平成7年版 通信白書

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第2部 情報通信政策の動向

5 放送の国際化の展開


 郵政省は、社会経済活動の国際化が進展する中で、放送による情報の国際交流の促進を図るため、映像国際放送に関する次のような取組を行っている。
 

(1) 我が国からの映像国際放送の実現


 郵政省では、放送法及び関係政省令を改正し、NHKの業務に、委託協会国際放送業務(他の事業者に委託して、衛星により外国において受信されることを目的として、NHKの放送番組を放送させる業務)を追加するとともに、放送番組等の提供先として、外国有線放送事業者を追加した。また、同改正において、民間事業者については、受託内外放送(委託放送事業者の委託によって、衛星により国内及び外国において受信されることを目的とする放送)の実施を可能とした。
 本改正が6年12月に施行されたのを受け、NHKでは、7年4月から、欧米地域において委託協会国際放送業務を行う予定である。
 

(2) 外国からの映像国際放送の受信の円滑化


 いわゆる「国境を越えるテレビ」(注) については、「放送」サービスとして提供されるものの受信に関しては電波法違反の問題は生じないが、「通信」サービスとして提供されるものの受信に関しては、無線通信の傍受・漏えい等を禁じている電波法に抵触する疑義がある。
 このため、郵政省では、受信の円滑化を図る目的で、外国の衛星を使用したテレビジョン伝送のうち、「放送」に該当すると判断されるものを公表することとしている。
 

(3) 映像国際放送に関するアジア・太平洋地域における国際合意の形成


 アジア・太平洋地域における映像国際放送の円滑な実施のためには、同地域での国際合意が必要であるが、これに資するため、6年4月、東京において、APT主催の「APT衛星セミナー」が開催された。ここでは、映像国際放送に関するガイドラインの作成の必要性の合意、作成に当たっての留意事項の列挙、作成のための更なる検討のための会議を開催する等を内容とする勧告が採択された。
 これを受けて、郵政省は、7年3月、東京において、アジア・太平洋映像国際放送会議を開催した。会議には、21の国・地域から放送主管庁の代表が参加し、映像国際放送に関する原則、政府による措置、放送番組の準則を盛り込んだガイドラインが採択され、参加各国は、このガイドラインに従って適切な措置を講ずることについて合意した。

 

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