平成9年版 通信白書

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第3章 放送革命の幕開け

(2)外国企業による我が国放送事業への参入

 欧米におけるメディア企業は、世界各地における実績やノウハウを背景に、事業が開始されて間もないデジタル衛星放送事業やMSO(注18)事業に参入している。次では、外国事業者による我が国放送事業への参入の動向を紹介する。
 ア 衛星放送への参入
 現在、海外の二つの衛星プラットホーム事業者が日本における衛星デジタル放送事業を計画している。
 まず、米国でディレクTV等を実施している電子機器メーカーであるヒューズ社が我が国の音楽・映像ソフトの流通事業者であるカルチュアコンビニエンスクラブ社(CCC)や三菱商事とともに、ディレクTVジャパンを設立した。この事業では、現在、約100チャンネルの放送に関する顧客管理業務等が計画されている。
 また、英国でBSkyBを実施するなど、放送、新聞等各種メディア事業を経営するニューズ社は、ソフト流通事業等を経営するソフトバンク社とともに、JSkyBを設立した。JSkyBは、約150チャンネルの放送に関する顧客管理業務等を計画している。
 イ ケーブルテレビへの参入
 米国においては、複数のケーブルテレビ局を1社で管理するケーブルテレビ局統括運営会社(MSO)が多数存在し、集中購入や管理機能の一本化により、コストの削減を実現している。このMSOで全米で第1位、第2位の加入者数を得ているのが、TCIとタイム・ワーナー・ケーブルである。
 TCIは、7年1月、住友商事とともにジュピター・テレコムを設立しており、ジュピター・テレコムは、8年12月末現在19局のケーブルテレビ局を管理している。
 また、タイム・ワーナー・ケーブルの親会社であるタイム・ワーナーは、7年1月、伊藤忠商事、東芝、USウエストとともにタイタス・コミュニケーションズを設立した。タイタス・コミュニケーションズは、8年12月末現在四つの事業エリアで開局し、五つの事業エリアで開局を予定している。いずれのMSOも米国のMSOのノウハウを導入し、通信事業の兼業が特徴となっている。

 

 

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