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発表日  : 1999年 1月 5日(火)

タイトル : 料金変更命令に係る聴聞の開催





 郵政省は、本日、電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「法」とい
う。)第31条第1項の規定に基づき平成10年(1998年)11月24日付け
でエヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社ほか8社(グループ全9社。以下「NTT
ドコモ」という。)が届け出た「複数回線複合割引」に係る料金に関し、法第31
条第2項の規定に基づき料金の変更を命ずるに当たり、法第95条第1項の規定に
基づきNTTドコモを当事者とする聴聞を下記のとおり行うこととしました。
 本件聴聞に係る事案の要旨等については、別添のとおり郵政省聴聞規則(平成6
年郵政省令第66号)第4条第2項の規定に基づき掲示を行ったところですが、本
件料金変更命令につき、利害関係を有するものと認めれられる者は、聴聞に関する
手続に参加することを求めることができます。

                  記

  聴聞の期日
  平成11年(1999年)1月20日(水)14時から


                           郵電業第180号の4
                            平成11年1月5日
                                     
                                     
                                     
                                     
            郵政大臣   野 田 聖 子            
                                     
                                     
                                     
                                     
            聴聞の開催について(掲示)            
                                     
                                     
                                     
 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第95条第1項の規定に基づき実 
施する標記聴聞を、別紙により開催いたしますので、郵政省聴聞規則(平成6年 
郵政省令第66号)第4条第2項の規定に基づき、掲示いたします。      
                                     
                                     
                                     
                                     
(別紙)                                 
                                     
1 事案の要旨                              
 電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「法」という。)第31条第 
1項の規定に基づき平成10年11月24日付けでエヌ・ティ・ティ移動通信網 
株式会社ほか8社(グループ全9社。以下「NTTドコモ」という。)が、「複 
数回線複合割引」に係る料金を届け出たところ、株式会社ディーディーアイ東京 
ポケット電話ほか8社、株式会社ツーカーセルラー東京ほか2社、株式会社アス 
テル東京ほか9社、株式会社デジタルツーカー九州ほか5社、株式会社東京デジ 
タルホンほか2社及び第二電電株式会社ほか8社が、法第96条の2第1項に基 
づき郵政大臣に対して、法第31条第2項に基づく料金の変更を命ずることを求 
める意見の申出があった。                         
 これについて調査を行った結果、当該料金は、主回線及び副回線の基本料をそ 
れぞれ5%及び15%割り引くものであるが、副回線の割引率は、長期契約割引 
相当分を含むものとしているにもかかわらず、契約期間によらず一律に割り引く 
ことには合理性がないことから、当該複数回線複合割引の利用者に対し不当な差 
別的取扱いをするものであり、法第31条第2項第2号に該当すると判断したた 
め、同項に基づく料金の変更を命ずるに当たり、当該料金変更命令の名あて人と 
なるNTTドコモを当事者とする聴聞を行うこととしたものである。      
                                     
2 聴聞の期日及び場所                          
  平成11年1月20日(水) 14時から                
  郵政省第三特別会議室                         
3 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地            
  郵政省電気通信局電気通信事業部業務課                 
  東京都千代田区霞ヶ関1−3−2                    
                                     
4 聴聞に関する手続に係る主宰者の氏名及び職名              
  氏名 齋藤忠夫                            
  職名 電気通信審議会電気通信事業部会長                
                                     
5 聴聞への参加手続                           
  当該聴聞に参加することを希望する関係人は、聴聞の期日の1週間前まで  
 に、郵政省聴聞規則(平成6年郵政省令第66号)様式第1の書面を主宰者に 
 提出し、主宰者から当該聴聞に関する手続に参加することを許可された場合  
 (聴聞への参加の許可については、主宰者からその旨を通知する。)には、当 
 該聴聞に参加人として参加することができる。               
 なお、主宰者は、必要があると認めるときは、当該不利益処分の根拠となる法 
 令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有する者と認められる関係人に対 
 し、当該聴聞に関する手続に参加することを求めることがある。       
                                     
6 聴聞の公開・非公開の別                        
  非公開とする。                            
                                     
                                     
                 郵政省


                 連絡先:電気通信局電気通信事業部業務課
                 担 当:岡崎課長補佐、蒲生係長(料金制度)
                     藤江課長補佐、藤岡係長(移動通信)
                 電 話:03−3504−4830


       NTTドコモの携帯電話・PHS複合割引サービス
            (ファミリー割引)について


1 ドコモの料金

 11月24日、NTTドコモより、家族等(同一名義の契約者)が携帯電話とP
HSを複数(5台まで)契約する場合、以下の割引を行うという料金の届出(12
月1日より実施中)があった。
主回線(1台目)につき基本料の5%割引+長期契約割引
副回線(2台目以降)につき基本料の15%割引    
・ 主回線は携帯電話のみ、副回線は携帯電話又はPHS
・ 長期契約割引率は、次のとおり
      携帯電話     
       PHS      
1年超〜2年以下
    7%
6月超〜1年以下
  100円 
2年超〜3年以下
    8%
1年超〜3年以下
  200円 
3年超〜4年以下
   10%
3年超     
  300円 
4年超〜5年以下
   12%
5年超     
   15%
・ 基本料(月額)は、携帯電話が4,600円、PHSが2,700円

2 意見申出(DDIポケット等、携帯・PHS事業者)

