平成元年版 通信白書

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第1章 昭和63年通信の現況

(3)郵便の動向

 ア 郵便物数の動向
 63年度の年賀郵便及び選挙郵便を除く郵便物数(平常信)は,62年度(対前年度比7.7%増)に引き続き好調に推移し,172億1千万通(個),対前年度比8.4%増と大幅に増加した。また,63年度の総物数は,200億通(個)の大台を超えたものの,対前年度比4.6%増と62年度の前年度に対する伸び率(7.1%)を下回った。これは,昭和天皇の御病状の推移に伴い,年賀郵便が前年度の取扱通数に比ぺ,3億7千万通減少したのが主な要因である(第1-2-23図参照)。
 一方,63年度の小包郵便物は,ふるさと小包の需要増等により,2億4千万個で,前年度に比ぺ20.1%増加している。また,広告郵便物(商品の広告等,同一内容で大量に作成された印刷物を内容とする郵便物)については,62年10月のサービス開始以来,好調に増加しており,63年度の通数は,13億通となっている。63年10月から6か月間では,対前年同期比35.5%増の7億5千万通と急増している。
 イ 多様化する郵便サービス
 (不在持戻り郵便物の受取方法の改善)利用者のライフスタイルの多様化に即した郵便サービスの改善の一環として,不在の場合,郵便局に持ち戻っている郵便物を,希望により利用者の勤務先又は指定する郵便局へ配達するサービスを63年10月から全国一斉に開始した。また,不在のため郵便局にと持戻り保管している小包郵便物については,受取人の指定したコンビニエンス・ストアで交付するサービスを,63年11月から東京都世田谷区,武蔵野市及び小平市で,63年12月から神奈川県川崎市高津区,宮前区及び埼玉県所沢市で開始し
 (寒中見舞用郵便葉書の発行)
 バラエティーに富み,季節に応じた郵便葉書の一つとして,さくらめーる,かもめーるに引き続き,寒中見舞用郵便葉書を,平成元年1月から発行した。
 (シール切手の発売)
 我が国で初めてのシール式切手を収めたゆうペーン(郵便切手帳)を,平成元年3月1日から全国で,試行販売した。
 (ふみカードの発行)
 カード社会の到来に伴い,カードで郵便切手や郵便葉書等の購入ができるように,平成元年4月1日から,東京都区,政令指定都市及び郵トピア構想モデル都市において「ふみカード」(プリペイドカード)の発行を開始した。
 (小包郵便サービスの改善)
 63年11月から,利用者の利便性を考え,小包郵便物の取扱い重量の制限を10キログラムから12キログラムまで拡大した。
 なお,料金については10キログラムまでに比べ割安な料金を設定している。
 ウ 郵便サービスの地域社会への貢献
 (住民票等の郵送サービス)
 住民票等の郵送サービスは,郵便局の窓口に住民票,戸籍謄本・抄本の申請を行うための専用の申込用紙及び封筒を用意しておき,郵送による住民票等の申請・交付を行うことにより,住民の利便向上を図るサービスである。
 62年4月に郵トピア構想モデル都市である千葉県佐倉市で実施して以来,地方公共団体との連携の下に全国に拡大中で,63年度末現在,約70の市町村(約930の郵便局)で実施している。
 (地方切手の発行)
 平成元年度から地方の活性化を図り,地域に密着した郵便サービスを提供するため,全国各地の名所,行事,風物等を題材とした地方色豊かな切手を発行し,それぞれの地方で販売することとしている。
 地方切手の最初のものとして,長野県の「お猿の温泉」を題材とした切手を長野県及び新潟県において,また,山形県の「さくらんぼ」を題材とした切手を東北地方の各県において,それぞれ平成元年4月から販売している。

第1-2-23図 引受郵便物数の推移

地方切手

 

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