平成2年版 通信白書

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第1章 平成元年通信の現況

(3)電波利用技術の開発

 ア 周波数資源の開発
 将来ますます増大すると予測される電波に対する需要に対応して安定した周波数の割当てを可能とするためには、周波数資源の開発を推進していくことが重要である。
 このような状況の下、準マイクロ波帯(1〜3GHz)の利用技術の開発については、移動通信に利用するために必要な電波伝搬特性デ一夕の取得及びその評価・解明を行い、多大な成果を得た。この成果は、今後この周波数帯を使用するシステムの技術的条件を定めるための基礎的資料として、また、周波数利用計画を作成する場合の基礎デ一夕として反映されるものである。
 一方、ミリ波帯(30〜300GHz)の利用技術の開発については、元年5月に電気通信技術審議会から答申を受けている。
 同答申では、ミリ波帯においては西暦2000年までには多数のシステムが実現し、西暦2010年にはミリ波利用機器の市場規模は1兆円にもなるとされており、ミリ波利用環境の整備、技術開発の推進のための行政上の支援の必要性が提言されている。
 イ 移動体PCM音声放送の研究
 我が国における音声放送メデイアに対する高度化への期待並びに移動体に対する音声放送メデイアの技術進展に対応するため、郵政省では「移動体PCM音声放送研究会」を開催し、元年11月に第1回会合を実施した。
 本研究会では、自動車、船舶等の移動体に対して、現行FM放送を上回るコンパクトディスク相当の高品質な音声放送を行うシステムを開発するため、需要動向調査を実施し、システムの基本的要求条件、衛星系及び地上系のシステムイメージ等の検討を行うとともに、最適な周波数、変調方式、周波数共用技術、その他技術的条件の調査研究を行っていくこととしている。
 高度化する国民の需要に対応するとともに、先端的な放送技術の急速な国際的進展に対応し、主に世界無線通信主管庁会議や国際無線通信諮問委員会(CCIR)に本調査研究に基づく結果を提案するため、研究会の継続期間を約2年5か月とし、世界無線通信主管庁会議でUHF帯衛星音声放送の周波数の分配に関する論議が行われる4年までに結論を出す予定としている。

 

 

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