接続料は0円とすべき。    
34 お客さまがNTT地域会社による電話サービス利用の場合の加入者
 回線(電話重畳)の接続料は、お客さまがNTT電話サービスのみ利
 用していた時から比較して、毎月の増分費用が発生しないことから、
 接続料は0円とすべきと考えます。
  MDFの切替接続工事など、相互接続にかかる一時費用はその都度
 支払っており、その他に毎月増分費用が発生する根拠がありません。
 また、現在試験サービスでNTT地域会社が徴収している800円は
 根拠のない金額であるだけでなく、お客さまからみて二重負担となっ
 ております。下記の郵政省の答申で「 帯域分割端末回線伝送機能の
 接続料の原価算定において、利用者料金で回収されるべき費用など、
 接続と直接関係のない費用が含まれないようにすること」とあります
 ように、当然のことながら利用者に二重負担をさせるべきではないと
 考えます。
  「加入者回線等のアンバンドルに係る電気通信事業法施行規則及び
 指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則の一部改正」(郵政
 省2000年8月31日)
  http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/000831
 j608.html
  ちなみに、米国では既存地域会社の電話サービスを利用する場合の
 電話重畳の接続料は下記のとおり0円になっていることを申し添えま
 す。米国のインターネットの普及に追いつくためには、同様の考え方
 を導入しなければますますその差が開くことになりかねません。
既存地域会社
ラインシェアリング料金
Bell South、US West、Bell 
Atlantic、GTE
0円
 
SBC
協議中
  出典;COVADのプレスリリースより
  http://www.covad.com/companyinfo/pressreleases/pr_2000/
 060700a_press.shtml
  http://www.covad.com/companyinfo/pressreleases/pr_2000/
 060600_press.shtml
  (イー・アクセス)
 
考え方25
 
 帯域分割端末回線機能の接続料の原価
に利用者料金で回収すべき費用が含まれ
ることがあってはならないが、その具体
的な金額については認可申請を待って判
断されることになる。

意見26 加入者回線の長期増分費用モデルの算定は、1光ファイ
   バとメタルの分計を行う、2加入者回線のコストは都道府
   県ごとに算定する、3圧縮記帳を前提とした算定を行い、
   圧縮記帳額に対応する金利負担を控除する、こととすべき
   。
351 光ファイバとメタルの分計を行い算定すべき
   加入者回線の資産及び費用を光ファイバとメタルに明確に分計し
  て、光ファイバのみを利用するサービス、メタルのみを利用するサ
  ービス、光とメタルの両方を利用するサービスに直課して、接続料
  を算定すべきです。特に、ドライカッパや電話重畳は、光ファイバ
  やき線点RTを利用しないため、メタルの費用だけが直課されるべ
  きと考えます。
   万一、加入者回線に暫定的に実際原価方式が適用される場合でも
  、現在の実際原価方式では、光ファイバとメタルが分計されていま
  せんが、指定電気通信設備接続会計第四条第二項「設備区分におい
  て直接に発生する費用を正確に把握するよう努めること」に基づき
  、正確に分計すべきと考えます。
   なお、下記の郵政省の答申の考え方12でも、光ファイバとメタ
  ルの分計は指摘されています。
   「加入者回線等のアンバンドルに係る電気通信事業法施行規則及
  び指定電気通信設備の接続料に関する原価算定規則の一部改正」(
  郵政省2000年8月31日)
   http://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/00083
  1j608.html
「考え方12
  端末回線伝送機能はメタルと光ファイバとでは接続事業者の用途も
 多く異なり、費用も異なることから、その接続料は別々に定めること
 が適当と考えられる。
  その具体的な原価算定に当たって用いる費用の分計については、今
 秋より検討が行われる予定の長期増分費用モデルの改定作業において
 検討がなされるべきである。」
  2 加入者回線のコストの地域格差を反映して、都道府県ごとに算定
   すべき
   加入者回線のコストは線路亘長や管路・とう道の利用価格などに
  より、地域格差が発生することから、都道府県ごとに算定すべきと
  考えます。
   万一、加入者回線に暫定的に実際原価方式が適用される場合でも
  、管路やとう道については現行のNTT接続約款で都道府県ごとの
  料金が記載されているのですから、加入者回線のアンバンドル料金
  にも当然都道府県ごとの料金が反映されるべきです。
  3 圧縮記帳を前提とした算定を行い、圧縮記帳額に対応する金利負
   担を控除すべき
   現在NTT地域会社が行っている施設設置負担金制度は早急に廃
  止すべきです。加入者にこのような一時負担をさせていること自体
  が日本の電話料金やインターネット料金の高止まりの原因となって
  おり、インターネット普及において日本が他国に遅れている原因と
  なっています。もし、施設設置負担金の廃止がNTT地域会社の都
  合で不可能であるというのなら、NTT地域会社が加入者から72,
  000円の施設設置負担金を徴収し続けている間は、実際会計と同様
  に加入者回線部分の取得価額において圧縮記帳を前提とした算定を
  行い、圧縮記帳額に対応する金利負担を控除すべきと考えます。
   万一、加入者回線に暫定的に実際原価方式が適用される場合でも
  、圧縮記帳額を公表し、対応する金利負担は控除すべきです。
  (イー・アクセス)
 
