平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

2 ネットワーク化


 ネットワークを利用することにより、遠隔地との間で、迅速かつ効率的に情報の交換や共同作業を行ったり、各種のサービスを受けたりすることへのニーズが高まっており、これをネットワーク化へのニーズとして整理し、概観する。
 企業においては、LAN,WAN,EDI,CALS(注) 等の利用を進め、業務改革による効率化、高度化等を図るニーズが強くなっている。このニーズについては、個々の企業内のネットワーク化に始まり、企業間のネットワーク化へと進展しはじめている。また、企業間のネットワーク化も企業グループ間の垂直的統合や業界VANのような同業種間の水平的統合等の従来的なネットワーク化に加え、取引関係を中心にした異業種間のネットワーク化も行われるようになってきており、産業界全体の高度化へ寄与するものとして期待されている。
 また、前節の「労働時間短縮」「高齢者雇用・女性の社会進出の高まり」において見られた就業形態の多様化のニーズを支援する在宅勤務の実現のためのネットワークの活用、「大都市への過度の集中」を緩和する企業立地の分散化のための情報通信の高度利用等も期待されている。
 個人においては、家庭にいながらにして、ショッピングを楽しめるテレショッピングやネットワークを利用した高度で多様な在宅学習が期待されている。
 前節の「少子・高齢化の進展」でも見たように、高齢者世帯や一人暮らしの高齢者は増加しており、老後の健康や介護等に対して不安を感じている人は多い。総理府が7年1月に実施した「暮らしと情報通信に関する世論調査」において、今後利用したい情報通信サービスとして「在宅医療支援システム」が第1位(45.6% )にあがるなど、医療・福祉の分野では、在宅で福祉や医療サービスを受けられることへのニーズが高まっている(第3-2-2-1図 、第3-2-2-2表参照) 。
 また、「防災・安全の重視」でみたように、災害時のライフラインとしてのネットワーク整備の必要性が高まるとともに、ネットワークの社会・経済生活における重要性が増すに伴い、ネットワークの信頼性・セキュリティの確保が今まで以上に要求されている。
 さらに、「環境共生の重視」の面では、ネットワークを利用した在宅勤務等の情報通信を活用した省資源・省エネルギーへの貢献や地球的規模の環境監視等が期待されている。
 また、遠隔医療支援、遠隔学習、在宅勤務等の進展により、時間・距離の制約を克服して、過疎地、離島、半島、山村等条件不利地域において多様な就労環境、社会参加や文化に触れる機会が確保されることが期待されている。


第3-2-2-1図 今後利用したい情報通信サービス(複数回答)

第3-2-2-2表 情報通信の高度化がもたらす利点(複数回答)

(社)マルチメディア・タイトル制作者連盟によるインターネット利用についてのシンポジウム風景
 

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