平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

3 デファクトスタンダード


 デファクトスタンダードは、公的標準化機関や民間の標準化推進組織による標準とは別に、市場での競争を通じてある業界内で優位化し、標準に準じた扱いを受けるようになった事実上の標準である。
 一般に、市場が拡大するとともに多くの企業が市場に参入し、競争は激しくなっいく。その結果、低価格化等によって、製品生産・販売だけではあまり利益が見込めなくなってしまう。そこで、企業は、こうした低価格化競争にさらされることなく莫大な利益を得ようと、デファクトスタンダードの確立を目指した企業活動を活発に展開することになる。こうした動きは、これまで情報通信等の分野において顕著に見れ、米国では、自社製品をデファクトスタンダードとすることに成功し、市場での確固たる地位を築いた企業も見受けられる。
 しかしながら、最近では自社製品を自らの力だけでデファクトスタンダードとするのではなく、フォーラム等を形成し、複数の企業を巻き込むことが一般化している。現在は、ビデオサーバ、セット・トップ・ボックス、携帯情報機器、通信用ソフトウェア等の分野が注目を集め、将来のデファクトスタンダードを目指した活動が活発化している。
 日本企業においても、こうしたデファクト戦略の一環として、米国のベンチャー企業と提携関係を持つケースが増えている。

 

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