平成9年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(5)電気通信番号の在り方に関する検討

 電気通信分野には多数の事業者の参入が見られており、提供されるサービスも多種・多様化してきている。このため、電話番号等の電気通信番号に求められる役割も、利用者の利便性の確保はもとより、事業者の公正な競争を図る観点からも、ますます重要となってきている。
 このような動向を踏まえ、郵政省では、8年3月から「平成7年度電気通信の番号に関する研究会」を開催し、多様なサービス展開に対応できる今後の電気通信番号の在り方についての検討を行ってきたが、8年6月、報告が取りまとめられた。その概要は、次のとおりである。
ア 携帯・自動車電話及びPHSについての番号容量拡大
 携帯・自動車電話等の加入者数の急激な増加により、今後サービス識別番号(先頭の0A0)の空間が急速にひっ迫することが予想されるため、1)現在1端末について距離別に二つのサービス識別番号を使い分ける2番号方式を、一つのサービス識別番号のみを用いる1番号方式に改める、2)電話番号の桁数を増やす、といった措置を講ずることにより、番号容量の拡大を図ることが必要である。
 この報告を受けて、郵政省では、8年7月、「事業用電気通信設備規則」を一部改正し、距離別(160km以上)の識別に用いていた040、090を廃止した。また、合わせて、携帯・自動車電話の需要増に対応するため、既存の030、080に加えて、新たに010を導入した。
 さらに、9年12月、携帯・自動車電話及びPHSの番号桁数の変更(10桁から11桁へ変更)及びサービス識別番号の変更(携帯・自動車電話は、010、030、080から090へ集約、PHSは、050から070へ変更)について、同規則を改正し、11年1月から実施することとした。
イ 国際移動衛星通信サービスの番号計画
 衛星を用いた移動通信システムである国際移動衛星システム(GMSS)については、日本においても数年後を目途にその提供が計画されている。国内網から既存国際網を経由せずにGMSSに接続する場合には、将来の拡張性を確保し、自由度の高い番号体系とするため、GMSSアクセス網に対し、その識別のための国際プレフィックス(国際通信事業者及びサービスを識別する番号:00XY)を個別に付与することが必要である。
ウ 新たな提供形態の固定電話サービスの番号計画
 長距離系事業者が、NTTや地域系NCCが提供する専用線を介して、一般利用者の端末を自らの交換機に直接収容し、固定電話サービスを提供するためには、端末を識別する
番号が必要である。
 この番号体系としては、利用者に分かりやすく、かつ、これまで広く利用者に定着してきた一般の固定電話と同じ体系を採用することが望ましい。

 

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