平成11年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 特集 インターネット

(3)認証

インターネットコマースでの安全性・信頼性を確保するためのインフラストラクチャー

 インターネット上での商取引においては、当事者同士が対面しないで取引を行うことから、取引の安全・信頼性の面で懸念が生じる。すなわち、取引の相手方が本当に本人であるかということと、送信された情報が通信途上で改ざんあるいは盗み見られていないかということを確認する必要がある。電子認証サービスとは、インターネットを介した通信を行う上で必要となるこれらの安全・信頼性を確保するためのインフラストラクチャーとなるものである。
 電子認証には様々な技術が用いられるが、例えば、現在主流になりつつある「公開鍵暗号方式」(1-コラム4参照)を用いた電子認証におけるインターネット上での店舗と顧客のやり取りは以下のとおりである(図表)。店舗及び顧客は、認証機関に対してそれぞれ「公開鍵証明書」の発行申請を行う(1))。認証機関においては、当該申請に対して審査を行い、承認後それぞれの公開鍵に対して公開鍵証明書を発行する(2))。店舗及び顧客は、発注から商品の送付に至るまで、インターネットを通じてやり取りを行う際、当該認証機関から発行された自らの公開鍵証明書を添付する(3))。これにより受信者側は、発信者が確かに本人であるということと通信内容が途中で改ざんされていないことを確認することができる(4)、5))。このように公正・中立な第三者である認証機関が介在することにより、インターネットコマースの安全・信頼性を相当程度確保することが可能となるのである。
 現在、我が国においては、本格的に電子認証サービスを行う企業が4社設立されている。現在のところ市場規模自体はそれほど大きくないが、最近のインターネットコマースの爆発的な普及に伴い、取引の安全・信頼性を確保する観点から、今後電子認証サービスに対する需要も大幅に伸びていくものと想定されている。電子認証サービスを行う認証機関は、公正・中立性が求められていることから、高度なセキュリティ技術の採用など、サービスを提供していくにあたり様々な要素が求められるが、我が国の電子認証事業者4社は、いずれも金融機関、情報通信機器メーカー、セキュリティサービス会社、商社等の大企業の出資により設立されており、これらの各業界が電子認証サービスに対して寄せている関心の高さがうかがえる。

B1253001.gif

 

(2) 機器 に戻る (4) 決済 に進む