平成10年版 通信白書

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第2章 平成9年情報通信の現況

第3節 情報通信サービスの動向

 情報通信サービスの動向を、国内情報通信と国際情報通信のそれぞれについて見ると、次のとおりである。
 国内情報通信のうち、ISDNの基本インターフェース回線数(9年9月末、対前年同期比128.6%増)、携帯・自動車電話サービスの契約数(同70.4%増)、高速デジタル伝送サービスの回線数(同67.7%増)が高い伸びを示している。
 放送サービスについては、NHK衛星放送の契約数(9年9月末、対前年同期比10.0%増)、ケーブルテレビ(自主放送を行うもの)の契約数(8年度末、対前年度末比37.5%増)が高い伸びを示している。
 電波利用については、無線局数(8年度末、対前年度末比68.7%増)が高い伸びを示している。
 郵便サービスについては、9年度の内国郵便の引受物数が、前年度と比較して1.1%増となった(第2−3−1図参照)。
 国際情報通信のうち、電気通信サービスについては、国際電話取扱数(8年度、対前年度比11.4%増)が増加している一方で、国際テレックス取扱数、国際電報取扱数は、減少傾向が続いている(第2−3−2図参照)。
第2-3-1図 国内情報通信の動向
国内情報通信の動向の表
第2-3-2図 国際情報通信の動向
国際情報通信動向の表


  1. 電気通信サービスの動向

(1) 概況
 主な電気通信サービスの概要は次のとおりである(第2−3−3表参照)。
第2-3-3表 電気通信サービスの概要

(2) 電話サービス

ア 国内電話サービス
(ア) 契約数及びサービス提供地域
 NTTの加入電話契約数は、9年9月末現在6,124万契約(対前年同期比0.5%減)となっており、戦後初めて減少した。
 また、加入電話契約を事務用と住宅用とに分けて見ると、9年9月末現在、事務用は1,869万契約(対前年同期比1.9%減)、住宅用は4,255万契約(同0.1%増)である。伸び率は、3年度以降、住宅用の伸び率が事務用よりも高い傾向が続いており、契約数の比率は、住宅用が事務用の2倍である(第2−3−4図参照)。
 新第一種電気通信事業者について見ると、長距離系3社の市外電話サービス契約数(ID登録数の3社単純集計)は、9年9月末現在、3,680万契約(対前年同期比8.2%増)となっている。地域系では、TTNetのほか、9年6月からケーブルテレビ事業者の(株)タイタス・コミュニケーションズが、9年7月から杉並ケーブルテレビ(株)がそれぞれ加入電話サービスを提供しており、契約数は、9年9月末現在3社合わせて、2万5,000契約(同13.6%増)となっている。
第2-3-4図 NTT加入電話契約数及び伸び率(対前年比同期)の推移
NTT加入電話契約数及び伸び率(対前年比同期)の推移の表

(イ) トラヒック状況
 8年度における加入電話相互間の総通話回数と総通話時間(NTT、DDI、JT、TWJ及びTTNetの5社合計)は、それぞれ、総通話回数が882.3億回(対前年度比4.2%増)、38.6億時間(同0.8%減)となっている。
 総通話時間は2年連続の減少となったが、これは、携帯・自動車電話やPHSを利用した通話への移行や、マルチメディア化の進展によるISDN及び高速デジタル伝送サービスへの移行のためと考えられる。ただし、携帯・自動車電話及びPHSとの相互通話を含めた加入電話のトラヒックは、通話回数で7.8%、通話時間で2.3%の伸びを示している。
 総通話回数をNTTと新事業者(4社の合計)別に見ると、NTTが前年度に比べ2.2%増であるのに対して、新事業者は28.1%増となっており、総通話回数に占める新事業者のシェアは、前年度に比べ1.8ポイント増の9.5%となっている。
 また、NTTと新事業者は主に県間通話市場で競争しているが、県間通話回数に占める新事業者のシェアは、35.7%(対前年度比3.8ポイント増)と新事業者がシェアを伸ばした。
 なお、東京都、大阪府、愛知県相互の通話回数に占める新事業者のシェアは、56.4%(同0.6ポイント増)となっており、その過半数を占めている(第2−3−5図参照)。
 総通話回数及び総通話時間を「区域内通話」(市内通話料金(昼間3分10円)で通話できる単位料金区域の中に終始する通話)、「隣接区域との通話」及び「その他の区域との通話」に分けると、「区域内通話」の通話回数及び通話時間は、526.7億回(総通話回数の59.7%)、21.7億時間(総通話時間の56.2%)、「隣接区域との通話」が135.5億回(同15.4%)、6.3億時間(同16.1%)、「その他の区域との通話」が220.1億回(同24.9%)、10.7億時間(同27.7%)である。総通話に対して、「区域内通話」の占める割合が減少し、市外通話(「隣接区域との通話」及び「その他の区域との通話」)の占める割合が増加する傾向にある(第2−3−6図参照)。
 NTTと新事業者別に市外通話の通話回数及び通話時間を見ると、NTTについては、272.5億回(対前年度比4.7%増)、12.8億時間(同5.9%減)である。一方、新事業者については、83.3億回(同28.2%増)、4.2億時間(同20.0%増)となっている。
 総通話回数を1回当たりの通話時間別に見ると、1分以内の通話回数が508.1億回で最も多く、シェアは総通話回数の57.6%(対前年度比2.1ポイント増)を占めている。また、1分以内の通話は前年度より8.1%増加し、10分以上の通話は1.6%増加しているが、その他の通話時間における通話は、前年度と比較して減少しており、1通話当たりの通話時間は短くなっている。
 NTTと新事業者別に通話回数の構成を見ると、NTT、新事業者ともにシェアが増加している通話は1分以内の通話で、それぞれ、前年度より2.1ポイント増の58.4%、同4ポイント増の49.8%となっている(第2−3−7図参照)。
 地域ブロック別に区域内通話の比率を見てみると、大都市を抱える関東、東海及び近畿は50%台と低く、近隣に大都市がない北海道と沖縄は高くなっている。特に沖縄は各区域が群島になっているため、通話交流が区域内に限られる傾向があり、約9割の高い比率となっている。 また、一定の割合以上のトラヒック交流がある都道府県相互間の交流を見てみると、東日本は東京都、西日本は大阪府、九州は福岡県を中心に通話圏が形成されている一方、沖縄は通話圏として独立していることが分かる。
第2-3-5図 NTT、新事業者の通信回線におけるシェア
第2-3-6図 電話サービス 距離段階別通話回数及び通話時間
第2-3-7図 電話サービス 一回当たりの通話時間別通話回数

 

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