考え方26
 
 
 
 
 
 (1)の光ファイバとメタルの分計を行い
算定することについては、電気通信審議
会答申(平成12年8月31日郵通議第
3076号)にあるとおり、端末回線伝
送機能はメタルと光ファイバとでは接続
事業者の用途も異なることから、費用も
異なると考えられる。その接続料は別々
に定めることが適当と考えられる。
 (2)の加入者回線のコストの地域間格差
を反映させてこれを都道府県ごとに算定
することについては、電気通信審議会答
申(平成12年2月18日郵通議第11
1号)にあるとおり、利用者料金の地域
間格差につながる可能性のある料金設定
になるので、当面慎重な考慮を要すると
考えられる。
 (3)の圧縮記帳を前提とした算定を行い
、圧縮記帳額に対応する金利負担を控除
することについては、接続会計において
も施設設置負担金に関する圧縮記帳が行
われており、これに基づいて算定される
接続料についてもこれが前提となる。

別表第一の一関連
意見・質問
考え方

意見27 き線点RTのコストは、光ファイバーベースによる専用線
   役務のコストの中で、かなりの部分を回収すべき。
36 き線点RT(ファルコン)のコストは、専用線役務の提供を容易にする
 ための光ファイバー化としての局面を持つため、光ファイバーベース
 による専用線役務のコストの中で、むしろかなりの部分を回収するべ
 き。
  (筒井)
 
考え方27
 
 
 モデルにおいては、き線点RTのコス
トは、音声伝送役務に係る回線数と専用
線役務に係る回線数に基づいて按分して
求めており、適正であると考えられる。

別表第二の一関連
意見・質問
考え方

意見28 (き線点遠隔収容装置の投資額の算定方法のうち、き線
   点〜局間伝送路経路の選択について)各加入者の架空線路
   長は、加入者の遠近の寄らずに各線路の電柱の本数×35m
   とすべき。
37 各加入者の架空線路長は、加入者の遠近の寄らずに各線路の電柱の
 本数×35mとする。                                
  (筒井)
 
考え方28
 
 
 
 
 現実のネットワークにおける電柱の配
置は、必ずしも効率的であるとは言えな
いことから、各加入者の架空線路長を電
柱の本数×35mとした場合、線路長を過
大に算定することとなる。
 モデルでは、現実の電柱の配置に捉わ
れることなく、き線点と局間の距離から
最も効率的に架空線路長を決めた上で、
最も効率的に電柱を配置した場合の電柱
本数を算定することとしている。

別表第二の二関連
意見・質問
考え方

意見29 (各都道府県ごとの土地単価時点補正係数を削除し)地
   価、地代、賃料については公示地価をもって参照すべき。
38 地価、地代、賃料については公示地価をもって参照する。        
  (筒井)
 
考え方29
 
 
 公示地価は、サンプル調査の結果であ
り、殆どの局舎については公示地価デー
タが存在しないことから、モデルで使用
することはできない。
 モデルでは、平成6年度の固定資産評
価額を土地単価時価補正係数により時価
換算し、補正係数を用いて最新の数値に
している。

別表第三関連
意見・質問
考え方

意見30 モデルで算出しているすべての資産項目について、明細
   を作成すべき。
39 固定資産明細表および固定資産帰属明細表に、長期増分費用方式の
 適用外となった機能(端末回線伝送等)に区分された資産が記載され
 ておりません。しかしながら、長期増分費用モデルでは、適用外とな
 った機能についても投資額等を算定した上で各設備への費用配賦を行
 っております。したがって、投資額全体・費用配賦の適正性を担保す
 るため、モデルで算出しているすべての資産項目について、明細を作
 成すべきと考えます。
   具体的項目:メタルケーブル、公衆電話端末、接続案内台、NP
    S、APC、NSP,NSSP、番号案内DB 等           
  (JT)
 