 11月27日以降、DDIポケット等40社から、以下の理由に該当するおそれ
があること等から、電気通信事業法に基づく料金変更命令を出すべきとの意見申出
があった。

(1) 市場支配力の濫用
  市場支配力を有し、携帯電話とPHSを兼営するドコモにしか提供できない 
 サービスであること。
(2) 差別的な料金
  PHS利用者の中で、携帯電話と合わせてPHSを利用する者だけを優遇する
 差別的料金であること。
(3) 内部相互補助
  携帯電話とPHSとの間で、不当な内部相互補助が行われること。

(注)加入者数のシェア(平成10年10月末現在)
        
ドコモ  
NCC  
備考         
携帯・自動車電話
57.0%
43.0%
           
PHS     
25.6%
74.4%
DDIポケットは57.9%

3 郵政省の考え方

 本件意見申出につき検討した結果は、次のとおりである。

(1) 市場支配力の濫用
 ・ ドコモは、シェア、技術力、資金力等において、卓越した地位にあり、携 
  帯・PHSを兼営する唯一の事業者である。
 ・ 他の事業者が、ドコモと提携し、又は、他の事業者同士で提携し、同様の複
  合割引サービスを提供することは、必ずしも容易でない。
 ・ 他方、ドコモの料金やこの割引サービスが市場価格に比べ著しく有利とは言
  えない。
 ・ したがって、現時点で「不当競争」を引き起こす料金とは断定できないが、
  本サービスの市場に及ぼす影響等につき注視していくこととする。

(2) 差別的料金
 ・ ドコモは、本サービスの割引の根拠として、
  1) 複数契約の一括処理による事務コスト削減
   (携帯:約5%、PHS:約7%)
  2) 長期契約等に伴う営業費、貸倒れコスト削減
   (携帯:約10%、PHS:約8%)
  としている。
 ・ しかしながら、副回線について、長期契約割引相当分を含めて契約期間にか
  かわらず一律15%割引くことには合理性がなく、ドコモの携帯・PHS利用
  者のうち本サービスを利用する者を不当に優遇するものである。
 ・ したがって、この点を是正するよう求めることとする。

(3) 内部相互補助
 ・ ドコモがPHSを譲り受ける条件として、会計分離と分離された会計に基づ
  く料金設定を求めており、不当な内部相互補助はチェックできる仕組みとなっ
  ている。
 ・ 本料金についても、携帯電話・PHSそれぞれの会計に基づいて算定されて
  おり、不当な内部相互補助は行われていない。


                                (参考1)


電気通信事業法第31条第2項

 郵政大臣は、…届け出た料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、
第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該料金を変更すべきことを命
ずることができる。
一 料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていないとき。
二 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
三 他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり、その他社会
 的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、利用者の利益を阻害するもの
 であるとき。


                                (参考2)
            PHS、携帯電話の市場価格等

1 PHSサービスの市場価格
(参考) PHSの料金比較<標準プランの場合>
  内 容  
   ドコモ  
   ポケット  
    アステル(**)   
基本使用料 
  2,700円  
   2,700円   
   2,400円〜2,700円  
通 
話 
料 
(*)
区域内 
    
   40円  
        
    40円  
         
    30円〜40円  
(***)          
最遠距離
    
  140円  
        
  130円   
         
   30円〜130円  
(***)          
  
  
  
割 
引 
  
  
長期契約
    
    
    
基本料の100円〜
300円引(約3.7%
        
〜約11%割引)  
基本料の5%〜10%引
         
         
         
・通話料の100円〜300円引 
 +通話料の2,000円超分の 
 5%〜10%引        
・基本料の3%〜10%引 等  
複数回線
    
    
   なし   
        
        
200円/回線(約7.4%
割引)      
         
・2回線目以降1,000円引(約 
 37%割引)+同一名義相互間
 通話料の20%引 等    
 *  通話料は平日昼間3分間
 **  アステルの基本使用料、通話料及び割引は会社により内容が異なる。
 *** アステルの通話料は接続型の自網内P→P間の場合を含む。

 2 組み合わせ料金の市場価格
 (参考)複数回線所有時のユーザー料金の比較<初年度基本料>
      
所有回線数 
ドコモの複合割引サービス   
他社の現行割引サービスの組合せ
 携帯電話 
 P H S 
合  計
 携帯電話 
P H S
合  計
2回線
   
所有 
携帯1
   
PHS 1
 4,600円の
 5%引き  
 2,700円の
 15%引き 
    
    
 6,665円
* 4,500円の 
 500円引き 
割引なし
    
    
    
 6,700円
 4,370円 
 2,295円 
 4,000円  
 2,700円
   
   
3回線
   
   
   
所有 
   
   
   
   
携帯1
   
PHS 2
   
   
 4,600円の
 5%引き  
 2,700円の
15%引き×2
    
    
 8,960円
* 4,500円の 
 500円引き 
***   
    
    
    
 8,400円
 4,370円 
 4,590円 
 4,000円  
 4,400円
     
  同  
     
 上   
    
    
 8,960円
* 4,500円の 
 500円引き 
****  
    
    
    
 9,000円
 4,370円 
 4,590円 
 4,000円  
 5,000円
携帯2
   
   
PHS 1
4,600円の 
5%&15%引き
     
 2,700円の
 15%引き 
     
    
    
    
10,575円
**4,500円 + 
4,500円×  
0.5     
割引なし
    
    
    
    
    
 9,450円
 8,280円 
 2,295円 
 6,750円  
 2,700円
 *  (株)ツーカーセルラー東海のサービス  ** (株)東京デジタルホンの
                            サービス
 *** (株)アステル東京のサービス( 2,700円 + 2,700円の1,000円引き)
 **** DDI東京ポケット電話(株)のサービス( 2,700円の200円引き × 2件)



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