平成3年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第2章 豊かな生活と情報通信

(3)今後における課題

 情報通信の発展は、家庭生活や個人のライフスタイルの変化と深くかかわっている。しかしこれまで、情報通信サービス等を提供する側が一般の利用者の方を十分に向いていたとは言えない面がある。
 例えば、消費者の一般的な高級化志向等もあり、情報通信機器等の多機能化の進展は目覚ましいものがあるが、郵政省の調査によると、「最近の電話機等の家電機器は多機能になったが使いこなせない」と回答した者は、どちらかというとそう思う者も含め、男性で55.8%、女性で60.8%、全体では58.4%を占めている。このことから、今後は、提供者、消費者双方の意識の変化も必要になると考えられる。
 また、家庭における情報通信機器やネットワークも多様化している。電話、テレビ、CATV、キャプテン、ステレオ、ビデオ、あるいはファクシミリ等と、更に複雑なものとなることが予想され、それぞれの操作性の向上が望まれるとともに、ネットワークや接続形態における融合化の促進が必要であると考えられる。
 情報通信機器への親密性を、CD/ATMの利用状況等でみてみると、郵政省の調査では第2-1-53図のとおりとなっている。これによると、CD/ATMなどの普及により、簡易な操作方法を図示するようなものであれば、全体の約7割の者が利用できる状況になっている。また、女性の社会進出の影響もあって、ワープロを使える者は全体の約4割を占めるなど、キーボードに慣れた者も多くなっている。
 その他、情報化の進展により、新たな社会問題の発生の可能性も生じている。郵政省の調査によれば、将来不安である事項について、「プライバシーの侵害」81.3%、「コンピュータ犯罪」80.8%、「ネットワークの安全性」64.5%等の結果が得られており、このような点への配慮が今後ますます求められるものと考えられる。

第2-1-53図 金融機関窓口でのCD/ATM利用率等

 

(2)ライフスタイルの変化と情報通信 に戻る 第2章第2節 産業と情報通信 に進む