平成3年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第2章 豊かな生活と情報通信

1 家庭生活における情報通信環境の進展

 家庭生活における情報ニーズは確実に高まっており、これに伴って家庭生活における情報通信環境も大きく進展している。
 家庭の情報通信環境の進展にかかわるこの10年間の情報通信分野における主なできごとは第2-1-1表のとおりである。その特徴は、電話、テレビ等に代表させると、おおむね次のようにとらえることができる。
 [1] より身近になった情報通信
 電話については、昭和60年の電気通信制度の改革以降、利用者は、誰から電話サービスの提供を受けるかを選べるようになった。また、従来は電電公社からのレンタルに限られ種類も限定されていた電話機についても各社が開発した多種多様な電話機の中から選べるようになった。これ以降、事業者の競争による通話料金の低廉化が進展し、また、様々な形態・機能を持った電話機が出現し、電話が一段と身近で利用しやすいものとなっている。利用方法については、かつては家庭において用件が済んだらできるだけ早く切るのが常識とされた。現在、電話は手軽に楽しむための道具でもある(第2-1-2図券照)。
 [2] 家庭向けの情報通信サービスの進展
 電話に関連した新しいサービスとして、元年に開始したダイヤルQ2が若い世代を中心に人気を博した一方、サービス提供の在り方について社会的に論議を呼んでいる。
 また、家庭向けの情報通信サービスについても昭和54年にはビデオテックス(キャプテン)の実験が開始され、また、パソコン通信などの普及が進んでいる(第2-1-3図参照)。
 特に最近では、従来の情報提供型のサービスのほかに、テレビショッピングやテレマーケティングといったダイレクトマーケティングの分野やホームバンキングサービスなど金融分野での活用も進んでいる。
 [3] 情報ニーズに対応した多様化等の動き
 昭和59年にNHKにより衛星放送が開始されて以来、衛星系の放送サービスが進展している。衛星系の放送サービスでは、NHKの衛星第1テレビジョンが24時間放送を行っており、また、地上系より画質や音質の良い放送サービスの提供が可能である。国際情勢の急速な変化やライフスタイルの多様化を背景にして、NHKの衛星第1テレビジョンは報道番組を、衛星第2テレビジョンは難視聴解消を行うとともに教育、教養、娯楽番組を中心に編成しており、2年に開始された民間放送事業者による衛星放送は娯楽を全面に押し出している(第2-1-4図参照)。
 番組内容の変化や放送時間の長時間化といった傾向は地上系においても同様であり、テレビ放送全体の中に占める報道番組の放送時間や1日当たりの放送時間はこの10年間で増加している(第2-1-5図参照)。
 さらに最近では、CATVの動向が注目されている。いわゆる都市型CATVの施設数の伸びは著しく、昭和58年度末にはわずか2件であった許可施設数が2年度末には102件になった。それだけ国民生活の変化に伴って地域における情報ニーズが多様化していると考えられる。
 以下では家庭生活における情報通信環境の進展をみていくこととする。

第2-1-1表 多様化する情報通信環境

第2-1-2図 電話料金の推移

第2-1-3図 パソコンネットワーク加入契約数の推移

第2-1-4図 NHK衛星放送の番組構成比率

第2-1-5図 番組構成比率及び放送時間の変化

 

第2章第1節 国民生活と情報通信 に戻る 第2章第1節1(1)指標にみる家庭生活の情報通信環境の進展 に進む