平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

7 バーチャル化

 ネットワークの高度利用を進めることにより、興味や関心を共有する者同士が距離や時間の制約を超えて、ネットワーク中心の新たなタイプのコミュニティを形成したり、企業等が組織間や会社間において柔軟な協力関係を形成し、迅速かつ効率的に事業を展開したりすることへのニーズが現れ始めており、これをバーチャル化へのニーズとして整理し、概観する。
 個人においては、ネットワークを利用することにより、所属する地域や企業等の集団が中心となる従来型の交流の範囲を拡大し、距離や時間の制約を超えて、直接会うことが頻繁には難しい人との間でも、情報交換や交流を深めたいというニーズが現れてきている。このような傾向は、パソコン通信の電子会議やインターネットのニュースグループ等の利用の中に萌芽的に見られるとともに、パソコン通信のネットワーク上に架空の都市(バーチャルシティ)を作り、その中で架空の体験をするコミュニケーション型のゲームの利用等にも現れてきている。
 また、企業のレベルでは、職場を異にした人々が短期間のプロジェクトをネットワークを中心にして組織し遂行したり、オフィスを持たずにネットワークを活用して会社を運営したり、複数の企業の特定の機能をネットワークを介して統合し、事業を展開したりするなどのバーチャル・コーポレーションといわれる試みにより、迅速かつ効率的に事業を創始し、展開しようというニーズも現れてきている。
 このようなネットワーク中心のコミュニケーションを支援するために、より現実に近い臨場感あふれるコミュニケーションを実現するバーチャルリアリティ通信へのニーズも高まっている。

 

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