平成9年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(2)APTの動向

 APTは、アジア・太平洋地域の通信の開発促進及び域内の電気通信の整備・拡充を主たる目的とした政府間の国際機関である。
 APTは、域内の人材育成等のための活動を行っているほか、近年の世界的な潮流である電気通信分野における急速な変化への対応のため、今年度においては次のような会合が開催された。
ア 第1回ITU世界電気通信政策フォーラムのための準備会合
 8年6月、シンガポールにおいて、ITUの第1回世界電気通信政策フォーラムに向け、アジア・太平洋地域内における衛星携帯電話(GMPCS)に関する議論の場の提供と意見の集約を目的として、域内の規制当局、主管庁をはじめ電気通信事業者、GMPCSに係る事業者等が参加し、第1回ITU世界電気通信政策フォーラムのための準備会合が開催された。
 その結果、本会合の総意として、可能な限り迅速かつ真に地球規模でのGMPCSの利用を実現すべきであるとの宣言を採択したほか、世界電気通信政策フォーラムにおいてAPTとしての寄書を提出するとともに、域内のGMPCSに関する規制・政策問題につき定期的に意見交換を行う場を提供するため、議長国をシンガポールとして「衛星携帯電話サービスについてのAPT作業グループ」を設立することが決定された。
イ 第2回AII政策会合
 8年9月、タイのチェンマイにおいて第2回AII政策会合が開催された。
 本会合においては、我が国が議長となり作成した作業グループの報告書を基に、アジア・太平洋情報通信基盤(AII)の概念を「21世紀に向けた、域内の情報及び知識の効果的な流通、創造及び共有化を可能とする情報通信ネットワークと、その利用を促進するために必要な政策、技術、人材、その他の環境」とすることなどを含む、AIIについての共通認識が確立された。また、今後の政策会合は我が国を中心として進められていくこととなった。
ウ 第7回総会及び第20回管理委員会
 8年11月、マレイシアのクアラルンプールにおいて第7回総会及び第20回管理委員会が開催された。
 総会においては、電気通信分野の自由化、AIIの構築をはじめとする政策機能の強化といった今後3年間のAPTの活動方針が策定され、管理委員会においては本活動方針を受けての活動計画が審議され、「AII推進会合」の開催等が決定された。
エ 第2回標準化に関する協力会合
 9年2月、東京において域内における標準化協力の一層の強化を図ることを目的として、「第2回標準化に関する協力会合」が開催された。
 本会合においては、アジア・太平洋電気通信標準化機構の検討グループが設置されるとともに、本グループにおいて国際標準化への貢献の拡大を目指したエキスパートグループの設置が検討されることとなったほか、域内の標準化相互協力に向けた勧告が作成された。

 

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