平成2年版 通信白書

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第2章 国際交流の進展と情報通信

(2)国際間の情報通信基盤の整備のための課題

 国際交流の進展のためには、それぞれの国の国内情報通信基盤の整備に加え、衛星通信、海底ケーブル通信等の国際間の情報通信基盤の整備も重要である。
 そのための課題として次の点が挙げられる。
 ア 国際機関を通じた標準化の推進
 各国間にあらゆる情報を円滑に交流させるためには、各国における通信方式の標準化が必要である。
 国際電信電話諮問委員会(CCITT)及び国際無線通信諮問委員会(CCIR)等の国際機関においては通信の標準化のための勧告づくりが行われており、例えば、21世紀の基盤通信網として期待されているISDNに関する標準化はCCITTにおいて精力的に推進された結果、基本インタフェース及び1次群インタフェース等のISDNサービスを提供する上で必須の事項について勧告が定められている。
 今後は、超高速データ伝送、ハイビジョンなどの映像情報伝送を実現するために情報チャンネルの高速化を図った、広帯域ISDN等の標準化や開放型システム間相互接続(OSI)等の標準化を推進することが必要である。
 イ 国際郵便ネットワークの整備
 国際交流の進展に伴い、国際郵便においてもその取扱数は伸びを示している。
 国際郵便は、全世界を結ぶ物流ネットワークにより、国際間における通信及び小型物品輸送の基本的手段として重要な役割を果たしてきている。しかし、社会経済のグローバル化が進展している今日においては、利用者の二-ズが高度化・多様化しており、郵便物を安全・確実に送り届けるという機能に加えて、郵便物の追跡・配達確認をはじめ、電気通信ネットワークを利用した付加価値の高いサービスの提供が求められている。このため、外国郵政庁と協力して、現在の国際郵便ネットワークに電気通信ネットワークを付加した総合メールネットワークを構築する必要がある。
 また、国際郵便は、外国郵政庁の郵便ネットワークとの相互依存関係により成立している。しかしながら、開発途上国の郵便事業の状況はまだ改善の余地が多く、サービスの維持、向上を図るためには、開発途上国の郵便関係者を我が国に受け入れ、国際的な人材養成を図る必要がある。
 ウ 太平洋地域における回線の拡充
 現在、太平洋地域では、25の海底ケーブルとインテルサット及びインマルサット衛星により国際通信が行われているが、今後の通信需要の増大と多様化する利用者の二-ズに対応するため、海底ケーブルについては、日本海において2年5月に光ケーブル方式による香港〜日本〜韓国ケーブル(H-J-K)の運用が開始される予定となっている。また、太平洋においても第4太平洋横断ケーブル(TPC-4)、北太平洋ケーブル(NPC)等の光ケーブル方式による海底ケーブルの敷設が計画されている。
 今後とも引き続き、一層増大する通信需要に対応して信頼性が高く効率的な回線の拡充に努める必要がある。

 

 

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