平成2年版 通信白書

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第2章 国際交流の進展と情報通信

(2)情報通信分野における我が国の国際交流

 ア 放送を通じた国際交流の促進我が国と諸外国との国際交流を促進し、友好関係を維持していくためには、先進国・開発途上国を問わず、諸外国との相互理解が不可欠であり、諸外国に対して我が国の正しい姿を紹介するとともに、我が国も諸外国の実情を正しく理解することが必要である。
 放送は、全世界に対して同時かつ即時に、しかも安価に情報提供を行うことが可能であり、特にテレビジョン放送等の映像メディアは、諸外国の我が国に対する理解、認識を深めるための情報提供手段として効果的である。
 このため、我が国をはじめ各国は、国際放送や番組交流を通じて、全世界に向けて国内事情、歴史、文化、芸術、風俗、自然等の紹介を行っており、国際交流及び相互理解の促進等に大きく貢献している。
 我が国の国際放送は、国際理解の増進や海外在留邦人への情報提供等を目的として、NHKが「ラジオ日本(RadioJapan)」の名称で、1989年度においては、21言語、1日延べ43時間、全世界に向けて短波放送により実施しており、今後ともその充実強化が望まれている。
 また、我が国の放送事業者の諸外国の放送事業者との放送番組の交流も盛んに行われている。例えば、NHKは、1988年度において、テレビ番組交流及びラジオ番組交流をそれぞれ32か国、48か国との間で行った。テレビ番組については、「ならシルクロード博」等の番組提供を30か国、33機関、1,465件にわたって実施、番組受入れを10か国、10機関、206件にわたって実施した。ラジオ番組については、番組提供を41か国、56機関、239件にわたって実施、クラシック音楽番組等の番組受入れを34か国、48機関、932件にわたって実施した。これらの番組交流は、相互理解の促進に貢献しており、さらに番組交流を進展させていくことが期待されている。
 イ 電気通信技術の研究開発における国際交流の促進
 電気通信は、世界共通の基盤であり、普遍的・国際的な性格から、その技術開発の面においても、積極的な交流を進めることが重要である。
 郵政省では、国際標準化のための活動への積極的な参加と寄与を行っているほか、二国間科学技術協力協定などに基づき、外国研究機関との国際共同研究、外国人研究者の招へいなどの国際研究交流を推進するとともに、将来の世界の電気通信の発展に資するため、「電気通信フロンティア研究開発」をはじめ基礎研究の充実に努めている。
 科学技術協力協定は、政府レベルでの研究協力の取決めであり、1990年3月末現在、14か国との間で締結されている。科学技術協力協定の下で活動中の通信関連の案件は、10か国47テーマに上り、諸外国との研究協力体制は強化される方向にある。
 また、宇宙開発の分野においても、米国NASA(航空宇宙局)やESA(欧州宇宙機関)との間で情報交換、共同研究等の交流が行われている。
 ウ 郵便を通じた国際交流の促進
 郵便は、国際間の情報流通・物流の手段として、また、国際文通の例に見られるように、国際間の人と人とのコミュニケーションの基礎的な手段として、国際交流に大きく貢献している。
 このため、郵政省では、国際郵便の利用促進を図るため、外国郵政庁との郵便情報ネットワークの構築、国際郵便追跡システムの構築等国際郵便ネットワークの整備を行っている。このほか、窓口表示の英語併記など外国人が利用しやすい郵便局づくり、郵トピア指定都市とその姉妹都市の郵便局間での姉妹郵便局の締結等、郵便局を通じての国際交流の促進を図っている。
 なお、1990年3月末現在、松山中央郵便局-米国カリフォルニア州サクラメント・メイン郵便局、沼津郵便局-米国ミシガン州カラマズー・メイン郵便局、新潟中央郵便局-中国ハルピン郵便局の間で姉妹郵便局締結が行われている。
 以上、国際交流の促進に向けてのこれまでの我が国の対応を概観したが、次に、現在我が国と密接な交流関係にあるアジア・太平洋地域、北米・EC等を中心に、情報通信分野における我が国の対応を見ることにする。

国際姉妹郵便局提携調印式の模様

 

 

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