平成11年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 特集 インターネット

2 社会活動
(1)コミュニティ

掲示板、チャット等の集合体がWWWサイトとして提供されるインターネットコミュニティが拡大

 インターネットコミュニティは、旅行、スポーツ、地球環境、ゲーム、仕事、健康管理等のように、ユーザーのありとあらゆる共通の関心事項をテーマとした掲示板、チャット、メーリングリスト、個人ホームページの集合体がWWWサイトとして提供されることによって形成された、仮想的な社会空間である。プロ野球に関心を持つユーザーのケースを例にみると、まず、あるユーザーが、野球という共通の話題を持つ他のユーザーとの会話を求めてインターネットコミュニティの中に入る。インターネットコミュニティの中には、球団別や選手別に掲示板やチャットが用意され、そこでユーザーは、球団や選手への応援、批判など自分の考えを自由に表明することができる。さらに、同じ関心を有するユーザーとインターネット上で出会い、会話をする機会を得ることができるというものである。
 米国では、距離の制約がなく広範囲の人々が集まり、時間的にも自由、匿名も可能といった特性が好感されて、インターネットコミュニティが急速に拡大している。こうした魅力のほかに、拡大のもう一つの要因として、コミュニティの事業化に取り組んだ企業の存在がある。広告を主な収入源とするWWWのメディア・ビジネスにおいて、コミュニティ運営は、企業側が場所と仕組みを用意するだけで、コンテンツを開発する必要がない。また、コミュニティは人を集めるとともに、繰り返し訪れさせるリピート力を持つ。これらの性質がページビューによって価値の決まる広告販売に適した形態であったことが、コミュニティ専門のWWWサイトの急速な増加を促した。
 検索サイトやコンテンツ・サイト、ショッピング・サイトでも、リピート性を高めるためにコミュニティ機能を付加するケースが多く、メディア・メトリックス(Media Metrix)社( http://www.mediametrix.com/)の「WWWサイト到達率調査」(1998年12月/単独サイト/家庭・職場ユーザー統合ランキング)によれば、米国で最も人気の高い25のWWWサイトのうち、20サイトがコミュニティ専門サイトであるか、あるいは内部でなんらかのコミュニティ機能を備えている。個人のホームページに簡単に掲示板機能を付加できるフリーウェアも出回っており、このようなコミュニティ提供の場の増加が、利用人口の拡大に直接大きな影響を与えている。
 一方、WWWがインターネットコミュニティの形態の多様化を促したことも、発展の要素として無視できない。インターネットコミュニティには、掲示板(フォーラム、電子会議室ともいう)、チャット、メーリングリスト、個人ホームページ集合体等のオープンな形態のほか、あらかじめ知り合い同士のグループで、写真アルバムやカレンダー式予定表、アドレスブック等を共有するプライベート・コミュニティもある。こうした形態の多様化により、利用者の参加度合いは、単なる情報収集・発信のみから、積極的に交流したり、自らコミュニティを主催するまで、個人の好みに応じて自在となっている。

B1321001.gif

関連サイト:ジオシティーズ(米国)(http://www.geocities.com/)
       ザ・グローブ・コム(米国)( http://www.theglobe.com/)
       iビレッジ(米国)(http://www.ivillege.com/)
       サードエイジ(米国)( http://www.thirdage.com/)
       ジオシティーズ(日本)(http://www.geocities.co.jp/)
       ガーラフレンド(日本)(http://www.friend.ne.jp/)

 

(5) 働く女性 に戻る (2) ボランティア に進む