平成11年版 通信白書

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第1章 特集 インターネット

3 インターネットの高度化
(1)インフラストラクチャー

トラヒックの増加に伴い国内、国際を問わず回線増強が急務

 我が国と諸外国間におけるインターネット用回線容量について、商用インターネットベースでみると、11年1月現在の回線総容量は1,430Mbps(対前年同期比37.2%増)であり、年々増加している。いずれの年においても、対米国が回線総容量の約95%を占めており、米国はインターネットにおけるハブ的存在となっている。また、日本と米国間の回線総容量は10年1月が対前年同期比119.5%の伸びであるのに対し、11年1月は対前年同期比35.5%増にとどまった(図表1))。インターネット利用者の増加やマルチメディア化の進展に伴い、インターネットの高速化を求める声が高まる中、ISPは回線容量の増強や国際間の接続といった、様々な回線確保への対応を求められているが、米国との間では海底ケーブルの容量不足が徐々に影響してきており、回線容量の確保に苦慮しているものと想定される。
 一方、米国以外の国及び地域との接続については、11年1月における回線総容量で対前年同期比74.7%増となっており(図表1))、11年1月現在19の国及び地域に接続している(図表2))。
 最近のインターネット用回線の主な整備状況としては、KDDが、10年9月に日米間の回線を135Mbpsから245Mbpsに拡大したほか同年6月にフランス、同年9月にロシアやニュージーランド等これまで直接接続していなかった国に対しインターネット用回線をそれぞれ新設した。また、11年3月にIDCが日米間に155Mbpsの回線を新設し、総容量245MbpsとKDD並の容量となった。
 国内においては、各ISPが回線確保のため相互に接続しトラヒックを交換するIX(Internet Exchange)の利用が著しい。最も中核的なIXであるNSPIXP2(http://xroads.sfc.wide.ad.jp/NSPIXP)や商用IXであるJPIX(http://www.jpix.co.jp/)のインターネットのトラヒックは、いずれも1年前の倍以上のペースで伸びている(図表3)、4))。各IXにおいては、接続回線容量の増加が著しく(図表5))、また、東京-大阪間のインターネット用回線総容量も、11年1月は前年同期と比べて約3倍に伸びており(図表6))、インターネット用回線の増強が急速に進められている。
 今後、数十〜数百Gbpsの伝送容量の光海底ケーブルが敷設される予定(2-3-1参照)であり、また、現在T(テラ)(1012)bpsクラスの高速伝送技術の研究が行われているところであるが、現段階のトラヒックの伸びを考慮するとTbpsクラスの基幹網の敷設とP(ペタ)(1015)bpsクラスの高速伝送技術の研究が必要になるのは時間の問題であると考えられる。

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