平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

4 エンタテイメント化

 娯楽分野における情報通信利用の実験や実用化例を紹介する。
 

(1)  ビデオ・オン・デマンドによる家庭への映画等の配信、ゲームソフトの配信の実験


 関西文化学術研究都市の新世代通信網パイロットモデル事業において、ビデオ・オン・デマンドによる各家庭への映画等の配信、ゲームソフトの配信の実験が行われている。
 6年7月から、約 250世帯のモニター家庭(6年12月現在、最終的には 300世帯程度を予定)を対象に、各家庭まで光ファイバを敷設した日本では初めてのビデオ・オン・デマンドの実験が始まった。
 このビデオ・オン・デマンド・サービスには、動画サービスと静止画サービスがある。動画サービスでは、映画やテレビ番組等が、静止画サービスでは、ショッピング・料理・時刻表等の生活情報や地域情報等が提供されており、見たいとき、必要なときに自宅で受信できる。
 また、6年11月からは50世帯のモニター家庭を対象にゲームソフト配信の実験を行っている。約30種類のゲームの中から、好きなときに好きなゲームを選択して楽しむことができる。さらに、7年7月頃からは通信カラオケサービスの実用化実験を開始し、各家庭から歌いたい曲目を選択し、直接受信できるようにする予定である。
 なお、7年1月には、新世代通信網パイロットモデル事業の利用状況(6年7月から同年12月まで)が取りまとめられた。それによると、ビデオ・オン・デマンドの利用は土曜日、日曜日が多く、アニメーションや話題作の映画の人気が高くなっている(第3-2-3-4図参照) 。
 

(2)  ケーブルテレビ網によるゲームソフトの配信システムの実用化


 最近のテレビゲームの普及で新しいゲームソフトを安く楽しみたいというニーズに応えるために、ケーブルテレビを用いてゲームソフトを配信するシステムが実用化されている。
 ケーブルテレビの加入者は、ケーブルテレビ専用受信機と市販のゲーム機を用いて画面に現れた指示に従い希望のゲームソフトを選択する。6年末現在、全国で22のケーブルテレビでこのサービスが行われているこのゲームソフト配信システムは、6年4月に、ケーブルテレビ協議会の技術委員会で技術資料が取りまとめられた。
 

(3)  統合デジタルカラオケの実験


 最近では、従来のパッケージ型のカラオケに代わり、ISDN回線や電話回線を利用した通信型カラオケが普及してきている。広帯域ISDN実用化実験の1つに、統合デジタルカラオケの実験があり、6年12月から行われている。
 現在の通信型カラオケは、曲データ、文字データを伝送し、それを端末側で蓄積し、その後、蓄積されていない曲のみがその都度伝送される。一方、画像データは、端末側のビデオディスクに蓄積されているものを使用するというのがほとんどである。これに対して、統合デジタルカラオケは、動画像圧縮方式であるMPEG-2を利用して動画像を圧縮し、広帯域ISDNを利用することにより、曲データ、文字データのみならず、動画像データを含めてリアルタイムで送信することが可能である。
 また、本システムでは、通信を利用して曲名や歌手名等による曲の検索を行うことができるので、端末側に曲目リスト等を用意する必要がなく、ペーパーレス化が図られる(第3-2-3-5図参照) 。


第3-2-3-4図 ビデオ・オン・デマウンドによる家庭への映画等の配信・ゲームソフトの配信のモニター宅内機器

第3-2-3-5図 統合デジタルカラオケの利用イメージ図
 

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