平成7年版 通信白書

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第1部 平成6年情報通信の現況

1 事業者数の動向


 この10年間の電気通信分野、放送分野における事業者の参入等の動向を振り返る。
 

(1)  電気通信分野


 電気通信分野においては、昭和60年の電気通信制度の改革により、新たな者が電気通信事業者として電気通信分野に参入できるようになり、現在では 2,000社以上の事業者が電気通信分野への参入を果している。
 ア 第一種電気通信事業者
 第一種電気通信事業者について、電気通信分野の自由化が導入された昭和60年4月には、NTT、KDDの2社であったが、昭和60年以降、新たに長距離系新事業者3社、地域系新事業者11社、国際系新事業者2社、衛星系新事業者2社、移動体新事業者82社が参入し、7年3月末現在の第一種電気通信事業者は、NTT、KDDを含め 111社と大幅に増加した(第1-4-2-1図参照) 。
 また、個別分野の参入状況を見ると、特に移動通信分野における新規事業者の参入が顕著である。このように移動通信分野での新規参入が多いのは、全国を複数ブロックに分けてサービス提供するという固有の事情もあるが、移動通信に対する需要の増大と、それに対する適切な制度改正等が背景にあると考えられる。昭和61年に技術基準が改正(大容量の自動車電話、文字表示等高度な機能を持った無線呼出しの導入等)され、昭和61年以降、無線呼出しサービスを提供する事業者が、少し遅れて携帯・自動車電話サービスを提供する事業者が新たに参入を始めた。また、6年にPHS事業化の方針が発表され、6年以降、PHSサービスを提供する事業者が新たに参入を始めた。
 イ 第二種電気通信事業者
 第二種電気通信事業者について、電気通信分野の自由化が導入された昭和60年4月には、特別第二種電気通信事業者として登録をした事業者は5社(注) 、一般第二種電気通信事業者として届出をした事業者は85社であったが、昭和60年以降、新たな事業者の活発な参入により、7年3月末現在には、第二種電気通信事業者のうち、特別第二種電気通信事業者として登録をした事業者は44社、一般第二種電気通信事業者として届出をした事業者は 2,063社と大幅に増加した(第1-4-2-2図参照) 。
 ウ 電気通信事業者の地域別動向
 第一種電気通信事業者及び第二種電気通信事業者の地域別の本社所在地について昭和60年度と6年度を比べると、全体として東京への集中が見受けられるものの、昭和60年度には東京に本社を置く事業者が全事業者の44.4%であったものが、6年度には31.7%となり、東京への一極集中は徐々に解消されている(第1-4-2-3図参照) 。
 また、昭和60年度と6年度を比べて事業者数の伸びが著しい地域は四国(27.1倍)、関東(17.4倍)、近畿(14.9倍)である。一方、伸びが小さい地域は信越( 5.5倍)、東京( 7.3倍)である。
 

(2)  放送分野


 放送分野においては、昭和60年以前から既に民間の事業者により放送が行われているが、その後の制度改正や技術開発等により新たな事業者が参入を果たしている。
 地上系放送事業者は、昭和60年4月にはNHK及び放送大学学園を含め 140社であったが、7年3月末現在では 205社となった。
 また、衛星系放送事業者のうち、放送衛星を利用した事業者は、2年度より民間放送事業者2社が参入している。さらに、通信衛星を利用した事業者は、2年度より民間放送事業者4社が参入し、7年3月末現在では16社となった。衛星系放送事業者が新たに参入した背景には、2年に放送衛星3号-a(BS-3a)、3年に放送衛星3号-b(BS-3b)が打ち上げられたことと、元年の放送法の改正により、通信衛星を利用する放送が可能となったことがある。
 また、都市型ケーブルテレビ事業者は、7年3月末現在では 163社と大幅に増加した(第1-4-2-4図参照) 。


第1-4-2-1図 第一種電気通信事業者の参入状況

第1-4-2-2図 第二種電気通信事業者の参入状況

第1-4-2-3図 電気通信事業者の地域別本社所在地の推移

第1-4-2-4図 放送事業者の参入状況
 

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