平成9年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第3章 放送革命の幕開け

(2)視聴覚障害者の放送に対する需要

 7年12月、視聴覚障害者向け専門放送システムに関する調査研究会が視聴覚障害者を対象に行ったアンケート調査(注19)によると、視聴覚障害者の放送の視聴実態及び放送サービスに対する要望については次のとおりである。
 ア 放送の視聴実態
 (ア) 視覚障害者
 1日のテレビの視聴時間については、一般視聴者と比較するとやや少ないながらも、日常的にテレビを視聴している(第3-5-15図参照)。
 さらに、ニュース等の報道情報の主たる情報源としては、ラジオ又はテレビを挙げた回答者が最も多く、その割合は80%を超えている。このことから、視覚障害者においては、ラジオ及びテレビは日常生活に不可欠な情報メディアであることが分かる(第3-5-16図参照)。
 (イ) 聴覚障害者
 1日のテレビの視聴時間については、一般視聴者と比較するとやや少ないながらも、視覚障害者による利用を上回る結果となっている(第3-5-15図参照)。
 さらに、ニュース等の報道情報の主たる情報源としては、新聞を挙げた回答者が91.2%と最も多く、次いでテレビが83.1%と高くなっている。このことから、聴覚障害者においても、視覚障害者と同様にテレビが生活上不可欠な情報メディアとなっていることが分かる(第3-5-16図参照)。
 イ 放送サービスに対する要望
 (ア) 視覚障害者
 視覚障害者を対象に、現在の放送に対する要望等について調査したところ、情報が画面のみで表示されているなど、視覚障害者に対する配慮に欠けていることなどについて不満が出されたほか、解説放送をもっと充実してほしいことなどの指摘が多く寄せられた。
 また、将来的なサービスとして、新聞、雑誌の朗読等を行う視覚障害者向け専門ラジオ局及び点字放送サービスの利用意向について調査を行ったところ、専門ラジオ局については72.5%、点字放送サービスについては76.4%の回答者から利用意向が示された(第3-5-17図参照)。
 (イ) 聴覚障害者
 聴覚障害者を対象に、現在の放送に対する要望について調査したところ、字幕放送、手話放送の拡充を望む声が多かった。
 聴覚障害者を対象に、将来的なサービスとして、聴覚障害者向け専門テレビ局の利用意向について調査を行ったところ、91.5%の回答者から利用意向が示されている(第3-5-17図参照)。

第3-5-15図 視聴覚障害者と一般視聴者のテレビ視聴時間(平日)
第3-5-15図 視聴覚障害者と一般視聴者のテレビ視聴時間(平日)

第3-5-16図 視聴覚障害者の報道情報の主たる情報源
第3-5-16図 視聴覚障害者の報道情報の主たる情報源

第3-5-17図 放送サービスに対する要望
第3-5-17図 放送サービスに対する要望

 

第3章第5節3(1)視聴覚障害者向け放送の実施状況 に戻る 第3章第6節1(1)放送高度化ビジョンの策定 に進む