平成7年版 通信白書

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第3部 マルチメディア化と情報通信市場の変革

2 RHCの動向

 

(1) 広帯域ネットワークの構築


 RHCは、情報通信のマルチメディア化を視野に入れ、また、光ファイバ敷設により良質なサービスを提供しているCAPへの対抗上、各社ともネットワークの高度化に取り組む計画を次々と発表しており、その概要は次のとおりである(第3-4-2-2表参照) 。
 

(2) ケーブルテレビ事業等への参入


  ア ケーブルテレビ事業者との提携
 RHCは、現行では、通信事業とケーブルテレビ事業の兼営禁止(クロスオーナーシップ規制)により、自社営業エリア内ではケーブルテレビ事業は提供できないが、次のとおり、エリア外のケーブルテレビ事業者の買収や、また、規制の緩和を見越した、全国規模のケーブルテレビ事業者への資本参加等の動きが活発である。ただし、ケーブルテレビ事業者に対する料金規制の動向等により、提携が撤回された例もある(第3-4-2-3表参照) 。
 また、RHC3社は、米国のケーブルテレビ事業者との提携等により、ケーブルテレビ事業の外資制限がない英国において、既に、ケーブルテレビサービスを提供済みであり、加入数でも上位を占めている状況にある。
  イ ビデオ・ダイヤルトーンの提供
 RHCは、1992年7月にFCCから出されたビデオ・ダイヤルトーン裁定を受けて、各社ともサービス提供に取り組んでおり、その概要は、次のとおりである。FCCから実験サービスや商用サービスの認可を受け、サービスが開始されつつある(第3-4-2-4表参照) 。
  ウ クロスオーナーシップ規制に対する訴訟
 あるRHCが1992年12月にバージニア州アレキサンドリア連邦地裁に提訴したことを発端に、RHC7社全てが、地元の連邦地裁に対し、クロスオーナーシップ規制は憲法違反との提訴を行っている。これに対し、最初に提訴した事業者が1993年8月に違憲判決を勝ち取ったのに続き、合計5社に対し同様の判決が下されている。
 また、地域通信事業者の3団体共同の提訴に対しても、1995年1月に同様の判決が下されている。
 

(3) 長距離通信事業への参入


 あるRHCは、1993年3月、自社の市内通信網を競争事業者に開放することと引換えに、長距離通信事業へ参入することを内容とする計画を発表した。同社は、また、1993年12月、司法省に対し、長距離・国際通信サービス提供のための特認申請を行っている。
 また、1994年7月、上記事業者とは別のRHC4社は共同で、MFJを所轄するワシントン連邦地裁に対し、MFJにおける長距離通信と機器製造への参入禁止の項目削除を求める申立てを行っている。
 なお、上記4社のうちの1社は、1994年8月、司法省に対し、長距離・国際通信サービス提供のための特認申請を行っている。
 

(4) 移動通信事業への参入


 各RHCは、傘下に携帯・自動車電話会社を所有しており、加入数において、上位10社中7社がRHC系である。
 RHC3社と、ある携帯・自動車電話会社は、1994年10月、PCS事業を行う会社等の合弁会社設立について発表し、設立された当該会社は同年12月のPCS免許の競争入札に応札している。また、上記3社とは別のRHC4社は、単独で応札しており、RHC7社全てがPCSへの参入を計画している。


第3-4-2-2表 RHCの広帯域ネットワーク構築計画

第3-4-2-3表 RHCとケーブルテレビ事業者との提携状況等

第3-4-2-4表 RHCによるビデオ・ダイヤルトーン提供計画
 

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