平成元年版 通信白書

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第2章 重層情報社会の形成と通信

2 世界規模の情報圏と情報通信

 (1)世界規模の情報圏の進展

 国際通信についても国内通信同様,明治以来,国際郵便・国際電報が我が国の国際間における情報通信基盤の役割を担い,我が国における世界規模の情報圏の基礎を形成した。その後我が国の国際化の進展に伴い,世界規模の情報圏が形成されてきた。現在では,国際郵便,国際電報,国際電話等はほぼ全世界と通信が可能であり,国際放送については,南西アジア地域で受信状況が不安定なほかはほぼ全世界で聴取が可能である。また,国際間のテレビジョン放送の送受信については,24時間外国のニュース番組等の提供が行われるなど,国際間の情報伝達がより一層密になってきている。
 最近においては,世界規模の情報圏において情報通信の高度利活用が行われている。例えば大手銀行においては,専用線を用い東京,ニューヨーク,ロンドンを結ぶ三極あるいはこれに東南アジアを加えたネットワークを構築し,ファクシミリ,コンピュータ等により業務関係情報を伝送している。新聞に関しても,通信衛星を介した紙面の伝送が行われ海外においても国内と同様に情報が得られるなど,世界規模での情報交流が活発に行われている。
 このように,世界規模の情報圏はほぼ形成されてきたが,世界規模の情報圏においては,先進国と開発途上国に対する情報交流の差にみられるような地域的な情報交流の偏在等,今後解決すべき問題も数多くみられ,まだ十分な情報圏の形成には至っておらず,なお一層の充実が要請されている。

 

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