平成10年版 通信白書

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第1章 デジタルネットワーク社会の幕開け〜変わりゆくライフスタイル〜

第5節 デジタルネットワーク社会の実現に向けて

  1. 課題への対応

 これまで見てきたように、デジタルネットワークにより提供される多様なサービスを 普及させるためには、様々な課題があり、積極的な取組がなされている。

(1) 誰でもがネットワークサービスを利用することができる環境の整備

ア 情報通信インフラ整備
 加入者系光ファイバ網と放送インフラ(衛星放送、地上放送、ケーブルテレビ)のデジタル化を進める必要があるが、郵政省では、光ファイバ網の全国整備を2010年を念頭において早期に実施することを目標とし、2005年への前倒しに向け努力することとしている。また、全放送メディアのデジタル化についても2000年に実現することを目標に政策を推進している。
 また、デジタル化された有線系と無線系、移動系と固定系という各種ネットワークインフラをシームレスに接続する「トータルデジタルネットワーク」の構築についても、現在検討を行っているところである(第3章参照)(第1−5−1図参照)。
 さらには、こうしたトータルデジタルネットワークの普及を念頭におき、競争による通信料金の低廉化を図るため、料金規制の在り方について、インセンティブ規制の導入を行うこととしている(第3章参照)。

第1−5−1図 「トータルデジタルネットワーク」構築に資する各種ネットワークインフラの高速化(グラフ)
イ 公共分野への情報通信アプリケーションの導入
 教育、医療・福祉、行政等の公共分野に各種アプリケーションの導入を進める必要があるが、地方公共団体が、地域の特性を反映し、公共アプリケーションの開発・普及を主導し、郵政省は、先進的な公共アプリケーションの整備等を支援することとしている(第3章参照)。

ウ 情報リテラシーの向上
 第3節でも詳述したように、情報リテラシーの向上を図ることが必要であり、郵政省では、学校におけるインターネット活用の促進等、情報リテラシー向上のための施策を行うこととしている。

エ 端末のマンマシン・インターフェースの改善
 誰もが情報通信サービスの恩恵を享受するためには、情報リテラシーの向上とともに、使いやすく、安価な端末の普及が必要である。このため、郵政省では、 [1] 高齢者・障害者等を含む一般ユーザーが容易に高度な情報通信サービスを享受できるユーザーフレンドリーな端末機器の開発・普及、 [2] サービスの多様化に柔軟に対応できるような端末機器の共用化、などを推進することとしている(第3章参照)。

(2) ネットワークサービスを安心して利用することができる環境の整備
 ネットワークサービスを安心して利用することができる環境を整備するために、第4節で見たとおり、郵政省では、個人情報保護、無権限アクセスへの対応、情報流通ルールの整備、苦情処理体制の整備など、電子商取引等のサービスを安心して享受できるようにするための検討を行っている。



 

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