平成元年版 通信白書

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第1章 昭和63年通信の現況

(3)スペース・ケーブルネット構想による映像ソフトの供給

 我が国のCATV施設は,従来,テレビジョン放送の再送信を目的としたものが大半であったが,自主放送も併せて行うCATV施設の増加,都市型CATV施設の開局等により,CATV施設における映像ソフトの需要が急激に増大している。
 スペース・ケーブルネット構想は,これらCATV施設に対し,通信衛星を利用して,映像情報を迅速かつ大量に提供するものである(第1-4-8図参照)。
 CATV事業者に対する映像ソフトの供給は,現在,パッケージ輸送により行われているため,輸送時間がかかり,遠隔地レこおいては輸送コストも割高となっている。スペース・ケーブルネットによる番組供給は,ニュース,天気予報などの情報を全国に向けて即座に伝送できることに加えて,映画,教育,教養等数チャンネルにのぼる大量の映像情報を送ることができ,我が国のCATVの発展にとって非常に効果的である。
 63年5月に提出された「スペース・ケーブルネット推進懇談会」の報告書では,スペース・ケーブルネットの円滑な普及のためにはCATVの整備を促進する必要があること,通信衛星の共同利用等により番組供給コストを引き下げる必要があること等が指摘されている。
 本構想の実現のため,CATV事業及びCATV番組提供事業に対しては,長期低利融資制度及び無利子融資制度の適用や税制面での優遇措置が認められている。平成元年度においては,これらに加え,通信衛星を共同利用して番組を供給するための,CATV共同番組センターに対する日本開発銀行からの出資等が認められた。
 平成元年2月現在,10を超えるCATV番組供給事業者が,民間通信衛星を利用して,各地のCATV施設に映像ソフトを提供する予定である。
 郵政省では,スペース・ケーブルネット構想をさらに推進し,我が国のCATV施設を地域の情報通信基盤施設として一層発展させることとしている。

 

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