平成9年版 通信白書

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第3章 放送革命の幕開け

(1)新しい放送の開始

 ア FM文字多重放送
 FM文字多重放送は、FM放送の電波に重畳し、文字、図形又は信号を送信する放送である。
 FM文字多重放送の機能を応用し、有料放送として、プリンタ内臓の専用端末に各種カードを差し込み、テレビ放送と連動したゲーム、クイズ番組、個人向けの情報等を提供する視聴者参加型のサービス(パパラジーコム)や、各種情報とCM等のオリジナルメッセージを組み合わせて電光掲示板に表示し、公共メッセージの告知板、販売促進用のツール、看板等としての利用を想定したサービス(パパラビジョン)も開始した。
 パパラジーコムは8年7月から、パパラビジョンは8年9月から(株)エフエム東京がサービスを開始し、全国FM放送協議会加入各社が実施を進めている。
 また、8年4月には、道路交通情報通信システム(VICS)が運用を開始した。
 イ 地上データ多重放送
 地上データ多重放送は、テレビジョン放送の電波のすき間にデジタル化された音声その他の音響、文字、図形及び映像の信号を重ねて伝送する放送である。文字・静止画によるニュース等の情報のほか、ソフトウェア等の各種データの提供を可能としている。現在、地上データ多重放送は、地上テレビ放送の垂直帰線消去期間(VBI)を利用する方式で行われている。
 地上データ多重放送と電話回線を利用して双方向機能を実現し、ニュース、天気情報、クイズ、株価情報等の独立番組とテレビ放送に連動して行う視聴者参加型の補完番組を提供するサービス(インターテキスト(ITビジョン))は、8年10月から(株)テレビ東京がサービスを開始した。
 また、地上データ多重放送を利用して、ニュース、スポーツ、気象・交通、ショッピング等の情報の中から、あらかじめ選択された利用価値の高い情報を、インターネットのホームページの形式で家庭等のパソコンに1日数回配信するサービスを、9年5月から、全国朝日放送(株)が開始する予定である。
 ウ 衛星データ多重放送
 衛星データ多重放送は、全国一斉に送信できる衛星放送の電波を用いて、パソコン、テレビ受信機、ファクシミリ等の端末に各種データを高速かつ安価に送信する放送である(第3-1-6図及び第3-1-7表参照)。
 衛星データ多重放送は、従来からゲームソフトの配信等に利用されている。衛星放送のデジタル化により、更に高速・大容量のデータ伝送が可能となる。

第3-1-6図 衛星データ放送のイメージ
第3-1-6図 衛星データ放送のイメージ

第3-1-7表 伝達時間の比較
第3-1-7表 伝達時間の比較

 

 

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