考え方30
 
 
 接続料規則第6条に基づき通知される
手順においては、長期増分費用方式の適
用対象外の資産についても計算を行った
上で費用配賦を行うこととすることが予
定されており、投資額全体、費用配賦の
適正性はその中で担保されることになる
。
 本省令案の別表第五では、長期増分費
用方式を適用する機能に係る指定設備管
理運営費の算定の適正性を担保する観点
から、長期増分費用方式を適用する機能
に係る対象設備等についての資産を整理
することとしている。

別表第五関連
意見・質問
考え方

意見31 モデルで算出しているすべての設備項目について、明細
   を作成すべき。
40 モデルで算出しているすべての設備項目について、明細を作成すべ
 きと考えます。                                  
  (JT)
 
考え方31
 
 
 接続料規則第6条に基づき通知される
手順においては、長期増分費用方式の適
用対象外の資産についても計算を行った
上で費用配賦を行うこととすることが予
定されており、投資額全体、費用配賦の
適正性はその中で担保されることになる
。
 本省令案の別表第五では、長期増分費
用方式を適用する機能に係る指定設備管
理運営費の算定の適正性を担保する観点
から、長期増分費用方式を適用する機能
に係る対象設備等についての資産を整理
することとしている。

別表第六様式第二第1表関連
意見・質問
考え方

意見32 割引項目の回線数、フレッツアイの回線数を記載すべき
   。
41 割引項目の回線数、フレッツアイの回線数を記載すべき。        
  (筒井)
 
考え方32
 
 
 本表では、モデルを用いて接続料原価
を算定するために必要な回線数を記録す
ることとしており、割引項目の回線数や
フレッツISDNの回線数が必要とは考
えられない。

別表第六様式第二第2表関連
意見・質問
考え方

意見33 割引項目の回線数、フレッツアイの回線数を記載すべき
   。
42 割引項目の回線数、フレッツアイの回線数を記載すべき。        
 (筒井)


 
考え方33
 
 
 本表では、モデルを用いて接続料原価

を算定するために必要な回線数を記録す
ることとしており、割引項目の回線数や
フレッツISDNの回線数が必要とは考
えられない。


別紙 2

 接続料規則修正部分

新規追加条文(この条の追加により附則第五条〜第十五条は附則第六条〜第十六条に条ずれ)
 附 則                                         
 (中央省庁等改革のための郵政省関係省令の整備に関する省令の一部改正)          
第五条 中央省庁等改革のための郵政省令の整備に関する省令の一部を次のように改正する。   
 第百十六条を次のように改める。                             
 第百十六条 削除                                    
 本則の次に次の一条を加える。                              
 第百三十七条 接続料規則(平成十二年郵政省令第   号)の一部を次のように改正する。  
  本則(第二条を除く。)中「郵政大臣」を「総務大臣」に、「郵政省令」を「総務省令」に改める。
  附則第六条、附則第七条、附則第八条及び附則第十六条中「郵政大臣」を「総務大臣」に改める。 
  別表第七及び別表第八中「郵政省令」を「総務省令」に改める。                

正誤表
条番号
第五条  
・・・・六の項(中継伝送共用機能に限る。)及び八の
項の機能とする。           
・・・・六の項(中継伝送共用機能に限る。)、八の項
及び九の項の機能とする。      
附則第六条
第四項  
・・・・「当該通知から六十日以上九十日を超えない期
を経過した日として・・・・         
・・・・「当該通知から六十日以上を経過した日として
・・・・
附則第七条
・・・・郵政大臣の許可を受けて、前条第二項の規定に
基づいて申請する・・・・           
・・・・郵政大臣の許可を受けて、次条第二項の規定に
基づいて申請する・・・・           
附則第八条
第一項  
・・・・郵政大臣の許可を受けて、附則第六条第二項の
規定に基づいて申請し、・・・・        
・・・・郵政大臣の許可を受けて、次項の規定に基づい
て申請し、・・・・              
附則第十条
事業者は、事業者が附則第六条第二項の規定に・・・・
事業者は、事業者が附則第五条第二項の規定に・・・・



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