平成9年版 通信白書

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第1章 平成8年情報通信の現況

(3) 情報通信産業の成長の要因分析

 ここでは、情報通信産業の成長をもたらした要因について、他の産業と比較しながら分析する。
 各産業の成長を、1)全産業との生産性格差要因(全産業と比較した当該産業の生産性の上昇が成長に寄与した部分)、2)産業への労働力集中要因(就業構造の変化要因:全産業と比較した労働力の増加が成長に寄与した部分)及び3)経済成長要因(経済全体の成長による寄与部分)に分けて要因分解を行った(注11)。
 それによると、情報通信産業計においては、2年から7年にかけて全体で2.8%の成長を記録した。その要因を見ると経済成長要因は0.7%にとどまったものの、生産性格差要因が3.5%と経済成長要因の5倍の水準に当たる寄与を示した。一方、情報通信以外計では、同期間の成長率0.5%のうち、経済成長要因の寄与が0.7%と高く、労働力集中要因で0.1%の寄与を示している反面、生産性格差要因では-0.3%とマイナスの寄与となった。
 主要な製造業について同様に計測すると、鉄鋼、化学製品、電気機械、輸送機械とも労働力集中要因はマイナスの寄与となったが、電気機械では生産性格差要因が5.9%増と生産性の上昇が進んだため、全体として高い成長が実現している(第1-4-11図参照)。
 このように、情報通信産業は、他産業と比較して高い生産性を維持し、自らの効率化を図るとともに、他産業の生産の増大や雇用の創出に貢献しつつ、リーディング産業として成長してきたことが分かる。

第1-4-11図 各産業の成長の要因分析
第1-4-11図 各産業の成長の要因分析(1)
第1-4-11図 各産業の成長の要因分析(2)

 

 

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