平成2年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第1章 平成元年通信の現況

(7)成層圏無線中継システム

 成層圏無線中継システムは、高度約20kmの成層圏に無線中継器などを搭載した無人の飛行体を長期間無着陸で滞空させ、これを無線中継基地として利用することにより、直径100km〜300km程度の地域をサービスエリアとして簡易な端末による安定した通信サービスの提供を実現しようとするものである(第1-4-5図参照)。
 また、このシステムは、太陽の観測及び地球環境の監視、不法無線局の高精度の探索等種々の分野に応用できるほか、高高度に位置するため広い範囲を低コストでカバーでき、山岳等の陰になる地域が少ないことから、地方都市や過疎地域での利用も期待されるなど、広範な社会的要請に応えうるものである。
 このため、郵政省では、元年9月から「成層圏無線中継システム研究会」を開催し、利用形態、要素技術、既存システム及び環境への影響などの事項について調査研究を行い、実用化の可能性の検討を行う。

第1-4-5図 成層圏無線中継システムの概念図

 

 

(6)航空機衝突防止装置(ACAS)の導入 に戻る (8)重要無線通信妨害対策について に進む