平成11年版 通信白書

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第1章 特集 インターネット

(6)高齢者・障害者の社会参加

パソコン・インターネットに慣れ親しむ場を提供する活動が登場

 米国においては、サンフランシスコに本部を置き、55歳以上を対象としたパソコン学習センターとオンライン共同体を高齢者自らが運営する非営利団体として、シニアネットが1986年に設立され、会員は2万人に達している。一方、我が国においては、このような全国規模の活動は存在しないものの、高齢者・障害者の社会参加の手段として、パソコン・インターネットの活用を促進する地域住民主体の草の根的な取組が見られるようになっている。
「コンピューターおばあちゃんの会」(http://www.jijibaba.com/)は、こうした活動を行うグループの一つである。最初は区報を通じて会員を募集し始めたが、今では地元世田谷区(東京都)以外からの参加者も含め、11年2月現在の会員数は200人を超え、最高齢者は88歳で重度障害者2名を含め何らかの障害を持つ高齢者も多い。会では、パソコンに対する不安を取り除くことを目的に、パソコン講習やOA機器探検ツアー(パソコンショップ巡り)を開催しており、サポーターと呼ばれるボランティア(採用条件は、10回同じ質問をされても怒らないこと)が、遠方の会員宅を訪問してパソコン操作を指導することもある。
 主宰者の大川加世子さんは、超高齢化を迎え、パソコンやインターネットが身体の衰えを補い、高齢者・障害者の自立を助ける道具として活用できるのではないか、と考えている。高齢者や障害者が、パソコンやインターネットに慣れるまでには時間がかかり、サポーターには忍耐と根気が強いられるが、電子メールの送受信をマスターして、メーリングリストで会員やサポーターとの会話を楽しむまで上達し、活動を重ねる間に、明るさと元気を取り戻す会員も多いという。

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